訴訟事例 2 教師の体罰・犯罪・その他の裁判

最終更新 2006.2.18

注意! 学校事故・災害の裁判事例は、訴訟事例3 に移動しました。


教師の体罰・暴行・犯罪

事件の概要 提訴 判 決 内容・備考 参考
ワイセツ行為 1959/8/2-3
大阪府岸和田市
小学校
の臨海学校で、男性教師2人がそれぞれ就寝中の女子生徒(小6)3人の胸や下腹部に直接さわるなどのワイセツ行為を行った。

被害者の保護者が教師2人を刑事告訴(申告罪)。

教師2人は一貫して犯行を否定。
被告側の組合弾圧のためのでっち上げ事件であるという主張
1961/4/12 
1審大阪地裁で
強制ワイセツ罪で懲役6か月、執行猶予3年。
裁判所は、被害者である3人の児童の作文や供述は信頼がおけると判断。被告側のでっち上げ事件であるという主張は根拠がないとして退けた。
判決の事実認定において、3人の児童が「13歳に満たないものである」ことを強
調。(13歳未満の子どもに対するワイセツ行為は暴行・脅迫の有無を問わず、強制猥褻と同じ扱い。未遂を罰し、原則として親告罪)
590802
ワイセツ行為 1959/夏−1960/冬
栃木県の市立小学校で、助教諭3人の女子生徒を放課後の学校内で強姦。懲戒免職。
     ?
(強姦致傷罪は非親告罪で、被害者の意志のいかんにかかわらず犯罪として追及される。)
1961/5/9
1審宇都宮地裁強姦致傷罪で懲役5年の実刑判決。
13歳未満の子どもに対する強姦罪に加え、処女膜の裂傷が傷害と認められ、強姦致傷罪となった。 610000
体罰自殺 1963/9/26
福岡県田川市
県立田川東高校
男子生徒(高3・17)
が、担任教師(25の体罰の翌朝、自宅倉庫で首吊り自殺
「先生の仕打ちをうらむ。死んでも忘れない」など、級友にあてて6通の手紙を書いていた。

担任教師、校長、福岡県に対して、自殺は担任教師による体罰が原因として、慰謝料と謝罪広告を求めて民事訴訟をおこした。
1970/8/12 
1審 福岡地裁飯塚支部
一部認容
懲戒行為の慰謝料だけを認め、福岡県に3万円の支払い命令。
「担任教師の懲戒行為は限界を超えて違法」としながら、そのことと自殺との間に因果関係はないとし、懲戒行為の慰謝料だけを認める。懲戒の程度生徒の非行の程度その他諸般の事情を考慮すると、慰藉料3万円が相当とした。また教師個人に対しては国賠法一条に照らし責任を問えないとした。 630900

(判例時報613号 31頁、判例タイムズ252号114頁)
1975/5/12
2審 福岡高裁
一部認容

懲戒行為の慰謝料だけを認め、福岡県に原告2名各々に60万円の支払い命令。
1審を支持。ただし「日頃、必ずしも心服していたわけでもない担任教師から受けた屈辱感、劣等感、その他諸般の事情をしんしゃくすると慰藉料60万円が相当」とした。
77/10/25 
3審 上告棄却
2審を支持。
「違法な懲戒がされるに至ったいきさつや、男子生徒の態度からみて、担任教師は自分の懲戒によって男子生徒が自殺を決意することを予見することは困難だった」として、2審を支持。
体罰事件 1965/9
群馬県高崎市
市立の小学校
男子児童(小4)が、
体育の授業中に姿勢が悪いとして、教師に頭頂部を竹製の教鞭で強く1回殴られる。その後、先天性とみられる動静脈瘤奇形が破裂してくも膜下出血を起こす。
1968/9
家族が、教師の体罰によりくも膜下出血になったとして、教師を雇った高崎市に監督責任ありと主張して、約500万円の損害賠償を求めて民事裁判を提訴。
1972/9
1審
原告勝訴
市に108万円の支払い命令。
(高崎市は、Bくんには先天的な特異体質があった結果、くも膜下出血が発生したもので、教師の体罰とは関係がないとしたことに対して)教師の体罰が原因となって、脳動静脈奇形が破裂してくも膜下出血になったもので、頭への殴打がなければ、第1回目の出血はなかったと判断。両者の間に因果関係を認めた 650900
体罰事件 1973/10/4
千葉県の県立安房農業高校の体育のバスケットボール授業で、一種の罰として「必殺宙ぶらりん」(体育館2階に設けられたコンクリートの縁(高さ3.1メートル)にぶら下がって懸垂をやり、教師の合図で飛び降りる)をやらせた結果、女子生徒(高1)腰椎捻挫の傷害を負った。その後も1年以上後遺症に悩まされた。
1974/3
学校の対応に不満を持った女子生徒側が、N教師を過失傷害罪で刑事告訴。



1978/9/28
館山簡易裁判所
過失傷害罪で罰金3万円。
被告(N教師)側が控訴。
731004
高裁で控訴棄却。被告側は上告。 「危険な行為をさせるときには、自ら模範演技を示すなど教師には事故を防ぐ義務がある」として、過失傷害を認め有罪判決。
1981/6/
最高裁は2審の有罪判決を支持。(確定
1975/10
女子生徒と母親が、校長と千葉県を相手取り、本人に860万円、母親に380万円の損害賠償の支払いを求める裁判を提訴。

裁判では、「必殺宙ぶらりん」が「体罰」か「補強運動」かで争われた。
1980/3/31
1審で一部認容。
県に対して、女子生徒に480万円、母親に39万円支払い命令。
「この種の筋力補強運動は絶対、許されないものでもない」としながら、マットも敷かず、口頭説明だけで教師が模範演技もしなかったことなどを勘案して判断。
1984/2/28
東京高裁
控訴棄却
1審支持。
県に対して、女子生徒に520万円、母親に49万円の支払い命令。
体育授業中に行われる懲戒行為は直ちに違法とはいえないとしながら、原則として「懲戒をする必要性のあること、運動場内のマラソン、うさぎ飛び、正座など、懲戒の方法が一般社会の常識から認められ、危険でないことを要する」。
この場合、体育教師が行う懲戒の限度を超えた違法のものであると認定

最高裁
1.2審支持
上告棄却
体罰死 1976/5/12
茨城県水戸市
水戸市立第5中
佐藤浩くん(中2・13)
が、体育館での体力診断テスト中に、女性教師(45)に叱責され、頭を数回殴打された8日後、原因不明の脳内出血で死亡
1977/6
K教師は、略式起訴の略式命令罰金5万円を不服として、正式裁判申し立て。
1980/1/16
水戸地裁
1審勝訴
暴行罪で罰金3万円。
被告(教師)控訴。
生徒らの証言を採用。
「私憤による暴行」と違法性を認定。「学校教育法で禁止された体罰にあたる」として違法性を認定
760512

被告控訴
1981/4/1
東京高裁
2審 逆転無罪(確定)
「単なるスキンシップよりもやや強度の外的刺激」に積極的な教育的意義を認め、「体罰と言えない」「正当行為」とした。また、死亡と本件行為との間に因果関係はないとした。
1979/11/10
民事裁判
遺族が学校(水戸市)と女性教師約4900万円の損害賠償を請求して提訴。
1982/12/15
請求棄却
 「暴行と死亡の因果関係は立証できない」とした。
懲戒



自殺未遂
1978/2/末
東京都の中福小学校で、いたずらで近所の窓ガラスをパチンコ玉で割った男子児童(小6)が、3人の教師から厳しく詰問された直後、校舎3階の窓から飛び降り自殺をはかる。全治約8か月の重傷

児童側が提訴。
1982/2/16
東京地裁で棄却
事情聴取の時間や教師の暴力的行為については、両者の言い分が異なったが教師の言い分のみを採用。
児童の問題行動について事情聴取する際は人権侵害にならないように配慮すべきだが、本件事情聴取が違法な行為であるとまでは言えないとした。
780228
体罰自殺 1985/3/23
岐阜県
中津商業高
竹内恵美さん(高2・17)
が、陸上部顧問(46)の暴力的シゴキや体罰を苦に自殺
1985/5/14
遺族が「娘の自殺は体罰が原因だ」として学校と陸上部顧問を相手に提訴。
1993/9/6
岐阜地裁で判決。
一部認容。岐阜県に計300万円の慰謝料支払い命令。
確定。
顧問教諭の侮蔑的発言は身体に対する侵害と併せて、生徒の名誉感情ないし自尊心を著しく害するものであって違法行為に該当する。
自殺という行為は最終的にはその人の意思決定によるものであるから、
自殺を決意する可能性があると予見することはおよそ不可能
従って、
教諭の違法な言動と生徒の自殺との間には相当因果関係は存在しない」とした。
850323

(判例時報1487)
体罰死 1985/5/9
岐阜県
県立岐陽高
高橋利尚くん(高2)が、
修学旅行先の宿で、持参を禁止されていたヘアドライヤーを持ってきたとして、担任(36)をはじめ数人の教師から殴る蹴るの体罰を受けショック死

教師2人を刑事告訴。
1986/3/18
水戸地裁土浦支部
担任のM教師に、傷害致死で懲役3年の実刑

F教師不起訴
「教育的意図を有していたとしても、本件行為自体は教育的懲戒とおよそ無縁のもの」と断定。 850509
体罰事件 1986/7/
千葉県習志野市
市立第七中学校
男子生徒(中2)が、食の時間に遅れたことを理由に、担任の男性教師(34)から足で顔を蹴られるなどして、前歯の神経1本がまひ、あごの骨がずれるなど全治5ヶ月の重傷を負った。
1989/12 
被害生徒は、習志野市と男性教師を相手どり、慰謝料など380万円の損害賠償を請求して提訴。
860700
部活
シゴキ
1988/8/5
愛媛県新居浜市
新居浜中央高
阿部智美さん(高1・16)
が、バスケット部の練習後、意識を失って倒れ、急性心不全のため死亡
顧問(34)は日常的に体罰も行っていた。
1988/12/30
学校管理責任者である新居浜市に損害賠償を請求して提訴。
1994/4
1審
全面勝訴(確定)
2度目に倒れたとき、救急車を呼ばなかったことを注意義務を怠った教師の過失と認める。 880805
体罰事件 1988/9/
愛知県名古屋市
市立南養護学校で、
知的障がいをもつ上村創さん(17)が、授業中落ち着きがないなどの理由で、男性教師(34)に個別指導と称して生徒訓練室に連れていかれて、指で右目を強く押さえられ、結膜下出血を起こす。全治約3週間のけが。また、ズボンを下げられて、性器を強く握られた。教師は否定。
1989/
学校側が創さんの話を頭から信用しようとしないことから、「教師から体罰を受けてけがをした」として、両親が市を相手に約90万円の損害賠償請求。
1993/6/21
名古屋地裁で、
勝訴
市に約30万円の支払い命令
大橋英夫裁判長は、「(知的障害者に)体験していない事実を自分で体験したように話をさせるのは困難」とする医師の鑑定を採用し、「供述は信用できる」と判断。
「教師は故意に原告に体罰を加えた。原告が被った精神的損害は大きい」などとした。
880900

高裁で
原告敗訴
最高裁に上告
証言が断片的で矛盾しているとして、信用性を否定し、原告敗訴。
体罰事件 1989/9/12
福岡県福岡市
市立壱岐中学校
教師7人男子生徒2人(中2)に恐喝事件を起こしたとして問いただしたが否定され、尋問するために近くの海岸の波打ち際で首まで“生き埋め”の体罰。約30分で掘り起こした
1991/3/19
卒業後、生徒2人のうち1人が母親とともに、「教師らの行為は人権侵害」として、校長と7人の教師、学校管理者の福岡市を相手取り、1000万円の損害賠償を請求し提訴。

福岡地裁は、福岡市に50万円の支払い命令。
原告勝訴。
(双方控訴せず確定)
890912

ワイセツ行為



殺人
1990/3/26
広島県豊田郡安浦町安登
町立安登小学校
教師・河内武志(39)が、教え子の川畑宏美さん(小6・12)にワイセツ行為を繰り返し発覚後、宏美さんを車で連れ出して絞殺
河内は、他の女子児童にもワイセツ行為をしていた。

刑事告訴。
1991/4/10 広島地裁で懲役13年の実刑判決 判決では「生命の尊さを教えるべき教師が、児童の信頼を裏切りいたずらを繰り返した行為は絶対許されない」とした。学校の責任などには言及せず。 900326

(判例時報1480号129頁)
1991/6/17 
両親が広島県と安浦町を相手に、「校長と教育長は、教諭の行動に細心の注意を払い、児童の安全を確保する義務があったのに怠り、適切な処置を取らなかった」として、宏美さんの逸失利益や両親の慰謝料など総額5000万円の損害賠償を求めて提訴。
1993/3/19
広島地裁呉支部で、県の責任を認めた。原告勝訴
ワイセツ行為について、「担任教諭の地位を利用してわいせつ行為に及んだものであり、それが授業時間に接着した時間に教室内で敢行されたものであることをも総合すると、当該教諭の右不法行為は、公立学校の教育活動という公権力の行使にあたる同人の職務行為の外形の中にあったというべきである」として、県の責任を認めた。

また、宏美さん殺害についても県の責任を認めている。
登校



校則
1990/7/6
兵庫県神戸市
神戸高塚高
石田僚子さん(高1・15)
が登校時、担当教師(39)に門限がきたとして閉められた鉄製門扉に挟まれ、頭蓋骨骨折で死亡

男性教師を「傷害致死」として、厳罰を求めて刑事告訴。
1993/2
元教諭(90/7懲戒免職処分)に対して、禁固1年、執行猶予3年の判決。
「学校として生徒の登校の安全に配慮が足りなかった」としたが、校門指導をはじめとする「管理教育」に触れず、元教諭個人の過失責任を厳しく指弾した。 900706
体罰事件 1991/1
千葉県流山市
市立流山中学校
男子生徒(中3)が、花壇を横切ったことを理由に、体育担当教師(32)に、砂利を敷いた通路に正座させられ、殴ったり蹴られたりして、顔面打撲、神経障害で4週間のけがを負った。

教師を書類送検。
1991/6
松戸簡易裁判所で罰金刑
910100
1991/9/13
男子生徒と両親が、流山市を相手どって550万円の損害賠償を請求して提訴。
「学校側は十分な謝罪もせず、治療費を払えばこと足りるという態度だった。こうした対応に納得がいかず提訴に踏み切った」とした
体罰事件 1991/11
神奈川県横浜市
市立小学校
女子児童(小5・11)が、図画工作室でいたずらしたことを怒った女性教師(44)が、女子児童の胸元をつかんで押したところ、児童は2メートル先に尻もちをつき、尾骨を折る3カ月のけがを負った。その後、心因性の頭痛などを訴えた。
1998/1 市は、示談金340万円を支払い、女性教師も見舞金などとして、約100万円支払った。
岡光民雄裁判長は、「教師の行為は正当な懲戒権の行使を超えた違法な体罰」と認定。教師の故意・重過失により、市には教師への求償権が発生するとしたが、「医療費や慰謝料計250万円のうち教師の負担分は半分程度。教師はほぼ同額を既に支払っている」として、求償しないことが違法ではないと判断。

原告代理人の森田明弁護士は、「体罰の賠償は個人が負うという道筋をつけた初めての判決」と評価
2002/6/27
神奈川新聞
横浜市の「体罰問題を考える市民グループ」メンバーが、「横浜市が払った示談金340万円を教師に請求しないのは違法」として、横浜市に違法の確認を求め提訴。 2002/6/26
横浜地裁で棄却判決。
ワイセツ行為 1992/11/21
島根県

県立高校

卓球部遠征試合中の宿泊先ホテルで、顧問で生活指導主任の男性教師(37)が、酒に酔ってクラブ員の女子生徒(高1・16)に「マッサージをしれくれ」と自分の部屋に連れ込み、胸を触るなどのワイセツ行為をした。
1993/7 女子生徒は同校を自主退学
1993/12 
女子生徒は、松江地方法務局に「教師に暴行をされた」と訴えた。
松江地方法務局は、「重要な人権侵害」として、教師と高校に口頭で厳重注意 1994/ 
男性教師はワイセツ行為を認めたため、県教育委員会は「教師にあるまじき行為」として、10分の1、3カ月の減給の懲戒処分
921121

女子生徒とその母親が、県とワイセツ行為をした教師に対して、精神的苦痛を受けたとして300万円の損害賠償を求めて提訴。
ワイセツ行為

暴力
1992/-1995/
奈良県の高校
演劇部の顧問教師が、92年頃から部員に暴力を振るいはじめ、93年春頃から演劇指導と称して体罰や性的暴力を加えていた。生徒が卒業後も自ら主催する劇団に所属させてワイセツ行為を繰り返していた。
1995/10/11
顧問教師を逮捕。
1997/2/
奈良地方裁判所で、元教師は強制わいせつ罪などで2年7か月の実刑判決。
控訴するが棄却され確定。
951011

元演劇部員の女性4人が学校設置者である県を提訴。

県側は、「元教諭の行為を校長らは知り得る状況になく、体罰やセクシャル・ハラスメントは予見できなかった」「早い段階で被害を申告しなかったのは、原告側に過失がある」と主張。
1998/10
加害教師が元演劇部員の女性4人に慰謝料1000万円を支払うことで和解。
元教師の行為を「教諭と生徒の身分関係を利用したもので悪質」と認定。

学校の責任については、
「原告以外の生徒の父母が、元教諭の暴力について担任に訴えたり、行きすぎた指導をほかの教諭が見ていることから、部活動のあり方について、管理職にも責任があった」と判示。
1999/12/1
奈良地裁
県側に、元演劇部員の女性4人に対して、慰謝料1100万円の支払い命令。
体罰自殺 1994/9/9
兵庫県龍野市
揖西(いっさい)西小
内海平くん(小6・11)が、担任(46)に体罰を受けた夜、自殺
1996/9
龍野市を相手に7035万円の損害賠償を求めて提訴。


1900/1
神戸地裁姫路支部
1審勝訴
3790万円の支払い命令。
殴打行為を懲戒権の行使とはせず、単なる暴力とした。
自殺と体罰の因果関係を認容。
教師による体罰が自殺の原因として行政責任を認められたのは初めて。
自殺したことに対しては過失相殺。
940909
無理解 1994/
大阪府枚方市
学校法人啓光学園
中学、高校と同学園に通っていた男子生徒が、科学物質過敏症を発症。学校の床ワックスなどが原因で、意識が朦朧とした際、教師らから、「やる気がない」と怒鳴られ、教室の外に出されるなどしたため、高校2年の1学期からPTSDで登校できなくなった。

「シックスクール」への無理解で、学校に行けなくなったとして、学園に1000万円の損害賠償を求めて、提訴。
2004/3/2
大阪地裁で和解。
学園側が、「科学物質過敏症」への理解不足を認めて遺憾の意を表し、和解金200万円を生徒側に支払うことで合意。
和解条項には、科学物質過敏症の子どもに「個別の配慮をする」したうえ、文部科学省の通知をふまえ、学園のシックスクール対策委員会が、教職員に研修会を実施することなども盛り込まれた。
朝日新聞・大阪2004/3/3
(月刊子ども論2004年6月号)
体罰死 1995/7/17
福岡県飯塚市
近畿大学付属女子高
陣内知美さん(高2・16)
が、男性教師(50)に殴られ、コンクリートの壁に頭を打ち付け、死亡

男性教師を刑事告訴。
1995/12/25
懲役2年の実刑判決。(求刑3年)
「生徒を保護すべき教師が、憤激のあまり、生徒に暴行して死なせた」とした。 950717
1996/6/25
福岡高等裁判所
被告の控訴を棄却
「教育の名に値しない感情に走った私的な暴行」として、一審判決を支持。
体罰事件 1996/7/15
目黒区鷹番小
男児(小1)担任の女性教師(58)から腕を金属フックで7センチ傷つけられる。以前にも、同級生のツバが入ったのを見た男児が給食を食べるのを拒むと紐でイスに縛りつけたり、給食の容器で何度も頭を殴るなどの体罰をしていた。また親の抗議後、男児は教室で担任に嘘つき呼ばわりされ、不登校となる。

男児と保護者が、罰を行った教師や安全義務違反をした学校の管理者である目黒区と、被害者を排除しようと嫌がらせをした親たちのうちPTA役員2名を訴えた。
2001/3/24
東京地裁にて
一部認容
目黒区に慰藉料として50万円の支払い命令
PTAの2名に対する訴えを棄却。
児童の腕の傷について、教師が「フックの危険性を児童に教えようとした」痛みを体感させようとした」教育指導目的であると認定。「体罰と捉えられかねない不適切な行為」としながらも体罰を否定。また、頭をたたいたこと1回のみを認め、それ以外の体罰や暴言については証拠がないとして認めず。
ただし、小学校1年生という感情豊かな時期の児童に対して、精神的な苦痛を与えたという理由で、慰謝料として相当の金額が支払われるべきだとした。
怪我をした理由を保護者に連絡をしなかったことに対しては、不適切としながらも、その後、謝罪したことで問題なしとした。
me010324
体罰事件 1998/8/28
兵庫県高砂市
市立竜山中学校
バレーボール部の合宿で、顧問の男性教師(41)がスパイクミスをしたことに腹を立て、小山勝平くん(中2・16)の顔面をバレーボールで殴った結果、脳内出血を起こし植物状態になる。

母親が、息子が脳内出血を起こし意識不明になったのは、顧問の男性教諭(41)がボールで殴ったためとして、高砂市に損害賠償などを求めて、提訴。
2001/9/23
神戸地裁姫路支部で、高砂市が損害賠償金1億6000万円を支払うこと、再発防止に努めることなどの条件で和解。
(実質勝訴)
島田清次郎裁判長は、相当に厳しい暴力があったこと、教諭の暴行と小山君の症状の間に因果関係を有に認めることが出来るとした。
(1)高砂市が損害賠償金1億6000万円を支払うこと。
(2)再発防止に努めること。
(3)男性教諭が原告らに謝罪すること。
などを盛り込んだ和解条項に双方が合意。
980828
部活
シゴキ
1999/7/27
兵庫県川西市
市立川西中学校
ラグビー部の夏休み練習中に、宮脇健斗くん(中1・13)が体調不良を訴えたが、顧問の男性教師から「演技は通用せん」などと放置されて熱射病による多臓器不全で死亡。
2001/7/24
両親が神戸地方裁判所伊丹支部に、川西市と顧問教師に対して損害賠償を求めて民事裁判を提訴。
2003/6/30
神戸地方裁判所伊丹支部で一部認容(
実質勝訴)。
顧問教師に安全配慮義務違反の過失があったことを認め、川西市に総額4061万5418円の損害賠償命令。
ラグビー部顧問教諭に安全配慮義務違反の過失があったことを認める。ただし、顧問個人に対しては、国家賠償法を理由に、公務員個人は責任を負わないとして、請求を棄却。
また、被告らの主張する
過失相殺については、むしろ
多少の疲れや体調不良は自己管理能力が十分でない中学生には当然起こり得ることとして指導にあたるべきとして退けた。
990727
1999/10/22
両親が、川西警察署に業務上過失致死の疑いでX教師に対する告訴状を提出。
2000/12/28
神戸地検は、顧問教師を嫌疑不十分で不起訴決定。
2001/5/23
両親が神戸検察審査会に、不起訴不当の申し立て。
2004/4/26
顧問教諭に業務過失致死罪で、罰金50万円。
暴行教唆 1999/9
千葉県印西市
市立内野小学校
担任の男性教師が、児童らに同級生の男子児童(小4)を「思い切り殴れ」と命令し、暴行を受けた。
登校拒否になって転校。
PTSDを発症。
校長は「子どもたちを傷つけるから」と事件を調査せず、市教委や県教委も真相究明をしなかった。

児童と両親が、男性教師(49)と校長、市を相手どって、約3000万円の損害賠償を求めて提訴。
2004/4/28
千葉地裁で一部認容。
市と県に計約150万円の支払い命令。
小林正裁判長は、教師の命令が暴行を誘発したと認定。教師の発言を不法行為とした。
しかし、校長らの対応は不法行為にならないと判断。
一方で、児童のPTSDについては、「にわかに信用しがたい」として認めなかった。
2004/4/29
朝日新聞
体罰 1999/11/24
千葉県白浜町立白浜中学校で、いじめをしたとして、担任の男性教師が男子生徒の顔や頭、胸などを数回殴る体罰。男子生徒はそれ以降、学校を休みがちになり、頭痛や吐き気、意識がなくなるなどの症状が出た。

男子生徒と親が、町に慰謝料など約730万円の損害賠償を求めて提訴。
2004/4/24
千葉地裁館山支部で、町に110万円の支払い命令。
裁判官は、「生徒の脳波に見られる異変は、体罰に起因するとはいえない」としながらも、「原告の頭痛や吐き気などは教諭の体罰によるもの」と認め、「体罰が心身に悪影響を及ぼし、日常生活に支障が生じた」とした。 2004/4/28
中日新聞
処分取消訴訟 2000/
福岡県北九州市
市立養護学校
1997年-2000年に、男性教師が、授業でペアを組む教師が教室を離れた際、小学部4年の女児を全裸で寝かせて眺めたり、児童たちに「こいつらはバカやけ」「臭い」「汚い」「帰れ」などの暴言を度々浴びせたとして懲戒免職処分

男性教師(54)は事実関係を一貫して否定。市教委に懲戒免職処分の取り消しを求めて提訴
2004/9/29
福岡地裁で請求を棄却
亀川清長裁判長は、元教諭の言動を目撃した複数の同僚教諭の証言について、「信用性は高い」と指摘。児童へのわいせつ行為や暴言があったことを認めた。
「女児らは被害を理解したり訴えたりすることも十分できないのに、元教諭の行為は悪質」とした。
2004/9/30
西日本新聞
部活
シゴキ
2000/8/21
神奈川県川崎市中原区
市立中原中学校
野球部の練習中に、森本桂多くん(中2・13)が熱中症で倒れて死亡。
両親が「教諭の対応に問題があった」として、中原署に告訴状を提出。

2001/7/ 中原署は、教師を業務上過失致死の疑いで書類送検。
2002/9/30
横浜地検川崎支部(栗田健一裁判長)は野球部顧問だった男性教師(40)に業務上過失致死罪で40万円の罰金を言い渡した。
栗田健一裁判長は、「持久走のような運動をさせる場合は水や救急箱、携帯電話などを持って、ランニング集団の集団の後方から監視するなどの態勢で指導監督するべきだった」「体力的に充分な成長を遂げているとはいえない中学生の部活動の指導を託され、保健体育の教諭として熱中症について相当な知識があったにもかかわらず、注意義務を怠ったことは厳しく非難されるべき」「部員の健康状態への配慮や適切な救護措置をとる態勢に欠けていたとして、業務上過失致死罪を適用。 000821
脅迫 2001/6/
大分県大分市の私立楊志館高校に、4月、剣道部の特待生として入学した男子生徒(高1)が、指導方針をめぐって顧問の体育教師(36)と折り合いがあわず、6月に退部。その直後、教師は生徒を体育用具室に呼びだして、「殺したる。頭を割るぞ」などと繰り返し脅迫。退学を余儀なくされた。
元男子生徒(16)と両親が、教師と学校を相手取って550万円の損害賠償を求めて提訴。 2002/6/4
大分地裁は、学校と教師に90万円の支払い命令。
須田啓之裁判長は、「教諭の不法行為が生徒に恐怖心を与え、退学に至らせたのは明らか」として脅迫の事実を認めた。 2002/6/5
共同通信
障がい児

ワイセツ行為
2003/5/21、7/4、
千葉県浦安市の市立小学校の養護学級で、担任の男性教師が、知的障がいのある女子児童2人(小6・11)(小4・9)に、胸を触るなどのわいせつ行為をした疑い。
両親が教師を告訴。検察は懲役7年を求刑 2005/4/28 千葉地裁で、教師に無罪判決 土屋靖之裁判長(は、「医師がわいせつ行為があったと診断し、(女児が)体験したことしか話せないと証言していることから、(わいせつ行為を受けたことに)相応の信用性があると考えられる」としたが、「被害女児の供述内容には一部、誇張または想像の疑いが強い部分がある」「事件の経過や周辺事情の証言には不自然で、不合理な点も多く、行為を直接目撃した者もいない」として検察側の主張を退けた。 030521

2006/2/18
2005/2/15 東京高裁で、無罪の1審を支持。 高橋省吾裁判長は、「犯行日時や場所の証明が十分されていない」「すぐに犯行が露見する可能性がある場所で行われたとの事実経過に不自然さが否めない。犯行の時と場所に関する女児の供述と教諭の自白は、信用性に疑問を差し挟む余地が残る」と述べた。
一方で、1審同様「少なくとも教諭から被害を受けたという女児供述には一貫性があることなどから、疑問を差し挟む余地がないようにも思われる」と指摘
2006/5/11 Aさんは、娘のような辛い思いをする子どもたちを出さないようにすること、知的障がい者の置かれた状況を少しでも変えていくための働きかけとして、県と浦安市、男性教師に、総額約1950万円の賠償を求める民事訴訟を起こす。 2008/12/24 千葉地裁で、一部認容。
浦安市と被告千葉県に連帯して60万円)の支払い命令。
三代川三千代裁判長は、3点について認める。
ア.(2003年)6月27日ころプール授業後、(被告Kが)原告A子(当時小6・11)の頭を殴打した事実。
イ.原告A子の手が眼鏡に当たった際に拳骨で原告A子の頭を叩いた事実。
ウ.7月4日に原告A子の乳房を触った(掴んだ)事実
me081226



校則・ほか

事件概要 提訴 判決 内容・備考 参考
校則



バイ
1981/9
東京都
私立東京学館高校
校則によってバイクの運転免許取得、購入、運転を一律全面的に禁止していた。しかし、男子生徒A(中2)は、80/3親の許可を得てバイク免許を取得し、バイクを購入。80/9同級生Bにバイクを貸したところ、又借りした無免許のCがDを乗せて運転し、警官に呼び止められて警官に衝突。全治4カ月の重傷を負わせて逃げた。偶然居合わせたE、Fと相談し、事故を学校に報告しなかった。間もなくCが逮捕され、学校は関係生徒6人全員に自主退学を勧告。全員退学届けを出した。
1982/
Aは、「三ない原則」を定めた本件校則は憲法13条、26条、29条に違反する、学校の措置は自主退学の名で実質的に退学を強制する退学処分である、本件事故はバイクの又貸しによって生じた事故で本人には責任がなく、事故を報告しなかったことも心情的には無理はない、十分な弁明の機会もあたえられなかったなどとして、処分は比例原則、手続き保障原則に違反し、裁量権を逸脱して違法であるとして、学校に対して300万円の慰謝料を請求して提訴。
1審判決
原告敗訴
被告高校側の主張
憲法原則は私学には適用しない
、「三ない原則」を定めた校則は社会的にも合理的である、本件措置は自主退学勧告に対し、本人は自主的に退学したので懲戒処分ではない、事故はAのバイクによる事故であってAは「間接的加害者」である。しかも警官ひき逃げ事件という重大事件を秘匿する謀議に加わったことは許し難い、2回の面接でも聞かれたことに頷くだけで反省していない、母親も学校教育方針に反抗的であって、本人の改善を見込むことはできない状態にあった、などのうち、「本件自主退学勧告は懲戒処分である」としたほかはほぼ全面的に認めた。
別冊ジュリスト No.118 教育判例百選

(判例時報1401号
判例タイムス770号)


2審判決
原告敗訴
学校側の措置はあくまで自主退学の勧告であって、「懲戒処分としての退学又はそれに準ずる処分には当たらない」としたほかは、被告高校側の主張を認めた。
91/9/3
最高裁
上告棄却
「上告人の行為の態様、反省の状況及び上告人の指導についての家庭の協力の有無・程度など、上告人に対してなされた本件自主勧告が違法とはいえない」とした原審の判断は正当」とした。
校則



丸刈り

熊本県
町立中学校
男子生徒の丸刈りを定めた校則に従わず。
1983/
生徒と両親が、町と校長を相手に、「丸刈りは法の下の平等を保障する憲法に反する」として、丸刈り規定の無効確認と慰謝料を請求。
1985/11/13
熊本地裁
原告敗訴確定
91/5/27
毎日夕刊
(月刊「子ども論」1991年7月号
校則



バイ

千葉県
私立高校
生徒が、バイク免許取得を禁止した校則に違反したとの理由に自主退学することになった。
1982/
学校を相手に、「教育を受ける権利を保障する憲法26条に反する」などとして、慰謝料を請求。
1987/10/30
千葉地裁
原告敗訴
91/5/27
毎日夕刊
(月刊「子ども論」1991年7月号
1988/3/1
東京高裁
原告敗訴
原告控訴
校則



バイ

高知県
県立高校
生徒が、バイク免許取得を禁止した校則に違反したとの理由で登校禁止の処分を受ける。
1984/
を相手に、「道交法などで保障された権利を奪うことは違法」として慰謝料を請求。
1988/6/6
高知地裁
原告敗訴
91/5/27
毎日夕刊
(月刊「子ども論」1991年7月号
1990/2/19
高松高裁
原告敗訴確定
校則



制服
1987/4
千葉県
大原町立大原中学校
生徒心得で制服着用を定める中学校に入学して制服を注文し着用。その後、夏服も注文・受領し着用。
87/8/25県外の学校に転校。
しかし、生徒の親は制服の代金を冬服・夏服とも支払っていなかった。
1987/
生徒の父親が、を相手に、「個人の尊重を保障した憲法13条などに違反する」などとして、制服購入に要した費用の支払いを請求。
1989/3/13
千葉地裁
原告敗訴
生徒本人と母親が制服着用を希望したため、父親が同中学校に制服を注文し、これを入手したのであり、同中学校長から制服の着用を強制され、制服の注文を余儀なくされたと認められず、「その余の点について判断するまでもなく、不当である」として棄却。 別冊ジュリスト No.118 教育判例百選

91/5/27
毎日夕刊
(月刊「子ども論」1991年7月号)

(判例時報1331号)
1989/7/19
東京高裁
原告敗訴
「大原中学校の生徒心得における制服についての定めの内容は、中学校に在学すべき生徒に対する教育上の配慮に沿うものとして、社会通念に照らし合理的である」とし、「運用の実態をみても規制的、強制的、拘束的色彩の薄いものであるということができる。」として、一審同様、制服着用強制の事実がなかったことを認め、同中学校の生徒心得についても、校長の裁量権の範囲内であるとした。
1990/3/29
最高裁
原告敗訴確定
校則



パ|マ
1988/2/3
東京都葛飾区
私立修徳学園高校
女子生徒(中3)

1/20担任教師に「パーマをかけているのでは」と詰問され、翌日、自主退学を勧告された。
女子生徒は三つ編みにした髪の先端に残っていた約10センチのウエーブ部分を切って、「何とか卒業させてほしい」と求めたが、受けい入られず、1/30付で自主退学届けを提出。
女子生徒は卒業を目前に就職も内定していた。
1988/6/
校長に対して、「重すぎる処分で違法」だとして、卒業の認定と同校生徒としての地位確認、100万円の慰謝料を求めて提訴。

学校側は、訴訟の元女子生徒は校則で禁じられた自動車運転免許を取得するなど過去に校則違反があり、それらを総合した結果のやむを得ない選択だったと主張。
1991/6/21
東京地裁
全面敗訴
パーマを禁止した校則について、「憲法13条で個人が髪型を自由に決める権利は保障されているが、学校は特定の髪型を強制するものではなく有効」とした。
また、自動車運転免許の禁止についても、「制定の目的は交通事故から生徒の生命・身体を守り、非行を防いで勉学に専念する時間を確保することにあり、必要性を否定できない」とした。
原告が自動車免許を取ったことで厳重警告を受けて早朝登校を命じられている期間中にパーマをかけたと認定し、「原告がこれら校則違反行為を反省していた事情は認められず、卒業を目前に控えた時点での自主退学で大きな不利益を受けたことを考慮しても、退学勧告が社会通念上、合理性を欠くとはいえない」と結論づけた。
別冊ジュリスト No.118 教育判例百選

91/6/21
朝日夕刊
(月刊「子ども論」1991年8月号)

(判例時報1388号
判例タイムズ764号)


92/11/13
信濃毎日・夕(月刊「子ども論」1993年1月号)
1992/10/30
東京高裁は、一審同様、原告の訴えを棄却。

生徒側は最高裁に上告
校則



バイ
1988/2/
東京都葛飾区
私立修徳学園高校
男子生徒(中3)

86/12男子生徒はバイクの免許をとり、87/5バイクを購入。しかし、先輩のバイク死亡事故にショックを受けてバイクを売り、87/12担任教師に免許証を預けた。88/1/21学校側は「その後も数回バイクに乗ったことが判明した」と自主退学を勧告。両親が応じなかったため、88/2退学処分
1989/1
学園を相手取って、753万円の慰謝料を求めて提訴。
1.バイク免許を禁じた校則が、そもそも「個人の尊重」を保障した憲法に反する
2.校則は適法としても、実態をよく調べるなどの適切な手続きをとっていない
3.退学処分は重すぎる、裁量権の乱用
と主張。
1991/5/27
東京地裁
原告勝訴
学校側に108万円の賠償を命じた。

学校側控訴。
男子生徒のケースについて、
1.87年12月に担任教師に免許証を提出した際には不問とされている
2.免許提出後もバイクに乗車したのは偶発的な2回にとどまる
3.過去に処分歴もなく、問題行動がなかった
などの事実関係を指摘。「行為の軽重から、退学以外の処分によっても教育目的を十分果たせたと言うべき。もはや改善の見込みはなく、Aさんを学外に排除することが教育上やむを得なかったとは到底言えない」とし、
バイク禁止の校則については、「社会通念上、合理性を有する」と判断したものの「退学処分が教育上やむを得なかったとはいえず、校長の裁量権を逸脱し違法」と結論づけた。
別冊ジュリスト No.118 教育判例百選

91/5/27
毎日夕刊
(月刊「子ども論」1991年7月号)

92/3/20
朝日(月刊「子ども論」1992年5月号
1992/3/19
東京高裁
「退学処分は違法として、1審を支持。原告、被告、
双方の控訴を棄却






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