発行部数:1028部
チェチェンが注目されはじめています。テレビや新聞ではあまり報道されませんが、このところ編集室に寄せられる問い合わせの内容も高度になってきたので、チェチェンを知る人々は静かに増えつづけている感じがします。これからの雑誌記事、番組、報告会の予定をお送りします。
2月10日に発行される雑誌「中央公論」3月号では、作家の池澤夏樹氏による記事「ユリシーズ賞のこと」が掲載される予定。ルポルタージュ文学のために昨年新しく作られた国際賞で、池澤氏はベラルーシの作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチらと一緒に審査員を務めた。圧倒的な支持で一位に選ばれたのが、ロシアのジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの作品「チェチェン—ロシアの恥辱」だった。受賞のいきさつと各国からの候補作を通して、このジャンルの状況が紹介される。
中央公論: http://www.chuko.co.jp/koron/
ポリトコフスカヤの仕事を少しでも広めたいと思い、「アンナ・ポリトコフスカヤ情報」というサイトをオープンしました。これから内容を充実させていきたいと思います。関連情報をお持ちの方はお寄せください。
アンナ・ポリトコフスカヤ情報: http://www.jca.apc.org/tlessoor/chechennews/anna/
最近、日本を訪問したチェチェンのジャーナリスト、ザーラ・イマーエワの講演が、岩波書店の雑誌「世界」2月号に掲載された。「子どもの物語にあらず」 と題された講演内容には、プロパンガンダの大きな声にかき消されている、チェチェンの人々と歴史を懸命に伝えたザーラの声が刻まれている。解説は林克明氏。(販売期間終了。図書館へ)
ザーラ・イマーエワとは誰か: http://www.jca.apc.org/tlessoor/chechennews/chn/0338.htm#who
放送予定:2月11日 関東地区ではテレビ朝日で10:30から
ちょうど60年前の1944年2月23日、チェチェンとイングーシ共和国では、「ドイツ軍に協力した」という容疑をかけられた50万人の人々が、トラックや汽車に乗せられて、カザフスタンの辺境に移住させられた。チェチェン人に先立つこと7年前、朝鮮族40万人が、中央アジアに強制移住させられた。この番組では、44年の強制移住を少女時代に経験し、60年後の今再びチェチェン戦争によってカザフスタンに避難してきた老女、ハワ・ナガーエヴァが当時を語るカットがある。
番組について:
http://www.jca.apc.org/tlessoor/chechennews/event/index.htm#0210
http://210.173.172.17/entertainments/tv/2004/01/30-02.html
http://groups.msn.com/ChechenWatch/page68.msnw
2月23日(旧ソ連の赤軍記念日)は、チェチェン民族がカザフスタンに強制移住させられた日でもある。日本で動き出しているジャーナリストたちも、 この日を意識して報告会を開く。2月15日の報告会「チェチェン民族強制移住から60周年〜今も続くチェチェン・ディアスポラの受難〜」は、チェチェン問題を追う、林克明、常岡浩介、山口花能の各氏が、現場と周辺地域での取材成果を伝える。
イベント情報/今も続くチェチェン・ディアスポラの受難:
http://www.jca.apc.org/tlessoor/chechennews/event/index.htm#0215