アフガニスタン攻撃、テロ特措法成立以後の動き 2001年10月 (次)(戻る)
2001年10月
2001年10月2日
■ブッシュ米大統領は2日ホワイトハウスで「アフガニスタンのタリバン政権はテロ組織アルカイダを引き渡し、テロ施設を破壊しなければならない。さもなければ、結末を迎える。」と述べた。
■北大西洋条約機構(NATO)は大使級理事会を開き集団的自衛権を定めた北大西洋条約第5条の正式発動を決めた。これにより米国以外のNATO加盟18カ国が武力の行使を含め、米国の報復行動を支援する条件が整った。
2001年10月3日
■フランスのシラク大統領は、米軍機の領空通過を認め、インド洋へフリゲート間と補給艦の2隻を派遣して米鑑定の補給と護衛を支援する事を決定。
■イスラエルが占領しているガザのアレイシナイのユダヤ人入植地が武装グループに襲撃され兵役中の10代の女性ら2人が死亡、10数人が負傷。(イスラエル、パレスチナ両者が停戦強化で合意した9月26日以降、この襲撃前までに20人ものパレスチナ人が死亡。パレスチナ自治区内までのイスラエルの入植地は明らかな国際法違反、入植地付近にはイスラエル軍が駐留しているという。)
2001年10月4日
■シベリア航空1812便が4日午後空中爆発して黒海に墜落。ウクライナ海軍将校のイーゴリ・ラリチェフ氏はウクライナ軍が演習中に発射したミサイルによって偶発的に撃墜されたと言明。
2001年10月5日
■航空自衛隊のパキスタン派遣が閣議決定される。6日にも、小牧基地から輸送機7機が出発する予定。隊員は短銃40丁を携行する。派遣されるのはC130H輸送機6期とU4多用途支援機1機。要因は警護を担当する陸上自衛隊員も含め、約200人に上る見通し。5日の閣議決定を受けて防衛庁長官が派遣を命令し、同日中に成田空港から民航機でテント、毛布、給水容器などを小牧基地に運びC130Hに積み替える。那覇基地まではC130H輸送機が予備機として同行。U4は万一の際の急患輸送などに活用する。那覇−ウタパオ(タイ)−コルカタ(インド)−デリー(同)を経由。物資を下ろして後、直ちに逆ルートで帰途につき、早ければ5泊6日の日程で小牧基地に戻る。
2001年10月6日
■C130輸送機6機、愛知県小牧基地から出発。
2001年10月7日(日本時間8日)
■米英軍、アフガニスタンへの空爆開始。ブッシュ大統領「タリバン政権は米国の要求に応じなかった代償を支払うことになる」「タリバン政権は必ず報いを受ける」と強調。
■小泉首相、記者会見で攻撃を支持。
2001年10月9日
■米軍、カブールやカンダハルなど5都市の防空施設、空港を標的に空爆。
■空爆により地雷除去作業を続ける非政府組織(NGO)のアフガン人職員4名が死亡。
■アフガン難民救援のための物資を積んだ自衛隊のC130輸送機6機がパキスタンのチャクラ空軍基地に到着。
■パキスタン西部のクエッタ近郊で米英軍の空爆にアフガン難民1000人が抗議。3人が死亡。
■米フロリダ州で炭疽菌を原因とした感染者が発見されFBIが本格捜査を開始。
2001年10月11日
■米軍、アフガンの首都カブールや南部カンダハルなど6カ所で四夜連続の空爆。タリバンのザイーフ大使が記者会見し、東部ジャララバード近郊の村への爆撃で村人約100人が死亡。空爆開始以降の死者累計は200人近くに上ると発表。
■反タリバン勢力の北部同盟がアフガン北部3州で攻勢。
2001年10月12日
■ウズベキスタンが国内の軍事基地を米国が利用することを認める。
2001年10月13日
■米国防総省がカブールの住宅地を誤爆したことを認める。
2001年10月16日
■パウエル米国務長官はパキスタンでムジャラク大統領と会談。タリバン後のアフガンに幅広い勢力による政権樹立で合意。
■衆院テロ対策特別委員会は、自衛隊の米軍支援を可能にするテロ対策特別措置法案の採決を行い、自衛隊派遣は国会の「事後承認」とするなど一部を修正し、自・公・保の与党3党などの賛成多数で可決。18日衆院本会議で可決し参院に送付され、26日に成立する見通し。特措法は2年間の時限立法。自衛隊の活動範囲を非戦闘地域に限定した上で、相手国の同意を条件に他国領土まで広げた。
■米軍、カンダハルなどの軍事拠点を空爆。カブールでは国際赤十字の倉庫が被弾、現地人職員一人が負傷。
2001年10月17日
■米上院の炭疽菌感染者が20人以上。
2001年10月19日
■アフガニスタン南部のカンダハル近郊で米特殊部隊とタリバン民兵が交戦。地上作戦の開始。
■パキスタンで支援の米軍ヘリが墜落、2人が死亡。
2001年10月20日
■アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が中国・上海で開幕。
■米政府当局は連邦議会議事堂に近接する「フォード・オフィス」と呼ばれる下院付属施設で炭疽菌が検出されたと発表。
■米・ブッシュ大統領とマレーシア・マハティール首相会談。同首相は、米国が行っている軍事行動によってアフガニスタン国民に犠牲がでていることに懸念を表明。
■中国の江沢民国家主席とロシアのプーチン大統領が上海で会談。双方はあらゆるテロに反対する姿勢を強く打ち出す一方、米国のアフガニスタン・タリバン政権への報復攻撃が民間人を巻き込んだことを懸念して、米国に対して軍事行動の早期終結を求めることで一致。
■イスラエル軍はパレスチナが治安権、行政権ともに保有するヨルダン川西岸の自治区トルカレムとカルキリヤに戦車などを侵攻。他の自治区との戦闘とあわせパレスチナ人5人が死亡。
2001年10月21日
■ワシントン・ポスト紙はブッシュ大統領が先月ウサマ・ビンラディン氏とそのテロ組織アルカイダの殺害・破壊活動を認める大統領指令を中央情報局(CIA)に出していたと伝えた。
■インドネシアのハッサン外相が上海で記者会見し米軍の報復攻撃の早期終結を訴えた。
■APEC首脳会議は昼食会でテロについて集中討議。各国首脳ともテロ撲滅で一致はしたが、具体策や米英の軍事攻撃を巡っては微妙な温度差が浮かび上がった。小泉首相は「テロと戦う米国を強く支持する。その戦いはテロに勝利することしかない」と強調。反面一部の首脳は「軍事行動は目標を限定すべきだ」「テロの背後にある中東和平や貧困などの解決に国際社会が取り組む必要がある」と指摘。
2001年10月29日
■テロ対策特別措置法成立(11月2日に交付し即日施行)。特措法の成立で、海外で軍事行動する米軍などに対し、自衛隊が補給・輸送、装備の修理・整備、医療などの後方支援を行うことが可能になる。
2001年10月30日
■政府は30日、海外派遣する自衛隊の活動内容などを定めた基本計画に、遭難した米兵らの捜索救助活動を盛り込む方針を固めた。
■政府は、ニューヨークの国連本部でテロ資金供与防止条約に署名。これはテロ防止関連条約で想定された犯罪行為を行うための資金の提供、受領を犯罪として定めることなどを義務づけるもの。
■米軍、アフガニスタン首都カブールなどで空爆を続行。
2001年10月31日
■米軍、アフガニスタン北部にあるカブール北方のタリバン前線基地に大型爆撃機B52を投入し計10回以上の激しい爆撃を行った。
■東南アジア海域で多発している海賊対策のため、日本フィリピン両国の巡視船が参加した合同訓練がマニラ湾で行われた。訓練には第四管区海上保安本部(名古屋)所属の巡視船みずほ(ヘリコプター2機搭載、61人乗り)が参加。
■アフガニスタン・タリバン政権のザイーフ駐パキスタン大使は記者会見で米軍がアフガン攻撃を開始後、これまでに計1500人の民間人が死亡したと伝えた。