注 : 告発した被害者の勇気をたたえます。そして、二度と同じ悲劇を繰り返さないために、あえて事例としてここに掲げました。被害者がこれ以上、傷つことがないよう留意を願います。 学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。 |
S.TAKEDA |
590802 | 教師のワイセツ行為 | 2002.2.21.新規 |
1959/8/2-3 | 大阪府岸和田市の小学校の臨海学校で、OとK2人の男性教師が、それぞれ就寝中の女子生徒(小6)3人の胸や下腹部に直接さわるなどのわいせつ行為を行った。 | |
内 容 (裁判所が事実認定したもの) |
夏休みに、5、6年生の希望者を集めて、1泊2日の臨海学校を開催。男女あわせて92名の児童と、校長、教頭、5、6年生の担任教師4名と他4名の計10名の教師が参加。 2名の教師が、宿直のため学校に帰校。 校長以下8名の教師が食堂に集まり、翌日の打ち合わせなどをした後、サイダーやビール4本を飲んだ(OとKの2人を含む3人の教師で3本を飲んだ)。 その後、それぞれの教師が分かれて、児童と一緒に就寝。 午後11時過ぎ頃、6年い組の女子が就寝している寝台で、就寝中のS子さん(小6)がいびきをかき、周囲の子が「やかましいなあ」などと言ったのを聞いて、O教師はS子さんと隣のN子さんの間に横になった。 O教師は、N子さんに手枕をしてやり、着ていたパジャマのボタンを下からひとつずつはずしていき、一番上だけを残して、そこから下に着ていたシュミーズの中に左手を入れて、右胸をもてあそび、さらに「乳飲め、乳飲め」と言いながら、両手でN子さんの頭部を抱きしめて顔面を自分の胸に押し当てて強く抱きしめた。 K教師は夜半、6年ろ組の女子が就寝している寝台に行き、就寝していたU子さんの枕元に行き、片手を右脇下あたりから着衣の下に差し入れ、U子さんの右胸をもてあそび、はいていたパンツの中に手を入れて陰部をもてあそんだ。 さらにK教師は、同じ寝台に寝ていたF子さんの足元に寄り、脇の下あたりから一番下に着ていた肌着の中に片手を入れて右胸をもてあそんだ。 |
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学校その他の対応 | 被害者の子どもたちが父母に訴えたことから、事件は表沙汰になる。 事件の一部が新聞に報道される。 大阪府教職員組合岸和田支部が、臨時大会を開いてこの問題を取り上げた。 |
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加害者の処分 | 懲戒免職。 | |
被告の言い分 | O、Kとも若く独身。 OとKの両教師は、警察・検察庁の取り調べや公判廷においても、犯行を一貫して否定。 この事件は、山滝小学校PTAと岸和田市教育委員会とが、教職員組合を弾圧し、OとK両教師をはじめ、多数の同小学校教員を追放するために企画されたでっちあげ事件であると主張。 |
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証拠調べ | OとKの両教師は一貫して犯行を否定。 他に成人の目撃者がいなかったため、事実の有無は、被害者である3人の児童と、目撃者である4人の児童の作文、供述によった。 |
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判 決 | 1961/4/12 大阪地裁で、強制ワイセツ罪で懲役6か月、執行猶予3年の判決。 裁判所は、被害者である3人の児童の性格、知能、供述内容、暗示的影響の有無、作文、供述自体の信憑性を厳密に検討した結果、総合的にみて3人の児童の作文や供述には信頼がおけると判断。被告側の組合弾圧のためのでっち上げ事件であるという主張は根拠がないとして退けた。 判決の事実認定において、3人の児童についておのおの「13歳に満たないものであることを知りながら」と強調。(13歳未満の子どもに対するワイセツ行為については、暴行・脅迫の有無を問わず、強制猥褻と同じ扱いをする。未遂を罰し、原則として親告罪) |
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参考資料 | 「賠償金の分岐点 教師が責任を問われるとき」/下村哲夫著/学研教育選書 | |
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