STEP5 裁判を闘う



訴訟の法的根拠・争点となるもの

2003.12.20 更新 


体罰の禁止
学校教育法は「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、監督庁の定めるところにより、学生、生徒及び児童に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない」と明確に規定している。(11条

この場合、いかなる行為が体罰になるかについては、旧法務庁(現在の内閣法制局にあたる)の出した「児童懲戒権の限界について」(昭和23.12.2)という有名な行政実例がある。
この行政実例はこう指摘している。
学校教育法11条にいう「体罰」とは、懲戒の内容が身体的性質のものである場合を意味する。すなわち
(1)身体に対する侵害を内容とする懲戒 −なぐる・けるの類− がこれに該当することはいうまでもないが、さらに
(2)被罰者に肉体的苦痛を与えるような懲戒もまたこれに該当する。たとえば端座、直立等、特定の姿勢を長時間にわたって保持させるような懲戒は体罰の一種と解せられなければならない。

教育の眼 法律の眼 PARTU 話題で読む教育法規/菱村幸彦 下村哲夫 共著 /1994年6月10日 教育開発研究所
体罰に教師個人に賠償責任?
横浜市の「体罰問題を考える市民グループ」のメンバーが、「体罰を受けて骨折するなどした小学校女児に横浜市が支払った示談金340万円を教師に請求しないのは違法」として、横浜市を相手に違法の確認を求める裁判を起こした。

2002/6/26 横浜地裁・岡光民雄裁判長は、「教師の行為は正当な懲戒権の行使を超えた違法な体罰」と認定。教師の故意・重過失により、市には教師への求償権が発生するとしたが、「医療費や慰謝料計250万円のうち教師の負担分は半分程度。教師はほぼ同額を既に支払っている」として、求償しないことが違法ではないと判断。原告の請求を棄却。
原告代理人の森田明弁護士は、「体罰の賠償は個人が負うという道筋をつけた初めての判決」と評価」した。

※発端となった体罰事件
1991/11 横浜市立小学校で女子児童(小5・11)が、図画工作室でいたずらしたことを怒った女性教師(44)が、女子児童の胸元をつかんで押したところ、児童は2メートル先に尻もちをつき、尾骨を折る3カ月のけがを負った。その後、心因性の頭痛などを訴えた。
1998/1 市は、示談金340万円を支払い、女性教師も見舞金などとして、約100万円支払った。市は、「女児の肩を軽く押しただけ」で体罰はなかったと主張していた。 

2002/6/27神奈川新聞 参考
学校内での取り調べや尋問
行政実例は、「教師は尋問を行っても差し支えない。ただし尋問にあたって威力を用いたり、自白や供述を強制したりしてはならないことはいうまでもない。そのような行為は、強制捜査権を有する司法機関さえも禁止されているのであり、いわんや教職員にとってはそのような行為が許されると解すべき根拠はないからである。」(昭和22.12.22、法務庁法務調査意見長官回答)

教育の眼 法律の眼 PARTU 話題で読む教育法規/菱村幸彦 下村哲夫 共著 /1994年6月10日 教育開発研究所
いじめは不法行為
不法行為とは、故意または過失により他人の権利を侵害(民法709条)した場合をいい、「いじめ」の場合、慰謝料(精神的苦痛に対する償い)加害者監督責任を問える場合には親にも)に請求することができます。
また、学校側(教師)の監督義務者としての義務違反があれば、同様に損害賠償請求することができます。
しかし、現実問題としては、この不法行為責任を追求するには、被害者側が不法行為であること(いじめの事実)を立証しなければならず、困難な場合も多々あります。

知識武装で権利を守れ 「知って得する訴訟のしかた徹底ガイド」 裁判所・警察・弁護士の最大活用法/自由国民社/
いじめは不法行為
いじめは法的に不法行為であり、損害賠償の責任が行為者に発生します(民法793条)。ただし、行為の責任を弁識する能力を有しない未成年者については責任無能力者として、責任は否定されています(712条)。ただし、その場合には民法714条の親権者の責任が問題になります。

不法行為とは、故意もしくは過失によって他人の権利を侵害したものはその損害を賠償しなければならない、というものです。この権利侵害性は、○○権というような権利に限定されるものではありません。広く法によって保護された法益と解されています。(中略)

いじめ、体罰などは身体や自由に対する侵害であるとともに、子どもの発達権に対する侵害であります。たとえばいじめによって、学業が遅れ進学できなかったとする。その進学できなかったことは、彼の将来にさまざまな不利益をもたらすことは容易に想像できます。しかし、現在の解釈では、発達権が侵害されたことによる将来の賠償については消極的です。(中略)

つぎに、不法行為として損害賠償が認められるためには、加害者の行為と損害発生との間に因果関係がみとめられなければなりません。しかし、この因果関係を単なる条件関係ととらえると、行為者は際限もない責任を負わされることになってしまいます。したがって現在では、相当因果関係の範囲に限定しています。

相当因果関係とは、経験的知識に照らして、通常発生すべき結果に対して、すなわち、行為の時に認識していた、また認識可能であった結果にたいしてのみ法的因果関係ありとするものです。(中略)

いじめは登校拒否や、時に自殺まで引き起こします。だが、いじめや自殺の原因を明らかにすることは非常に困難です。したがって裁判において登校拒否や自殺の責任を問うことは非常に困難となるのです。(中略)

いじめに対する法的責任は、加害者の側だけでなく学校側にも発生します。理由付けはともかくとして、学校の側(損害賠償法制においては国家賠償法適用における学校設置者)は、発達過程にある(すなわち、さまざまな意味において未熟な)多数の子どもを継続的にその監督下において教育をほどこすのであるから、教育活動から生じるいっさいの危険から子どもの生命、健康等を保護すべき義務があり、その義務に違反した場合には損害賠償の責任が発生します。ただ、いかなる場合に義務違反があるかについては、具体的には困難もあります。

山岸秀氏の解説/「愛しき娘よ」13歳の遺稿と母親の手記/吉野和子/母と子社
不作為の違法性
特定の行為が負担する一定の積極的行動をしない場合、行為者の消極的行為を違法とすることがある。
作為義務違反ともいわれ、単なる道義的・倫理的なものではなく、契約・法令、社会通念に反するものとして、法的義務違反をいう。(「教育紛争の予防と解決」/森谷 宏 著/日本教育新聞社出版局 )
学校設置者の債務不履行責任
生徒なり両親との契約関係の存在を前提として、その契約関係から生じる義務に違反した結果、生徒が学校事故に遭遇したことから生ずる賠償責任である。
債務不履行責任は、契約上の義務違反から生じた損害についての賠償責任制度で、契約責任の一種である。

学校設置者に債務不履行にもとづく賠償責任が生ずるためには、つぎの要件が備わっていなければならない。
(1)学校設置者と被害生徒ないし賠償請求者との間に契約関係のあること。
(2)学校設置者が、この契約関係にもとづいて、安全保持ないし事故防止義務を負っていること。
(3)学校設置者がこの安全保持ないし事故防止義務を怠ったこと。
(4)この義務懈怠(けたい)の結果において生じた事故による損害であること。
である。(民法415条)

国公立学校における生徒の在学関係については、公法上の特別権力関係にあり、契約関係にもとづくものではないとみるのが支配的かつ判例であることから、契約関係の存在を前提とする債務不履行責任を問うことができない。
しかし、これに対し、国公立学校における生徒の在学関係を、私立学校におけると同様に、在学契約関係として捉えるべきだとの有力な考え方がある。それは、教育法規上は、国公立と私立の在学関係を基本的に同じ性質のものとして捉えていること、その趣旨は、いづれも教育企業ないしその利用関係とみていること、そのため民間と私立と同様に在学関係を契約関係で捉えることができるからであると説明されている。
この考えに立つならば、国公立学校の場合も学校設置者である国・地方公共団体に債務不履行としての賠償責任を課することができるということになる。

私法研究著作集 第13巻 「学校事故賠償責任法理」/伊藤 進 著/2000年10月30日 信山社出版
より抜粋
いじめの予見性と学校の管理責任
長野県長野立吉田小の転校生(小6・12)が、いじめで肋骨不全骨折等の傷害を負った事件の地裁判決(1985/2/25)では、担任教師の転校生に対する暴行について予見可能性を肯定
自殺の予見性と学校の管理責任
福島県いわき小川中の佐藤清二くんいじめ自殺裁判(850926の地裁判決(1990/12/26)では、争点となった学校側の自殺の予見性に関し、悪質ないじめが原因の自殺については「必ずしも具体的な自殺の予見可能性があったことを要しない」と判断。初めて学校の管理責任が認められる。
神奈川県津久井町立中野中の平野洋くん(中2・14)がいじめ自殺した事件(940715)の高裁判決(2002/1/31)で、報道や個々の行為(いじめ自殺)の頻発の認識を理由として自殺の予見可能性を認定
学校の安全配慮義務
埼玉県浦和立三室小の女児(小4・9)が、ずっこけと称する遊びで前歯2本脱臼等の傷害を負った事件(791101)の地裁判決(1985/4/22)では、「いじめの根絶対策をやっていなかった教師に責任がある」として、学校側が監督義務を怠ったことを認めた。抽象的・一般的な指導にとどまらない抜本的ないじめ対策義務違反を指摘。
大阪府大阪立十三中の男子生徒(中3)が暴行を受け脾臓を摘出した事件(881100)の地裁判決(1995/3/24)では、「被害者からの申告がない場合にも学校側にいじめ対策義務がある」ことを肯定。学校側のいじめ防止措置の不十分さに過失認定。
学校の事件予見性と安全配慮義務
長野県飯田市の県立飯田高校で、小野寺仁くん(高2)が刺殺された事件(920110)の高裁判決(1999/9/28)で、公立高校における在学契約上の安全配慮義務の肯定。学校側に「犯行は十分に予見できた」として「管理者責任あり」と判決。
東京都伊豆大島の都立大島南高校寄宿舎の1年生4人が荒海に飛び込み死亡した事件(950513)の地裁判決(2000/12/22)では、学校側も、いじめの延長線上で飛び込みが行われたとことを知っており、事故は予想できたとして、これを放置した学校側の管理責任を認めた。
加害生徒自身の賠償責任
加害生徒自身も責任能力があれば、賠償責任を負うことになる。(民法709条)
責任能力というのは、責任を弁識できる能力のことであり、単にその行為が悪いことだというだけではなく、自己の行為が違法なものとして法律上責任が生ずることを一般的に認識できる知能のあることだといわれている。(中略)年齢によって画一的に判断することはできないが、一応、11歳から12歳以上の者とされているので、中学校2年生以上の生徒は、自分自身で賠償責任を負わなければならないことになる。

責任能力のある加害生徒が現実に賠償責任を負うことになるためには、
(1)故意または過失によって行われた加害行為であること、
(2)その加害行為が違法性を有すること、
(3)加害行為と被害生徒の被った損害との間に因果関係のあること
が必要になる。

私法研究著作集 第13巻 「学校事故賠償責任法理」/伊藤 進 著/2000年10月30日 信山社出版
より抜粋
JR駅の階段で、後ろから駆け下りてきた小学6年生(12)の男子と接触した女性が、はずみで転落して肋骨を折るなどのけがをした事件では、女性が小学生と両親を相手取り損害賠償を求めて提訴。
1992年5月29日、東京地裁は「この事故での少年の行為はそれほど無謀だったとはいえず、親の監督義務違反とまではいえない」として、少年にだけ約98万円の支払いを命じた。

直接少年の賠償責任を認める事例については、13歳4カ月の少年の自動車事故(昭和38.8.9.名古屋地裁)、14歳9カ月の中学生のバッティング練習中の人身事故(昭和45.1.30.福岡地裁)について、いずれも少年の責任能力を認めて請求を認容している。

教育の眼 法律の眼 PARTU 話題で読む教育法規/菱村幸彦 下村哲夫 共著 /1994年6月10日 教育開発研究所
親の監督義務違反
親権を行う者は、子の監護および教育をする権利を有し、義務を負う(民法820条)。
未成年者が第三者に違法な損害を与えた場合、両親が未成年者を監督する義務を負っている(民法714条1項)こ
とから、両親は、被害者に対して、不法行為責任を負う。
親権者に対する監督責任を問う事例では、12歳11カ月の少年のキャッチボール中に他人にボールを当てて失明させた事件(昭和30.2.8.大阪地裁)、14歳11カ月の中学生が自転車で他人に負傷させた事件(昭和37.11.2.東京地裁)について、いずれも未成年者の責任能力を否定して請求を認容している。

教育の眼 法律の眼 PARTU 話題で読む教育法規/菱村幸彦 下村哲夫 共著 /1994年6月10日 教育開発研究所
1991年11月24日、東京上野の横断歩道を渡っていた男性(23)が、赤信号を無視してオートバイで進入してきた暴走族「東京流れ星」のメンバーに鉄パイプで殴られ、8日後に脳挫傷で死亡した事件の民事裁判で、東京地裁は19歳の加害少年とその両親の責任を認めて、両者で連携して約8000万円の損害賠償を支払うよう命令(1994/4/11判決)。

赤塚信雄裁判長は判決理由のなかで、「父親は少年の生活態度に留意することを怠り、補導歴があることも知らなかった。母親は少年の生活状況や補導歴をよく知っていたが、深夜外出を放任し、少年の行動を父親に報告、相談することもしなかった」「両親が親権者としての監督義務を怠ったことと、被害者の死亡には因果関係がある」と述べて、両親の責任を認定。

1994.4.12.日経新聞(月刊「子ども論」1994年6月号/クレヨンハウス)を参考
PTSDは傷害(判例) 事件・事故と心の傷について 参照
2001.4.5.奈良地裁は、無言電話をかけ続け知人女性に心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負わせたとして、傷害罪などに問われていた奈良県の測量士見習い(39)に対して、「被害者や家族に多大な精神的苦痛を与えた」として、懲役2年6カ月(求刑懲役3年)の実刑を言い渡した。
判決によると、被告は、2000年1月から8月にかけて、30代の主婦宅に無言電話を約500回かけ、応答すると無言のままで、応答しないと呼び出し音を鳴らし続けた。
宮本定雄裁判官は、無言電話による心の傷をPTSDと認めたうえで傷害にあたると判断刑事裁判ではPTSDを傷害と認定した判決は少ない。

(2001.4.6.朝日新聞)
1999年に乗用車で接触事故を起こした島根県安来市内の70歳代の女性が、被害者と一緒にいた60歳代の男性に背負い投げされるなどし、その後4年間、よく似たヒゲ面で大柄な男性を見るたびに、体に変調をきたすなどの心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったとして、男性を相手取り、慰謝料など約550万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が3日、松江地裁であった。
上寺誠裁判官は「暴行でPTSDになったのは明らか」と、男性に440万円の支払いを命じた。
女性は被告男性に似た男性を見ると恐怖感を覚え、追いかけられる夢を見るようになり、熟睡できないなどの症状が出て、病院でPTSDと診断された。左腕にも後遺症が残り、昨年11月に提訴した。

(2003.12.4.讀賣新聞)
目撃者にも慰謝料
1999年9月29日、午後4時25分頃、山口県下関のJR下関駅で、上部(うわべ)康明被告(40)が駅前やコンコースを乗用車で暴走して通行人をはねた後、車を降りてホームを駆け上がり、包丁で5人を殺害、10人に重軽傷を追わせた事件(山口地裁下関支部で死刑判決・控訴中)で、上親子を含む死者4人の遺族3人と、負傷者5人、目撃者1人が、部康明被告と両親、施設管理者のJR西日本を相手取り、総額2億200万円の損害賠償を求めて提訴。

山口地裁下関支部で、神坂尚(しょう)裁判長は、上部被告に賠償責任を認めて、原告全員に計1億6191万円を支払うよう命じた(両親とJR西日本の責任は否定)。そのなかで、目撃者の原告女性(当時、中学3年生)が、ベンチに一緒に座っていた友人が切りつけられて負傷し、自分も心的外傷後ストレス障害(PTSD)で約2週間登校できなかったと主張していたが、「医者の診断書がなく、PTSDを認めるのは困難。しかし、切りつけられた可能性もあり、自分に殺傷行為が及ぶという恐怖感を与えた」として、慰謝料300万円を認めた。
原告側は、三者(被告と両親、JR西日本)に責任があるとして、控訴する方針。

(2004.11.1.讀賣新聞・夕刊 を参考)
被害者の過失相殺
福島県いわき市立川中の佐藤清二くん(中3・14)いじめ自殺事件(850926)の地裁判決(1990/12/26)では、自殺4、家族3で7の原告過失相殺

神奈川県津久井町中野中の平野洋くん(中2・14)がいじめ自殺した事件(940715)の高裁判決(2002/1/31)では、親の監督義務違反、本人がいじめを打ち明けなかったことに対して、7割の原告過失相殺

鹿児島県知覧町知覧中の村方勝己くん(中3・14)がいじめ自殺した事件(960918)の地裁判決(2002/1/28)では、原告(両親)の言動が自殺の一因をなしているとして、4割の過失相殺
福岡県三瀦(みづま)町城島中の大沢秀猛くん(中3・15)が、いじめ自殺した事件(960122)の地裁判決(2001/12/18)では、いじめを受けることについて秀猛君に落ち度はない」として、両親の責任を否定し、過失相殺などによる賠償額の減額はしなかった。

静岡県駿東郡の私立高校の男子生徒(高2・16)が、中学時代の同級生2人に恐喝・暴行され自殺した事件(970413の地裁判決(2001/4/18)では、「恐喝行為は極めて悪質で、被害者に過失はない」と自殺による過失相殺はゼロとした。



学校における安全点検

参考資料: 安全教育参考資料 「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育 (2001年文部科学省発行)より
2003.2.11新規

学校における安全点検の確実な実施を促すために、実施方法について、学校保健法施行規則(以下「規則」という)に定められている。
安全点検の種類 時期・方法等 対象 法的根拠
定期の
安全点検
毎学期1回以上
計画的に、また教職員全員が組織的に実施
児童生徒等が使用する施設・設備及び防火に関する設備などについて 毎学期1回以上、児童、生徒、学生又は、幼児が通常使用する施設及び設備の異常について系統的に行われなければならない
規則第22条の5第1項
毎月1回
計画的に、また教職員全員が組織的に実施
児童生徒等が多く使用すると思われる校地、運動場、教室、特別教室、廊下、昇降口、ベランダ、階段、便所、手洗い場、給食室、屋上など 明確な規定はないが、各学校の実情に応じて、上記(規則第22条の5第1項)に準じて行われる例が多い
臨時の
安全点検
必要があるとき:
・運動会や体育祭、学芸会や文化祭、展覧会などの学校行事の前後
・暴風雨、地震、近隣での火災などの災害時
・近隣で危害の恐れのある犯罪(侵入や放火など)の発生時など
必要に応じて点検項目を設定 必要があるときは、臨時に安全点検を行う
規則第22条の5第2項
日常の
安全点検
毎授業日ごと 児童生徒が最も多く活動を行うと思われる箇所について 常に整理整頓に努めるとともに、危険物の除去等安全な環境の維持に配慮しなければならない
規則第22条の7
安全点検の事後措置 学校においては、前条の安全点検を行ったときには、その結果に基づき、必要に応じて危険個所の明示、施設及び設備の修繕等危険を防止するための措置を講じなければならない。規則第22条の6
事後措置が学校内でできない場合には、学校の設置者に速やかに報告し、適切な措置の実現を図る。


        


主張の証明と展開

学校と闘う場合、証拠も証人も、ほとんどは学校側が握っている。にも関わらず、裁判を起こした側すなわち原告に、その不当性を証明する義務が課せられる。 STEP2の証拠の集め方参照。

2002.4.24 最終更新


証  人
目撃者・
伝聞者
最低限、いつ、どこで、誰が、何をしたか、ということがわかっていなくては訴訟は極めて困難となる。証人がどれだけいるのか、どこまではっきり覚えているかが、勝敗のカギを握る。目撃者がいても、実際には裁判での証言を拒まれることが多い。もしくは、保身や利害関係等から本当のことを言ってもらえない可能性もある。
利害関係のない人間や中立的な立場の証人、多少の不利益を覚悟して証言してくれるひとをいかにして見つけだすかが、裁判の勝敗のカギとなる。やむを得ない場合には、その証言を聞いたという、伝聞者を証人として申請することも。
識 者 その問題に詳しいひとから、法廷で説明を受ける。いじめ問題の研究者やスポーツの専門家、医師などから解説してもらう。素人が主張するより、納得感が高い。
他の事例 成功事例等を証言してもらうことで、「対策が可能であったことの実証」「それをしなかったことの不利益の証明」をする。
例えば、前田功さんの「親の知る権利」をめぐっての訴訟(910901)では、大河内清輝くん(941127)のお父さんに法廷で証言してもらった。裁判をしないですんだ理由として、子どもたちの反省の度合いや事件後の学校の変化、遺族の心情の違いなど、学校側が情報開示した場合としなかった場合とを対照的な例として取り上げた。
証言能力 年少の子の証言能力に関しては、9歳、8歳の子の1年9カ月前に発生した事実の証言につき、信憑性を認めたもの(最判1968(昭43)・2・9判例時報510号P38)がある。
(「教育判例ガイド」/吉岡睦子/2001.6.20有斐閣)
書 類 公文書や日記、手紙など、直接的に、あるいは間接的に事件に関するものはできるだけ集めておく。また、文部科学省が出した通達文書や指導要領、似たような事件の記録なども、原告側の主張の根拠となり得る。
診断書 事件の前後にかかった内科・外科・精神科等の医師の診断書や医師の証言が証拠採用されることもある。解剖医の所見も同様。ただし、それが逆用されることもある(元々精神疾患があった、心の病が原因、医療ミスではないか、など)。また、事件後の写真や診断書、死体検案書を元に専門医から、意見を聞く、所見を書いてもらう。ただし、医師に法廷で証言してもらうことは、拒否されることが多い。十分な下準備が必要。
アンケート調査 学校側が行った調査結果を開示してもらえなかった場合でも、遺族が独自に郵送で同級生や上級・下級生らに取ったアンケートの中から新しい事実が判明することもある。
また、その中から証言をしてくれる生徒を依頼できる場合もある。
証言テープ
(テープ起こししたもの)
電話での会話や話し合いの時の会話、目撃者の証言など生の声が、法廷での証言を補足したり、矛盾点を指摘する根拠となることもある。
ただし、忙しい裁判官には、テープそのものと共に、テープ起こししたものを書類で提出したほうがよい。
現場検証 裁判官の立会のもとで、証人等を呼んで現場検証をすることで、初めて見えてくるものもある。(940608
証拠や証言の矛盾点が実証されることもある。ただし、裁判官が必要なしと判断すれば行われない。
ビデオ
テープ
電車でのチカン免罪で男性がとった方法。当日と同じ状況を人為的に作り出して、再現ビデオ化したものが証拠採用された。
また、事件を報道した番組のテープから、その当時の証言が拾えることもあるので要チェック。
書籍等 事件のことを扱った新聞記事、書籍、ルポルタージュ、遺族の手記などが、裁判官の心証に影響を与えることもある。
署 名 多くのひとの支持が、裁判官の心証に影響することもある。



裁判に勝つために

2003.2.11 最終更新

裁判は駆け引きである。
裁判は、どちらが正しいかを争う場であるというよりもむしろ、原告と被告の駆け引きの場である。
具体的には、
・自分たちに有利な事実のみ出して、不利な情報は出さない
・勝てる見込みのある争点に絞る
・証人にプレッシャーをかけることで、自分たちに有利な証言を引き出す
裁判官の心証がモノを言う。
裁判官のものの考え方が、判決に大きく影響する。事件をきっかけに世相のさらに深いところまで踏み込もうとする裁判官もいれば、あくまで損害賠償請求を算定して出す場としか考えず、それ以上のことは追及させない裁判官もある。過去に扱った事件や裁判での言動から、裁判官の考え方を知ることは参考になるだろう。(裁判官は良識のあるひとという認識は幻想にすぎないと思い知らされることもある)
証人の記憶のあいまいさは、証言の信用度に影響しやすい。なお、裁判の途中で裁判官が交替し、流れが大きく変わることもある。
世論を味方につける。
裁判官とても人の子、世間の考え方に左右されやすい。マスコミや傍聴人が影響を与えることも。
過去の判例に影響されやすい。
同じような事件で、どのような判決が出たかを知っておくとよい。自分たちに有利な判例を集めて、闘い方を学ぶ。もしくは裁判資料として提出する。
上申書を活用する。
上申書は裁判での証言のかわりになる。細かい規定がないので、形式にとらわれず、訴えたいことを書くことができる。証拠とまでは認められなくとも、裁判官の心証に影響を与えることがある。原告本人はもちろん、専門家からの意見、同じ様な事件の被害者、目撃者、その他事件に係わった人びとに書いてもらうとよい。法廷での証言まではできないが文書でならと協力してくれるひともいる。著名なひとに書いてもらうとインパクトが強いが、1件につき50万円前後の謝礼金を要することもあるので、要確認。
981008上申書 参照)
証人尋問を工夫する。
裁判での証人尋問は、裁判官の心証を左右する意味においても大きい。また、うまく質問すれば、新たな事実を引き出すことができる。ただし、時間の制限や質問内容を制限されることもある。質問の仕方を工夫する。
また、自分たち側の証人を弁護士が質問で上手に誘導することで、争点をはっきりさせることができる。
反対尋問(例)
いくつかの証人尋問を傍聴して、弁護士によって質問の仕方が実に様々であること、証言の場もまた駆け引きの場であることを実感する。いずれの場合も諸刃の剣となる。

・威圧的態度で、証人がのらりくらりと逃げることを牽制する。
・友好的な態度で安心させて、いきなり核心をつく。
・わざと腹を立てるような質問をして、証人の平常心をなくさせる。
・「はい」「いいえ」で答えさせることであいまいさを許さない。証人の言いたいことをさえぎる。
・「はい」「いいえ」で答えられない質問の仕方をして、自らボロをださせる。
・予想外の質問で、本音を引き出す。
・関係のなさそうな質問や一般常識的な質問をして言質をとる。
・いろんな角度から質問をして、矛盾点をつく。
・同じ質問を時間をあけて再びすることで、矛盾点をつく。
・複数の弁護士が役割分担をして、違う質問の攻め方をする。
・証拠(他の証言や文書)を証人の前に出して、言い逃れをできなくする。
・複数の証人に同じ質問をすることで、矛盾点を明らかにする。



民事裁判における加害少年の証人尋問の可能性について

2003.2.11新規

加害者が未成年の場合、証人申請するかどうかは原告も迷うところだ。かつては未成年者の心情に配慮して、法廷での証人尋問を原告側が遠慮していた。または、証人申請しても裁判官に認められないことも多い。しかし、加害者が法廷で証言した前例はいくつかある。(ほかにもあると思われるが確認できたものだけをいくつかあげる。なお、年齢は事件時の年齢から概算)
事 件 出廷時年齢
(該当年齢)
概 要 参 照
1985/09/26
福島県いわき市立小川中
佐藤清二くん(中3・14)
いじめ自殺。
高3
1988年7月6日 いじめグループ3人のうち2人が証言。いじめの事実を認める。
(「いじめ裁判」 季刊教育法2000年9月臨時増刊号)
850926
1994/07/15
神奈川県津久井町立中野中
平野洋くん
(中2・14)
いじめ自殺。
高3〜
高校卒業?
一審の横浜地裁(1997/8−2000/7)で加害生徒らが証言(多くは出廷拒否)。
被告生徒らの対応は、原告の主張をほぼ認めるものもいれば、矛盾した発言をするもの、時間が相当経過しているので殆ど覚えていないというものまで様々。
(「いじめ裁判」 季刊教育法2000年9月臨時増刊号)
940715
1995/11/27
新潟県上越市春日中
伊藤準くん(中1・13)

いじめ自殺。
高3 2001年1月26日 いじめにかかわったとされる同級生が裁判に証人として出廷。
(2002/4/15不登校新聞)
951127
1995/3/
大阪府大阪市の市立小学校
男児(小3)

いじめ転校
小学生 1996年8月28日
いじめ訴訟で、双方の小学生計6人が大阪地裁の法廷で証言。
950300
1998/7/25
神奈川県横浜市の野庭高校
小森香澄さん(高1・15)

いじめ自殺
23歳 2005年10月11日
いじめ訴訟で、被告の元生徒3人が横浜地裁で証言。
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留意事項

2002.5.5更新

裁判官の心証がものをいう。不本意であっても、裁判官とケンカすることはできれば避けたい。また、どんなに腹がたつことがあっても、裁判所のルールは遵守すること。
証言はたいせつ。しかも、やり直しがきかない。せっかくの機会に言いたいことが言えず、悔しい思いをすることもある。動揺して心にもないことが、うっかり口から出てしまうこともある。場合によっては、相手の反対尋問等も想定して、事前にシュミレーションを行うなど万全の準備を。
相手の挑発に乗せられない。先方は手を変え品を変え責めてくる。わざと怒らすようなことを言ったり、こちらの一番痛い部分、触れられたくない部分をついてくる。カッとなって、自分たちに不利なことを口走ったり、頭が混乱して言うべきことが言えなくなったり、裁判官の心証を害することを狙っている。冷静に対処したい。
証言台に立つときも、予め弁護士と打ち合わせした内容に沿った証言を行う。納得がいかないときには、当日前にとことん話し合う。感情を先走らせてしまうことで、弁護士が立てた対策が台無しになることもある。この証言で何を訴える(被害者の感情・相手の証言の矛盾点・ほか)のか、ポイントを確認しておこう。
「和解」で実質的な勝訴を勝ち取ることもある。その場合、「和解案」の中身が問題。
ただし、ほんとうに実行されるかどうか。抽象的な事項については極めてあいまい。できるだけ具体的に、多面的に考えよう。



支援者を組織する

裁判官も人間です。傍聴人の多い、世間的にも関心の高い事件の裁判には自然と熱が入ります。
行政や学校なども、社会的な批判を気にします。支持者が少ないほうは萎縮しやすく、支持者が多ければ元気がもらえます。なかには、専門家顔負けの経験と知識を持ったひともいます。それらの情報は貴重です。
また、支援者が多ければ、その流れは、ひとつの社会運動・社会を変革する力となり得るでしょう。

2002.12.16 最終更新

支援する会を組織する 関心の高いひとを集めて組織化する。ただし、会の目的を事前に確認しておくこと。
名簿の作成 裁判を傍聴してくれた人にノートを回して連絡先を記入してもらう。(ただし、開廷中に行うと注意を受けることもあるので開廷の前後、報告会で行う)ニュースレターの発送や礼状が、次回の傍聴へとつながる。(郵送料を考えたら、ハガキやFAX、メールなども有効活用して。そのためには、メールアドレスやFAX番号、今後通信を送って欲しいかどうかの要件記入欄をもうけておくとよい)
報告会の開催 言葉などが難解で、素人には裁判を傍聴していても意味がわからないことが多い。また、書類のやりとりだけで5分程度で終わる場合も多く、説明がないと、傍聴人には裁判の流れが全く見えない。無駄足を踏んだ気にさせられる。

公判後に弁護士から、経過報告を含めて、支援者に対してわかりやすく説明してもらえるとよい。(原告自身の勉強にもなる。疑問に思っていることも聞きやすい)
時間的に可能であれば、集まった人びとにも発言の機会があるとよい。他からの情報が得られたり、新たなネットワークが生まれることもある。

傍聴者に対して必要以上に気を遣うことはないが、遠くから時間とお金をかけてわざわざ傍聴しに来てくれている。その人たちのために情報を提供したり、アピールの場を提供することで、ある程度のギブ・アンド・テイクを。
ブレーン集団を形成 様々な情報を集めたり、経験を持ち寄ったりしてアドバイスをする。
シンポジウム等の開催や出席 広く問題を人びとに知らせるためには、自らがシンポジウムを開催したり、他のシンポジウムや勉強会に積極的に参加することも有効。会場でアピールしたい場合は、周囲の状況をよく見極めて。事前に了解をとっておくのがベター。
ただし、時間や体調を考えて、無理は禁物。
ニュースレターの発行 ニュースレターを発行するには、時間と郵送費などのお金もかかる。しかし、それによって支援の輪が広がったり、傍聴人も多く集められる。(平日の昼間に継続して裁判を傍聴できるひとは少ない。何も知らせる方法がないと、せっかく関心をもったひとでも、1回休むと、次回の公判日がわかないために、傍聴できないことが多い)
支援グループがあれば、依頼するのもひとつの方法。または、すでにニュースレターを発行しているひとに、自分の情報を載せてもらうよう依頼するのも手。電子メールを出せる環境にあるのなら、メールでもよい。
ホームページの作成・利用 自分でホームページを開設したり、支援者につくってもらう。
もしくは、同じ目的を持ったホームページに書き込みをしたり、自分の情報もUPしてもらえるよう、依頼する。
署名を集める 署名を集めることで、世論を喚起することができる。また、多くのひとがこの裁判に関心をもっているということが、裁判官に伝わる。
運営資金について 支援されるひとが負担することもあるが、裁判や弁護士費用にお金がかかるので、会費や寄付を募ったり、資料代やコピー代など請求して、運営資金に当てることも多い。
なお、特定の支援者に負担がかかりすぎていないか、配慮を。(遠慮して言い出せないこともある)ただし、ボランティアで参加してくれている支援者に必要以上にお金や気をつかう必要はない。
いずれにしろ、長い闘いに無理は禁物。
注 意! 裁判にはお金も、時間も、エネルギーも必要です。
自分の裁判にかけるそれらを削って、無理をしてまで上記のことを行う必要はないと思います。
お金や自分自身の健康と相談のうえ、できることをやればよいと思います。
ネットワークが広がればさらに、他の人びとのために闘うことや協力を求められることもありますが、あくまで自分の裁判を優先するのは当然のことです。

また、たいへん残念なことに、被害者の弱みにつけこんで、政党・宗教・団体への寄付の広告塔にされたり、金をだまし取られたりすることも現実にあります。できないこと、いやなことには、はっきりと「No!」と言いましょう。

支援者と当事者の思いが大きくかけ離れてしまうこともあります。主体はあくまで当事者であることを忘れないで。
押しつけは厳禁。かえって当事者を傷つける結果になります。

同時に、支援するひとたちも、自分たちにできることと、できないことを認識や線引きをはっきりしましょう。お互いのためにも。


通常ではない体験をした被害者の自分でさえとまどう心理を理解するために、被害者に起きることや支援で気を付けなければならないことなどを積極的に勉強しましょう!
(このサイトでは
 STEP3 を参照)



マスコミとの付き合い方  2002.8.18 更新

マスコミは諸刃の剣である。上手に付き合って行ければ、大きな力となる。ただし、過度の期待は禁物!

社会的影響が大きく、多くのひとの関心が得られる。
プロの取材により、今までわからなかった事実がわかる。
マスコミには各界からの情報が集まりやすい。情報提供してもらえて助かることも。
取材攻勢により、近隣や親戚、知人に迷惑をかける。
取材してほしくないときに取材されたり、プライバシーを冒されたりする。
事実とは違うこと、言ったこととは違うことを書かれたりする。
悪意的・ゴシップ的な扱われ方をする。
マスコミで知った悪意のある人間から、いわれのない誹謗・中傷を受けたり、無言電話がかかったりする。興味本位で噂をしたり、見に来る人間がいる。
ニュース性がないと取り扱ってもらえない。関心が長続きせず、波のように押し寄せ、さーぁと曳いていく。他に大きな事件が起きると多くの時間を費やしたにもかかわらず、ボツにされることも。現場の記者とデスク(上司)の意見があわず、違う取り扱いをされたり、ボツにされることも。


マスコミ各社の取材が集中する場合、こちらから日時、場所を指定して、記者会見を行う(それを条件に個別の取材を一切断ることも可能。守らない相手に対しては記者会見への参加拒否を通告)。または、記者クラブに連絡をして当番紙に場所等、記者会見の段取りを依頼する。
プライバシーの遵守などに不安がある場合には、支援組織や弁護士などにワンクッション、マスコミとの間に窓口として入ってもらう。
せめて、相手がどういう種類の記事を書いている人間か、もしくはどういう内容・傾向のものを出しているか、教えてもらおう。信頼できそうにない相手の取材は拒否したほうがよい。
信頼できる記者とは、こちらからも積極的に情報提供するなどして、よい関係を保ちたい。
訴訟時や判決時など、積極的にアピールしたい時には、マスコミに案内を出し、取材に来てもらうよう要請する。
大事な点を強調しておく。(これだけはぜひ出してほしいこと、出してほしくないことをはっきりする。場合によっては念書をとっておくなど文書にして残す)
数字や名前など間違えやすいもの、日にちや電話番号など間違えると迷惑がかかるものは、できるだけ書類にして渡す。(意外に間違うことが多い!)
月刊誌など、時間がある時には事前に原稿をチェックさせてもらう。新聞記事であっても、事前チェックを条件に取材を受ける方法も前例あり。
掲載日時を確認し、掲載紙を送ってもらうことも事前に約束してもらう(常識と思っていても送ってくれないこともあるので要確認)。テレビ局は番組の録画テープを送ってくれないこともあるが、要交渉。
約束が守られない時、不当なことに対しては抗議を行う。
過剰な期待は禁物。記者個人はどんなによい人であっても、組織の一員でしかない。上司に言われたり、他のニュースが入ってスペース的にボツにされることもある。事前の話とは違う取り上げ方をされたり、取材したことをアリバイに、言っていないことを書かれたり、曲解したとられかたをしたり、相手側の言い分ばかりが強調されることも多くある。いずれにしても先手必勝。主導権はこちらが握るようにしましょう。



傍聴者のマナーについて

被害者の支援のためにも、自分たちの税金をつかって裁判がきちんと公正に審議されているかどうかのチェックのためにも、ぜひ一人でも多くの傍聴に行ってほしいと思います。
ただし、最低限のマナーを守ってください。でないと、迷惑になります。


2002.4.24最終更新

法定内でのルールを守って。
私語を慎む、ヤジを飛ばさない、携帯電話の電源をオフにしておく、ハチマキなどをしないなど、ルールを守る。
守らないと注意を受けたり、退出を命じられることもある。
法定内でマナーを守って。
途中での出入りは、真剣に傍聴しているひとや裁判官にとっても、とても気になる。やむを得ない場合は静かに行う。居眠りなども、遺族の気持ちを傷つけるので注意。
また、原則として、原告(訴える側)の支援者は裁判官席に向かって左側、被告(訴えられた側)の支援者は右側に座る。反対側に座ったり、相手側の傍聴人と親しく会話を交わすと不信感をもたれることもある。(席がない場合には仕方がない)
事件についての情報は自ら積極的に得るよう、努力すること。ただし、被害者によっては心の傷から、多くを語りたがらないこともあるので、配慮して。
報告会などで、自分にもアピールしたいことがあったとしても控えめに。できれば主催者に事前に了解をとっておく。
いろいろなひとが傍聴に来ていることを忘れずに。個々の事件には興味はなくても、勉強のために傍聴に来ている場合もある。原告側の支援者か、被告側の支援者か、見分けがつきにくいこともある。不用意に話しかけると、互いに気まずい思いをする。また、トイレや廊下で裁判や被害者、加害者に関わることを話していて、偶然、相手側の耳に入ることもある。特に、相手側に聞かれて困るようなことは、場所を選んで話す。
裁判の最初は書類のやりとりだけで、5〜15分くらいで終了することが通常(ただし、初回に冒頭陳述が行われることもある)。せっかく、時間をとってやってきたのにとグチを言わない。
証言がはじまってからのほうが、傍聴しているひとにもわかりやすい。また、支援するひとの傍聴は、証言者に勇気を与えたり、逆に、相手方にはプレッシャーを与えることにもなる。



注 意:私自身は法律の専門家でも、少年犯罪やいじめ研究の専門家でも、カウンセラーでもありません。
     最終的な判断はあくまでご自身の責任でお願いします。   S.TAKEDA




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