最終更新 2006.4.4.
事件の概要 | 被告 | 判 決 | 内容・備考 | 参考 | |
いじめ自殺 | 1975/11/20 新潟県加茂市 加茂農林高(定時制高) 男子生徒(高4・19)が、 いじめ自殺。 |
1978/ 学校設置者(県)に、学校の保護・監督・指導責任を問う。 生徒5人の保護者と学校設置者に併せて、計2600余万を賠償請求。 |
1981/10/27 新潟地裁で 棄却(確定) |
自殺の予見不可能。 「自殺は自殺者の内心に深くかかわることであり、他人が予見するためには、自殺するという意志が具体的な言動となって認識できなければならない。このケースではそれがなかった。したがって、予見できなかった学校側に過失はなかった」として遺族請求を全面的に棄却。 |
751120 判例時報 1031号 158頁 |
いじめ傷害 | (1977/08-)1977/12 長野県長野市 市立吉田小 転校してきた男子児童(小6・12)が、校舎2階階段踊り場で、同級生2人に手をつかまれ振り回され、前方に倒れ肋骨不全骨折等の傷害を負った。 |
1982/ 学校設置者・生徒2人の保護者に被害者本人と被害者母の損害賠償請求。 |
1985/2/25 長野地裁で 一部認容 被害者本人に対して220万413円の賠償金。 被害者母への損害賠償請求棄却。控訴。 |
担任教師の転校生に対する暴行について予見可能性を肯定。 転校直後のほかの暴行事件に対する事後処置の不十分さと担任教師自身の体罰による暴力容認態度も、本件発生の要因とした。 |
資料1 資料2 資料3 |
1986/11/25 東京高裁で 逆転敗訴。 |
教師に注意義務違反はなかったとした。 | 判例地方自治47号 38頁 |
|||
暴行殺人 | 1978/08 島根県 県立研修所 農林従事者の養成を目的とした全寮制の研修所寄宿舎で、男子生徒(19)が、4人の同寮生から集団暴行を受け死亡。 |
1979/ 提訴。 |
1981/3/31 松江地裁で 原告一部勝訴 630万円の支払を命じる。 |
資料2 資料3 |
|
いじめ傷害 | 1979/11/01 埼玉県浦和市 市立三室小 女児(小4・9)が、ずっこけと称する遊びで、足元に滑り込みをかけられ転倒、前歯2本脱臼等の傷害。 |
1982/ 学校設置者・生徒2人の保護者に約644万円の損害賠償請求 |
1985/4/22 浦和地裁で 1審勝訴 市と1人の親に273万円の賠償金命令。 |
高山裁判長は、「抽象的・一般的な指導にとどまらない」「いじめの根絶対策をやっていなかった教師に責任がある」として、学校の監督義務違反を認めた。 加害者の両親については、「子どもの全生活関係にわたってこれを保護監督すべき」として監護教育義務違反を認めた。 |
791101 |
被告控訴。 東京高裁で 和解 |
市が150万円、男子児童の両親らが100万円支払うことで和解。 | ||||
いじめ自殺 | 1980/09/16 大阪府高石市 市立高石中 中尾隆彦くん(中1・12)が、同級生からの暴行・恐喝を苦に自殺。 |
1981/5/19 学校設置者・生徒6人の保護者を相手に計2200万円の損害賠償請求。 真相究明、学校の指導管理責任を問う。再発防止を目的とする。 |
1986/3/31 1審和解 加害者両親が200万円の慰謝料。 |
和解内容 1.この教訓を教育行政・教育現場に生かす 2.加害者両親が連帯して200万円の慰謝料を支払う 和解後も被告側は慰謝料は暴行・恐喝に対して払うもので自殺との因果関係は認めない。 |
800916 |
いじめ傷害 | (1980/04-)1981/01 兵庫県芦屋市 市立潮見中 男子生徒(中1・13)が、同じ小学校出身の同級生X(中1)から日頃、いじめられていた。1時限目にXから背後から首を強く数回揉まれ、やめるよう懇願したがやめないため、手てで払ったところ、腹にあたった。Xは立腹し右手拳で顔面殴打、男子生徒は左右両中切歯脱臼。 |
1982/ 学校設置者・生徒 |
1985/9/26 神戸地裁で 一部認容(確定) 同級生に慰謝料など110万円の損害賠償金命令。 市に対する損害賠償請求棄却。 |
いじめ否定。 事故の予見可能性否定。 学校の責任否定。 |
資料1 資料2 資料3 判例時報 1182号 123頁 |
暴行殺人 | 1983/8/29 京都府京都市 花園大学の応援団の夏合宿で、男子部員(大1・18)が、上級生から「気合いを入れる」と竹刀や素手で殴られ脳圧迫のため死亡。 |
両親が学校法人花園学園を相手に総額7400万円の損害賠償を求めて、民事訴訟。 |
最高裁の坂上寿夫裁判長は、 「大学の執行部会議や教授会は、暴力行為をやめるよう応援団に強く要請、指導し、部室の明け渡しや懲罰処分など具体的な措置をとる義務があった」と述べた。 |
830829 |
|
2審 大学に約2100万円の支払い命令 |
|||||
1992/10/6 最高裁 2審判決を支持(確定) |
|||||
いじめ対策放置 | 1984/ 広島県世羅郡甲山町 女性Aさん(20)が、1984年、町立保育園に通っていた当時、トイレでスリッパがなくなる事件が相次いで発生。疑いをかけられたAさん一家は福山市内に転居。その後も保育所ではノートなどが紛失。 89/Aさんは同町に戻り、町立小学校5年に編入。「保育所時代の噂が原因で本人や家族に影響が出ないよう対策を講じて欲しい」と町に要望し、町も約束したが、卒業直前までいじめがあった。 |
広島県世羅郡甲山町に1100万円の損害賠償を求めて提訴。 |
1999/4/6 広島地裁尾道支部で 原告勝訴。 甲山町に慰謝料など330万円の支払いを命じる |
「町は問題点を把握し、対策を約束していた」というAさんの主張を認め、「約2年間、何の対策も講じなかったのは違法」とした。 | 1999/4/7 中国新聞 (月刊「子ども論」1999.7) |
いじめ転校 | (1985/04-)1986/02 東京都杉並区 杉並区第三小 男児(小1・7)が、クラスの複数の生徒から毎日のようにいじめを受け、小児神経症を発症し、長期欠席、転校を余儀なくされた。 |
1986/ 学校設置者 |
1990/4/17 東京地裁で 棄却。(確定) |
「本件での『いじめ』は、原告が小児神経症を発症させた誘因になっていたと認められるものの、それが唯一の誘因であるということはできない」とした。また、いじめの程度がひどくなく、教師側のいじめ対策に過失なし。 | 資料1 資料2 資料3 判例タイムズ753号 105頁 |
いじめ殺人 | 1985/07/ 広島県 小田陽一くん(小4)が、川で溺死。警察は事故死扱い。両親の執念の調査で、顔見知りの中学生から、溺れさせられたことが判明。 |
1985/9/12 加害少年と両親を相手取って、約5700万円の損害賠償請求 |
1991/2/27 広島地裁で 勝訴 |
原告側が主張する事実関係を認める。 | 「少年にわが子を殺された親たち」/ 黒岩克史/ 草思社 |
1986/7/19 (阿部署)広島県を相手に200万円の国家賠償を求めて提訴。「事件の真相を把握していたにもかかわらず、原告や報道機関に虚偽の事実を告げた」として警察の不法行為を訴えた。 |
1993/5/21 1〜最高裁 棄却 |
「捜査結果の告知は捜査機関の裁量範囲」とする一審判決を支持。 | |||
いじめ自殺 | 1985/08/26 三重県白山町 全寮制高校・私立日生学園第二高校 多田武秀くん(高1・15)が、剣道部のいじめやしごきに耐えかねて自殺。 |
学校設置者 いじめ防止義務違反を問う。 |
1993/3/18 1〜最高裁 棄却 |
自殺予見不可。 「本人が数日前に自殺未遂したことを学校側は知らされていなかったうえ、本人にも死をうかがわせる深刻な表情がなく」「学校側が自殺を客観的に予見できる状況にはなかった」とした2審を支持し、上告を棄却。 |
850826 |
いじめ登校拒否 | 1985/09 東京都羽村町 町立羽村一中 生徒(中3・14)が、同級生数人からの度重なるいじめで、自律神経失調症になり、3年の後半から登校拒否。 |
1986/ 学校設置者である羽村町 いじめから登校拒否となり、希望する高校への進学もできず、経済的、精神的な損害を受けたとして、治療費・慰謝料など694万円の損害賠償請求。 |
1991/9/26 東京地裁八王子支部で 棄却(確定) |
いじめの部分的個別事実認定。いじめが登校拒否の一因と認定。しかし、いじめ対策措置の時期・内容は学校側の裁量であり、学校側の過失なし。 「被告の町側には安全配慮義務違反はなかった」として、棄却。 |
850900 |
いじめ自殺 | 1985/09/26 福島県いわき市 市立小川中 佐藤清二くん(中3・14)が、同級生の番長グループからの暴行・恐喝を苦に自殺。 |
1986/8 学校設置者・主犯格生徒1人の保護者を相手取って、いじめ防止義務違反を問う。 |
1986/8 500万円で生徒と和解 |
管理責任認容。 「悪質ないじめが原因の自殺に関しては、必ずしも具体的な自殺の予見可能性があったことを要しない」と認める。 自殺4、家族3で7の原告過失相殺。 |
850926 |
1990/12/26 福島地裁いわき支部で 1審勝訴(確定) 1109万 |
|||||
いじめ自殺 | 1986/02/01 東京都中野区 区立富士見中 鹿川裕史くん(中2・13)が、いじめ自殺。 「葬式ごっこ」の色紙には4人の教師も署名していた。 |
1986/6/23 学校設置者・生徒2人の保護者がいじめを放置したとして、総額2200万円の損害賠償請求。 いじめによる自殺再発防止の具体的指針を三当事者(被害者・加害者・教育行政当局)で作り上げることが目的。 |
1991/3/27 東京地裁で 1審一部認容(実質敗訴) 学校の安全義務違反に基づく慰謝料300万円と弁護士費用100万円。 |
予見可能性を否認、いじめの存在そのものを否定。 86年1月以降の暴力のみ認定。 |
860201 |
1994/5/20 高裁 原告勝訴(確定) 都、中野区、同級生2人に1150万円(慰謝料1000万円、弁護士費用150万円)。 |
菊池信男裁判長は、自殺との因果関係認定。予見不可能として自殺損害については認められなかった。 | ||||
いじめ自殺 | 1986/02/22 大阪府西成区 市立橘小 男児(小6・12)が、いじめを苦に自殺。 |
1989/3/27 生徒の保護者に、1100万円の損害賠償請求。 |
1990/8 1審棄却 学校及び加害者側の拒否対応により、いじめについての十分な立証ができなかった。 |
いじめを否定。予見不可能。 「いじめでは被害者が登校をいやがるなど、いくつかサインがあるがそれがなかった」として、司法が「いじめの基準」を示したのは初めて。 |
860222 |
暴行殺人 | 1987/6/24 福岡県久留米市 市立筑邦西中学校 今井良隆くん(中2)が、休み時間中に金の貸し借りをめぐり同級生の男子生徒から殴られるなどして意識不明。10/2死亡。 |
同級生と久留米市に、6800万円の損害賠償請求。 原告側は、加害生徒はふだんから粗暴で、学校は休み時間を含め暴力事件が起きないよう監督すべきだったと主張。 対して、市は、加害生徒は特に問題行動もなく、事件は偶発的で予測不可能な「事故」と反論。 |
1991/7/26 久留米地裁で 一部認容 同級生に約5080万円の支払い命令。 久留米市に対しては請求棄却。 |
学校側が「事件を予見するのは不可能だった」とした。 | 199/7/27 西日本新聞 (月刊「子ども論」1991・9) |
いじめ傷害 | 1988/11/ 大阪府大阪市 市立十三中 男子生徒(中3)が、同級生からの度重なるいじめのうえ、暴行を受け出血性ショック外傷脾臓破裂により脾臓を摘出する。 |
1991/ 加害少年・大阪市を相手取って、暴行行為により受けた損害について2882万円の損害賠償を請求。 |
1995/3/24 大阪地裁で 原告勝訴(確定) 加害少年1名、市らの連帯による約2418万円の損害賠償命令 |
いじめを認定。 「被害者からの申告がない場合にも学校側にいじめ対策義務がある」ことを肯定。 学校側のいじめ防止措置の不十分さに過失認定。 |
881100 |
いじめ自殺 | 1988/12/21 富山県富士市 市立奥田中 岩脇寛子さん(中1・13)が、いじめ自殺。 |
1996/10/30 学校設置者 安全保持義務不履行、調査報告義務不履行。 |
2001/9/5 富山地裁で 原告の訴えを棄却。 |
徳永幸蔵裁判長は、市の安全保持義務、調査・報告義務違反を否定。 担任の対応で一時は効果があったとして、いじめを防ぐための注意義務違反を否定。 自殺予見は不可能。 自殺後の調査・報告の法的義務なし。 |
881221 岩脇克己さん陳述書 |
2003/12/17 名古屋高裁金沢支部で、原告の控訴を棄却。 |
長門栄吉裁判長は、一審判決を支持し、「担任は相当の教育的配慮に基づいて指導し、自殺時にはいじめがなくなっていたので、報告する義務もなかった」として、控訴を棄却。 | ||||
2004/6/10 最高裁 不受理。原告敗訴確定。 |
|||||
いじめ自殺 | 1989/10/02 岡山県鴨方町 町立鴨方中 北村英士くん(中3・15)が、「ふくろだたきにあいそうだ」と遺書を残して自殺。 |
1991/3/25 学校設置者に、いじめ防止義務違反があったとして、総額約4600万円の損害賠償請求。 |
1994/11/29 1審棄却(確定) |
継続的かつ反復的に暴行脅迫恐喝等を伴う「いじめ」がなされていた事実をうかがわせるような証拠は全くないとして、いじめを否定、自殺の予見可能性を否定。 | 891002 |
いじめP T S D |
1991/1/26 秋田県天王町 天王中学校 男子生徒(中2)が変形学生服の売買を教師に告げ口したと、休み時間に上級生3人(中3)から暴行を受け病院に運ばれた。その後、心因反応で記憶の喪失がひどくなったり、情緒的に赤ちゃん返りをするなど、治療のため引っ越しして転校。入退院の繰り返した。 |
1992/11/14 Aくんと両親が、学校設置者である天王町と加害少年3人と親権者を相手どって、原告本人1000万円、原告父865万7440円、原告母300万円の計2165万7440円の損害賠償を求めて提訴。 |
1995/9/22 秋田地裁で 一部認容 加害少年に 計384万8440円の支払い命令。 |
継続的ないじめを否定。 暴行の予見可能性を否定して、学校設置者の安全義務違反を否定。親権者の責任を否定。 中学3年生の責任能力を肯定して賠償責任を肯定。 |
910126 |
原告控訴 | |||||
暴行殺人 | 1991/4/23 仙台市白河市 市立中央中学校 我妻和光(かずあき)くん(中1・12)が、の体育の授業中、同級生に『失神遊び』でふざけて首を締められ、集団で暴行されて死亡。 |
1992/9/21 「死亡したのは級友の暴行が原因で、学校の安全管理、救急体制などに問題があった」として、市に対して、計9376万7386円の損害賠償請求。 |
1997/4/24 福島地裁郡山支部で 一部認容 4970万8900円支払い命令。 控訴。 |
910423 | |
1999/2/24 仙台高裁で 逆転敗訴 |
|||||
いじめ事件 | 1991/4/ 千葉県神崎市 町立神崎中学校 男子生徒(中2)が入学直後から同級生4〜5人にトイレなどに連れ込まれ、2年足らずの間に計1万回以上も殴られた。髪や眉毛を抜かれ、ズボンを破かれるなどした。 |
1996/1/18 男子生徒と両親が、町と同級生5人の父親に総額5300万円の損害賠償を求めて提訴。 同級生4人の父親は「単なるふざけだった」と主張。町も「いじめという認識はなかった」と主張。 |
2001/1/24 千葉地裁で 一部認容 同級生4人のいじめを認定。 町と4人の父親に総額760万円の支払命令。 残る1人の元同級生の父親に対する請求は棄却。 |
及川憲夫裁判長は、「暴行は執拗かつ悪質で、ふざけ半分の域を超えている。学校は表面的な判定で決めつけるべきではない」「いじめのうち相当多数が教師の目の届く場所で行われていたと推定できるのに、学校は漫然と傍観しただけで、防止措置を怠った」として町の過失を認めた。 |
910400 |
2001/12/20 東京高裁で 一部認容 一審判決の事実認定を支持し、町と元同級生の父親4人に計690万円の賠償金支払いを命じた。 |
担任教諭らはいじめを把握できていたとして、町の賠償金を一審より15万円増額し455万円とした。また、ふざけていただけという元同級生の主張を退け、男性が受けた暴力は長期間継続した執ようなものだった、と一審と同様にいじめを認めた。 | ||||
いじめ退学 | 1991/09/ 埼玉県大宮市 私立埼玉栄高校 男子生徒(高2・16)が、相撲部の寮で、同級生の部員(高2)らに、就寝中ライターで手足に火をつけられたり、現金を無理やりとられるなどのいじめを繰り返し受け、登校拒否になり退学。 |
1992/6/25 相撲部の監督、学校法人・加害同級生2名に対して、計456万4000円の損害賠償を請求。 |
1995/12/22 浦和地裁で 一部認容(確定) 相撲部の監督、学校法人、加害同級生1名に対して、55万円の損害賠償命令。 |
合宿所でのいじめを認定。加害者本人の責任肯定。相撲部監督および学校法人の監督責任および使用者責任肯定。 | 910900 |
いじめ自殺 | 1991/09/01 東京都町田市 市立つくし野中 前田晶子さん(中2・13)が、いじめ自殺。 |
1993/1/22 市教育委員会 学校設置者 作文非開示取消訴訟。 |
1997/5/6 1棄却。 |
「作文は生徒の個人情報」とし、生徒との信頼関係がこわれることを理由に非開示処分。 |
910901 |
1999/8/12 2審控訴棄却。 |
|||||
1995/2/20 学校の調査報告義務を問う裁判。 親には学校に対して、わが子の死因を調査して報告することを請求する権利があることを明らかにしたかった。 |
1999/11/12 1審和解。 深謝、報告義務違反を認める、将来の事実調査に対応、再発防止、を約束。 |
現行法には「親の知る権利」と「学校の説明責任」を根拠づけるにたる規定がなく、実質的にこれを実現する途として和解を選択。 (1)深謝(自殺劇・嘘偽報告) (2)報告義務違反事実を認める (3)町田市らは遺族の将来の事実調査に真摯に対応する (4)今後、重大事件においては、親と誠意をもって情報交換し、問題解決のための最大限の努力をするという約束をとりつける。 |
|||
いじめ事件 | 1991/9/27 石川県河北郡 七塚町立七塚小学校 男児(小5)が、児童13人(小5)にロッカーに閉じ込められ、殴る、蹴る、水をかけるなどの集団暴行を受け、2週間のけがを負う。その後半年間、Aくんは登校できなくなった |
1992/6/30 両親が、児童7人の親権者と学校設置者である七塚町を相手どって、320万円の損害賠償を求めて提訴。 |
1996/10/25 金沢地裁で 一部認容。 町と児童の親権者に約35万円の支払い命令。 被告控訴。 |
いじめの認定。学校に対して、暴行行為の予見可能性を認め安全義務違反を問う。 親権者に対しては、監督義務の範囲は、家庭内外を問わず、原則として子供の生活関係全般に及ぶべきもの。説諭のみでは保護監督義務を尽くしたとはいえないとした。 |
910927 判例時報1629号113頁 |
1997/10/29 名古屋高裁で 町と親権者に60万円の支払い命令 |
学校側の対応に教育的配慮を欠いた点があったことを認め、学校と児童の親が誠意ある謝罪をしていないことなどを理由に一審判決より増額。 | ||||
暴行殺人 | 1991/11/15 大阪府豊中市 第十五中 女子生徒(中3・15)が、男女4人の生徒に暴行されて死亡。 |
1992/ 学校設置者・加害生徒4人の保護者を相手どって、計6578万円の損害賠償請求。 |
1997/4/23 大阪地裁で 1審一部認容。 保護者に5471万支払命令。 市に対する請求は棄却。 |
親権者の監督義務違反、学校の予見可能性を否定。 | 911115 |
原告控訴。 | |||||
暴行殺人 | 1992/1/10 長野県飯田市 県立飯田高校 昼休み、生物部部室で応援団長の男子生徒(高3)が入団の勧誘を断った小野寺仁くん(高2)を「態度が大きい」と刺殺。 |
長野地検飯田支部は、少年を殺人と銃刀法違反の罪で起訴。家裁送致後、刑事事件相当として地検に逆送。 | 1993/3/23 長野地裁飯田支部で 懲役5年以上7年以下の判決。 |
生田治郎裁判長は、第一撃においては殺意を抱いていたと認定。一方、犯行直後に自ら119番通報し、被害者の近くにいた者に止血を指示したことや取り調べに対する供述から、「犯行は偶発的、激情的」として傷害致死罪を適用。 | 920110 |
1992/3/27 学校の管理責任をめぐって、県・校長・加害者の担任教師に対して、計7500万1978円の損害賠償請求。 |
1998/4/14 長野地裁で 棄却。 |
殺人事件の予見可能性を否定して、「学校および県に責任なし」と判決。 | |||
1999/9/28 高裁 一部認容。 約3300万円の支払い命令。 |
公立高校における在学契約上の安全配慮義務の肯定。「(暴力団との)関係を知らなかったこと自体に指導上の義務違反がある」とした。学校側に「犯行は十分に予見できた」として「管理者責任あり」と判決。 | ||||
2001/6/ 最高裁で原告勝訴(確定) |
|||||
いじめ事件 | 1992/11-1995/3 大分県臼杵市 中学校 男子生徒が同級生で同じクラブ所属の男子学生から、中学1年時から卒業まで、夏休みに宿題をやらされたり、試験の答案の白紙を強要される、暴行を受け現金計30万円ほどを脅しとられるなどのいじめを受けた。中学2年生の2学期からは学校を欠席するようになっていた。 |
同級生は恐喝容疑で家裁送致されたが、審判不開始の決定。 | 1999/10/25 大分地裁で 勝訴 元同級生に90万円、両親に4万円の支払い命令。 |
一志泰滋裁判長は、被告側はいじめを否定していたが、「原告が長期間のいじめにより精神的苦痛を受けたのは明らか」、両親についても、「いじめを知った時点で子どもを指導、監督する義務があったのに怠った」として、原告側の訴えをほぼ認めた。 | 1999.10.25 西日本新聞夕刊(「月刊子ども論2000年1月号/クレヨンハウス」) |
1996/10 元同級生と両親に慰藉料など360万円の損害賠償を求めて提訴。 |
|||||
暴行殺人 | 1993/01/13 山形県新庄市 市立名倫中 児玉有平くん(中1・13)が、学校体育館のマットの中で窒息死して発見された。 |
少年審判 |
1993/8/23 山形家裁で 7人中3人を無罪判決。3人を有罪判決(D、Eを初等少年院送致、Fを教護院送致の保護処分)。Gは12歳で対象外。 |
A、B、Cに対する目撃証言を信用できないとして、無罪とした。 D、E、Fに関しては目撃証言や供述を採用、有罪とした。 |
930113 |
少年審判 |
1993/9/16 仙台最高裁で D、E、Fの控訴を棄却。 |
高裁と最高裁は抗告を棄却する一方で、家裁の認定を覆し3人のアリバイを否定、7人全員が事件に関与していたと判断。(ただし、一度無罪判決の出た少年たちの処遇が変わらず) | |||
学校設置者 加害生徒7人の保護者 少年審判では事件の真相が明らかにされなかったため真相究明。安全保持義務不履行を問う。 |
2002/3/19 山形地裁で 棄却 元生徒7人は事件に関与なしとし、市の管理責任も認めなかった。 |
手島徹裁判長は、自白は取調官の誘導とし、捜査段階における被告の元生徒らの供述、目撃証言もほとんど否定。7人全員のアリバイを認め、事件に関与した証拠はないと判断。 学校(市)についても、管理責任追及を退け、7人の関与が立証されない以上、賠償責任はないと結論。(me020320参照) |
|||
2004/5/28 仙台高裁で 元生徒7人全員の事件への関与を認め、計約5760万円の支払い命令。 学校側の管理責任は認めなかった。 |
小野貞夫裁判長は、有平くんが自らマットに入った可能性は低いとして事件性を認めた。1審と控訴審で撤回された上級生の目撃証言は信用できるとし、7人のアリバイを崩す目撃証言を採用。自白調書の信用性も認めた。共同不法行為が成立すると判断。 学校の管理責任は、「いじめ死」と断定せず、予見性を否定。 |
||||
2005/9/6 最高裁で、元生徒7人の加害行為を認定。上告を棄却。仙台高裁判決が確定。 |
|||||
いじめ自殺 | 1993/5/6 秋田県鹿角市 秋田公立高校 大槻浩一くん(高1)が、連休明けに自宅前て首吊り自殺。 |
1994/12/20 学校を設置・管理する公立高等学校組合 慰謝料など6870万842円の損害賠償を求めて提訴。 |
1996/11/22 秋田地裁で 棄却 |
一定のいたずら・いやがらせの事実を認定したが、自殺との事実的因果関係否定。 | 930506 |
原告控訴後、和解。 | |||||
いじめ自殺 | 1994/07/15 神奈川県津久井町 町立中野中 平野洋くん(中2・14)が、いじめ自殺。 |
1997/5 学校設置者に注意義務違反と両親に対して報告義務を怠ったことで、不法行為及び債務不履行責任を理由に8000万円を損害賠償請求。 生徒10人に対して共同不法行為責任で各100万円の損害賠償請求。 |
2000/7 横浜地裁で勝訴 町・県に3947万円、元同級生9人に計200万円の支払い命令。 町・県・元同級生9人が控訴。 原告も付帯控訴 |
自殺との因果関係認容 加害生徒たちに共同不法行為認定(一つひとつの行為は軽微でも、全体としては重大な不法行為) 学校に監督義務違反を認定 原告側に4割の過失相殺。 (両親の自殺防止への不十分を理由) |
940715 |
2002/1/31 東京高裁で勝訴 賠償金額を町と県に2160万円、元同級生9人に120万円を連帯して支払うよう命令。(確定) |
奥山興悦裁判長は、自殺との因果関係認容。 生徒たちの行為を「いじめ」と正面から認める。 報道や個々の行為(いじめ自殺)の頻発の認識を理由として自殺の予見可能性認定。 安全配慮義務違反の内容が明確。 報告義務違反についても言及。 原告側に7割の過失相殺。 (親の監督義務違反、本人がいじめを打ち明けなかったことが理由) (me020203参照) |
||||
いじめ傷害 | (1993/4−)1995/3 大阪市 市立小学校 男児(小6・12)が、93/4入学直後から、同級生らからプロレスごっこなどでいじめられ、95/3には、1人に足をかけられ転倒し、頭にケガをした。 |
1995/6 大阪市と同級生だった男児6人の両親 計約880万円の損害賠償請求。 |
1998/12/2 大阪地裁で 一部認容 同級生1人に対していじめを認定、慰謝料など約27万円の支払いを命じた。 市とほか5名への請求棄却。 |
不法行為となるいじめを「一方的に身体的、心理的な攻撃を集中、継続的に加え、相手に深刻な苦痛を与えた場合」と限定。賠償責任を負ういじめをしたのは1人だけと認定し、「ほかの児童との衝突は偶発的、散発的」とし、学校側については「一定の指導はあった」として、安全配慮義務違反はない」と判断。 | 950300 |
2000/11/30 大阪高裁で 一審判決を変更。大阪市の責任を認め、市も連帯して同額を賠償するように命じた。 |
見満正治裁判長は、「市はいじめから児童を守り、問題が起きたら原因を調査して適切な指導をする義務がある」「担任の教師は、原告の児童が特定の児童にいじめられて何度も泣いていたのを知りながら、いじめた児童の親と改善策を話し合い、校長らとともに解決にあたるべき義務を怠った」と判断。 5人の子どもの行為については、「違法性があったとしてもわずかなもので、不法行為責任があったとまではいえない」とした。 |
||||
シゴキ殺人 | 1995/5/13 東京都伊豆大島の 東京都立大島南高校寄宿舎の1年生の生徒12人が、3年生3人に命じられて、堤防から10メートル下の荒海に飛び込み、4人が死亡。 |
遺族が都と上級生らを相手どって、3億円の損害賠償を求めて提訴。 |
2000/12/22 東京地裁で 勝訴 都と上級生ら3人に総額2億7千500万円の支払命令。 |
土屋文昭裁判長は、1年生は3年生に「強制的に飛び込みを命じられた」と認定。学校側も、いじめの延長線上で飛び込みが行われたとことを知っており、事故は予想できたとして、これを放置した学校側の管理責任を認めた。 | 950513 |
いじめ自殺 | 1995/11/27 新潟県上越市 春日中 伊藤準くん(中1・13)が、いじめ自殺。 |
加害生徒6名とは示談成立。 1997/11/26 学校設置者を相手に、6千万円余りの損害賠償請求。真相の究明、いじめ自殺が一見して派手ないじめ以外でも起こりうることの証明、安全配慮義務の認定、「見ないが勝ち」を許さない。 |
2002/3/29 新潟地裁高田支部で 棄却判決。 |
加藤就一裁判長は、いじめ開始の時期について、被告側の主張(10/29頃から)を採用。それ以前の服脱がしなどは「悪ふざけ」とした。「いじめの核心を占めていたのは無視であり、第三者からの発見が困難だった」などとして、自殺の予見性、学校の責任を否定。 また、準くんの家庭環境について、「苦悩を支えるべき家庭が機能を十分に果たしていなかった」とした。(me020401参照) |
951127 |
2003/6/23 東京高裁で和解成立。 |
石垣君雄裁判長のもとで和解。 和解条項は、 1.上越市は自殺の事実を深刻に受け止め、改めて遺族らに遺憾の意を表す、 2.いじめの早期発見に向けて教育的配慮が必ずしも十分ではなかったともいえることや、いじめを発見できなかったことを反省し、市は「いじめの早期発見、早期対応」に努める、 3.損害賠償は放棄するなど7項目。 |
||||
いじめ自殺 | 1996/01/22 福岡県三瀦(みづま)町 城島中 大沢秀猛くん(中3・15)が、いじめ自殺。 |
1996/11 学校設置者を相手に、真相究明、応答義務違反を問う。 |
2001/12/18 福岡地裁で 一部認容 町と県に計1000万円の支払い命令。 |
学校はいじめを防止する義務を怠り、生徒の安全を確保すべき配慮義務に違反したと判断。 ただし、報告義務違反、自殺の予見可能性は否認。 一方で、「いじめを受けることについて秀猛君に落ち度はない」として、両親の責任を否定し、過失相殺などによる賠償額の減額はしなかった。 |
960122 |
2002/8/30 福岡高裁で 「自殺は予見できた」とする両親側の控訴を棄却。 上告 |
星野雅紀裁判長は「自殺は本人の意思決定による部分が多い」と自殺の予見可能性について否定した一審福岡地裁判決を支持。 | ||||
2004/11/30 最高裁第三小法廷、浜田邦夫裁判長は、両親の上告不受理を決定。 |
町と県に対する計1000万円の支払い命令が確定。 | ||||
いじめ自殺 | 1996/09/18 鹿児島県知覧町 町立知覧中 村方勝己くん(中3・14)が、いじめ自殺。 |
1998/1/21 学校設置者・加害生徒5人の保護者を相手どって、総額9205万円の損害賠償請求。 |
2002/1/28 鹿児島地裁で、一部認容。 町と生徒5人に 計約4500万円の支払い命令。 |
榎下義康裁判長は、生徒らの暴行と自殺の間の因果関係を認定。 学校側の安全義務違反認定。 学校側の予見可能性は、「教員らが暴行を知ったのは自殺の直前だった」として認めなかった。 原告(両親)の言動が自殺の一因をなしているとして、4割の過失相殺。 |
960918 |
性的暴力 | 1996/12/ 北海道 市立中 女子生徒(中3)が、同学年の男子非行グループ11名から繰り返し性的暴力を受け、強姦事件にまで発展。 |
1998/4/ 学校設置者の安全配慮義務違反を問う。 (加害生徒とは和解成立) |
2001/1/30 1審勝訴 1000万円から示談金860万円を引き、弁護士費用を加味して200万円の支払い命令。 |
「学校側に助けを求められたにもかかわらず、被害に気付かなかった過失がある」として、「学校の管理責任、予見可能性認容。 | 961200 |
いじめ自殺 | 1997/01/07 長野県須坂市 市立常磐中 前島優作くん(中1・13)が、いじめ自殺。 |
1999/3/2 市教育委員会に対して、公文書非公開非開示処分取り消し請求。 |
2000/12/21 長野地裁で佐藤公美裁判長は、全面棄却 |
市教委側の主張をほぼ全面的に認め、「情報公開の範囲は地方自治体が自主的に決めるもので、非開示とした処分に違法性はない」とした。また、開示要求のあったすべての資料を「個人が識別される個人情報」と結論づけ、その上で「市の条例は市民が自己情報を取得する制度ではない。公開にあたってプライバシーの侵害を考慮する規定もない」とした。 | 970107 |
2000/1/6 学校設置者に対して、いじめ防止義務違反を問う。慰謝料8600万円を損害賠償請求。 |
2005/6/3 長野地裁で、 和解 |
和解条項は、 1.原告・被告双方が、優作くんへの「いじめ」として「あだな」「悪口」「陰口」などが存在したと認める 2.学校側の調査では、優作くんの死に結びつくような「いじめ」の具体的な事実を特定することはできなかった 3.市は、いじめ根絶に向け、教育活動や研修活動などを行う 4.原告側は、賠償請求を放棄する など |
|||
いじめ事件 | 1997/4/9-1998/10/ 長野県木島平村 村立木島平中学校 日本人とアメリカ人の混血である男子生徒が、約1年半にわたって暴行などのいじめを受け、転校を余儀なくされた。 |
2000/7/ 少年と両親が、学校設置者である木島平村を提訴。 |
2004/3/ 長野地裁で、村が原告側に150万円を支払うことで和解。 |
970409 陳述書 |
|
いじめ自殺 | 1997/4/13 静岡県駿東郡 私立高校の男子生徒(高2・16)が、中学時代の同級生2人に恐喝や暴行され自殺。 |
男子生徒の両親が、息子が自殺したのは中学時代の同級生2人に恐喝、暴行されたためとして、加害者2人とその両親を相手取り、慰謝料など約1億1000万円の損害賠償を求めて提訴。 |
2001/4/18 静岡地裁沼津支部で勝訴。 加害者2人に計7700万円、親には約1100万円、総額約8800万円の支払い命令。 |
高橋祥子裁判長は、 恐喝行為と自殺の因果関係を認定。恐喝行為を知らなかったとした2人の親については「保護者としての監督義務を怠ったが、自殺は予見できなかった」と認定。 また「恐喝行為は極めて悪質で、被害者に過失はない」と自殺による過失相殺はゼロとした。 |
970413 |
暴行傷害 | 1997/7/ 大阪府富田林市 PL学園高校の野球部寮で、2年生男子部員約15人が、1年生部員全員に集団暴行。内1人に後遺症が残った。 |
2001/6/13 元野球部員の男性(20)が、学校法人PL学園に対して慰謝料や治療費など1000万円の支払いを求めて提訴。 |
2001/12/20 福岡地裁(木村元昭裁判長)で和解成立。 同校が集団暴行の事実を認めて、和解金930万円を支払う。 |
和解条項で、PL学園側が、 (1)野球部寮で集団暴行を受け、けがをしたことについて、学園管理者として責任を認め謝罪する。 (2)再び同様の暴行事件が発生しないよう防止する。 などを約束。 |
970700 |
いじめ自殺 | 1998/7/25 神奈川県横浜市 県立野庭高校 小森香澄さん(高1・15)が、吹奏楽部内のいじめを苦に自殺 |
2001/7/23 両親が元同級生3人と、県を相手取り、慰謝料など総額約9700万円の損害賠償を求めて提訴。 |
2006/3/28 横浜地裁で 一部認容。 生徒1人に56万円、 県に330万円の支払い命令。 |
山本博裁判長は、Aさんの発言が人格的な利益を侵害した違法行為と認定。 学校・教師の対応を、訴えがあった都度、話を聞く程度に終始し、何ら組織的な対応をしなかったとして、注意義務違反を認定。 一方、自殺の予見可能性や自殺との因果関係を認めなかった。 学校は調査報告義務も果たしたとした。 |
980725 陳述書 2006.4.4 |
2007/2/19 東京高裁で元同級生Aさんと和解。 |
1.控訴人(A子さん)は、被控訴人ら(小森さん)に対し、控訴人の言辞により、心ならずも、亡香澄の心を深く傷つけ、亡香澄を精神的に追いつめてしまったことを陳謝する。 2.当事者双方は、本件に関し事実関係を正確に認識しない第三者から心ない言動等がされたことに遺憾の意を表明し、今後、本和解の趣旨ないし内容と異なるような一切の言動及び行為をせず、互いの名誉を尊重することを誓約する。 3.控訴人は、被控訴人らに対し、弔慰金30万円を支払う。 などの内容。 |
||||
2007/12/21 東京高裁で県と和解。 |
主な和解内容は、 @神奈川県が和解金として440万円を支払う。 A学校全体としての適切な対応をとらなかったことに陳謝し、香澄の苦悩を癒しその心身の状態を改善させることができなかったことについて遺憾の意を表する。 B野庭高校において、平成10年当時、香澄が自殺を図った当日も他の生徒に対し部活でいじめられていると電話で話したという内容について、原告らに一切知らせることがなかったことについて、深く傷ついていること、遺族が真実を知りたいという基本的かつ切実な要求を有していることを理解し、法令の範囲内において、最大限配慮した教育行政を実践することを約束する。 C生徒らに書かせた作文について、これらに含まれる香澄に関する情報を集約した文書(ただし、個人名及び作成者について判別できないようにしたもの)を作成し、一審原告らに公布する。一審原告らは、この文書の内容を口外しないこと及び第三者に開示しないことを約束する。 D神奈川県は、抜本的ないじめ対応策について検討する等、同種事件の発生を棒することに尽力することを約束する。 など。 |
||||
いじめ自殺 | 1998/8/6 新潟県岩船郡朝日村 朝日中学校 男子生徒(中2・13)がいじめを苦に自殺。 |
2001/3/2 両親が、息子が自殺したのは「学校側が安全配慮義務を怠ったため」として同村に計約7580万円の支払いを求め提訴。(加害生徒とは和解) |
2003/12/ 新潟地裁新発田支部で、 一部認容。 村に計230万円の支払い命令。 |
新潟地裁は「学校は自殺の予見は不可能だったが、生徒に対する安全配慮を怠った」として過失を認めた。 | 980806 |
暴行殺人 | 1998/10/08 茨城県牛久市 市立第一中 岡崎哲くん(中3・14)が、同級生の少年(中3・15)に殴打され死亡。 |
2000/3/2 加害生徒と保護者に対して、約1億円の損害賠償請求。(第一次訴訟) |
2002/3/27 東京地裁で、被告(加害者少年とその両親)に対し、約5600万円の支払いを命令。 (実質勝訴) (被告控訴) |
片山良広裁判長は、哲くんの死因を「被告少年のけっして軽度とはいえない打撃に相当の因果関係がある」として、「神経性ショック死」と認めた。 ただし、「哲くんが、特に理由もないのに加害者にけんかをしようと持ちかけた」として、2割の過失相殺。(me020328参照) |
981008 |
2003/10/22 東京高裁で、一審の内容を変更し、控訴人は原告各人(父母)に2024万円の支払いを命じる。 (原告控訴) |
過失相殺を原告2割から、4割5分にひきあげ。(加害少年5.5) | ||||
2004/11/1 最高裁第2小法廷、津野修裁判長は両親の上告不受理を確定。 |
二審(東京高裁)の内容で決定。 | ||||
2000/3/9 国と茨城県に対して、警察及び検察捜査のあり方を問う。計1000万円の損害賠償を請求。 (第二次訴訟) |
2007/9/26 水戸地裁で棄却判決。 |
||||
東京高裁で棄却判決 | |||||
原告、最高裁に控訴 | |||||
2000/3 学校設置者の安全配慮義務違反、遺族への不当な対応を問う。 (第三次訴訟) |
2002/5/15 水戸地裁土浦支部で棄却判決 |
川島貴志郎裁判長は、本件事故の発生を具体的に予見することは不可能として、教師らに安全配慮義務違反の過失を認めず。遺族への対応については、慰謝料を払うほどの言動や対応があったとは認めず。 (判決参照) |
|||
2002/5/ 原告控訴 2002/9/30 東京高裁で、 棄却判決(確定) |
石川善則裁判長は、原審の判決を支持。 | ||||
いじめ自殺 | 1998/12/26 福岡県飯塚市 私立飯塚高 古賀洵作くん(高2・16)が、脅しや現金強要を苦に自殺。 |
1999/6/15 生徒6人の保護者に対して、総額約7000万円の損害賠償請求。 1999/6 学校設置者に対して、総額約7400万円の損害賠償を請求。 真相究明、謝罪を求める。 |
2000/10 1審 生徒と和解 1300万と直接謝罪 |
少年審判記録の開示による事件の真相究明と、同級生とその保護者からの謝罪を得た。 裁判所側が被告文書を代読。「愚かな行為で追いつめてしまい、取り返しのつかない結果を招いた」といじめと自殺の因果関係を認め、同級生らは起立し、「すいません」と謝った。 |
981226 |
2000/12 1審 学校と和解 500万と謝罪文 |
学校側は、和解調書に盛り込んだ謝罪文の中で、「生徒同士のいじめやけんかなどに十分な対応を取れなかったことが、恐喝未遂事件発生の一因になった。生徒指導が十分ではなかった」と陳謝した。 | ||||
いじめ事件 | 1999/6/−2000/3/ 兵庫県神戸市東灘区 市立中学校 男子生徒(中1)が、同級生から学校のトイレで継続的に暴行を受けるなどのいじめにあったが、学校は適切な措置をとらなかった。 |
元男子生徒(高1・16)が、同級生からいじめられ、学校なども適切な措置をとらなかったとして、同級生2人と保護者、市に計500万円の損害賠償といじめの差し止めを求めて提訴 |
2003/2 神戸地裁で、一部認容。 同級生側に慰謝料計100万円の支払い命令。 市への請求は棄却 |
神戸地裁は、男子生徒が1999年6月から翌年3月にかけて、学校のトイレで暴行を継続的に受けたと認定。いじめ差し止め請求については、「現在は行為がなく、今後も行う意思がないことを明言している」として棄却。 市への請求は、「学校側の指導が不十分とまでは認められない」として棄却。 |
990600 |
2004/1/ 大阪高裁で、同級生側が計300万円の解決金を支払うことで和解 |
|||||
2004/3/15 大阪高裁(大谷種臣裁判長)で和解 |
神戸市は和解条項で、一審判決でいじめが認定されたことを真摯に受け止め、遺憾の意を表明し、スクールカウンセラーの配置などを一層充実させ、再発防止に努めるとしている。金銭の支払いはなし。 | ||||
暴行殺人 | 1999/9/28 東京都町田市の国士舘大学の剣道部寮で、上級生(大4)が、後輩の碩山(せきやま)国寛さん(大1・19)に対して、指示通り洗濯物を干していないなどと激怒し、正座させたまま胸を約10回足でけって死亡させた。 |
刑事事件 (求刑懲役5年) |
2000/10/30 東京地裁八王子支部で、元大学生(23)に、傷害致死罪を適用。懲役3年の判決。 |
岡村稔裁判長は、「犯行は指導に名を借りたうっぷん晴らしに近い」とした。 また、判決理由で、剣道部の体質について、「指導者が改善を図ろうとしないなど問題があった」と指摘。 |
2000/10/31 東京新聞 |
いじめ自殺 | 1999/11/26 栃木県鹿沼市 市立北犬飼中 臼井丈人くん(中3・15)が、いじめを苦に自殺。 |
2001/7/27 市や県・いじめていた生徒2人と両親を相手取り、総額1億1千万円の賠償金請求。 |
2005/9/29 宇都宮地裁で一部認容。 元同級生2人と市、県などに計240万円の支払い命令。 同級生1人の両親にも賠償責任を認めた。 両親控訴。 |
岩田真裁判長は、「継続的で陰湿ないじめがあったが、学級担任などは安全配慮義務を怠った」として元同級生2人と同級生1人の両親、市、県などに支払い命令。 いじめと自殺との因果関係については認めなかった。 いじめと自殺との因果関係を否定した理由について、 ・丈人くんが不登校になり自殺した11月頃は、激しいいじめが行われた1学期から長い期間が空いていた ・丈人くんが自殺前、「勉強が嫌になった」と話していた などを挙げて、「不登校を続け厭世(えんせい)的な心情に陥り、生きる事への意欲も失った」などと結論づけた。 |
991126 |
2006/7/5 東京高裁で、江見弘武裁判長のもと、元同級生2人の親と和解。 |
継続していじめたことを謝罪し哀悼の意を示す、120万円を支払うなどの内容。 | ||||
2007/3/28 東京高裁で、一部認容。 市と県に860万円の支払い命令。 |
江見裁判長は、1審同様にいじめを防げなかった学校側に「安全配慮義務違反」を認め、同義務違反と自殺との間には事実的因果関係を認めたが、相当因果関係は認められないとして、いじめにより受けた肉体的・精神的苦痛に対しての慰謝料1000万円及び弁護士費用100万円の損害のみを認めた。 | ||||
暴行傷害・ PTSD |
2000/1/26 静岡県浜松市 市立東陽中学校 服部太郎くん(中3)が集団暴行を受ける。 さらに2日後(1/28)加害者らを含む少年10数人が自宅へ押しかけ恫喝。重いPTSDを発症する。 |
2001/11/21 太郎くんと両親が、元同級生11人とその保護者、学校設置者の浜松市に対して、総額2420万円の損害賠償を求めて提訴。 |
2005/3/2 浜松市と和解。 |
原告が損害賠償の請求を放棄。市が暴行の事実と体と心に傷を負ったことを認める、今後の事件の再発や予防、また事件が起きたときによりよい解決を図ることなどを条件に和解。 | 000126 陳述書 |
2005/7/20 浜松地裁で一部認容。 主犯に330万円、4人に連帯して52万5000円支払い命令。 (原告控訴) |
1/26の集団暴行については、違法性を認める。 1/28の集団で恫喝したことについては不法性を認めなかった。 PTSDを認定。ただし、6/5には症状が治まっていたとする。 |
||||
7人の少年を被控訴人として控訴。 | 2006/9/27 東京高裁で、原告勝訴判決 |
房村精一裁判長は、Aに、控訴人服部太郎に対し金450万円、控訴人(太郎くんの父)及び同(太郎くんの母)に対し各金22万5000円の支払い命令。 2.被控訴人B、同C及びDに、、被控訴人Aと連帯して、控訴人服部太郎に対し金65万円、控訴人(太郎くんの父)及び同(太郎くんの母)に対し、各金3万2000円の支払い命令。 |
|||
いじめ退学 | 2000/ 富山県 富山国際大附属高校 野球部員が他の部員2人から暴行を受けた。 監督らに相談したが取り合ってもらえなかった。 2000/8/ 教室の清掃をめぐって数回にわたり暴行を受け、警察に被害届を提出。 その後も練習を妨害されるなどして11月から登校拒否となり、転校。 |
元部員とその両親が、いじめが原因で転校したとして、富山国際学園と部員2人を相手に、約800万円の損害賠償を求めて提訴。 |
2004/3/24 富山地裁で、一部認容。 学校と部員2人の責任を認め、原告の元部員に60万円、両親にそれぞれ5万円の計70万円の支払い命令。 (確定) |
永野圧彦裁判長は、部員2人について「2000年6月から8月ごろまで暴行を繰り返し、11月には原告に野球機器を使用させず、練習を妨害した」「原告は野球部での活動を目的に入学しており、活動が続けられなくなったのは精神的苦痛」と指摘。学校については「暴行の相談を漫然と放置し、指導監督義務を怠った」「適切な指導をすべき注意義務があった」と述べた。 一方で、「暴行やいやがらせは、野球部の練習や部員同士の関係で生じた。授業を受けることも困難になったとは認められない」として、転校の主張を退けた。 |
2004/3/25 富山新聞 2004/3/25 北日本新聞 |
暴行障がい | 2000/7/3 福島県 岩瀬農業高校 男子生徒Aくん(高2)は同級生(高2・16)から、いじめにあい、プロレス技をかけられて頸椎を骨折。身体に障がいが残った。 |
Aくんと保護者が、加害者の元同級生(20)と父親、県に総額5500万円の損害賠償を求めて提訴。 |
2004/11/30 福島地裁郡山支部で、一部認容 元同級生に約3213万円の支払い命令。 父親と県への請求は棄却。 |
宍戸充裁判長は、「いじめがあったのは事実。元同級生は当時16歳で、責任能力があった」と指摘。 父親については「息子が他人に危害を加えることを予見できなかった」とし、父親の監督義務違反を否定。 県についても「いじめは教員らの目の届かないところで行われ、認識するのは困難だった」として、安全配慮義務違反を否定。 |
000703 |
いじめ自殺 | 2000/07/26 埼玉県川口市 市立中 大野悟くん(中1・13)が、いじめ自殺。 |
学校設置者・生徒9人の保護者を相手どって、計約1億3400万円の損害賠償を請求。 安全配慮義務違反を問う。 |
2005/5/18 さいたま地裁で、 廣田民生裁判長 棄却 |
000726 | |
2005/10/12 東京高裁 棄却 |
|||||
2000/ 8月、9月、10月と3回、脅迫じみた匿名の手紙が大野宅に届く。宛名や自筆部分の筆跡から問いつめた結果、いじめに加わったとされる生徒の母親が出したことを認める。 |
2002/2/5 中傷文書を送りつけられ精神的苦痛を受けたとして、母親に800万円の損害賠償を請求して、別件で提訴。 |
2002/ さいたま地裁で、 謝罪と慰謝料で和解 |
|||
いじめ自殺 | 2000/10/11 福岡県北九州市小倉南区 中学校の男子生徒(中3・15)が「ぼくはもうつかれました」と走り書きを残し、自宅で自殺。遊びの誘いを断ったことに対する暴行や恐喝の容疑で、同区内の会社員(19)と専門学校生(19)、アルバイト店員(15)、無職少年(15)を逮捕。 |
両親が「継続的ないじめが原因」として、少年9人と保護者な総額9352万円の損害賠償を請求。 5人とは50万〜200万円(計610万円)の支払いで和解。 残る4人と保護者は「自殺に責任はない」と争う。 |
2003/9/16 福岡地裁小倉支部で一部認容。 4人と保護者に恐喝や暴行による慰謝料22万〜184万円(計556万円)の支払いを命じた。(確定) |
川窪政徳裁判長は、「恐喝や暴行の不法行為が自殺の原因と推定できるが、少年たちに自殺の予見可能性があったとまでは言えない」として恐喝や暴行の慰謝料のみ認める。「不法行為自体は被害者の自殺を招来するようなものではない」と認定。「継続的ないじめ」には言及しない。 | 2003/9/16 毎日新聞ほか |
いじめ事件 | 2001/4/ 愛知県半田市立乙川中学校で、男子生徒(中1)が集団で無視、悪口を言う、石を投げつけるなどのいじめにあい、不登校になった。 |
被害者の訴えにもかかわらず、調査、適切な対応しなかったして、市に損害賠償請求。 |
2004/1/28 名古屋地裁半田支部で、勝訴。 半田市に慰謝料100万円の支払いを命じる判決。 |
被害生徒と親からいじめの訴えを受けていたにもかかわらず、学校・教師が十分な調査も、学校全体としていじめに組織的に対応する措置をとらず、いじめを防止しなかった安全配慮義務違反があると認めた。 | 010400 |
いじめ事件 | 2003-06 神奈川県藤沢市の市立湘洋中学校で、女子生徒が、通学用布かばんを刃物で42ヵ所切られるなどのいじめにあい、2004年秋から軟調などを訴える。ストレスが原因と診断。 |
女子生徒が、市に約454万円の損害賠償を求めて提訴。 |
2006/6/5 横浜地裁で、一部認容。 市に125万円ま支払い命令。 |
三代川俊一裁判長は、 かばんが刃物で42ヵ所切られるなどしたいじめについては、「予見は不可能だった」としながらも、その後の対応を「顧問教諭が聴き取り調査を行ったのは評価できないではないが、校長などには全く報告しておらず、第2、第3の発生防止につながらなかった」と指摘。 さらにその後、通学用ビニールカバンが切られたことについて、「(学校は)問題解決の努力に欠け、原告はいじめの繰り返しに耐えざるを得なかった」と指摘。「単なるいたずらや嫌がらせの域を超えた明らかな犯罪行為」「校長や教諭は明確ないじめととらえ、適切な対応をとるべきだった。いじめ防止を目的とした措置とは言い難い」として、安全配慮義務違反の責任があると認定。 |
2009/6/5 毎日新聞 2009/6/6 神奈川新聞 |
学校側は「加害者が特定できず、いじめではない」などと主張。 |
参考資料 1.判時1182号(いじめ裁判/季刊教育法・臨時増刊号2000年9月/エイデル研究所)
2.「イジメと子どもの人権」/中川明編/信山社
3.「子ども白書」1999年版/日本子どもを守る会/草土文化
プラッサのトップページへ http://www.jca.apc.org/praca/index.html |
Copyright (C) 2013 S.TAKEDA All rights reserved.