チェチェン総合情報

更新情報 2004

最新情報はトップページをご覧下さい。

12.29.00:30 スマトラ島沖地震:アチェの被害者への緊急カンパのお願い

 史上最悪の被害になりつつあるスマトラを中心とする地震と津波。救援活動を開始したNGOに、ぜひカンパを。インドネシア民主化支援ネットワークが、現地のカウンターパートナーを通して救援活動を開始しています。軍事戒厳令下の続くアチェを中心に、草の根レベルの支援活動に取り組み続けてきた団体です。サイトでは最新ニュースも配信中。

12.26.00:15 チェチェンニュース Vol.04 No.42

 どうしたものでしょうね。つれづれに考えたことをまとめました。(まとまってない)

12.25.02:45 読者の判断に任せて・・・

 ロシアの平和活動家で、2001年に銃殺されたヴィクトル・ポプコフさんに関係する情報源から邦訳された文書を掲載します。位置付けと解説はひとまずやめて、このサイトに来る皆さんの判断にお任せします。「ジャーナリスト、社会活動家へのよびかけ」「文書13」。ご感想はこちらへ

12.21.21:15 オオカミはわたしが子どもたちのために乳を搾ってやっているのをみて、自動小銃を向けた

 「精神科の医者はきてくれましたか?」
 「いいえ。精神科からは全く連絡がありません」
 マリーナは新しいランドセルと一緒に届けられた手紙を見せてくれる。サンクトペテルブルグの小学生たちからアーシクにあてた人道支援。誰もがアーシクはいなくなったことを知っているのに、こんなものが?14歳の女の子イルーシャからの手紙「あの恐ろしい日を耐え抜いたあなたはすばらしい!」そして、文通しましょう、とある・・・
 悲劇はチェチェンだけではない。北オセチアでは何が続いているのか。本文へ

12.20.01:11 ワーム、独立派サイトを攻撃

 ワームを使ってチェチェンサイトをDOS攻撃。誰が?

12.09.12:30 独立派大統領の親族をロシア側が誘拐

 プラハ・ウォッチドッグによると、独立派のチェチェン大統領マスハードフの親族数人が親ロシア派に拘束され、事実上の人質状態になっている。これには彼の二人の兄弟、レチャ・マスハードフ、リョマ・マスハードフをはじめ、姉妹もふくまれている。昨年からこの種の事件は増加している。

 この10月、ロシアのウスチノフ検察総長は、ロシア下院で、「テロリストの家族に対する逆誘拐は、テロとの戦いの一部だ」と発言している。ロシア政府側は、チェチェン独立派をひとくくりに「テロリスト」と呼ぶ。「逆誘拐」の目的は、地下化した独立派に心理面からゆさぶりをかけることだろう。このやりかたも「テロリズム」というものではなかろうか。

12.17.12:30 「対テロ戦争」を声高に叫ぶものこそ

 「対テロ戦争」を声高に叫ぶものこそ、真のテロ推進者かもしれない——。このような疑問をもって事態を冷静に見る必要もあるのではないか。ロシアの北オセチア共和国の学校人質事件では、とてつもない数の命が奪われた。ロシア当局の発表はもちろん、日本の報道でも「チェチェン独立派の犯行」「独立派のバサーエフ司令官が関与しているという」「チェチェンで夫を失った黒服の女たち」・・。と、まことしやかな情報を流している。人質や死者の人数を始め、ロシア当局は意図的に情報操作しているが、それは今に始まったことではない。比較的早い時期に犯人たちと交渉して人質26人を解放させたアウシェフ前イングーシ共和国大統領の発言が気になる。(写真と文:林克明)

12.16.00:15 チッタゴン・ヒルこども基金で講演

 バングラデシュ・チッタゴン丘陵の紛争問題を扱っている、チッタゴン・ヒル子ども基金のイベントでチェチェンのことをお話しました。チェチェン問題を語るのに、ビデオ「子どもの物語にあらず」をもとにするのはわかりやすいのですが、紛争と私たちの生きる世界の構造を、ひとつながりのものとして論述する必要があるように思いました。努力が足りません。講演を聞きに来てくださった皆様、ありがとうございます。よかったらチェチェンニュースをご購読ください。

12.13.21:50 読者のお手紙

 たくさんいただいているので、一部を紹介します。「チェチェン戦争10年」「希望を捨てずに」「国防とは何かをご存知ない?」「女子高生から見ると、ぶっちゃけた話、」など。

12.04.02:00 チェチェン戦争本サイトができました

 オンライン書店「bk1」さんのご協力による「5社連合企画:隠されたチェチェン戦争を知る5冊」の特集ページがスタートしました。ここで、チェチェン関係の本が一括注文できます。便利!

12.03.11:00 常岡さんについての報道

 12月3日付の東京新聞社会面と、毎日新聞社会面に、常岡さんの拘束状態についての記事が掲載されました。報道によると、2日に国外退去と罰金刑が言い渡されたそうです。関連情報、「日本人ジャーナリスト常岡は、ロシアからの退去を迫られている」「常岡氏との電話交信実現」

12.01.12:50 常岡浩介君の拘束について

 すでに東長崎機関などで取り上げられているように、イングーシで常岡浩介君が拘束されている。昼間は尋問が続き、夜はホテルに戻されているとのことで、ホテルにも電話がかからない。イングーシへの連絡を諦めて、モスクワの日本大使館で今回の事件を担当されているハタ氏に電話で状況を伺った。大使館からは一日2回の電話連絡が常岡君とは維持されている。日本大使館の相手は、連邦保安局(FSB)ではなく、あくまでもロシア連邦外務省(MID RF)であるから、MIDを通じて、あくまでも法規に基づく正当な取り扱いを求め、早期解放を働きかけているという状況。 岡田一男氏の報告。

12.01.00:50 チェチェンニュース Vol.04 No.40 2004.12.01

 発行部数は微増傾向。コンテンツてんこもり。チェチェン戦争の犠牲者数について/今年、チェチェンで300人弱が行方不明に/ロシア軍の死亡者、10年で2万5千人/兵士の母親委員会 チェチェン駐留ロシア側兵力5万3千人/イタル・タス通信/11月のロシア軍側被害状況/ジャーナリスト常岡浩介氏イングーシで拘束/欧州人権法廷、チェチェン人の訴えを審理/「どんな手段を使ってでも」バサーエフ語る/イベント:日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)年次報告会/イベント:チッタゴン・ヒルこども基金勉強会/編集室より。ご一読を

11.26.12:30 「チェチェンの犠牲者は20万人」親ロシア派が明らかに

 アメリカのジェームズタウン財団のニュースレター「チェチニャ・ウィークリー」によると、チェチェン暫定議会(親ロシア派)のタウス・ザブライロフ議長は、1994年から今日までの間に、20万人のチェチェン人が殺害されていると語った。同議長はこの中の2万人以上が子どもだとしている。アメリカ発なのが少し気になりますが、親ロシア側でもこういう認識があるという情報は貴重です。

11.25.10:30 チェチェン関係映像イベント

 12月のチェチェン関係イベントは、主に映像です。11日、鳥取市で映画「金色の雲は宿った」の上映会が開かれます。ぜひ足をお運びください。映画についての解説はこのへんから芋づる式に。同じ11日に、中目黒でチッタゴン・ヒル子ども基金主催の勉強会「チェチェンで何が起きてるの」で、大富(当サイト管理人)が話をします。

11.23.04:00 要注目:日本人ジャーナリストがイングーシで裁判に

 ジャーナリストの常岡浩介さんが、イングーシでロシアの官憲の監視下に置かれているようです。東長崎機関より。

11.16.10:30 グルジア新政権の危険な賭け

 フランスの学者ジャン・ラドヴァヌイの見解からいくと、よくある「チェチェン戦争は米ロ角逐の一部」といった見方は、やや双方を買いかぶっていることになる。『アメリカの立場には、もはや何の首尾一貫性もない。ワシントンはグルジア軍を新たに訓練し、装備を提供することで、グルジア政府の好戦派を後押ししてしまっている。そして、アメリカとヨーロッパはチェチェンでのロシアの戦略を批判することを避けつつ、カフカスの火薬庫に対する自らの責任からも逃れようとしている』と。ル・モンド・ディプロマティーク日本語版より。

11.16.10:00 人名リストに追加

 さほど充実していませんが、これから努力します。 アスランベク・アスラハノフ/ アブドゥラフマン・アフトルハノフ/ モフラジ・ウドゥゴフ/ パーヴェル・グラチェフ/ ゲンナジー・シュピグン/ ウラジーミル・ゾーリン/ トーマス・デュワール/ ルスラン・ハズブラートフ/ ゼリムハ・ヤンダルビエフ

11.10.02:20 ファルージャ攻撃に反対

 チェチェンでしてはならないことは、イラクでもしてはならない。今日、イラクの都市ファルージャが米軍に包囲され、病院が破壊されるなど、すさまじい被害が出ています。最新情報はこちらで。95年4月、チェチェンのサマーシキ村を包囲していたロシア軍が、この村にテロリストがいるとして攻撃を開始し、人口1万5千人のうち、数百人から千人の村人が殺害されました。どこまでも似通った状況。書籍「ファルージャ2004年4月」は、この掃討作戦の発端から説明している良書です。米国防総省への抗議や、街頭での緊急行動もできます。これが、ジョージの選出にともなう世界への祝福、最初の一撃。

11.07.23:30 名も知れぬチェチェン歌

 千葉の稲毛で開かれたチェチェン支援のチャリティーイベント、<タノシイウツワvol1>に行って来ました。 大変楽しかったです。 ところで、会場でお会いした方から、「チェチェンの音楽を聞きたいのだが」と聞かれたので、以前紹介したものをふたたび。 それから、川崎在住の川名さんが今はなくなったサイト、チェチェン共和国オンラインに載っていた楽譜からMIDIで再現した ファイル()も。 歌には生きる力あり。チェチェンの音楽家が呼べるといいなあ。

11.08.11:10 ドキュメンタリー ロシア 相次ぐジャーナリストの殺害
  11/9 22:10〜23:00 NHK-BS1

 番組の告知です。「ロシアではゴルバチョフがグラスノスチを提唱して以来100人を超えるジャーナリストが殺害されて いる。今プーチン大統領のもとでテレ ビ・新聞に対する統制が強化されるなか、時流に反して政府の汚職・企業の不正を追及する独立系の新聞社の記者の間に犠牲者があい次いでいる。そして現政権 の検察はジャーナリストの殺害の捜査に必ずしも積極的ではない。番組は、2代続けて編集長が殺され独自の捜査に乗り出したシベリアの工業都市の地方紙と記 者に加えられた暴力に取材で対抗する全国紙「ノバヤ・ガゼッタ」という2つの新聞の編集部を舞台に、真実を求め戦うジャーナリストの日常を追う」

11.03.23:59 チェチェンでの平和のための提案

 ポリトコフスカヤの証言を引用してチェチェン問題を語ることはやさしい。私たちが知りたいと思うことを、彼女はいつも 届けようとするからだ。けれども、正直それを読むのは辛いことがある。書かれているチェチェンの苛酷な状況の前に、私達には何一つできないような気分にな るからだ。けれど、これから記事を読む私 か、あなたが、いつかチェチェンの平和のための国際監視団の一員になり、チェチェンを短期間訪れることがあってもいい かもしれない。この日本での生活の先に、そんな熱意を埋め込み、その視点から、いま起こっていることを注視してみてはどうだろう。この記事で、ポリトコフ スカヤはチェチェン戦争の現実的な幕引きの仕方を考察している。

11.01.01:40 イベントのお知らせ

 11月もチェチェン関係のイベントがたくさんあります。まず、1日昼は近畿ローカルですが、チェチェンからの留学生、ティムール 君がテレビに出演。毎日放送にご注目を。2日から、アムネスティ・インターナショナル日本による写真展、「紛争と女性」が開かれます。林克明さんのチェチェンの写真が展示されま す。6日は神奈川県の海老名市でも展覧会があります。7日にはいよいよ 千葉で世界平和とチェチェン支援を訴えるライブ。参加して、歌で平和を 訴えよう!(駄洒落ではなく本心で)。

10.22.15:55 細かい更新

 イベント情報メディア掲載記事など、細かく更新しています。

10.13.02:05 郵送ニュースレター

 チェチェンニュースにカンパしてくださる方に、 お願いがあります。入金してくださった方は、メールでお名前 とご住所をお知らせください。特典として、忘れた頃に郵送版ニュースレターをお送りします。チェチェンニュースとは別内容です。

10.11.00:30 月刊誌にチェチェンの記事

 ベスラン事件から1月が過ぎ、月刊誌でチェチェン関係の記事が増えてきました。それぞれに興味深いので、書店や図書館 でご入手ください。アンナ・ポリトコフスカヤ、林克明、山口花能、常岡浩介、岡田一男、徳永晴美、池上薫ほか。このところのチェチェン情報の充実ぶりには 目をみはるばかりです。硬い総合雑誌が中心なので、あえてトップページにはサーカス。

10.11.01:05 パレスチナ:ガザ 北部大侵攻・死者107人に

 ・・・何ということだろう

10.09.23:50 イ ラク侵攻:米による大量殺害に抗議を

 10月7日、ファルージャの結婚式を米軍が襲撃、少なくとも11人を殺しました。花婿も殺されました。この情報につい ては、「米 軍からのウェディング・プレゼント(怒)」に紹介されています。これに対する抗 議の手紙文例と、抗議先のアドレスがあります。よろしければ、パウエル国務長官とラムズフェルド国防長官に送って下さい。また、回りの方々にも広 めて下さい。文例は必要に応じて変更してくださってかまいません。

10.08.16:00 チェ チェン留学生を支援する会

 文京区の茗荷谷で、チェチェンの留学生ティムールを支援する会が開かれました。「日本語の修得と剣道で忙しい」とか。 なかなかいい男です。「武士道とチェチェン人の生きかたには共通性を感じます。ただ、武士道は殿様に仕えるためのものですが、チェチェンの場合は平等なの で、一族や、地域社会のための生き方です」とのこと。

10.06.23:20 「金色の雲は宿った」上映会場より

 10月2日の上映会、盛会でした。簡単ですが写真で報告します。

10.02.01:00 金色の雲は宿った上映大成功!

 プリスターフキンの小説「コーカサスの金色の 雲」の映画版の上映は、130人(くらいか?)の参加があって盛会でした。下記、参考資料です。

 子どもの瞳に映るもの「金色の雲は宿った」を巡って
 われらの心に宿る「無関心の闇」をめぐって(姜信子)
 レギーナ・ペトローヴナを思う(書きかけ)
 「兄弟」は嘘なのか?(書きかけ)
 書類カバンの願い(これから書く)

10.02.01:00 チェチェンの未 来に会おう—ティムール交流会いよいよ今日

日本に、チェチェンからの留学生が来ています。ティムール・オズダミールです。たとえば、幼いころから、戦争ばかりを見 て、父を失い、母の悲しみをまのあたりにしてきた子どもたちの中から、チェチェンをまとめるような人物が生まれるのではなかろうか。戦争だけでなく、今は まだ平和の残る日本の様子を見て学ぶ青年は・・・。ティムールを励まし、助けるためのパーティに、ぜひご参加を。(photo:山口花能

10.01.18:00 スロヴァキアのチェチェン難民その後

前の号で伝えた、スロヴァキア難民問題についてのフォローで す。

09.28.16:50 金色の雲は宿った上映!(10/2)

 一日千秋の思いで、この映画がかかるのを待っています。プリスターフキンの小説「コーカサスの金色の雲」の映画版、「金色の雲は宿った」が、東中野で上映され ます。

 ゆっくりと進む後半の劇中、チェチェンの男が、ロシアの少年コーリカを射殺しようとするそのとき、遠い緑の山から聞こ えてくる、祈りの声・・・。

 チェチェン問題はなぜあるのか、そして、解決はありえるのか。文学にしか提示できない何かが、懐 かしい昔の天然色のフィルムで展開します。ビデオにもDVDにもなっていません。共有される場は、文字通り映画館の夜の中でだけ。この作品には、そういう 受容のされかたこそが、ふさわしいのだと思います。

 今回は豪華にも、司会・本橋成一さん、姜信子さん(作家)×岡田一男さん(映像作家)のトークつき。いくつかのテキス トをリンクします。でも、読むのは観た後がいいかもしれません。ぜひ足をお運びください。

 子どもの瞳に映るもの「金色の雲は宿った」を巡って
 われらの心に宿る「無関心の闇」をめぐって
 レギーナ・ペトローヴナを思う(書きかけ)
 「兄弟」は嘘なのか?(書きかけ)

09.26.19:15 書評: 『チェチェンやめられない戦争』

恐るべきルポルタージュである。この労作を読んだあとでは、自分をジャーナリストなどと名乗るのが恥ずかしい。チェチェ ンにロシア人女性記者の著者が何度も入り、名もなき人々の声をすくい上げた。そこから見えてくる戦争は、ロシア軍による住民への略奪・強姦・拉致・人身売 買であり、反テロ戦争などでなく、ロシア軍による「対市民戦争」だということだ。続発するテロの根源が書かれている。林克明による書評。

09.26.10:30 チェチェ ン難民問題—ポーランドでは

ポーランド国境はたいへん混雑している。連日大勢のチェチェン人が安全な避難場所を求めているからだ。収容施設はまもな く満杯。難民資格を申請したチェチェン人は9月はじめ以来300人を超えている。ロシア・チェチェン戦争が何度もエスカレートするごとに、多数のチェチェ ン人がポーランド国境にやってくる。現地紙から。

09.26.02:25 ご賛同御礼

共同声明へのご賛同、ありがとうございました。集計の結果、119人の方から賛同をいただいています。声明は、在日ロシ ア連邦大使館、欧州安全保障協力機構(OSCE)、国連高等難民弁務官事務所(UNHCR)、同高等人権弁務官事務所(UNHCHR)、日本外務省などに 送付しました。チェチェン側の各通信社宛には、ロシア語訳の送付を準備しているところです。声明の本文と、皆様からいただいたメッセージを掲載しています。ご覧くださ い。

09.24.00:10
チェチェンの未来に会おう—ティムール交流会

日本に、チェチェンからの留学生が来ています。ティムール・オズダミールです。たとえば、幼いころから、戦争ばかりを見 て、父を失い、母の悲しみをまのあたりにしてきた子どもたちの中から、チェチェンをまとめるような人物が生まれるのではなかろうか。戦争だけでなく、今は まだ平和の残る日本の様子を見て学ぶ青年は・・・。ティムールを励まし、助けるためのパーティに、ぜひご参加を。(photo:山口花能

09.24.04:00
スロヴァキア政府、チェチェン難民を強制送還?

悪いニュースです。22日、ウクライナから、スロヴァキア経由でベルギーに逃れようとしていた難民たちが、スロヴァキア の警察官に拘束された上、送り返されています。UNHCRキエフ事務所は、ウクライナ・ロシア国境の駅に人を派遣し、彼らを確保するとのことです。しか し、この家族は救われたとしても、多くの他のチェチェンの人はどうなるのでしょう。まるで、ナチスドイツのユダヤの人々の収容所へ送るような仕打ちです。 ベルギーの読者からの報告。ファクス、メール送りなどのアク ションをお願いします!とりあえずアクション中止。情報収集中。

2004.09.21.00:10 ベスラン学校占拠事件に関する 共同声明

ベスラン学校占拠事件は何だったか。ロシアはどこに向かおうとしているのか。今回発表する声明は、これまでチェチェン問 題に関心を持ち、平和的支援活動を続けてきた私たちの、現在の考え方と情勢分析をしめすとともに、紛争当事者と国際社会に対して、必要な行動をとることを 求めるものです。少し長いものですが、どうぞご一読ください。ご質問と賛同をお受けします。

2004.09.19.12:10 彼 らは、救急車を撃った

ぜひいろいろな人に読んでほしい本があって、それはチェチェンと同じ事が書いてある本だ、と言ったら言いすぎだろうか。ラ フール・マハジャン著・益岡賢・いけだよしこ編訳「ファルージャ 2004年4月」が、今朝の東京新聞の読書欄に紹介されているのを発見した(お洒落なふたりの写真も入っている)。イラクの ファルージャでは、米兵は「救急車はテロリストの偽装だ」と言い放っては狙い撃ちした。「こんな言い訳が正当性をもち、一人歩きしてしまうことは、本当に 恐ろしい」と、いけださんは言う。今日もファルージャからは数十人の人が「テロリスト」として殺されたニュースが届く。

2004.09.17.14:00 シャ ミーリ・バサーエフ人物情報

野戦司令官、シャミーリ・バサーエフの人 物情報。それから、アメリカ政府による「テロ組織指定」についての解説。当人へのインタ ビューはこちら。最近のチェチェンニュースより、バサーエフに聞きたいこと上

09.17.14:00 増刷出来

おかげ様をもちまして、小著「チェチェンで何が起こっているの か」、このたび増刷と相成りました。既にお持ちの方に同じ本は二冊はご不要と存じます。ぜひ図書館、親類縁者、友人知人有象無象の皆様にお勧めく ださい。

09.16.11:45 緊急報告:チェ チェンで何が起こっているのか

会場の地図のURLが間違っていました。こちらが正し いです。チェチェン問題を取材してきたジャーナリストとアクティビストが、映像資料もまじえて、チェチェンの人々の生き方、ニュースの見方、チェチェン問 題にアメリカはどう関与しているのか、世界の関心と支援状況、チェチェン独立の可能性、ロシア政府への圧力のかけかたなどについて、縦横に語ります。書籍 の販売も。一緒にチェチェンを考えましょう。

09.16.03:10 年表を簡略化

年表を簡略化しました。細かければいいというものでもなく。もとの年表はこちら

09.15.21:15 大国のエゴ  許してはならない

民主の小沢一郎議員の最近の発言。『大国ロシアによる「侵略」や「非道行為」を俎上にあげないで、一方的に弱小民族側だ けを「あれはテロだ」で済ませていいのか。テロ行為を肯定するわけではないが、大国と弱小民族が戦う場合、一体どんな手段があるというのか』 このくらい言う議員は稀有。過去の発言はこちら

09.14.11:00 ルスラン・アウシェフ

「われわれは射撃を止めさせようと思った。で、電話をした。犯人たちはこう言った。『こっちは撃つのをやめた。撃ってい るのは、そっちだ』と。こちらも『射撃止めろ』と命令を出した。ところが、馬鹿なことに軍でも犯行グループでもない、<第3勢力>がいた のだ。そんな連中が、一体なぜあそこにいたのか・・・」人質事件、たった一人交渉役となって学校に入り、26人を解放させたアウシェ フ。真実を考えるために、読まれるべきインタビュー。

09.12.18:30 緊急報告:チェ チェンで何が起こっているのか

チェチェン問題を取材してきたジャーナリストとアクティビストが、映像資料もまじえて、チェチェンの人々の生き方、 ニュースの見方、チェチェン問題にアメリカはどう関与しているのか、世界の関心と支援状況、チェチェン独立の可能性、ロシア政府への圧力のかけかたなどに ついて、縦横に語ります。書籍の販売も。一緒にチェチェンを考えましょう。

09.12.13:00 アエラにポリトコフスカヤの記事

13日(月)発売のAERAに、アンナ・ポリトコフスカヤが毒を飲まされた事件の経緯が掲載されます。事件は詳しく、し かし背景はごく一部しか書けなかったので、雑誌の中での位置付けによって、意味合いが変わってきてしまうと思います。その点も考慮しつつお読みください。 筆者は大富亮。

09.10.22:30 人 質事件に関するNGO共同声明

北オセチア、イングーシ、チェチェン、その他のロシアの地域で、自発的な報復 攻撃の危険から市民を守るという明確な義務を、ロシア政府は果たさなくては いけない。アムネスティなど。

09.10.14:10 空手家 の夢

パーン、パーン…。サンドバッグを蹴り上げる音がいつまでも止まない。亡命したチェチェンの空手家、オスマンは決意して いる。日本で格闘技「K1」に出場して金を稼ぎ、家族をバクーに呼び寄せる。将来、武道を通して、少年たちを一人前に育てたい。

09.08.00:00 もう戦争はいらない

こんな悲惨な時こそ、将来を考えて、すこしつづ行動していきたい。今週末の BE-IN & WORLD PEACE NOW のイベントでは、いわば「ゆるいチェチェン支援連合」が ブースを出します。直接いろいろな方に会い、お話できるのを楽しみにしています。フェア実施中の紀伊国屋書店ではチェチェン関連本が飛ぶように(!?)売れ ているようです。来週からは池袋リブロでもフェアという未確認情報。そ して11月には、世界平和+チェチェン支援チャリティーライブ。地方で イベントをされる方も、ぜひメールでお知らせください。

09.10.05:20 チェチェンニュース イベント情報など

09.09.12:50 犯人側 「やめさせて」と電話 突入直後に

突入の瞬間、犯人グループが(交渉役のイングーシ前大統領)アウシェフ氏に電話し、「何をするのだ。子供を殺すのか。中 止させてくれ、やめさせてくれ」と頼んだ・・・。偶発的?それとも故意?毎日新聞から。

09.09.12:45 週刊文春に書評掲載

ロシア語会議通訳・作家の米原万里さんの渾身の書評。迫力満点のブラック・ジャック、チェチェン版とで もいおうか。手に汗握る展開に巻き込まれて一気に読了「誓い」読 み進むうちに、国際社会から忘れられ無法地帯と化したチェチェンに生きる人の苦悩と恐怖と絶望が迫ってくる「チェチェン やめられない戦争」など。タイトルは「世界から忘れ去 られたチェチェンという地獄」。(強調は引用)

09.07.10:00 これでいいの?

「マスハ ドフ、バサーエフ両氏が命令=大カフカス戦争狙う‐武装集団」(時事)。当局発表の垂れ流しもここにきわまれりという感じ。チェチェン独立派のマス ハドフは今回の事件への関与を否定したばかりか、交渉に参加して人質を解放しようとさえしたのに。これくらいは読んで考えよう。「マ スハードフ 北オセチア大統領と国民へのメッセージ」

09.07.02:30 討論:テロは絶対に肯 定できないけれど・・・

テロは絶対に肯定できないけれど、それしか生き伸びる手段を持たない人々を作り出している国とそれを放置してる私たちが いる限り、テロのない世の中はこないと思います。ただテロが起こるとそれを口実として大国が大規模な攻撃に出るのでそれが恐いです。同じような状況にある 国々が一日も早く独立し、平和で安心した生活が送れますように。無謀な侵略行為を繰り返してる国が、早く自分達の過ちに気付きますように。(読者の投稿)

09.06.02:50 ベスラン学校人質事件に感じる疑問

何を書けばいいのかわからない。今日の報道では、死者数は700人にのぼる。こんな事に慣れたくないと、心から思う。 「テロに屈するな」という声が聞こえる。「暴力の連鎖を断て」と語る人もいる。私はどちらにも賛成したくない。不屈の人々には、何の罪もない子どもたちを 盾にした犯人たちの責任と、「治安」をたてに交渉を打ち切って殺戮を果たした当局の責任を同じように量ってほしい。「連鎖」を口にする人々には、その考え 方を、よく見つめなおしてほしい。アンナ・ポリトコフスカヤは一命をとりとめた。事件は終わった。けれど、その意味を考える作業ははじまったばかりだ。

09.03.02:50 ア ンナ・ポリトコフスカヤ服毒!?

あってはならないことが起こっている。占拠武装グループに交渉人として指名されたレオニード・ロシャーリ医師に同行しよ うとしたノーバヤ・ガゼータ紙の評論員アン ナ・ポリトコフスカヤは、ロストフに到着直後、急に体調を崩し意識不明となった。彼女はロストフ中央病院救急センターに収容されているが、同院の 診断では服毒による急性中毒。NG紙は、スタッフを何者かに毒殺された前例があるので、計画的に毒を盛られた可能性もあるとしている。

09.03.02:55 アンナが危ない!!

あってはならないことが起こっている。占拠武装グループに交渉人として指名されたレオニード・ロシャーリ医師に同行しようとしたノーバヤ・ガゼータ紙の評論員アンナ・ポリトコフスカヤは、ロストフに到着直後、急に体調を崩し意識不明となった。彼女はロストフ中央病院救急センターに収容されているが、同院の診断では服毒による急性中毒。ノーバヤ・ガゼータ紙は、スタッフを何者かに毒殺された前例があるので、計画的に毒を盛られた可能性もあるとしている。彼女は前日より食事を全く摂っておらず、ロストフ行き機内で出されたお茶しか飲んでいなかった。他にも、ラジオ・リバティーのアンドレイ・バビツキー記者が、露骨に移動制限を受けている。(2004.09.03現在)

09.03.02:55 重要なお知らせ

ときどきサイトがアクセスできなくなっているようです。DOS攻撃の可能性がありますので、ダウンに備え、チェチェンニュースの購読をおすすめします。最新情報は ChechenWatch で更新されます。

09.03.10:30 再録・チェチェン のテロの図式

犯行声明が出ていない段階で、犯人の名前または人種が、当局から発表される。そして、すぐにチェチェンではロシア軍によ る大規模な掃討作戦が始まる。人権侵害がどれだけ発生しても、「チェチェン人のテロ」のすぐ後なので、ロシア国内でも国際社会でも、作戦に対する批判は強 くならない。結局、犯行声明らしきものは誰からも発表されない。これが一つのパターンだ。ふたたびこの記事に書き加えなければならない事件が進行してい る・・・

09.02.23:46 プ リゴロドヌイの屈辱と言われるもの

断片的ですが、北オセチア人質事件の背景解説になるかもしれない情報をひとつ掲載します。人質犯の少なくとも一部はイン グーシ人と伝えられています。チェチェンと人種的に近いイングーシ人と、北オセチア人(オセット人)の間には、1944年以来の領土紛争があり、今回の騒 動にはそれが影をおとしているのではないか、という分析。コーカサス諸民族の特徴についての、カフカス基金による解説はこ ちら

09.02.16:30 フジテレビの見識

昨日のフジテレビの番組「とくダネ!」で、コメンテーターの岩上安身氏(ジャーナリスト)が、チェチェン問題に、「こ れは200年にわたる支配と弾圧の結果。80万人のうちすでに40万人が(難民化および死亡)離散するほどになっている。もはや民族絶滅という状況になっ ていることを忘れてはいけない」という趣旨のコメントをした。一方の暴力だけを取り上げ、数々の事件の原因となったロシア側の暴力を何 も報道しないテレビのなかで、このような事実が明確にコメントされたのは、テレビでは異例のことだ。このような事実をしっかり話す人を応援するべきだろ う。(林克明)

で、どうすればいいかというと、趣旨にご理解くださる方は、フジテレビの 03-5500-8888 に電話し、「9月1日の『とくダネ!』の、チェチェンについてのコメントを知り見識を感じた。これからも公正な報道をしてほしい」というようなことを伝え てください。メールの場合はこちらまで。 実際にご覧になった方が応援するのがベストですが、いちおう。

09.02.13:50 チェチェン ——— 失敗した侵略

つぎつぎと事件が起こっている。先週、ロシア南部で二機の旅客機が墜落したかと思えば、おとといはモスクワ市内で10人 の死者を出す爆破事件がおこり、昨日の朝には北カフカスの北オセチア共和国で学校が占拠され、人質は300人になるという。すべての暴力に、枕詞のように 「チェチェンが関与」という見出しが躍 る。私には、それらの犯人が 誰で、これから人質事件がどうなるかを書くことはできない。ただ、背景 を、一冊の本をもとに示すことはできると思う。つまり、チェチェン戦争というものに ついて。

09.01.17:40 最近の動 きについて林克明がコメント

ジャーナリストの林克明さんが、最近のチェチェン関係の動きについて、放送中のニュースプラスワンで解説します。日本テ レビ系、17:25から。飛行機事故>傀儡大統領選挙>モスクワ爆弾騒動、ときて、どうせすぐにはわからないと思い、読書モードに入っていました。ポリト コフスカヤの「チェチェン やめられない戦争」などを読破。読書 感想文でも書くつもりでしょうか、私は。こんな時こそ読まれるべき一冊だと思います。

08.29.01:50 「大統領選挙」の欺瞞を繰り返し指摘しよう

今日はいよいよチェチェン共和国「大統領選挙」です。どうしてカッコをつけなければならないかというと、この選挙が公正 なものだとはどうしても思えないからです。欧州安全保障協力機構(OSCE)も、欧州評議会も、選挙監視団を派遣しません。危険でそんなことはできないで す。その戦時下で行われる選挙が公正で自由なものであり得るか?答えは中学生にもわかります。

選出されるであろうアルハノフ内務大臣は親ロシア派。前に爆殺されたカ ディロフの息子ラムザンは世襲制よろしく、幾多の犯罪に もかかわらず選挙を経ずに副首相に留任します。日本の報道各紙は現地取材しないわけですが、それはロシアの官製取材旅行になってしまうことを危惧してのこ とでしょう。過去にあったことと あまりかわりません。何が起こっても、驚きません。それはチェチェンを追い詰めた結果だからです。

08.28.00:10 成功!怒 涛の出版を祝う会

目黒のデパート屋上を借りて実行した「出版を祝う会」。参加者60人以上。盛会でした。開会2時間前にはもう人が来てい てびっくり。会をやってみて感じたことなどをつらつら書きます。

08.25.23:51 ロシア航空機事故に思う

ロシアでの二機の旅客機の墜落について、「チェチェン独立派が関与しているのではないか」という報道がされています。MOSNEWS の報道によると、チェチェン独立派のスポークスマンも、また、親ロシア派も、そろってこの事件へのチェチェン側の関与を否定しています。

これまでのテロ、アパート爆破事件・モスクワ劇場選挙事件のいずれも、ロシア政府の関与した形跡があり、「対テロ戦争」の一部に位置付け、強硬策を 進めようとするロシア側にとって有利な結果となっています。チェチェン戦争との関係という部分で言うと、もともとチェチェン戦争はロシアの侵略であり、 チェチェンの抵抗の戦いを「テロ」に矮小化すると、その真実を見まちがうことになると思います。

08.24.05:30 アニメ「春になったら」を巡って

 「いつ戦争は終わるの?」難民の母親はそう聞かれて、「春になったら」と答えた。その春はもう4回も巡ってきたのに、 戦争は終わりそうにない。昨年秋に、チェチェンの女性ジャーナリスト、ザーラ・イマーエワさんが、記録ビデオ「子どもの物語にあらず」を携え、ひとり息子 のティムール・オズダミール君とともに来日したとことは、ご記憶の方も多いと思う。ふたりは日本を離れたあと、 10分足らずのチェチェン難民の子供たちの絵をもとにしたアニメの小作「春になったら」を完成させた。このアニメは私たちに何を示すのか。

08.25.19:10 今日の出来事・ロシア航空機事故

ロシアでの二機の旅客機の墜落について、「チェチェン独立派が関与しているのではないか」という報道がされています。こ れについて、日本テレビの「今日の出来事」でジャーナリストの林克明さんがインタビューに答えます。22:54から放映。

08.22.22:00 チェ チェンで戦闘

チェチェンで大統領選挙の投票所が襲撃されたようです。事件の背景と文脈を読む意味で、過去記事の「権利の剥奪/チェチェン大統領選挙の問題点」や、「チェチェン「大統領選挙」の諸相」が参考になるの ではないかと。拡大の様相を呈してきました。チェチェ ンで武装勢力と露連邦軍が戦闘、60人超死亡(読売)

08.18.01:20 チェチェン映像販売中

チェチェンの若者ティムール・オズダミールのアニメ作品、「春になったら」と、その母にしてジャーナリストのザーラ・イ マーエワによるビデオ作品「子どもの物語にあらず」、好評発売中です。紹介文はこちら。なお作品 は、次回のイベント、納涼・怒 涛のチェチェン関連本の出版を祝う会&屋上庭園映画会でも観ることができます。

08.11.03:10 納涼・怒涛のチェチェン関連本の出 版を祝う会&屋上庭園映画会

という、若気の至った題の会を催します。チェチェン関連本の刊行は、いまや月1冊のラッシュ状態。7月、 出版各社の有志による「チェチェン・メディア・プロジェクト」が始動しました。来年のプーチン大統領訪問を日程に組み込みつつ、市民運動も動き出していま す。この日本での注目の高まりを、チェチェンの人びとにも伝えたいと思い、そのいきおいでイベントを。立食パーティーのほかに、日本に留学中のチェチェン の若者、チムール君の映像作品「春になったら」の野外上映などを準備しています。もちろん、8月25日発売のA・ポリトコフスカヤの訳書「チェチェンやめられない戦争」を始め、各社の本が確実に手に入りま す。これは参加するしかない!

08.04.11:10 チェチェン・ロシア紛争の新しいフェイズ <1>

今年に入って、プーチンの事実上の信任投票としてロシア大統領選が行わ れた。大統領選を前にして奇怪なモスクワ地下鉄爆破事件が起こった。引き続 いてカタールでヤンダルビーエフ爆殺、ロシアの情報機関の将校2名がカタール当局に逮捕された。プーチン政権が 圧力を強化したのは、チェチェンだけではない。エネルギー産業の大手ユコス の経営責任者のホドルコフスキーを逮捕拘禁し、企業倒産の淵に追い込んだ。 独立系テレビ局から政府に批判的なキャスターを追放させ、ついにテレビ局か らは政府批判が姿を消した。ロシア自体の急速なファシスト国家化の構図がはっ きりしてきた。岡田一男氏による分析です。

08.02.01:00 書評:ロシア・ユーラシア経済調査資料

お知らせが遅くなってしまいましたが、ユーラシア研究所のロシア・ユーラシア経済調査資料第865 号にて、小著『チェチェンで何が起こっ ているのか』の7ページに及ぶ書評(佐藤和之氏による)が掲載されました。他の論文も参考になりますので、どうぞお買い上げください。直販のほか にナウカの店頭にもあります。

07.31.22:10 メディア・プロジェクト!

社会新報8月4日付けで、チェチェンについての記事を1ページにわたり林克明が掲載します。ポイントは7月末に立ち上げ た「チェチェン・メディア・プロジェクト」の紹介。今年たてつづけに5冊のチェチェン関連本が出版されているので、これを機に、版元の編集者有志・翻訳 者・執筆者らが集まり、チェチェンのことを知らせて行く。出版社共同のチラシ作成、およびチェチェン・フェアーを呼びかける予定。

07.30.02:20 ご注進

TBSで日曜日に放送された空 手日本チェチェン親善試合の映像がありました。見たところ、親ロシアの傀儡政権は大会を開くことで、チェチェン情勢が安定に向かっているというイ メージを流したかったのだと思います。二つ疑問が湧きました。1.極真会館の人びとは、チェチェン情勢を理解して試合に臨んだのか。2.番組のアナウンス にあったように、「暗殺された大統領の息子が副首相になっている」という奇妙な事実をどう受け止めたか。今後、チェチェンとの格闘技を通した交流を考えて いるそうですが、ここをきちんと押さえておかないと、変な話になっていくと思います。

07.30.01:40 バサーエフに聞きたいこと(つづき)

91年のソ連邦崩壊の時、改革派の政治家たちとともにバリケードの中にいたバサーエフは、たった26歳の若者だった。そ れから、アブハジアではグルジア軍と戦い、第一次チェチェン戦争ではロシア軍と戦い、停戦期にはマスハードフと鋭く対立して内戦寸前にもなった。そしてダゲ スタン侵攻、第二次チェチェン戦争。モスクワの彼の部屋には、ゲバラのポスターが残されていたという。彼が銃を見ずに済んだ日はなかったろう。バサーエフ を「チェチェン独立派野戦司令官」と定義してしまうと、今の情勢も、たぶん理解できない。もうひとつ、バサーエフ自身は自爆をしない以上、それを単に戦術 の一つと考えている。

07.28.07:20 バサーエフ、イングーシ蜂起への関与を表明

AFPに よると、チェチェンの強硬派野戦司令官バサーエフが、6月 22日のイングーシ共和国での大規模蜂起事件に関与したとの声明を、ビデオテープで公表しました。関連情報はこ ちら。チェチェンとイングーシの「ムジャヘディン」による共同作戦だそうです。ロシア側によるとこのテープは「真正のもの」。

07.29.12:50 バサーエフに聞きたいこと

ちょっと間があきましたが、チェチェンニュースを発行しました。チェチェン独立派と呼ばれているものについての考察で す。前半はイングーシ情勢の整理、明日あたりに発行する後半は、バサーエフのプロフィールに迫ります。

07.27.23:50 米国に市民参加型チェチェン支援組織!

リンクに、チェチニヤ・アドボカシー・ネットワーク(CAN)を追 加。ニューヨーク・ボストン・ワシントンDCから、ポートランドなどの個人も参加する広域的な運動のようです。保守派チェチェン支援団体以外のアメリカの 市民の動きはどうなのかな、とおもったらアンテナにかかりました。

07.25.20:30 速報!アンナ・ポリトコフスカヤ邦訳出版

おそらくこのサイトが一番早いお知らせです。チェチェン関係では世界で最も有名なジャーナリスト、アンナ・ポリトコフス カヤの著書「第二次チェチェン戦争」が、とうとう邦訳されました。邦題は「チェチェン やめられない戦争」、三浦みど り訳。NHK出版より、8月25日に刊行される予定です。訳者の三浦さんは、プリスタフキンの「コーカサスの金色の雲」を訳 した方。ポリトコフスカヤ情報もどう ぞ。(右の写真は英語版です)

07.12.13:15 「チェチェンの子ども達」写真&作品展&活動報告会

東京都世田谷区にあるボックス・ギャラリー 世田谷233にて、「チェチェンの子ども達」のテーマで写真と作品展を開きます。活動報告会、フリーマーケットも。

07.25.13:30 日本・チェチェン空手親善試合

今日の今日で何なのですが、モスクワで行われた、「日本・チェチェン空手 親善試合」の模様が、TBS系のニュースで放送されるそうです。どうぞご覧 ください。7月25日 TBSテレビ ニュースの森 午後5時よりです。チェチェン男は義理人情と甲斐性、そしてやっ ぱり格闘。格闘技といえば、 最近日本でも著書が刊行された医者/格闘家のハッサン・バイエフ。バイエフ の本は苦戦しているとも聞くので、ぜひ一冊お買い上げください。 詳しくはこちら

07.22.10:20 林克明の仕事サイト

ジャーナリストの林克明さんのサイトを作りました。イベント情報も追加です。 今日から「チェチェンの子ども達」写真&作品展&活 動報告会です。

06.26.05:40 チェチェン!ファルー ジャ!

『ファルージャ2004年4月』。イラク、ファルージャで続く虐殺。益岡賢氏、いけだよしこ氏が、ラフール・マハジャン 氏らの手記を緊急出版しました。<ファルージャとサマーシキ村>の相似は、チェチェンで用意されたシナリオがイラクで実行されてきたことを示し、<イラク 主権委譲を前にしたレジスタンス蜂起と大統領選挙を前にしたイングーシでの蜂起>などが共時性を持ち始め、いっそう私たち自身の問題に近づいてきたことを 示す———ぜひ読んでほしい一冊です。装丁もかなりヨイ。くわしくはこちらで。

07.16.01:20 モスクワからの警告

ロシアの報道の自由が厳しい制限に直面していることが、最近の各紙モスクワ支局から報じられ始めた。この傾向は、99年 以来のチェチェン戦争の深刻化と比例している・・・というようなことを書かなくてはと思うのですが、とりあえず最近の記事をピックアップ。ご参考にどう ぞ。
・ プーチン政権、「KGB」復活へ動く 連邦保安局を「省」に格上げ(産経)
・防 ちょう機関の権限強化=ロシア大統領が布告(時事)
・ KGB“復活”、新組織をプーチン大統領が承認(読売)
・ロシア版フォーブスの編集長殺 害 「長者番付」への報復?(産経)
・露政府、 言論統制さらに強化 3大ネット局すべて掌握 批判的な番組一掃(産経)
・ 独立テレビが「言論の自由」打ち切り 主要3局、政権管理下に(毎日)

07.15.00:00 カディロフはなぜ死んだのか?

5月9日にグロズヌイで暗殺された親ロシア派のカディロフ「大統領」の事件の背景と、今後についての対談です。ラジオ局 エコー・モスクワで放送されました。番組の中でジャーナリストのA・ポリトコフスカヤと元民族問題担当相のV・ゾーリンは、カディロフ流の統治とはどんな ものだったかを、まったく反対の立場から語り、その統治以外の可能性を視聴者に問います。こちらもおすすめ:カディロフの死を巡って

06.30.23:10 チェチェン大統領暗殺、ロシア工作員がカタールで終身刑

ロシアの諜報員がチェチェン元大統領を暗殺したことが、カタールの法廷で確定しました。最近の日本の報道は時事通信毎日新聞。 事件については、チェチェンニュースの05号16号20号などをご参照ください。ヤン ダルビエフ暗殺に限らず、チェチェン戦争はそもそもロシア政府の犯罪です。リバティーから、チェチェンの未亡人のために潰されたNTVの人気番組も。

07.07.01:00 アムネスティ/チェ チェン‐誰の目で見た「正常化」なのか?

2003年3月の新憲法採択と同年10月初めの大統領選挙は、チェチェン共和国の状況を正常化しなかった。強かんや国際 法に反する殺害行為を含む、超法規的殺害、「失踪」、拷問が組織的に行われている。アムネスティ国際事務局の報告。

07.01.00:30 チェ チェンの未亡人のために潰されたNTVの人気番組

6月始めに、ヤンダルビエフの未亡人のインタビューを放送しようとした、ロシアのNTVテレビのキャスター、レオニー ド・パルフョーノフ氏(44)が突然解雇された。アメリカ政府系の放送局ラジオ・リバティーが、NTVで放送されるはずだった番組のカット部分を使ったイ ンタビュー番組を放送していたので、テキストを掲載。

06.04.23:50 書評:『誓い』

私は第一次戦争のとき何度もチェチェンに行ったが、病院を訪ねるのは気が重かった。悲惨な光景を前に私が無力感で呆然としている時、この本の著者である医師バイエフは知恵を尽くし、黙々と負傷者の治療にあたっていたのだろう。チェチェンの男は強くなければならない。義理人情に厚く、稼ぎがよくなければならない。男の道まっしぐらである。この本を読んで、ぜひチェチェン民族の生き方と出会ってほしい。林京子が書評。

05.21.02:50 熊笹の遺言

チェチェン映画上映で協力してくれた日本映画学校の学生作品が、JPPA AWARDSなどを次々受賞。舞台は群馬県の国立ハンセン病療養所。元患者が今も250人以上暮らしているが、高齢のため在園者は年々減っていく一方。天皇制イデオロギーの中で切り捨てられ、差別されたハンセン病患者の記録です。

06.27.21:20 チェチェンの青年たち

あまり宣伝しなかったのですが、最近チェチェンの若者二人が日本を訪れていました。そのときの支援者へのお礼のメールを掲載します。若者のひとり、ワッハは、戦争で8歳までしか教育を受けることができなかったようです。いろいろ考えさせられました。

06.26.05:40 『ファルージャ2004年4月』

イラク・ファルージャで続く虐殺。益岡賢氏、いけだよしこ氏が緊急出版しました。<ファルージャ=サマーシキ村>の相似は、チェチェンで用意されたシナリオがイラクで実行されてきたことを示し、<イラク主権委譲とレジスタンスの蜂起=大統領選挙を前にしたイングーシでの蜂起>などを通してそれらの土地が共時性を持ち始め、いっそう私たちに近づいてきたことを示す———ぜひ読んでいただきたい一冊です。装丁もかなりヨイ。くわしくはこちらで。

06.24.03:40 イングーシ蜂起事件、こういうこと?

プーチン:「地下鉄テロ事件は、モスクワのアパート爆破、ノルドオストをやった連中と同じだ」
わたし:「まったく、その通り」
プーチン:「こういうことをやる輩と交渉するつもりはない」
わたし:「そりゃ、ごもっとも。交渉の必要なんかないものね」
プーチン:「こういう連中は殲滅するしかない」
わたし:「そうしてほしいけど、それはできないでしょ」
フィクションです。(by TK女史)

06.23.12:15 イングーシ蜂起は誰が起こした?

イングーシの各地で発生した蜂起は、いまだに独立派のWebサイトでほとんど情報が公開されていません。バサーエフ派の活動か、と考えていたのですが、これだけ計画的な攻撃でありながら、カフカス・センターチェチェンプレスも状況が把握できていないというのは、やや異常。指摘を受けたのですが6月22日は独ソ開戦の日で、この日に事件があると、ロシアの国民感情の上では反チェチェンの機運は強まるでしょう。すると今までの事件(モスクワ爆弾事件、カスピスク爆弾事件、etc)のように、ロシア側の挑発もありえます。謎は深まるばかりですが、こうなるとすぐわかることではないですね。

06.23.02:44 イングーシ蜂起事件について

6月21日深夜から22日にかけて、対ロシアレジスタンスによる、かなり本格的な軍事行動が発生しました。レジスタンス200人ほどが、イングーシの各地で蜂起し、コストエフ・イングーシ共和国内相代行を含め、60人ほどが死亡。背景としては、一昨年の2002年4月、チェチェンの隣のイングーシ共和国ではFSB(KGBの後身)出身のジアジコフ大統領が就任しました。チェチェン側からみると、ロシア政府の代理人に近い立場です。したがって、これを叩くことはモスクワを叩くのと同義です。私見ですが、イングーシの住民はかなりこの動きを支援していると思います。200人のゲリラが突然行動して、その後あっというまに消えて逮捕者なし。非常に狭い地域でもあり、相当な背後が必要です。独立派のスポークスマン、ザカーエフ副首相の声明がチェチェンプレスに掲載されましたが、曖昧な内容です。恐らく把握できていないのでしょう。日本語情報はYahoo!などでどうぞ。チェチェンタイムスに掲載されたイングーシ蜂起事件についての分析も。この蜂起により、8月29日に予定されている親ロシア派の大統領選挙はかなりの圧力にさらされるでしょう。

06.16.16:40 『子どもの物語にあらず』が訴えるもの

「ぼくロシア人の子ども嫌い。だって大人になったらぼくたちを殺すから。だからロシア人の子どもを殺しちゃえばいい」少年に、そんな発言をさせたものこそ,チェチェンの現実と歴史をあらわしている。この悲劇はロシアがチェチェンを侵略し始めてから四世紀も続いている。それは常にロシア側からの侵攻であり,虐殺だった。その逆ではない。林克明が、ザーラ・イマーエワのドキュメンタリー映画『子どもの物語にあらず』を解説。

06.16.13:40 見放されたロシア大使館サイトその後

ロシア大使館のページの更新が随分前から止まっていて、特にロシアの National Profile が悲しいことになってました。大統領がプーチン氏なのはもちろんですが、首相カシヤノフ、外相イワノフ、大使パノフ氏のままで、声明を書くときに間違えそう(それぞれ更迭or転勤済み)だったわけです。ここで指摘してから、わずか18日目の更新。仕事が早い!

06.14.23:50 伝えないことの罪

4月から6月にかけて、チェチェンの隣、イングーシ共和国では難民キャン プの閉鎖が相次いだ。これによって、何万もの難民たちが、また追放の苦し みを負った。人びとはうつむいて国境を越え、我が家があったところへ戻って いくだろう。絶え間のないゲリラ戦や、民間人をターゲットにしたロシア軍や 親ロシア派の掃討作戦のつづくチェチェンへ。イングーシよりもさらに外国の 目の少ないチェチェンへ。

サマーシキ村で、ゲリラ兵士を迎える女たち

06.14.13:50 チェチェン戦争とは何か

ロシア連邦の地図を広げてチェチェン共和国の位置を示すと、点でしか表せないほど小さい。岩手県ほどの広さで、人口は百万人強。ロシア連邦の1%にも満たない。ロシア帝国に併合された彼らが独立宣言し、ロシアが軍事力で潰そうとしている。これが戦争の根本問題だ。Days Japanに掲載された林克明のエッセイ。立命館大学で写真展も開催されます。

06.09.00:00 目覚めてしまった者たち

イラクでの人質事件を聞き、チェチェンで人道援助活動をしていたビクトル・ポプコフを思い出した。2001年、医薬品を村に届けようとしていたビクトルは、ロシア兵に撃たれ、亡くなった。イラクのストリートチルドレンの世話をして「母親」と慕われ、人質になった高遠菜穂子さんの姿とビクトルが、私には重なって見える。ビクトルの人生は、そういう人がもつ苦しみと感動に充ちていたと思う。林克明のエッセイ。

06.04.23:50 書評:『誓い』

私は第一次戦争のとき何度もチェチェンに行ったが、病院を訪ねるのは気が重かった。悲惨な光景を前に私が無力感で呆然としている時、この本の著者である医師バイエフは知恵を尽くし、黙々と負傷者の治療にあたっていたのだろう。チェチェンの男は強くなければならない。義理人情に厚く、稼ぎがよくなければならない。男の道まっしぐらである。この本を読んで、ぜひチェチェン民族の生き方と出会ってほしい。林京子が書評。

06.04.16:10 暗殺される大統領たち

チェチェンの大統領職は、独立派であれ親ロシア派であれ、常に暗殺の危険にさらされている。けれども彼らはもともと同じ独立派として第一次戦争を戦っていた。その人々の写真が東長崎機関に掲載された。「豆殼をもって豆を焚く」というところか。

06.04.05:10 資源や情報、強まる統制 露連邦保安局(産経)

聞くところによると産経新聞は見出しを引用するだけで著作権侵害と考えているそうです(何て無茶な)。さて、それとは別に、ユコス潰しと並行して、多国籍企業の国内活動もFSBの力で封じ込めるべくプーチン大統領はがんばっているという記事が掲載されました。不平等感を抱くロシアの国民は概ねこの動きを歓迎しているようで、「対テロ」作戦としてのチェチェン侵攻もまた、善なるロシアのイメージのもとに進められているのでしょう。カディロフ事件で対チェチェン政策の株はある程度落ちたわけですが、全体の文脈としてはこれまでとあまり変わらないと思います。少しロシアの世論調査結果なども調べておくつもりです。

06.04.05:00 親ロシア派の大統領は誰に落ち着くのか

カディロフなきあと、ロシアの傀儡を継ぐ人物はまだ明らかになっていません。親ロシア派の大統領代行、セルゲイ・アブラモフは立候補を辞退しており、今のところ正式に選挙に出馬するとしているのはマリヤト・ゴロチハノヴァで、女性。その他にヤマダエフの名前も上がっていますが、決定的な人物がいません。私見ですがロシア側は元連邦評議会議員のアスランベック・アスラハノフか大統領チェチェン問題顧問(現?)のスルティゴフを送り込んできそうな気がします。

05.29.22:20 ロシア南部で列車爆破テロ=死傷者なし、チェチェン独立派か

『コーカサスの金色の雲』のドラマを聞いていると、またも事件発生の一報が。

05.28.18:00 見放されたロシア大使館サイト

ロシア大使館のページの更新が随分前から止まっていて、特にロシアの National Profile が悲しいことになっています。大統領がプーチン氏なのはもちろんですが、首相カシヤノフ、外相イワノフ、しかも大使もパノフ氏のままで、このつぎ抗議文や声明を書くときに間違えそうです(それぞれ更迭または転勤済み)。その点ではわが外務省の方が優秀ですね。

05.28.09:00 今度はNGO弾圧か ロシア年次報告で波紋(共同)

ロシアでは報道機関、財閥に続き、今度は人権活動家たちへの弾圧が強まりそうな風向き。急進改革派のエリツィンが、ゴルバチョフを追い落として政権に就いた90年代から15年近く。ロシアは戦争に明け暮れ、気がつけば政府の中枢にKGB。もはやすべては逆さまということでしょうか。

05.27.07:10 誰が殺したクック・ロビン?カディロフ

一つの考察。カディロフ事件について、ほとんどの分析記事が避けている疑問は、警備隊長である息子ラムザンがどうして爆破当日にモスクワにいたのか?だ。バクーのジャーナリスト、タラモフによれば、実は最近、ラムザンと「緊密な友」ヤマダエフとの間に行き違いが生じ、撃ち合いにまでなった。ヤマダエフがこの抗争に勝つには、祝賀式典でカディロフを爆弾で消すことしかなかった。ラムザンはこう言い始めた。「父を殺した人間はわかっている。バサーエフでも、マスハードフでもない。彼にはそんな力はない」。・・・ということは?バサーエフが「責任声明」(新語)を出したことによって、一般に独立派の仕業とみなされるようになったこの事件ですが、こういう情報を読んでそれなりに消化する能力が、報道関係者に求められていると思います。マザーグースの訳詩を読んでみると、カディロフには少しもったいないと思いました。

05.26.11:45 『誓い』

「敵も味方もない。私は、傷ついた者を救いたいだけだ」チェチェン人の医師、ハッサン・バイエフの本『誓い』が、とうとう全訳され、昨日発売されました。ずっしりと分厚い、本らしい本です。また一冊、チェチェンに光をあてる本が・・・感無量。レビューは少々お待ちください。関係はありませんが、森達也氏に聞くドキュメンタリーの可能性はいよいよ今日です。会場でお会いしましょう。

05.25.16:10 いま世界で−アゼルバイジャンより

「奴らはペストだ。殲滅しなければならない」。ロシアのプーチン大統領は、2月に起きたモスクワの地下鉄爆破の直後、犯人をチェチェン独立派と断定した。その頃、私はバクーで難民たちと過ごしていた・・・。林克明がレポート。

05.24.23:40 書評:『チェチェン大戦争の真実〜イスラムのターバンと剣〜』

著者はNHKの元特派員。数世紀の紛争の歴史を踏まえた上で現代のチェチェン情勢についてまとめている。著者は、チェチェンに対する政策が、「ロシア社会をますます、強権的体質に歪め、民主化を阻害する自縛状況を作り出している」という。綿密に読み込んだ史料をかみくだいて提示した新資料。

05.24.23:40 森達也氏に聞くドキュメンタリーの可能性

(盛会裏に終了)チェチェンニュースの大富が別個に事務局に参加している「みみの会」では、11周年記念として、映画監督の森達也氏をゲストにお招きします。森氏はオウム真理教の広報担当・荒木浩に密着したドキュメンタリー映画『A』『A2』で、誰も知ろうとしなかった彼らの素顔と、それをとりまく日本社会の歪んだ現実をとらえ、世界各国で高い評価を得ました。社会に問題提起しつづける森氏に、映像について、ドキュメンタリーの現場や可能性について、おおいに語っていただきます。会の後に懇親会を予定しています。みなさまのご参加を、心からお待ちしています。

05.24.17:50 デジカメ譲ってください

ずっとチェチェンニュース編集室は「写真はケミカルに限るでしょ」と粋がっていたのですが、速報性とコストを考え、デジカメを導入しようかと思います。旧機種をしまいこんでいたり、買い替えを検討している方は、ぜひ譲ってください。ご連絡お待ちしています。メールはこちら:admin@chechennews.org

05.21.14:30 カディロフを殺したのは誰か?

一つの考察。カディロフ事件について、ほとんどの分析記事が避けている疑問は、警備隊長である息子ラムザンがどうして爆破当日にモスクワにいたのか?だ。最近、ラムザンと「緊密な友」ヤマダエフとの間に行き違いが生じ、撃ち合いにまでなった。ヤマダエフが勝つには、戦勝祝賀式典でカディロフを爆弾で消すことだった・・・。

05.21.02:50 熊笹の遺言

チェチェン映画上映で協力してくれた日本映画学校の学生作品が、JPPA AWARDSなどを次々受賞。舞台は群馬県の国立ハンセン病療養所。元患者が今も250人以上暮らしているが、高齢のため在園者は年々減っていく一方。天皇制イデオロギーの中で切り捨てられ、差別されたハンセン病患者の記録です。

05.21.00:20 ラジオでチェチェン

昨年放送されたNHK-FM(82.5Mhz)のラジオドラマ、『コーカサスの金色の雲』(シリーズ ロシア・ユーラシアの現代文学)が、5月29日(土)22:00-22:50に再放送。収録の風景はこちらで見ることができます。中篇小説を1時間に短縮していますが、うまく原作の持ち味を生かしていると思います。特に未読の方は、この機会にぜひ。『金色の雲』は、ロシア人がチェチェン問題を描いた、必読の書です。これに関連して、アルフズールの部屋というサイトをちょっと前に作りました。もう一つ使いまわしネタ。「子どもの瞳に映るもの」では、映画版について評論しました。ご一読ください。

2004.05.18 謎の切手もどき

何かに使おう。

2004.05.17 カディロフ事件:バサーエフの犯行声明?

今のところカフカスセンターしか報じていないが、バサーエフ派が5月9日のカディロフ暗殺事件の責任を認める声明を発表した。真偽の程は不明。

2004.05.17 憲法問題:訂正します

5月13日付けのチェチェン憲法問題についての評価ですが、親ロシア政権の憲法にも修正規定があるという指摘を受けました。お詫びして訂正します。16日早朝、J−WAVEの「EARLY MORLEY BIRD」で、とても勉強家のナビゲーター、モーリー・ロバートソンさんと、チェチェン問題について語りました。「チェチェンニュース」に、周波数が載っていなかったという指摘を受けました。せっかく早起きしてくださった方もいたのに、すみません。例の "♪81.3, J-wave" は、わかる人にしかわからないということが判明。

2004.05.14 パレスチナへの攻撃に声を挙げて下さい

パレスチナ状況を伝えているナブルス通信に「ナクバ(大災厄)の日の前に」という記事が、5月14日付でアップされました。ガザ地区でイスラエル軍が進めている大規模な攻撃について、そしてジョージ・W・ブッシュによる「新バルフォア宣言」について、整理されています。ぜひ、ご一読を。その上で、よろしければ、イスラエルに攻撃をやめるようこのリンクを使って声を届けて下さい。

2004.05.14 ラジオでチェチェン

J−WAVEの日曜朝の番組、「EARLY MORLEY BIRD」で、とても勉強家のナビゲーター、モーリー・ロバートソンさんと、チェチェン問題について語ります。放送日時は5月16日(日)朝5:00〜6:00。緊張しきった大富の声が聞けると思います。また、昨年放送されたNHK-FMのラジオドラマ、『コーカサスの金色の雲』(シリーズ ロシア・ユーラシアの現代文学)も、5月29日(土)22:00-22:50に再放送。収録の風景はこちらで見ることができます。

2004.05.13 カディロフはそもそも「大統領」なのか?

ここのところチェチェン情勢のなかでも注目の的となっているカディロフ爆殺事件。大手メディアはほとんどが彼を「大統領」と呼んでいるが、そもそも彼は正式に選挙された大統領なのか?という疑問が湧く。これについてはこちらで簡単に。もっとくわしい事実関係はこちらに。結論:カディロフは大統領を僭称していた。少なくとも民主主義の手続きと国際的な選挙監視を重んじる立場から言えば。さらに、カディロフの息子ラムザン(27歳)が次期大統領選に出馬する可能性さえも取りざたされているが、今度こそ力を込めて「それはないだろ!」と言いたい。なぜなら傀儡政権がこれまた非民主的に採択した「憲法」でさえ、被選挙資格を「30歳以上のロシア国民」と限定しているのだから。でもこの「憲法」、改正規定が欠けているとんでもない代物なので、ひょっとしたら土壇場で帳尻合わせに走る余地があるのかもしれない。そうなるともう民主主義でも法治でもない彼岸。なお在来のチェチェン憲法はこちら。このところ更新頻度が激しいけれど長続きはしないと思います。あしからず。

2004.05.12 シャミーリ・バサーエフ人物情報

チェチェン独立派の野戦司令官、シャミーリ・バサーエフの人物情報を加筆しました。それから、アメリカ政府による「テロ組織指定」についての解説。当人へのインタビューはこちら

2004.05.12 ロ大統領、チェチェンを電撃訪問(時事)

プーチン大統領は11日、チェチェンの首都グロズヌイを訪問し、チェチェンの治安部隊増強や連邦政府の支援強化を伝えました。非常にきな臭い動きがはじまっています。11日に、オール与党状態のロシア下院の各会派の代表たちが、チェチェンの連邦直轄化や、兵力の大幅増員、ロシア人総督の派遣などを語り始めた、その矢先のチェチェン訪問。大きなゆり戻しが来ようとしています。

2004.05.11 独立派、大統領暗殺爆弾テロ関与を否定(毎日)

マスハードフ氏は声明で「我々はあらゆる形のテロリズムを非難する」と述べ、9日の爆弾テロ事件の犠牲者と遺族に哀悼の意を表明した。声明文の原文和訳。それから心の準備としてはこちらを読んでおいた方が。

2004.05.11 呼びかけ:ロシア大使館にメール/ファクシミリを!

カディロフ爆殺事件の真相はわかりませんが、ロシア政府がこの事件をきっかけに、チェチェン人に対する「テロ」をさらに激化させることは、十分に予測できます。「武装勢力の掃討」と称して、彼らは何をしようとしているのでしょうか。これ以上の「国家による犯罪」を止めるために、「カディロフ大統領暗殺をきっかけに、チェチェン人に対する人権侵害や攻撃を拡大することを許さない」というあなたの声を届けてください。くわしくはこちら。(さしあたって日本語でもよいかと)

2004.05.10 チェチェンニュース Vol.04 No.16 2004.05.10

打ち砕かれたフィクション。この事件は象徴的だが、突出した事件ではない。プーチンの対コーカサス政策は、カディロフの死を持って挫折した。チェチェンとロシアの人口比は、200倍以上にもなる。まさに「巨悪」そのものであるロシアの現代植民地主義と対抗するには、軍事力による対峙ではなく、モラルの面で全世界がロシアを包囲し、身動きできなくさせるしかないのだが・・・

2004.05.10 チェチェンニュース Vol.04 No.15 2004.05.10

 昨日、親ロシア派の大統領、アフメドハッジ・カディロフが、グロズヌイの 競技場で、戦勝記念式典の最中に爆殺されました。犯行声明がないので、犯人 は今のところわかりません。チェチェン側の通信社カフカスセンターによると、 爆発は女性殉教者(シャヒドカ)による自爆攻撃だといいます。

2004.05.09 寺沢潤世講演会「イラクの液状化とこれからの世界」

30年以上にわたり世界の紛争地を行脚(あんぎゃ)してきた日本山妙法寺の寺沢潤世上人が日本に滞在している。とりわけチェチェン問題には深い思い入れをもつ寺沢上人。今回のテーマはイラク。イラク戦争阻止のために世界中をかけめぐった話や、その後の情勢など、いろいろな話が聞けると思う。彼の話を聞くと、新鮮な視点やスケールの大きさに驚くとともに元気がでる。ぜひご参加ください。(林克明/ジャーナリスト)

2004.05.09 カディロフ死亡 関連記事

どうもカディロフの死亡は確定したようです。カディロフはチェチェン人ですが、ロシア側の傀儡として、民主的とはとてもいえないやり方で選出された「大統領」です。97年に国際機関の立会いのもとに選挙されたマスハードフ大統領とは別人です。ご注意を。

 英語メディアの報道はこちら。カディロフの人物情報はこちら。カディロフが「大統領」となったいきさつについてはこちらをご一読ください。

 なお、最近チェチェンでは、「カディロフ一派」と呼ばれる、カディロフの息子ラムザン・カディロフを中心とする私兵集団が、市民への暴力を繰り返していました。これについては、アムネスティ・インターナショナルなどが共同声明でくわしく伝えています。

2004.05.09 カディロフ死亡(?)関連記事

まだ未確認ですが、時事通信で「チェチェン共和国のカディロフ大統領、爆弾テロで死亡=インタファクス通信」という報道があったそうです。英語メディアの報道はこちら。カディロフの人物情報はこちら。カディロフが「大統領」となったいきさつについてはこちらをご一読ください。なお、最近チェチェンでは、「カディロフ一派」と呼ばれる、カディロフの息子ラムザン・カディロフを中心とする私兵集団が、市民への暴力を繰り返していました。これについては、アムネスティ・インターナショナルなどが共同声明でくわしく伝えています。

2004.05.09 リンクを追加。Frances Culture Center

2004.05.08 単行本『チェチェンで何が』に寄せられた書評いくつか

2004.05.07 アムネスティなど人権団体の重要声明

『チェチェン紛争の特徴であった人権侵害は、イングーシへと急激に広がりつつある。人権団体は、ここ数か月の間に行なわれた多くの即決処刑、民間人の死傷につながるような攻撃があったことを記録している』———驚くべき内容の報告。 こちらから

2004.04.21 チェチェンニュース Vol.04 No.13 2004.04.21

2004.04.21 コーカサス・ノットをリンクに追加

2004.04.13 コーカサスの虜

チェチェンへの理解を深めるのか、それとも「オリエンタリズム」な誤解が広まるか。議論の分かれる映画「コーカサスの虜」(セルゲイ・ボドロフ監督)がネット上で観られるようになった、らしい。とりあえず電気消して観よう!

http://www.showtime.jp/info/cinema/00012/

2004.03.02 Vol.04 No.05 2004.03.01 地下鉄爆破、チェチェン側が犯行声明?

モスクワの地下鉄爆破事件について、チェチェン側の武装組織の犯行声明がカフカスセンターに載ったそうです。この組織 'Gazotan Murdash' の名は初耳。カフカスセンター英語版はこの件をロイター通信からの転載の形で掲載していて、今のところ事実関係がよくわかりません。

2004.02.29 プーチン大統領への要請書

モスクワ地下鉄爆破事件についての市民の声明をアップロードしました。読みがいのあるメッセージがたくさん届いています。ぜひご一読を。

2004.02.22 ロシア赤軍記念日

2月23日はロシアの祝日、赤軍記念日です。この日はしかし、チェチェン・イングーシ人(バイナフと呼ばれる)にとっては「強制移住の日」として記憶に刻まれています。何かが起こるかも知れない、そんな不安に駆られる日でもあります。チェチェンからの最近の証言もどうぞ。

2004.02.17 チェチェンニュースを更新

Vol.04 No.03 モスクワ地下鉄爆破事件の背景にあるもの
Vol.04 No.04 「天然の美」と強制移住

2004.02.07 地下鉄爆破事件について

モスクワでの爆破事件のパターンは、これまでの「チェチェンのテロ」と呼ばれるもののパターンをなぞっているように感じます。参考に次の記事をどうぞ。 モスクワ劇場占拠事件はロシアの挑発だったロシア式民主主義の文脈事件についてのチェチェン政府声明

2004.02.06 Vol.04 No.02 注目されるチェチェン?

2004.02.05 ポリトコフスカヤ情報サイト

 ポリトコフスカヤの仕事を少しでも広めたいと思い、「アンナ・ポリトコフスカヤ情報」というサイトをオープンしました。これから内容を充実させていきたいと思います。関連情報をお持ちの方はお寄せください。イベント2月11日/チェチェン関連映像のテレビ放映予定があります。/イベント2月15日/チェチェン現地取材を主とする報告会が行われます。

2004.01.14 アムネスティ・ロシアキャンペーンアップデート

URLが変更されました。

2004.01.09 チェチェンニュース/「協定」は忌まわしきものの名

2004.01.05 アーカイブス/法律文書

ハサブユルト合意を追加しました。

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