周辺事態法成立以後の動き(2000年 1月 2月 3月 ) (次)(戻る)
2000年1月2日
■首相官邸Y2K対策室は、Y2Kを原因とするトラブルは2日午後8時までに11件が確認されたと発表。東京電力福島第2原発1号機(福島県)で原子炉の制御棒の位置表示が消失するなど原発6カ所でトラブルがあったが、いずれも深刻な影響を及ぼすものではなかったとしている。このほか、携帯電話の一部機能や気象庁の気象資料伝送網の端末、全国の消防本部の気象観測システムでも日付表示に絡む問題が生じた。米国では軍事偵察衛星の運用にトラブルが起きた。
2000年1月4日
■瓦力防衛庁長官訪米。5日にコーエン国防長官と日米防衛首脳会談を行う。瓦氏は普天間問題の経緯を説明し、県と名護市が求めている軍民共用化や国と市の基地使用協定について理解を求める方針。ただ、15年の使用期限については地元の意向を伝えるにとどめる見通し。
■イタリア外務省は朝鮮民主主義人民共和国と大使級の外交関係樹立で合意したと発表。
2000年1月5日
■政府は5日までに、朝鮮民主主義人民共和国に対する食料支援を再開する方針を決めた。再開決定のタイミングは、日朝交渉正常化交渉本会談再開前の2月中とする意向。
■米ワシントンで5日午前(日本時間6日未明)、日米防衛首脳会議が行われる。瓦力防衛庁長官は、米軍普天間飛行場の使用期限を15年に限るよう沖縄県や移設先の名護市が要望している問題や、米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)の削減など、日本側の主張を率直に展開した。しかし、米側は思いやり予算にしか関心を示さず、すれ違いのまま終わる。
2000年1月6日
■1993年、防衛庁統合幕僚会議(統幕)が北朝鮮によるゲリラ攻撃を想定し、朝鮮半島に近い山口県と長崎県対馬を対象に「沿岸・重要防護対象の警備」を極秘に研究していたことが、6日明らかになった。平時のゲリラ対処を前提に法制上、運用上の不備を指摘し「領域警備」や「有事法制」の必要性を訴えている。
■朝鮮戦争勃発直後の1950年7月、韓国の軍と警察が政治犯少なくとも1800人を銃殺したことが、米国立公文書間所蔵の文書で明らかになった。同文書は50年9月、在韓米大使館の陸軍武官が作成。
■99年春の北太平洋条約機構(NATO)軍による対ユーゴスラビア空爆の際に起きた列車誤爆事件で、クラーク欧州連合軍最高司令官が、実際の3倍のスピードで放映された爆撃確認ビデオを使って誤爆理由を説明していたことが6日明らかになった。司令官は記者会見で「ご覧のとおり爆撃手が爆撃体制を解除できる時間は1秒もなかった」と弁明していた。
2000年1月7日
■政府は沖縄サミット、公式ホームページ開設。
■訪米中の瓦防衛庁長官は7日夜(日本時間8日午後)同行記者団と懇談し次期中期防衛力整備計画(2001―05年度)について「情報通信機能のRMA(軍事技術における革命)も重要な要素だ」と指摘。また「(情報通信は)災害救助や国連平和維持活動(PKO)で民間とともにできる分野で、国民の理解も得られるのでは」と述べ、情報機能に力点を置いた艦艇を導入したい考えを示した。また、防衛庁の「省」への格上げについて「真正面から取り組むべき問題だ。(昇格の)方向付けは人任せではいけない」「自衛官に誇りを持たせ堂々と国民や世界に貢献する仕事に取り組めるようにしたい」「日本を軍事大国にしないため、瓶のふたが必要との意見もあるが、憲法や防衛政策というふたができている」と強調。瓦長官は来年1月までに防衛庁を省に格上げする法案を成立させるよう与党側に働きかける考えを示したものと見られる。
■チェチェン共和国で軍事作戦を進めるロシア軍は7日、首都グロズヌイの攻略作戦を一時停止すると発表。
2000年1月8日
■河野洋平外相は8日から13日までイタリア、ベルギー、英国、フランスの4カ国を訪問し7月の主要国首脳会議(沖縄サミット)を前に、各国外相と意見交換をし、サミット成功に向けての要請を行う。11日にはブリュッセルで開かれる日本・欧州連合(EU)閣僚会議に、深谷隆司通産相、玉沢徳一郎農相らとともに出席。世界貿易機構(WTO)の次期多角的貿易交渉(新ラウンド)の早期開始を訴える共同声明を採択する予定。さらに外相は北朝鮮と外交を樹立したイタリア要人と会談し北朝鮮への働きかけに期待を表明する予定。
2000年1月9日
■防衛庁発注する海上自衛隊の護衛艦や潜水艦の修理をめぐり会計検査院から契約方法の改善を求められていた問題で、防衛庁は9日までに、空文化していた競争入札制度を見直し、随意契約制度との二本立てとする方針を固めた。
■攻撃の一時停止を発表したにもかかわらずロシア軍は8日から9日にかけチェチェン共和国の首都グロズヌイに激しい空爆を行った。同市内でも戦闘を続けているもよう。
2000年1月10日
■小渕首相は10日、カンボジア、ラオス、タイの東南アジア諸国連合(ASEAN)3カ国歴訪に出発。首相は3各国首脳と会談し国家復興や経済安定に向け引き続き支援する考えを伝えるとともに7月の主要国首脳会議(沖縄サミット)にアジア諸国の声を反映させるため、要望などを聞く予定。
■ロシア側停戦の一時停止終了を宣言。ロシア側チェチェン侵攻以来最悪の犠牲者。
2000年1月12日
■梶山静六元官房長官は12日発売の「週間文春」で小渕内閣の経済政策を「神頼み」とする論文を発表。「目の前の難事にひたすらカネをつぎ込めば、日本の景気はよくなる、と考えるのは政策ではなく、神仏に祈るのと同じ。神頼みで断じて政治はできない」としている。
2000年1月13日
■愛知万博にBIE(博覧会国際事務局)が「跡地利用は自然破壊」として警告していたことが13日までに分かる。
2000年1月16日
■新潟・巻町、反原発の現職笹口孝明さんが再選される。
2000年1月17日
■死者6432人を出した阪神大震災5周年。
■自衛隊が保有する対人地雷の国内初の本格的な廃棄処理作業が滋賀県新旭町の旭化成工業試験場で始まった。1999年3月の対人地雷全面禁止条約発効を受けた措置。首相の合図で約1000個の対人地雷が鉄板とコンクリートで覆われた「爆発ドーム」内で爆破された。防衛庁によると、自衛隊は約100万個の対人地雷を保有。本年度中に22万個を処理する。
■斉藤邦彦前駐米大使は都内のホテルで講演し、中国と台湾が武力衝突した場合「米国が武力介入した場合、日本に協力を求めることはあり得る。日本が協力しないと、米国は同盟国の日本に大きく失望するだろう」と述べた。
2000年1月18日
■小渕首相の私的諮問機関「21世紀の日本の構想」懇談会(座長・河合隼雄国際日本文化研究センター所長)は18日最終報告書「日本のフロンティアは日本の中にある―自立と協治で築く新世紀」を提出。報告書は、安全保障に関して国連決議に基づく武力活動参加を念頭に「安全保障の国際的共同対処からの無責任な逃亡を続けることはできない」と強調。集団的自衛権の行使に関する論議や、国連平和維持活動(PKO)参加に当たっての武器使用の見直しを求めた。また従来の官主導による「統治」から脱皮し、自己責任で行動する個人や組織が協力して新しい「公」(おおやけ)を創造する「協治」の確立を提唱。その他日本への移民促進。18歳以上への選挙権付与。英語を国民の実用語とし、長期的には「第二公用語」にするなどを盛り込んでいる。
2000年1月19日
■米国防総省は米本土ミサイル防衛(NMD)の迎撃実験に失敗したことを明らかにした。
2000年1月20日
■第147通常国会召集。会期は6月17日までの150日間。
■神田真秋愛知県知事は愛知万博の跡地利用計画が博覧会国際事務局(BIE、本部パリ)に環境破壊と批判された問題で「跡地利用への批判が高まっている)状況の変化に対応し、より慎重にいきたい。早いほうがいいが、5月に登録するかどうかは、今後の課題として国とよく相談して決めたい」と、5月登録が遅れる可能性を強く示唆した。
■政府は20日夜、都内の明治記念会館で青木幹雄官房長官(沖縄県開発庁長官)らと稲嶺恵一沖縄県知事、岸本建男名護市長らによる沖縄県北部振興関係者会議を開き、米軍普天間飛行場の名護市移設に伴う北部地域と移設先それぞれの振興策を具体化する二つの協議機関について、2月初旬に発足させることを決めた。
■衆参両院に憲法調査会設置される。衆院50人、参院45人。調査会のメンバーの一人中曽根康弘元首相は「論憲に3年かけ、4年目で各党が意見を出し合って議論すべきだ」と語る。
■福井県敦賀市にある日本原子力発電敦賀2号機で今月15日、一次冷却水漏れがあったことが分かる。
2000年1月21日
■日米両国の外務、防衛当局者による審議官レベルの会合が東京都内のホテルで行われ2001年3月で特別協定の期限が切れる米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)問題について対応協議が開始される。日本側は「日米両国の経済情勢、財政事情を踏まえる必要がある」と削減の意向を示した。米側は削減に反対。普天間基地移設問題では日本側が「代替施設の基本計画の作成に当たっては、米側の考えも踏まえたい」と約束。
2000年1月22日
■東京都内で開かれていた先進7カ国蔵相・中央銀行総裁会議(G7)は共同声明を採択して閉幕。円高懸念共有を再確認。同時に沖縄「サミット蔵相会合の準備を開始する」と宣言。
■米朝高官協議がベルリンの米大使館で始まる。会談では高官訪米、米国による北朝鮮経済制裁緩和の追加策、相互の連絡事務所設置、ミサイルの開発輸出問題などが協議されるとみられる。
2000年1月23日
■徳島県・吉野川可動堰建設の賛否を問う徳島市の住民投票が行われる。投票率55%。建設反対票10万2千759票で9割を越す圧倒的多数をしめた。賛成は9千367票。無効870票。投票そのものに法的拘束力はなく、建設省は対話を進めながら計画を進める方針。
■大阪府と大阪市が設立した平和博物館「ピースおおさか」で「戦争資料の偏向展示を正す会」(事務局・大阪府高槻市)により「20世紀最大の嘘・南京大虐殺の徹底検証」という集会が開催される。約20の反戦平和団体でつくる『ピースおおさか』市民ネットワーク」(岩井貞雄代表)と中国人留学生ら約100人が抗議。また中国外務省の朱報道局長は国営新華社通信を通じて「中国侵略の罪状を否定する事件は中国人民の感情を著しく傷つけ、中日関係の正常な発展をかき乱した」と極めて激しい口調で抗議。今回の集会が日中関係をにも影響する重大事だとして、日本政府の責任を追及する姿勢。
2000年1月24日
■科学技術庁公開のホームページにハッカーが侵入。アクセスしようとすると海外にある成人向け雑誌のページに接続されるよう細工されていた。同庁はホームページの公開を中止。
2000年1月25日
■静岡空港の予定地内でオオタカの営巣が見つかった問題で「空港はいらない静岡県民の会」など二つの市民団体が環境庁に静岡県が予定している営巣木の伐採を中止させるよう要請。
2000年1月26日
■大阪市で市民団体による集会「20世紀最大の嘘南京大虐殺の徹底検証」が開催されたことについて中国の唐外相は日本の谷野作太郎中国大使を外務省に呼び抗議した。谷野大使は「主張を理由として集会を認めないのは)言論・集会の自由の否定につながり中国がよく言う軍国主義への逆行につながる」と反論。
■朝鮮民主主義人民共和国は99年12月19日、21日に北京で行われた日朝赤十字会談で1945年以前に行方不明になった朝鮮人の一部の名簿を日本側に提示し、安否確認を要請していたことが26日関係者の話で分かった。
■科学技術庁、総務庁に続いて経済企画庁のシンクタンク、毎日新聞のホームページが相次いでハッカーの侵入を受ける。
■中部国際空港会社は臨時株主総会を開き50億円の増資を決定。資本金を161億600万円にすることを決議。新たに一株5万円で10万株発行。引受先は国が20億円、愛知、岐阜、三重、名古屋市で計5億円、民間が25億円。
2000年1月27日
■2005年愛知万博の会場予定地を視察した深谷隆司通産相は27日名古屋市内で会見し跡地の新住宅計画について「(計画を)まったく動かせないという考えではいけない」と述べ、新住宅計画の見直しを県に求めたことを明らかにした。愛知県の神田知事もこれを受け、従来の方針を変えて計画を再検討する可能性があることを示した。
■中部国際空港会社は従来5年3カ月の工期としていた中部新国際空港の工期を5年以下にする方策の検討を始めた。愛知県漁連との補償交渉が予想外に難航、三重県漁連との交渉はこれから補償額を提示する段階。「5年3カ月」ではすでに時間切れのため。
■定数削減法案(衆院比例代表定数の20削減する公職選挙法改正案)が衆院を通過。与党だけで可決。
■ロシア連邦軍幹部はチェチェン情勢について「武装勢力の抵抗が予想以上に頑強」と作戦の誤算を認める。
■静岡地裁は女子勤労挺身隊訴訟で韓国人女性二人が求めていた国の公式謝罪と損害賠償の請求を棄却。
2000年1月28日
■中山正暉建設相は万博跡地問題で愛知県に計画変更に向けた具体案を示すように求めた。中山建設相は「法律も知恵のうち」だと述べ事業計画の変更を視野に法制面での検討を示唆。
2000年1月29日
■防衛庁は29日までに退職自衛官を対象にしてきた予備自衛官制度を見直し、一部を民間から公募する新制度の検討を始めた。2001年度からの次期防衛力整備計画で正式決定し、募集を開始したい意向。大学生、会社員など青壮年層が対象になる。
2000年1月30日
■愛知県の神田真秋知事は愛知万博の跡地利用について、現行の新住宅計画(瀬戸市南東部地区新住宅市街地開発事業)を見直す作業に入ったことを明らかにする。現在の新住宅計画を縮小する場合、連動して万博の会場面積も減る可能性が高く、来場者数の下方修正も迫られる。愛知県は博覧会協会とも相談しながら、計画の見直しを進める。今週中にもBIEへ通産省とともに職員を派遣し、BIEの批判の真意や「どの程度の開発なら妥当か」を確かめた後、計画見直しを進める。
■政府は朝鮮民主主義人民共和国との国交正常化交渉再開のための第2回予備会談を、2月10日前後に3日間程度の日程で北京で開催する方針を固めた。日本側は第2回予備会談で、3月中にも本会談を開催することで合意し、本会談の議題や分科会の設置問題についても協議したい考え。
2000年1月31日
■茨城県東海村のJCO東海事業所の臨界事故で科学技術庁は31日の原子力安全委員会で、現場から半径350メートル以内の住民らの被ばく程度について報告。新たに200人が最大で21ミリシーベルト被ばくしたと推定された。JCOも同日、事故当時、敷地内にいた従業員ら計169人が被ばくしたとの推定結果をまとめた。
■民主、共産、社民の野党3党は31日、首相の施政方針演説に続き、代表質問をボイコット。民主党は都内の憲政記念館で「もう一つの国会」を開く。一方、共産、社民は評論家の佐高信氏らの呼びかけで、衆院第二議員会館内で開いた「『自自公』国会ジャックにNO!1・31緊急『本会議』」に参加。
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2000年2月2日
■野党が審議の場に一切でないまま、衆院比例代表定数を20削減する改正公職選挙法成立。
■中部国際空港は2日、愛知県漁連との補償交渉が正式に決着した。愛知県漁連は空港関連の漁業振興費70億円、三河支部は補償契約(計31億8千万円)を空港会社と締結。当初の計画では愛知、三重両県漁連の補償交渉は昨年の夏にも終わっているはずだった。空港会社の平野社長は「本年度中の現地着工は、2005年開港に向けた重要な目標だ。目標達成のため最大限の努力をしたい」と強調。
2000年2月3日
■元自民副総裁、二階堂進氏、死去。
■衆院予算委員会は野党不在のまま2000年度予算案の審議に入る。
2000年2月4日
■世界自然保護基金(WWF)日本委員会、日本野鳥の会、日本自然保護協会の3団体は万博跡地を国営公園にという申し入れを愛知県国際博推進局に行う。
2000年2月5日
■防衛庁は今年5月東京市谷の陸上自衛隊駐屯地跡に移転するのに伴い新庁舎地下に新中央指揮システム(NCCS)の導入を予定。これにより、これまで陸海空3自衛隊が個別に運用してきた指揮システムをオンラインで統括。日本有事、周辺事態、災害派遣、国連平和維持活動(PKO)などの際の3自衛隊の部隊情報をリアルタイムで集約、統合する初のハイテク防衛ネットワークを作られる。
2000年2月6日
■大阪府知事選投開票。自民、自由、公明、民主推薦の太田房江氏当選。全国初の女性知事。
■ロシア軍、チェチェン共和国首都グロズヌイ攻略作戦終了宣言。市内制圧と発表。
2000年2月7日
■愛知万博、1800億円とされる会場建設費が最大約3000億円程度に増える試算があることが判明。想定する入場者数も二千500万人から1500から1800万人に削減されることも確実となる。
■今月後半に予定されていた日朝国交正常化交渉第2回予備会談は早くても今月後半にずれ込む見通しとなる。
2000年2月8日
■コーエン国防長官は国際安全保障政策と米軍の対応を包括的にまとめた2000年の年次国防報告を米議会に提出。2015年までに直面するリスクを想定して「四年期防衛見直し(QDR)」を策定する方針を明記。軍事力をよりどころとして、世界のリーダーとしての役割を果たしていく決意を明らかにしている。さらに中国、ロシアや、朝鮮民主主義人民挙和国が将来米国の脅威となる可能性を指摘し、日米安保に関しては「アジア地域繁栄のかなめ」と位置づけ、東アジア10万人駐留態勢を堅持する決意を明らかにしている。
■イスラエル、レバノン各地の発電所を空爆。
2000年2月9日
■朝ロ友好善隣条約調印。この条約は1995年事実上破棄された旧ソ連時代の「友好協力援助条約」に代わる新基本条約。
2000年2月10日
■小渕首相は参院本会議の答弁で在日米軍駐留経費(思いやり予算)に関する特別協定が来年3月に期限切れとなることについて「厳しい財政状況に十分配慮しつつ、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用確保のため適切に対応していく」と述べた。米軍普天間基地代替施設の使用期限15年とする問題については「国際情勢もあり、厳しいとの認識を持っている」と表明。ただ「国際情勢の変化に対応し、在沖米軍の兵力構成などの軍事体制について米政府と協議していきたい」とも述べた。
■イワノフ・ロシア外相訪日。
■政府、沖縄県、県北部市町村は「北部振興協議会」と「移設先及び周辺地域振興協議会」の初会合を合同で首相官邸で開く。基本方針を4月中にまとめる方針を決めた。
2000年2月11日
■河野洋平外相はイワノフ・ロシア外相と会談。沖縄サミット以前に日ロ首脳会談を行うことで基本的に合意。
2000年2月12日
■小渕首相は国連貿易開発会議(UNCTAD)出席のためタイ訪問。UNCTAD総会に日本の首相が出席するのは1979年の大平正芳首相以来21年ぶり。
■日本有事や周辺事態の際に、自衛隊と在日米軍の戦闘行動について調整を図る「日米共同調整所」が5月に東京・市谷に完成予定の防衛庁新庁舎の地下に設置されることが明らかとなる。調整所は、自衛隊と米軍の幹部が集まり、部隊配置や情報収集、後方支援に関する共同行動の立案、伝達を行う事実上の「日米統合司令部」。双方の通信ネットワークを通じて日米で策定された作戦内容を速やかに在日米軍司令部(横田)、在日米海軍司令部(横須賀)や自衛隊各部隊に伝達される仕組み。
2000年2月14日
■愛知県は2000年度当初予算案を発表。総額2兆6千6百51億円。新空港、万博関連費用が膨らむ予算。万博関連費用103億円、ほとんどが名古屋瀬戸道路などの道路事業費で93億円。会場建設費として使う補助金が6億円。特別会計で基盤整備をする新住宅計画に30億円。空港関連費用は一般会計が90億円。企業会計で740億円。県の財政は空前の大ピンチと言われ、神田愛知県知事は昨年の予算編成で、福祉、教育の予算を削減し職員給与もカットしている。
2000年2月15日
■1月ワシントンで開かれた日米防衛首脳会議で、コーエン国防長官が瓦力防衛庁長官に対し、米軍普天間飛行場の代替施設の使用期限を15年とする問題について、明確に拒否していたことが15日わかった。沖縄県、名護市の反発に配慮して両政府は期限拒否の部分を伏せることにしていた。
2000年2月16日
■愛知万博の計画見直し問題で、万博跡地で予定されていた新住宅計画(瀬戸市南東部地区新住宅地開発事業)の中止が16日確実になった。深谷隆司通産相は愛知万博の開催登録を予定の5月から12月に延期することを正式表明した。
■戦後半世紀にわたって日本の最高法規となってきた憲法をめぐる議論が16日参院憲法調査会(村上正邦会長)で始まった。
■7月21日から始まる沖縄サミットの期間中、米軍嘉手納基地に配備されている戦闘機などの飛行訓練を全面的に中止するよう日本政府が米国政府に要請していたことが16日明らかになった。
■小渕首相は16日官邸でタルボット米国務副長官と会談し神奈川県の米軍厚木基地の米軍家族住宅が、隣接している民間の産業廃棄物処理施設から排出されるダイオキシンで汚染されている問題について「一日も早く解決するよう努力している」と早期解決を確約した。
2000年2月17日
■防衛庁は次の中期防衛力整備計画(2001−2005年度の期間中に、自衛隊に「サイバー戦部隊」を創設する方針を決めた。
2000年2月21日
■民主党の藤田幸久衆院議員は21日国会内で記者会見し防衛庁の天下り状況に関する資料の一部を公表。1989年から99年にかけて防衛産業50社に対し、防衛庁と自衛隊の幹部計756人が天下りしていたことが明らかになった。天下りの多かったのは東芝の60人、三菱重工(58人)、三菱電機(53人)、川崎重工(48人)、NEC(44人)、石川島播磨重工(40人)の順。
2000年2月22日
■北川正恭三重県知事は中電の芦浜原発計画の白紙撤回を求める意向を表明。これを受け中電の太田宏次社長は記者会見で計画を断念する考えを明らかにした。これにより、1963年以来、37年間にわたって地元住民が推進、反対両派に分かれて対立してきた芦浜原発問題に終止符が打たれた。
2000年2月25日
■今月19日栃木県内で地元金融機関幹部らに対し「検査の仕方がきついとかあったら、どんどん直接言って下さい。最大限考慮します」などと発言し野党の追及を受けた越智通雄金融再生委員長(金融担当相、衆院比例東京)が辞任。後任は谷垣禎一元科学技術庁長官。
2000年2月26日
■新潟県の女性監禁事件で虚偽発表を了承していた小林幸二新潟県警本部長が女性が保護された当日に関東管区警察局の中田好昭管区局長と酒席をともにしていた問題で国家公安委員会と警察庁は小林本部長を減給100分の20(1カ月)の懲戒処分にした。小林本部長と中田局長は29日付で引責辞任する。
2000年2月27日
■1997年11月署名された後2年余を経ても発効していなかった日中漁業協定が今年6月1日に発効されることが日中閣僚級協議で正式合意。
2000年2月29日
■オウム真理教(アレフに改称)の信者が営むソフトウェア開発会社が、防衛庁や建設、文部、郵政省、NTTなど約90の官公庁や有力企業からシステム開発業務を受注していたことが警視庁公安部の調べでわかった。
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2000年3月1日
■政府は朝鮮民主主義人民共和国在住の原爆被爆者について、日朝国交正常化前でも被爆者の治療など本格的な支援策を講じる方針を固めた。
■河野外相は沖縄サミットに望む基本方針を説明するため今月中に韓国を訪問する予定。
2000年3月2日
■関東管区警察局の中田好昭前局長(2月29日辞職)の「カラ監察」問題で国家公安委員会は田中節夫警察庁長官を減給(100分の5)、1カ月の懲戒処分にした。
2000年3月3日
■政府は新潟の女性監禁事件など一連の警察不祥事に対する国民の批判が高まっていることを受け、民間人による第三者機関を国家公安委員会の下に設置し、国家公安委を含めた警察組織の在り方全般を見直す方針を固めた。
2000年3月5日
■核兵器を積んだ米艦船の日本寄港を認めた日米間の秘密合意をめぐり、1963年当時の池田内閣がこれを無視する国会答弁を行ったため米政府が困惑、ケネディ大統領が「密約」を日本側に再確認する必要性を指摘していたことが5日、米極秘公文書から明らかになった。
2000年3月6日
■単純労働を厳しく制限してきた従来の入官政策を実質的に転換し、外国人労働者の介護分野への受け入れ検討や、技能実習制度の農業や水産加工業などへの拡大を明記した、法務省入国管理局の第2次出入国管理基本計画が明らかになった。
2000年3月7日
■自民党の国防三部会は2001年からの中央省庁再編で内閣府の外局となる「防衛庁」を、独立した「国防省」に昇格させるための法案を議員立法で今の通常国会に提出し、成立を目指す方針を固めた。
■政府は非公式ルートで食料支援を行う方針を北朝鮮側に伝えた。これに関連し外務省の山崎隆一郎外務報道官は記者会見で「食料(コメ)の袋には日本からの支援であることを明記する」ことを明らかにした。朝鮮語、英語で明記する。
2000年3月8日
■トーマス・フォーリー駐日米大使は「思いやり予算」見直し問題について「米議会がいろいろ言うだろうし、大変な憂慮を示す場面も出てくるだろう」と述べ、議会を中心に米国内の反発が強まる可能性を示した。同大使は日米安保体制が「米国は自衛隊と協力し、日本の防衛と周辺を補償するが、日本は米国の領土を守る義務はない」と指摘。「(相互に領土を保障し合う)北大西洋条約機構(NATO)とは異なる」との認識を示した。その上で思いやり予算は「日米安保の重要な一部。思いやりという言葉ではなく、日米相互の平等な関係を維持する日本側の戦略的貢献だと思う」と述べた。
2000年3月9日
■政府は2010年度までに原子力発電所を16−20基を新たに建設するとした国の原発立地計画を断念、建設の目標を13基程度に引き下げる方針を固めた。
2000年3月10日
■自民党は労使慣行正常化小委員会の初会合を開き、組合費を給与から天引きする「チェックオフ制度」の禁止を含めた規制の検討に着手した。初会合では「組合費の給与天引き制度が『労働貴族』を生んでいる」と規制を求める意見が出た。
■朝鮮中央通信は同国の赤十字会が「日本人行方不明者」の調査を始めたと報じた。
2000年3月11日
■計画策定から24年になる沖縄県・石垣島の新石垣空港について稲嶺恵一知事の諮問機関「建設位置選定委員会」は石垣島東部の「カラ岳陸上」を建設地に選んだ。稲嶺知事は4月上旬にも正式決定する予定。
■日本世論調査会が3月4,5日に実施した全国世論調査で失業不安を強く、または少し感じている人が計64%に上った。
2000年3月13日
■日本と朝鮮民主主義人民共和国は北京市内のホテルで赤十字会談を行い、合意文書「共同発表」に署名した。合意文書に盛り込まれたのは拉致疑惑問題、北朝鮮在住の日本人妻の里帰り、戦前・戦中に行方不明になった朝鮮人被害者の安否調査、日本のコメ支援の4項目。4月初旬に日朝国交正常化交渉本会談が予定されている。
2000年3月16日
■コーエン米国防長官は東京都内で河野洋平外相、瓦力防衛庁長官とそれぞれ会談し、現在は米側が保持している沖縄本島周辺の航空管制権について「米軍としての運用上の必要性が満たされることを条件に、日本側に返還する」と伝えた。
■防衛庁は自衛隊が日本有事などで武器を使用する際の基準となる「交戦規則(ROE)の策定を開始することを決めた。ROEは憲法9条で国の交戦権が否定されていることを背景に本格的な策定が見送られてきた背景がある。「本格的戦争準備だ」(野党幹部)との批判も根強い。ROEは現場自衛隊員にあらかじめ緊急事態での武器使用、不使用の判断や対処方針を示す規範。防衛庁は@日本有事A周辺事態B国内でのゲリラ攻撃対処C国連平和維持活動(PKO)などを想定し状況に応じて詳細な規則を策定する考え。
2000年3月18日
■台湾総統選挙行われる。民主進歩党の陳水扁・前台北市長が総統に当選。民進党は台湾独立を党綱領に掲げている。
■レバノンで拘束されていた日本赤軍4人を警視庁公安部は逮捕・収監。
2000年3月19日
■クリントン大統領、バングラデシュ、インド、パキスタン歴訪。
2000年3月20日
■中曽根弘文文相と韓国の文竜鱗教育相による初の日韓文相会議。韓国教育省担当者は「初の会談実現という象徴的な意味合いを優先させ、(歴史教科書のような)微妙な問題は避けたという印象を与えた」と評価。また、韓国教育開発院は「従軍慰安婦問題の位置づけなど、依然として、歪曲された部分は残っている」との報告書を発表。
2000年3月21日
■民主党などの野党は新潟県警の交通違反もみ消し事件で自民党の白川衆院議員(元国家公安委員長)の秘書が関与した問題を受け、一連の警察不祥事での小渕政権の責任を追及する姿勢を強めた。
■自由党は2001年からの中央省庁再編で防衛庁を独立した「国防省」に昇格させるための法案を与党各党による共同提出が見送られた場合、自由党単独で提出する方針を固めた。
2000年3月22日
■航空自衛隊第4航空団所属のT2ジェット練習機が松島基地(宮城県・矢本町)の東北約25キロの山林に墜落。パイロット一名が死亡。
■参院憲法調査会、西尾幹二電気通信大教授、正村公宏専修大教授を参考人として意見聴取と質疑を行った。
2000年3月27日
■小渕首相の私的諮問機関「教育改革国民会議」の初会合開かれる。教育基本法の見直しを求め、「教育基本法に道徳や倫理観を盛り込むべきではないか」との意見。
2000年3月30日
■自民、公明、自由の与党3党は昭和天皇の誕生日の4月29日を現在の「みどりの日」から「昭和の日」に改める祝日法改正案を参院に提出した。
■防衛庁は瓦力長官と幹部による「運用上の重要問題に関する検討会」の初会合を開き、自衛隊の武器使用基準などを定める交戦規則(ROE)の策定に着手した。
2000年3月31日
■北海道・有珠山噴火、避難1万6千人。
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