借金火達磨・巨大政治犯罪都市
「塩漬土地」を「吸血用地」と訂正し全国オンブ徹底批判
2000.9.9
さる8.19開催の「全国市民オンブズマン連絡会議」の東京集会に関しては、このメーリングリスト上でも案内者に質問し、事務局からは最低10分の会場発言の保証が得られなかったので不参加を宣言した。その後の新聞報道に接し、集会の内容を漏れ聞くと、この発言時間保証申し入れと不参加宣言は、われながら賢明な処置であった。
同連絡会議の姿勢への批判は、かなり前から、わがホームページのシリーズ、「仰天!武蔵野市『民主主義』周遊記」(その19)にも収録の記事、地方議員向け『ACT』(1999.5.10/24)「東京都・武蔵野市[第3セクター]土地開発公社のからくり。上下」などで展開してきた。その分析と指摘も正鵠を射ていたことが、改めて確認できた。
「情報公開オタク」と一線を画し「吸血用地」と命名
さらに、ここに至って、まずは、この種の「情報公開オタク」たちの命名による「塩漬け土地」なる中立的な売り込み用語を、うかつにも使用したわが妥協的姿勢を猛反省し、彼等と一線を画すことを内外に宣言する意味も込めて、今後は「吸血用地」に改める。
「吸血」鬼は、地方自治体を指定金融機関と称する談合分割封建支配によって隠然と支配し、土地開発公社のからくりを熟知して金を貸し付け、高額の利子を貪り続ける大手財閥系銀行(武蔵野市は東京三菱)であり、「用地」としたのは、単なる「土地」ではなくて「吸血」を目的とするパイプとしての「用地」の意味を強調したいのである。しかし、外部での既発表の文章を訂正することは不可能だし、ホームページの文章の訂正も手間が掛かるので、古い文章の「塩漬」を「吸血」と読み替えて頂きたい。以下、この訂正に踏み切るに至った経過と問題点を、項目に分けて要約する。
「猛反省」の第1歩は「武蔵野市・野人1号」宣言
まず、なぜ「猛反省」するのかであるが、私の最近の論点の中心は、もとより、資本主義的帝国主義支配への批判を基本としながらも、それに反対すると称して「ソ連」を典型とする全体主義的権力支配に走った社会主義勢力の堕落をも、厳しく批判することにある。また、返す刀で、それらの全体主義的権力支配への嫌悪感を土台にして、時を得顔の新左翼とか市民運動とかについても、遠慮なく批判する。もともと、彼等についても、旧左翼を乗り越え得る思想と力量の保証は皆無であるし、実情は、お粗末至極の薄味が歴然なのであるから、警戒心を緩めてはならないと思ってはいた。しかし、その警戒心が、ついつい緩んで、妥協していたのである。ああ、また騙されたな、甘かったなと、「猛反省」しているのである。
「猛反省」の第1歩は、すでに宣言したような「武蔵野市民オンブズマン」またはその略称「武蔵野オンバー」の廃号、「武蔵野市・野人1号」への改名宣言であった。
「反体制運動」を気取る微温売名「穏健派」の育成
特に考えるまでもなく、いわゆる反体制の運動には、権力の側の意図的もしくは取り込みによる穏健派育成が、付き物である。この「分割支配」の原理による対抗関係の形成の実例を振り返れば、古くは、機械打ち壊しに走った戦闘的なラダイストの流れと、封建的職人組合の労働貴族の穏健的な流れである。権力は常に戦闘的な流れを抑圧し、穏健的な流れを育成する。「オンブズマン」または「情報公開」の市民運動でも、この歴史は繰り返されるのである。
「塩漬け土地」の「ネーミング」とやらを得意がっていた軽薄な連中の周囲には、最初から「売名」の臭気が漂っていた。この種の「反体制」気取りの「売名」には、また、問題点の「薄味化」が付き物である。「薄味化」は、私が半生を費やした労働組合運動で言えば、御用組合の通弊である。「薄味化」のファウンデーションを塗りたくって、一般受けを狙い、まずはマスメディアに擦り寄り、結果として権力にも擦り寄るのである。
「仲間を増やす」ためと称して「薄味化」「矮小化」
さる8.19開催の「全国市民オンブズマン連絡会議」の東京集会の場合、『日本経済新聞』(2000.8.28)では、「土地開発公社が事業化されないままで五年以上保有している『塩漬け土地』の実態調査を公表した」点だけしか報道していない。つまり、この「売名」運動の成果は、土地開発公社が抱える諸問題を、この部分にだけに矮小化することだったのである。しかも、ここに至る方針上の弱点については、すでに、上記の私の『ACT』記事の中に要約されている。堕ちるべくして堕ちたのである。権力は、大いに安堵していることであろう。
さて、上記の『日本経済新聞』(2000.8.28)記事を切り抜いてから、早くも半月が過ぎていた。他の問題、特に上記シリーズ中の(その25)「武蔵野市不祥隠し事件独自捜査」に追われていたのであるが、急遽、この一文の執筆を決意したのは、まさに他でもない。この不祥隠し事件の当該でもある武蔵野市の市役所の労働組合、連合加盟の御用組合、「自治労武蔵野市職員労働組合」(略称、市職労)が、今や市役所、特に情報公開コーナーでは超々有名人の私には一言もなく、いくつかの市民運動を選抜して声を掛けて、さる9月7日に「市民フォーラム」を開いたからであり、そのメイン講師に、「全国市民オンブズマン連絡会議幹事」の肩書きの弁護士、清水勉を迎えたからである。
集会名を詳しく記すと、「知ってる! どうする! 情報公開・武蔵野市の情報公開条例を考える市民フォーラム」である。主催は「情報公開むさしの市民フォーラム」となっていたが、その組織構成については何ら説明がなかった。市職労は、いかなる意味でも、土地開発公社問題その他で、情報公開の戦いに参加した事実が、まったくない。最近の組合執行部は市長支持派で固められていると聞く。その市職労が、なぜ突然、このような集会の旗振り役を買って出たのか。なぜ、全国市民オンブズマン連絡会議から講師を呼んだのか。理由は歴然である。目下進行中の情報公開条例改正に向けて、穏健派の窓口を買って出る役割を振り当てられたのである。
清水勉には、一度会ったことがあるが、いちいち人物論を展開する気にもなれない。話の内容は陳腐極まりなく、聞くのは時間の無駄だった。オンブズマンは売名ではないなどと、問わず語りに売名の事実を認める。しきりと、運動は楽しく、多くの人が参加できるっようになどと、「薄味化」のファウンデーションを塗りまくる。この種の厳しい議論抜きの「楽しく」チーチーパッパ運動が、「矮小化」をもたらすのは当然の帰結である。本当に楽しい運動は、徹底的な喧嘩腰の議論の上にこそ成り立つことを知らない甘ったれ餓鬼どもが、このところ増殖の一途を辿っているのだが、幼稚園化時代なのかもしれない。
会場発言を封ずる司会進行の怪しさに御用組合の正体見たり
上記フォーラム開催の動きの怪しさについては、事前に通報を受けていた。それなのになぜ私が、この集会に参加したかと言うと、各家庭に折り込み広告が入ったので、連絡先として記されていた市職労に電話をした。名乗りを上げてから、会場発言を受け付けるかと聞くと、先方は私のことを知っていて、情報公開に限ってほしいがとの条件付きではあったが、会場発言を受け付けると答えた。
会場で配布された資料の中には集会案内のチラシも入っていて、そこには「講演:清水勉弁護士」に続いて「意見、質問:参加者全員」とある。「質問、意見」と順序は逆だが、記入して提出する用紙も入っている。総合司会者も冒頭に、「質問、意見がある方は用紙に記入して休憩時間に提出して下さい」と言った。当然、よくある式次第で、「質問、意見」を発言通告として事前に提出し、討論の司会者が問題別に整理して、順序良く発言を求めるものと理解した。
ところが、休憩を挟んだ後半には、チラシなどには記されていなかった武蔵野市民ではない2人を含むパネラー3人が壇上に上がり、それぞれが少しづつ現状報告をするものの、ほとんど清水勉が一人でしゃべりまくるという奇怪な展開になった。残り時間は段々少なくなる。「質問、意見」の用紙は清水勉が一人で手に握って、めくっている。どうする積もりかと疑問が膨らんだので、前列に座っていた総合司会の肩を叩いて、「会場発言を受け付けると言うから来たのだ。どうなっているのか」と質問すると、総合司会は「私は市職労ではないので……」などと言葉を濁しながら舞台裏に駆け込み、逃げの一手である。後で聞くと、この総合司会は小金井市職労の執行委員だとのことである。「むさしの市民フォーラム」と名乗る組織にしては、おかしな人選である。
既存情報を分析できない者への情報公開は豚に真珠
この司会進行に関しては、私よりも先に会場の後方からいきなり大声で、「地方分権問題の質問を出したが言及がない」との主旨の抗議が飛び出た。
これで司会の指名なしの発言がし易くなったので、私も、「塩漬け土地のネーミングは甘いのではないかと質問を書いたのに、その答えがない。既存情報を分析できない者の情報公開運動は民主主義のフィクションの手伝いになり兼ねないとの意見にも触れていない。これは司会ではなくて主催者の問題になるが、電話で会場発言ができると聞いて来たのに用紙に記入するだけはおかしい。自治労も連合に参加して御用組合になっているが、約束したことは守ってもらいたい」などと立て板に水、ついつい大音声の演説口調で会場を制圧してしまった。
総合司会が慌てて閉会を宣言したが、私は、目の前に座っていた市職労の委員長に、しかりせいと声を掛け、ついでにその隣に座っていた民主党の管直人の秘書上がりで一位当選したばかりの市議会議員、松本清治の彦にも、その先輩の山本譲司衆議院議員の政治秘書給与詐取問題を指摘し、その轍を踏むなと注意したところ、真っ赤になって「除名しました」などと口答えする。この坊やも、少し、しごいてやらないと、悪餓鬼になりそうだから、これから目を掛けてやることにする。
以上で(その29)終わり。(その30)に続く。
(その30)川崎市土地開発公社「経営健全化団体」指定へ
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