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京都日記とは、2000年1月4日から12月31日まで、京都ものづくり塾のメンバが日替わりで京都のできごと、発見したお店の情報、日常の風景について描いた日記です。
地元に住む京都の生の情報が満載です。

1月 / 2月3月4月5月6月7月8月9月10月 / 11月 / 12月


11月30日 (木) 私の紅葉 貴船・鞍馬

ドイツからゲストが来ていて、貴船から鞍馬まで連れて歩いたのですが、このあ たりは今が紅葉の真っ盛りです。
アクセス手段である叡山電車からも美しい紅葉が眺められ、乗客はこぞって感嘆 の声をあげます。 平日というのに観光客と思しき人が多く、この時期の京都はどうしても「静かに 観光」というわけにはなかなかいかないのですが、このあたりの穴場(?)をひと つご紹介しましょう。
貴船と鞍馬を結ぶ2`ほどの山道なのですが、鞍馬、貴船には人があふれていて も山の中までとなると人も少なくなり、ちょっと静かになります。 昼でも「樹齢数百年」の杉木立で薄暗いほどなのですが、その間からの木漏れ日 や日の光の角度や強さによって同じ木でも全く違った色を見せます。
一時たりとも同じ色を見せない。同じ時間は二度と来ない。その時その時の一瞬の 変化を楽しむのが日本の「無常観」につながっているのかもしれませんね。山の 中ではるか千年前の義経と鞍馬天狗の物語に思いをはせつつ、時は連綿と、しか も変わりながら流れているのだと感じました。(誠信堂)
11月29日(水) 常寂光寺の紅葉

先日、秋の京都観光の王道をゆく嵐山に行きました。この時期、ほんとうにすごいひとです。どこを通っても、ひとがぞろぞろとひっきりなしに進んでゆきます。
「常寂光寺」という名前は行ったことのないひとでも、一度は聞いたことがあるでしょう。どんなものか見てみると、紅葉はほんとうに鮮やかです。ちょっと高台になっているところから京都市西部を眺めることができます。その先には比叡山が遠くそびえます。
紅葉の色は赤と黄色がうまくマッチしていて、それらが織り成すトンネルから洩れてくるやわらかな光がすごく心地いいです。
さすが、その名を広く知らしめているだけあって、ほんとうに鮮やかな紅葉でした。(やっち) 

11月28日(火) 街路樹

京都の秋も深くなってきました。京都といえば、紅葉が有名ですが、ほかのまちと同様にまち中も街路樹でいろいろな色に染まっています……
と書きたいところですが、京都の街路樹はちょっと違います。烏丸通、河原町通、北 大路通といったメインストリートのほとんどの街路樹は、落葉樹を中心にちょうど葉 が色を染め上げた頃、伐採されます。これが京都の秋の風景です。僕はもともと外の 人間ですから、非常に驚きました。
京都は紅葉、紅葉といってもてはやされていますが、実のところ、身近な街路樹はが んがん切っておるわけです。他の町ではどうですか。そんなもんなのですか。(雅楽之助)

11月27日(月) 琴滝と紅葉

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昨日紹介した「京都でてこいランド」の道中で見た景色を紹介します。
9号線と縦貫道の交差するあたりに、「琴滝」への道標があります。ちょっと道がくねくねしてますが、狭い道を数分進むと、ほとんどひと気のないお寺さんがあります。
そこの紅葉がむっちゃくちゃに鮮やかなんです。紅い紅葉は真っ赤だし、黄色い葉はほんとうに黄色い。京都市内では、最近、赤や黄色にならずにそのまま茶色くなってしまうきたない紅葉が増えたと言いますが、あるところにはあります。
目の覚めるような紅葉とは、まさにこのことです。あまりの美しさに感動してしまいました。
また、もう少し進むと、紅葉に囲まれた琴滝があります。こちらへのアプローチも落ち葉がきれいな道をつくっていました。(やっち) 

11月26日(日) 「京都でてこいランド」で自然を満喫

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10月30日の京都日記でも紹介した「京都でてこいランド」に行ってきました。
障害のあるひとも、ないひとも、子供も、年配の方も、いっしょになって自然に触れ合う場をつくれるように、という思いで建てられたとのこと。行政からも企業からも援助を受けることなく、有志の方たちがお金を出し合って、建築家のメンバの方が設計をして、建てられたとのこと。
広々としたログハウスには、週末ごとに有志の方が来られて、ほんとうにみんなの手でやってる、という感じがとってもあたたかい感じがします。
でてこいランドのまわりは大自然の山々。栗拾いやしいたけ狩りもできるとのこと。この時期は、紅葉がほんとうに鮮やかでした。自然の中で西陽のあたる紅葉は、京都市内では絶対に見られない美しさです。
京都市内から車でも電車でも約1時間半で、自然を大満喫できる素敵なところです。ときどき、イベントもされてるとのこと。ぜひともまた行きたい場所です。(やっち) 

11月25日(土) 秋は紅葉の毘沙門堂

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私の地元である山科の紅葉の名所は「毘沙門堂」です。今年の春、JR東海の ポスターにも使われた毘沙門さんは、いつの季節も美しいお寺です。
JR・地下鉄・京阪の3つの鉄道が集中する「山科駅」から、北へ歩いて15 分。途中、横切っている疎水沿いの桜の葉が、赤く色づいているのも、足を止 めて見たくなるほどきれいです。
毘沙門堂の境内には、もみじは少ないです。けれどその外側。山の中とも思え る辺り一帯、もみじでいっぱいです。
赤、黄色、色とりどりで、まだ緑の葉もあるので、まだ当分は毘沙門さんの秋 を楽しめそうです。市内の混雑を避けたい方は、ぜひ山科へおいでください。 (まき)

11月24日 (金) 洛中まち歩き雑感 その2

昨日の続きです。
続いて和装問屋の集まる室町界隈を歩きました。このあたりは私の以前の勤務先 の近くです。和装業界の状況はここではもう触れませんが、この界隈は今、「建設 ラッシュ」なのです。そしてそのほとんどはマンションです。どこもこれまで和装 問屋がビルを構えていたところですが、倒産や移転により手放したところにマン ションを建てているのです。マンション建設はこの3年くらいで急激に進んでいる ので、あと2年くらいすれば町並みが変わってくることでしょう。そうすれば、この あたりの産業構造や祇園祭の様相も変わらざるを得なくなるかもしれません。新 しい住民による新しい地域コミュニティが出来、祇園祭に参加したり、お店が出来 たりと「生活する地域」としての機能の復活やSOHO等自宅で出来るニュービジネ スの台頭といった風にいいように変わってくればいいのですが…
そして最後は西本願寺門前の仏具店が集まっている六条界隈です。このあたりは 昔とさほど変化はありません。仏具は西本願寺から必ず注文があるでしょうし、門 徒は全国にいる一大組織です。ですから特に危機感があるというわけでもないこ とでしょう。
このように街中にある産業集積地を歩いてみるだけでもそこの景気や状況を感じ 取ることが出来ます。 厳しい状況ですが、伝統的な京都の産業と地域にも新しい芽が確実に出てきてい るのは確かです。(誠信堂)

11月23日 (木) 洛中まち歩き雑感 その1

用事があっったので、市役所前から京都駅まで移動することになったのですが、 久々に歩いてみました。歩いてみるとまちの変化や雰囲気が伝わってきますね。 今日は歩いてみて感じたことをお伝えします。
まず、錦市場を開店時間中に久々に通ったのですが、この10年程度で新しい店がず いぶん入ったなという感想を持ちました。私は学生時代に市場内の魚屋でアルバ イトをしており、その当時の店の構成は魚屋、八百屋、塩干屋(干物や一塩物の魚 屋。海から遠い京都では古くから重要な店で、生の海の魚を扱う「鮮魚店」や鯉 や鰻などを扱う「川魚屋」とは完全に分離している)、漬物屋、卵屋、肉屋…等 食料品と包丁などの料理道具が中心だったのですが、最近はアンティークショッ プやケーキ屋、またフランチャイズ展開をしているチェーン店等、これまで『錦に はなかった店』がずいぶんと増えてきました。90年代前半には錦市場も人通りが 減り、先行きを案じていたのですが、最近はテレビや雑誌などで取り上げられるこ とも増え、また賑やかさを取り戻してきたように思いました。がんばる老舗と新し いお店の共存がここを面白くしているのかもしれません。(誠信堂)
11月22日(水) 東山三十六峰

盆地の京都は市内から数分歩くと予想外に自然を満喫できるハイキングコースがあります。
たっくんは数年前、そのハイキングコースを利用したマラソン大会に参加 したことがあります。宝が池をスタートし、伏見稲荷がゴールの全長30キロ のコースです。
毎年、12月の初旬に開催されるので、コースの木々は赤く色づき 足元は、落ち葉が積もっています。所々には、地図にも載らない 小さな小川があったり両手を使い乗り越えないと進めない段差があったりと、 自然を存分に楽しめます。
時々、木々の間から京都市内を一望する事もできます。
食欲の秋を満喫した方は、紅葉のハイキングコースを歩き、 スポーツの秋を楽しむのもいかがでしょうか!
今年も12月10日に「第7回 東山三十六峰マウンテンマラソン」が あります。(たっくん)

11月21日(火) 電気自動車でドライブ

「まつなかを歩く日」のイベントでは、電気自動車の紹介もしていました。電気自動車の試乗会に学生の方が案内してくださいました。でも、運転はさせてもらえず、助手席でぐるっと辺りを一周。けっこう快適です。
これは、「京都パブリック カー システム」という取り組みの一環で、レンタカーのような方法で、2人乗りの電気自動車を多くのひとに利用してもらおう、というもの。
こうすることによって、環境も大事にすることができるし、小さいので渋滞緩和にちょっとでもなるかな。
この電気自動車、京都駅の北側、南側、みやこめっせ、御池地下駐車場、ASTEM、商工会議所に置かれるとのこと。乗り捨てもできるらしいので、便利ですよね。
予約はインターネット、iモード、ezWebなどでどうぞ。12月1日から運用だそうです。(やっち) 

http://www.ev-kyoto.com/
11月20日(月) まちなかのコミュニティ

昨日紹介した、「まちなかを歩く日」というイベントでは、道案内や町屋の受付など、学生の方の活躍も目立っていました。
なかでも面白かったのが、こちらのカフェです。三条通り油小路の角で空きスペースを使って近くの商店街の皆さんの写真を撮り、ダンボールでつくった壁に貼ってられました。そして、そのまわりには、やはりダンボールでつくられた椅子と机のカフェです。地域のひとたちに来て見てもらおうという、取り計らいです。
写真は近くのお店やさんの方、店の看板、景色など周辺のいろいろなものが写されています。手作りの感じがとってもあたたかいです。
近くの方が通りかかると、お店の番をしている学生さんが「どうぞ」とやさしく声をかけてくれます。こうして、地域のひとの集まる場をつくっているのは、なんとも嬉しいですね。(やっち) 

11月19日(日) 「まちなかを歩く日」

金曜から日曜まで、中京区の堀川以東の地域で「まちなかを歩く日」というイベントが開催されました。
すごく立派な町屋が初公開されていたり、本能地方の職人さんは小学校の体育館で実演を披露したり、はたまた学生ボランティアの方々が案内してくださいました。
このイベントは今年、初めての試みで、あまりまだ多くのひとには知られてないようでした。でも、地元の方々や大学生のみなさんがいっしょになって、来てくれる人たちを楽しませようと、イベントを盛り上げているはすごく伝わってきました。
立派な町屋では、昔そこが呉服やさんだったときに働いてられた方がその家のいわれを教えてくださったり、店を開けてられた新町通の和装小物やさんでは、祇園祭のときの話を聞いたり。
地域の温かみと、外の人たちとのふれあいが感じられて、すごくいいイベントだなぁ、と思いました。(やっち) 

11月18日(土) 手づくりめっせ

昨日と今日、岡崎(左京区)のみやこめっせでは、「手づくりめっせ」というイベントが開かれました。この時期の岡崎は紅葉が鮮やかで、とってもいい雰囲気でした。観光客の方や修学旅行の学生さんたちで賑わっていて、すごくいい感じでした。
手づくりめっせって、そんなに人は来ないもんだろうと思っていたのですが、とんでもない!えらく賑わっていました。各企業やパッチワークなどの手作りをされてる方、クリエイタの方たち、また、伝統工芸のかたなど、様々な方がが出店されてました。ブースは全部で200近くありました。こんなにも手作りをされてる方がいらっしゃるとは、ほんとうに驚きました。
四春屋にも来てくれたマヤさんもポリマクレイアートも賑わっていて、なによりでした。(やっち) 

11月17日(金) 「きものキップ」大活躍

11月1日から12月24日まで、京都の地下鉄・市バス・京都バス・京阪バス・嵐 電・叡電が無料で乗れる「きものキップ」が利用できます。アンケート目的で実施され た企画です。
土日ともなれば、京都市内を縦横無尽・右往左往(?)している私にしてみると、こ の企画、個人的にはかなり楽しんでいます。
ただ、事前に地下鉄各駅などに、山積みにされていたきものキップですが、11月に 入って姿を消しました。すでになくなってしまったのか、はたまた?
何はともあれ、現代の日本においても、京都くらいは着物姿が普通である街で あってほしいので、少しでもきっかけになれば、よいことなのではないでしょうか。 (まき)
11月16日(木) 高雄の紅葉は早朝に

京都はそろそろ1年間で一番美しい季節、紅葉の時期を迎え、街には観光客らしき方がたくさん見受けられます。
京都の紅葉は、有名なところがたくさんありますが、中でも山の紅葉が美しいのは西山の高雄です。四条大宮から市バス8号系統に乗って約30分、空気の澄んだ山に囲まれた地にたどり着きます。
そのあたりには、鳥獣戯画で有名な高山寺や、かわら投げの神護寺などがあります。
この季節、ふだんは観光客のみなさんでごった返しているのですが、朝10時ごろまでに行くと、すごく空気の澄んださわやかなお寺の朝を感じることができます。もちろん、観光客の方たちもまだいらっしゃらないので、のんびり紅葉を楽しむことができます。
朝に自信のある方には、おすすめの観光スポットです。(やっち) 

11月15日(水) 京都新世代いけばな展

14日まで京都大丸において「京都新世代いけばな展」が開催されていました。 ものづくり塾に関わってくださっている、青曙流のかたからご案内をいただ き、私も見に行ってきました。
「いけばな」とはいうものの、斬新なものばかり。会場の照明はかなり暗くしてあり、 オブジェともうけとれる花の芸術でした。「いけばな=古いもの」と考えるのは、どう やら違っているようです。
一番おかしかったのは、オクラが並んでいるもの。あれも新しいいけばななん ですね。
もちろん伝統を継承しつつ、新しい感覚で遊ぶ。単に西洋のものまねではな く、日本ならではのテイストを取り入れることが、いけばなに限らず、すべて において大切なことなのではないでしょうか。(まき)
11月14日(火) 飲んだあとのコーヒーは

京都の夜はほんとうに早いですよね。お酒を飲みに行った後、ちょっとコーヒーでも飲んでいこうか、と言ったときに、なかなかいいお店がありません。スターバックスやドトールは10時には終わってしまうし、からふね屋に行くにはちょっと遠いのだけど、もうちょっと、というときに困ってしまいます。
先日、飲みに行ったときに友人に教えてもらったのが、ホテルのカフェバー。そこなら、けっこう遅くまでやっているし、おいしいコーヒーを出してくれるので、なかなかよいです。
昨日は烏丸御池で喫茶店をさがしているときに、ホテルギンモンドのカフェに行ってきました。ゆったりした空間で、酔い冷ましの談笑するのは楽しいものです。(やっち)

11月13日(月) 京都駅はクリスマス一色

今日、京都駅に行ってみたら、もうすでに駅の飾りつけはクリスマス一色でした。
いつも、この時期に飾り付けがされるので、ちょっと気が早いような気もしますが、もう、そんな時期なのだね、という気がしてきます。
週末の京都新聞にも、室町小路広場の大階段の舞台に恒例のでぇっかいクリスマスツリーが点火されたというニュースが掲載されていました。たしか、クリスマスごろには、夜になるとカップルたちがその前で写真を撮っているのを見たことがあります。
駅前にはツリーや「Merry Xmas 2000」と書かれたリースが飾られています。そして、正面口の広場のクリスタル屋根にはキューピッドがハートを射るイルミネーション。今年もきれいです。
京都駅は毎年こうして私たちの目を楽しませてくれますね。みなさんも通ったときには、また見てみてください。(やっち) 

11月12日(日) 姉小路界隈を考えるワークショップ

姉小路通柳馬場東入るの姉小路画廊(中京区)で、京都造形芸術大学環境デザイン学科の学生さんによる、ワークショップのプレゼンが開かれました。主催はもちろん、姉小路界隈を考える会です。
この、姉小路界隈は老舗の旅館など、昔ながらの町屋が残る美しい街並みを保っている街です。
ワークショップは、現状の界隈の写真をもとに、特徴的なキーワードを抽出し、それらを生かしつつ、新しいまちの姿を描く、というものでした。
建物の外観、夜のライティング、職人さんの職住をひとつにした暮らしに合わせた建築や、公園の設置など、斬新でしかも、街の特徴を生かしたプランが発表されました。
複数の町屋の間で庭を共有して、一般のひとに開放しようというアイデアが印象的でした。
こういった活動が実を結ぶといいですね。学生の方たちのこれからの活動に期待しましょう。 (やっち)

11月11日(土) 月が渡る橋

今日は秋の名月。『横笛とギターによるセッション(フォルクローレ)を聴きながら、 着物でお月見をする』という集まりが、ものづくり塾の主催で行われました。
演奏はなんと、友禅の図案家の先生です。趣味が高じて人前で演奏するように なったとか。かねてより「美しい月の下、着物姿の人たちの前で演奏をしたい」という 思いがあったそうで、今日はまさしく、その思いが叶ったというわけです。
場所は嵐山。渡月橋すぐそばの「よしむら」さんです。一面ガラス張りの窓越 しに見える大堰川(桂川)と美しい月。夜7時頃までは交通量の多い渡月橋で すが、だんだん車も少なくなり、月が橋を渡るにふさわしい夜になりました。
それにしても「渡月橋」とはよく言ったもので、風流なネーミングですね。観光客が引 き上げた夜には、静かな嵐山が戻ってきます。
「よしむら」さんは、1Fが和装小物、2Fがお蕎麦と甘味処という、素敵な お店です。嵐山で一押しです!(まき)
11月10日(金) 茶の湯文化にふれる市民講座

北山にある表千家北山会館では「和菓子−その歴史と洗練」と題した 特別展が催されています。それに伴って、土曜日には「和菓子の世界」 をテーマに、市民講座が開かれています。
家元に代々伝わる道具類はもちろん、和菓子の材料、作り方、製作道具 なども展示されていているのですが、中でも興味深いのは、江戸時代に 書かれたお菓子の見本帳です。お客さんは見本帳を見て注文していた のだそうです。今でいうとカタログ販売ですね。その見本帳が残っている お陰で、当時の和菓子の姿を知ることができます。
また、西国大名は参勤交代で江戸と所領を往復する途中、京都でお菓子を 買っておみやげにしていたそうです。京都のお菓子は、どこのお菓子よりも おいしかったため、全国に広まっていったのですね。
今も「和文化」の発信地として、京都は生き続けています。(まき)
11月9日(木) 宇治上神社(うじがみじんじゃ)

世界文化遺産に登録され、脚光をあびた「宇治上神社」。本殿は神社建築として日本最古、 平安時代後期に作られた建物だそうです。
写真は拝殿のほうですが、こちらも鎌倉期に建てられたとか。姿の美しさに感激して しまいました。周りが森に囲まれた、静かな佇まい。苔むした檜皮葺の屋根の 緑色が美しいです。
近くにある平等院は、さすがに有名な観光名所。観光バスが乗り付け、見学の方が 列をなしています。宇治上神社のほうはあまり知られていないのか、人も少なく ゆっくり見学することができます。
宇治上神社の手前には、宇治神社というところがあります。名前が似ていて混同 されやすいので、ご注意くださいね。(まき)
11月8日(水) 離楽庵 〜西陣散歩 その3

離楽庵 外観
離楽庵 内装
鞍馬口通り大宮よりも西に入ったところに、離楽庵という、珍しい雰囲気の喫茶&アンティークショップがあります。左の写真の外観、内装ともに、ちょっと変わった感じがしませんか?
ここが変わった雰囲気なのは、銭湯を改装したからなのです。内装のタイルはそのまんま。男女の壁は半分壊されていて、それがいい感じの仕切りになっています。音楽も不思議とマッチしていて、ついついのんびりしてしまいます。
2階では今、骨董市を出店されてました。店の1階にも手作りのお店もあり、おもしろいです。
そして、毎月第4週末には、店頭でフリマも開催されてるとのこと。四春屋も今月、出店するかもしれません。(やっち)

11月7日(火) Machiya de ほっ 〜西陣散歩 その2

focal pointのすぐ南側に、素敵な町屋のギャラリーがあります。その名も「Machiya de ほっ」です。落ち着いた町屋の中に、「ほっ」とするような、あたたかい感じの絵やガラスの作品などがいっぱい飾られています。
やさしいタッチの絵にひとこと、やさしい言葉が添えられています。印象的だったのは、おでんやの屋台におじさんが入っている後姿に、「がんばれへんときもあるよね」。「そうそう」と思わず微笑んでしまいます。他にも、素敵な絵と言葉がいっぱいいっぱいあります。
お店の方もすごく気さくで、いろいろと話してくださいます。火鉢のある部屋でお茶をいただき、ついつい居座ってしまいました。
お店の方は話し終えると、奥で着物の絵付けをされてるようでした。職人さんのようです。
ほんとうにほっとできる、このあたたかい、やさしいお店にみなさんもぜひ、行ってみてください。(やっち)

11月6日(月) focal point 〜西陣散歩 その1

最近、町屋を改装して、アンティークな雰囲気のお店に生まれ変わっているところがいくつかありますが、今日は、その中でもイチ押しのお店を紹介します。
大宮通今出川を下がって3分くらいのところに、focal pointというお店があります。白のしゃれた暖簾をくぐって店の中に入ると、そこはふつうの町屋の玄関。そこを通って奥に入ると、広い吹き抜けの部屋があって、喫茶とアートスペースになっています。
吹き抜けの部屋にはテーブルが並べられており、町屋なのに洋風。中2階になっているところも落ち着いた雰囲気がマッチしています。
奥には更に、庭を眺められる部屋があります。さすが、この奥行きの深さは町屋ならではです。
陶器の作品を展示できるスペースもあり、それを楽しむこともできます。お店の方はすごく気さくで、ゆっくりと楽しませていただきました。
みなさんもぜひ、行ってみてください。絶対損はしませんよ。
でも、気をつけないといけないのは、開店しているのが毎月1日から20日のうち、月曜から土曜まで。時間は11時から18時です。(やっち)

11月5日 (日) 日本文化デザイン会議2000京都

3日より5日まで宝ヶ池の国立京都国際会館ほかで開かれた 「日本文化デザイン会議2000京都」に参加して来ました。
この会議は建築家の黒川紀章氏、哲学者の梅原猛氏らがつくる日本文化デザイン フォーラムの主催で、 今回で23回目で、京都開催は初めてということです。期間中、シンポジウムや座 談会、 ワークショップなど多彩な催しが繰り広げられました。
初日の3日は開会式と評論家の吉本隆明氏による基調講演、 黒川紀章氏、京セラ名誉会長・稲盛和夫氏、哲学者・梅原猛氏らによるシンポジ ウムおよび授賞式が行われ、日本文化デザイン大賞には経済企画庁長官の 堺屋太一氏が選ばれました。1970年の大阪万博から来年のインパク(インターネ ット博覧会) までのプロデュースや、作家活動や閣僚として政策によって 日本の指針を「デザインしている」というのが受賞理由ということです。
4日は分科会形式によるパネルディスカッションでした。
私は午前中に「21世紀の文化計画」午後から「創像的破壊」「21世紀日本の再 生」をテーマにしたパネルディスカッションに参加しました。 「21世紀の文化計画」が資生堂会長の福原義春氏や作家兼ミュージシャンの 辻仁成氏ら、「創像的破壊」がマーケティングコンサルタントの西川りゅうじん 氏や建築家の安藤忠雄氏ら、そして、 「21世紀日本の再生」が日文研教授の川勝平太氏や 黒川紀章氏らがパネラーという錚々たる顔ぶれで、自らの専門分野からの意見に とどまることなく さまざまな観点からの議論が行われました。
そして最終日の5日に参加した午前中の座談会が「着る物の伝統・未来」という テ ーマで 「着物」の21世紀のあり方を歴史学、生物学、服飾文化、衣裳製作の現場と さまざまな切り口から論じられました。
横山俊夫・京都大学教授の「21世紀には全てを織り成し、全体が見渡せる、 近代以降日本が見失った“媒介・仲立ち”が必要」という意見にはうなずかされ ました。 つまり、着物に当てはめるならば、「生活や文化を織り成すことなく、“最上 級” ばかりになってしまったことが問題。 織手と着手の両方が楽しくなるようなものを作っていかなければいけない」とい うことです。
また、服飾評論家の深井晃子氏は「“着る”という人間の普遍的行動という点で は 着物を洋服も同じであるのにもかかわらず、京都の着物業界は視野を世界に向け ていない。 自分たちが作ったしきたりで自縄自縛に陥っている」と分析し、膝を打ったので した。
午後は閉会式。総括のコメントで「京都は火はつくのは遅いが、 最終的にこれだけの会に出来るのはやはり京都」、 また、4日夕方に市内各地の料理店や寺院で行われた 講師を囲んで飲んだり食べたりしながらの「創像夜楽会」に参加された講師の方 からは 「京都にはあちこちでいろんな面白いことをしている人がたくさんいて、 彼らがわやわやと集まって議論する中から、何かが生まれることがある」 と発言され、「京都の可能性」を再認識したのでした。
昨今、21世紀を目前にして、日本の進むべき方向や日本人のあり方などが 問いただされていますが、このイベントでも多くの人が日本の将来に危機感を抱 いており、 21世紀の進路を決めるべく「行動を起こすのはまさに今だ」 という点において意見は共通していたように思います。
私たちものづくり塾も「京都発の文化創造・発信」の一翼を担うべく、 活動していきたいと思います。(誠信堂)
関連URL
京都商工会議所
4日付京都新聞
5日付京都新聞
11月4日(土) 第6回 京都アート クラフト フェスタ

3日、4日と梅小路公園でアートクラフトフェスタが開催されました。
5月8日の京都日記で紹介したのが第5回。今回はそれに続いての開催です。
日本全国から陶器、ガラス工芸、木工、アクセサリなどなどさまざまな分野で手作りのものをつくってられる方が出店されてます。
全体的には、陶器が多いように感じられたのですが、陶器もそれぞれに個性があって、見ていて飽きません。そして、出店されてるみなさんもお客さんとのつながりを大切に感じてる方が多いのか、とってもひとなつっこく話しかけてくださいます。
西陣の関係では、帯地をブックカバーにされてる方がいらっしゃいました。そしてもちろん、四春屋パーティーにも来てくださった富坂綜絖店さんも5月のに続いて出店されてました。
次回は2001年5月11日、12日だそうです。今度は四春屋も出店しようかな。(やっち)

11月3日(金) いきづく伝統

紅葉の秋とまではいきませんが、今日から三連休の初日の京都駅は 多くの観光客で、終日賑わっていました。
その、駅ビルの中のシアター1200で、伏見酒造組合が主催の イベントで狂言と祇園甲部手打ち式を観て来ました。狂言は古典芸能 ですが、庶民の日常を題材に取り上げた話が多いので現代に生きる 私達にも、素直に理解できます。
演目は、「棒縛(ぼうしばり)」で、お酒をテーマにした話です。茂山家 の若手3人が演じられ、表情豊かな芸は思わず笑ってしまいます。狂言は 楽しく観るものですね。
そして、「手打ち式」といって祇園の芸妓さんに伝わる祝い事とかにする 手打ちです。祇園の芸妓さんが多数でて、柏子木を打ちながら誉め言葉を 云ったりして舞台に進んできました。
京都に住んでいても、白粉をつけた芸妓さんが演じられる姿をみるのは すごく新鮮な感動です。
今回のイベントは伏見の酒のPRを兼ねていましたが、京都人の心意気を 感じました。もちろん、きき酒会もあり、伏見の酒造メーカーが自慢の酒を 振舞っていました。同じ伏見の水なのに、酒造メーカーによって辛さ、 甘さが違います。
伏見酒造組合のHP   http://www.fushimi.or.jp
文化の日にオープンしたホームページです。 (たっくん)

11月2日 (木) 京都商法の真髄

先月27日の名古屋の和装問屋と東京にあるその関連会社の倒産は 京都の和装品製造問屋に大きな影響を与えています。 連鎖倒産した京都の問屋もあります。
京都の和装産業の現状についてはこの京都日記でも何度か触れていますので ここでは詳しくは触れません。
今日お話したいのは今や京都経済の牽引役となっている ハイテク企業のロームの社長のインタビューを読んでの感想です。 京都は伝統産業ばかりでなく先端産業も盛んなのですが、 「京都商法の真髄はいまや先端産業にある」と感じる昨今、 伝統産業はもう一度原点に戻ってみる必要があるのでは、と思っていたところ、 象徴的な出来事がおきたので冒頭に書きました。
ロームは京セラと並ぶ戦後の京都ベンチャーの代表的存在で、 現在は大手半導体メーカーです。そして、株価は高値をつけ、 世界レベルの高収益企業でもあります。
ちょうど同じころに出た二つの経済誌でのインタビュー記事なのですが、 社員に「魚屋のおやじになれ」と言っているそうです。どういうことかという と、 魚屋の商品はいつも新鮮でなければならず、 常に旬の魚を取り揃えておかなればならない。 そして、個々の得意客の好みを考えて仕入れ、無駄は極力出さないようにする…
これって、すなわち京都の老舗で昔から行われてきた商売の仕方ではないでしょ うか?
「IT革命」を支える同社ですが、「京都の遺伝子」は業種や時間を超えて こんなところで活き続けているのだと思いました。 (誠信堂)
11月1日(水) 着楽に歩こう きものde宇治

「着楽に歩こう きものde宇治」というイベントに参加してきました。 「着楽」とはよく言ったもので、普段着感覚の着楽なきもの姿が100人以上、 宇治の平等院に集いました。ものづくり塾の関係者も15人程参加。
お昼過ぎまで降っていた雨もあがり、宇治の川霧が美しい中、平等院・ 源氏物語ミュージアム・宇治上神社など、2時間ほどかけての着物散策で した。
参加者が多く集まったことには、「着物1000円レンタル」「着付け無料」 そして、歴史ある街「宇治」が舞台だったことが、功を奏したと思います。
着物が日常のものでなくなったために、「持ってない」「着れない」 「行くとこない」がしばしば理由とされてます。今回のイベントでは、 この3つの理由が解決されていました。着物が着たいけど、「持ってない」 「着れない」「行くとこない」という方は、このようなイベントに参加して みられては、いかがでしょうか?(まき)
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