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京都日記とは、2000年1月4日から12月31日まで、京都ものづくり塾のメンバが日替わりで京都のできごと、発見したお店の情報、日常の風景について描いた日記です。
地元に住む京都の生の情報が満載です。

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12月31日(日) 21世紀へ

やはり、最後のの締めくくりはこれでしょう。京都市の21世紀幕開け記念事業をものづくり塾のメンバで賑やかに見てきました。
夕方からは、御池通も交通規制が敷かれ、道には大きな行灯の数々が並べれていました。染織デザインのものや、書道のもの、芸大生のポップな作品も飾られていて、とてもいい雰囲気を出していました。
そして、9時からは五山の送り火。出町柳の橋はそりゃもぉ、すごいひとでした。点火に合わせて、ものづくり塾の面々も「カンパーイ」と、おいしいお酒をいただきました。出町付近からは、実は船形や妙法の「法」も見ることができて、よかったですよ。
次はまた、市役所前に戻ってきました。するともぉ、すんごいひとでした。京都市のイベントなので、そんなにひとは集まらないかなと思っていたら、甘い甘い。鞍馬の火祭りでは、太鼓の音が響いてきます。それが炎をただの火じゃなくて、心に響くものに感じさせてくれました。勇壮に燃え上がる炎に、わけもなく感動してしまいました。
11時には、市民による第九の合唱。ものづくり塾のメンバも参加しているので、どこだどこだ?と探すのにみんな必死。なんとか見つけられてなにより。そして、カウントダウンには、今日の火祭りの火と五山の火が集められて、その炎に21世紀への願いを託し、めでたく年越しを向かえることができました。
市がこうして、いろんなひとたちをつないでいって、大きなイベントにできたことは、大きな成果なのではないでしょうか?お祭りや伝統を支えるを地域のひとと、一般市民とが一緒になって、みんなの楽しめるイベントをつくりあげる。京都の素敵な魅力をこうして、多くのひとに伝えられたこのイベントは21世紀の京都の象徴的な第一歩となることでしょう。これからの京都市にも期待したいと思います。

こうして2000年の京都を毎日描いてきた京都日記は今日をもって終了です。よんでくださったみなさん、ほんとうにどうもありがとう。(やっち) 


12月30日 (土) 京の暮れの風物詩

いよいよ暮れも押し迫ってきましたね。
京の暮れの風物詩といえば、「京の台所」錦市場の雑踏でしょう。
錦市場は、クリスマスを過ぎると各店頭の品揃えは正月用の食材一色となりま す。 八百屋には金時にんじん、えび芋、頭芋、くわい、魚屋にはイセエビ、蛤、か に、 塩干屋(11月23日の京都日記参照)には棒鱈(鱈をカチンカチンに干したもの。 これを水で戻して、えび芋と炊く「芋棒」は京都の正月料理。)、焼魚屋にはに らみ鯛(鯛の尾頭付きだが、三ヶ日の間、手をつけず「にらむ」だけなのでこう 呼ばれる。京都の風習)、卵屋には出し巻き卵… そして狭い通りにはあふれんばかりの人、人、人…これが錦の年末の風景です。
写真は28日のものなので、まだ「こんなもん」ですが、29日、30日には買い物客 のピークを迎え、向かいの店が見えないくらいになります。
よその地方の市場と違い、錦市場は普段は「通りががりの客に声をかけない」市 場として通っているのですが、このときだけは別。魚屋も八百屋も声をからして 呼び込みます。
この熱気は大晦日の6時ごろまで続きますが、大方、人通りが少なくなるとそれ ぞれのお店が1年締めくくりのの大掃除にかかり、8時か9時には打ち上げ、新し い年を待つのみとなりますが、その手際たるやまさに「お見事」です。
地域独特の食材や風土の匂いを感じられる市場や商店街。京都なら錦市場のほか にもたくさんありますが、来世紀にも、その良さを受け継いで欲しいものです。 (誠信堂)
12月29日(金) 京の町衆の力

20世紀も残すところ、後わずか TVや本の特集を見ていると、日々の生活は何も変化しないけど 大きな時代の流れを感じます。
一年、たっくんも京都日記を通じて、今の京都を書いてきましたが、 『京都は面白い!』と改めて思いました。
京都は市民(町衆)が元気な町です。さまざまなテーマで仲間を作り 独自に活動しているグループがたくさんいます。
環境・街並み・福祉・芸術・伝統産業・IT・食文化・祭りの保存etc・・・ たっくんも、多くの人と知り合う機会がありました。
どの活動も共通するのは、『京都が好きだ!・次の世代に残したい!』 ではないかと思います。
京都は伝統的な町と云いますが、それは、伝統というのは 次の世代に有形・無形の文化を確実にバトンタッチする事だと思います。 個人的には夏に、祇園祭りの鉾引きに参加しました。父が囃子方で 親戚は音頭執りに作事方でした。各世代の人間が一緒の事に参加し 作り上げる喜びこそが伝統であり文化だと思います。
来るべき、21世紀も『京都(日本の文化)』を残したいですね!(たっくん)

12月28日 (木) 21世紀の幕開けイベント

いよいよ21世紀まであとわずかになりましたね。
先日、やっちの日記で 「21世紀京都幕開け記念事業」について書かれていましたが、他にも世紀を またいでのイベントが目白押しなので、ご紹介します。
「年 越し祭宴り 男も女もきものでお越し」は、南座を会場に演劇、演奏と芸能 のオンパレード。新世紀を迎えるのにふさわしい、賑やかなイベントになりそう です。事前申し込みならば、先着500名様「ご招待」なので、お早めに。
次に紹介するのは、みやこ めっせで開催される、「ワンコリア・カウントダウン21」です。2000年は朝 鮮 半島において南北首脳会談が実現するなど、「歴史に残る年」となりました。こ のイベントは京都にある在日韓国・朝鮮人の諸団体がはじめて一緒になり、朝鮮 半島の平和を祝うと共に、その文化を紹介します。31日の夜8時からで、韓国・ 朝 鮮の文化紹介のほか、ミュージシャンの川村結花さんのコンサートなどもあるそ うです。
いずれもおもしろそうで、どこに行こうか選ぶのに迷いそうですね。(誠信堂)
12月27日(水) はし紙

ということで、二条通の荒物屋。ここのご主人と小一時間お話をしたわけです が、こういう庶民的な古くからのお店ではなかなか情報収集という点では穴場な わけです。
新年を迎えるに当たっての粗品としてお箸が売っておりました。これには2種類 ありまして、ひとつには「はし紙」と書いてありました。ご主人に尋ねたとこ ろ、江戸では、はし紙ない、京都でしかはし紙ないとおっしゃりました。はし紙 ってなんですかと聞くと、感じでは「箸紙」と書くそうです。いわれてよーく見 たところ、箸を包む包装紙の間にかんなで削った薄い木が入っています。新年の お餅や普段のご飯粒がついても包装紙の内側に「箸紙」が入っていると箸が包装 紙にくっつかず、すっととれるそうです。
現代人は外の包装紙のデザインや派手さに目を奪われるけど、昔の人は一見気づ かないところに気遣いというか、気心があったやって教えてくれました。(雅楽之助)

12月26日(火) 庶民の商店街

烏丸二条を東へ入りますと、立て続けに漢方屋さん、薬屋さんがあります。これは薬 屋通りだと思って足を進めますと、町屋を改修した新しいショップに出くわします。 僕の見たところ表屋は箱屋さんで裏屋は飯屋になっています。なかなかよい空間で、 驚かされます。
更に足を運びますと、八百屋や自転車屋などいかにも庶民の商店街というようなお店 にいくつもいくつも出くわします。そのなかで、一件のあらもの屋(荒物屋?)があ り、そこに神様へのお供え物をのせる三宝(さんぽう)という道具が売っていました。 みんな見たことはあると思います。1個1800円でした。これは高いなと思う方には、 もう少しやすいものは600円で鏡台(鏡餅をのせる台)もあります。店主と話が進み、 お箸の話をしてくださいました。その話は翌日に…(雅楽之助)


12月25日 (月) 終い天神

クリスマスも終わり、いよいよ年末の様相を呈してきました。
北野天満宮は毎月25日が「天神さん」として露天が建ち並び、賑やかになるので すが、 12月の年の最後の天神さんは「終い(しまい)天神」と呼ばれ、いっそう賑やか なものとなります。
参道にはお好み焼き屋や、漬物屋、唐辛子屋など、食べ物関係の露天が多く並 び、脇の道(御前通り)は古着や古道具のお店と普段とそう変わりはないのです が、人手が多く、お店の人も歩く人も表情がやはり「年の瀬」ということを感じさ せてくれます。
特に今日は大変寒く、これまで暖かだったためか、こたえます。でも、あんまり 暖かい年の瀬も実感が涌かないし、いい雰囲気になってきた、と感じました。
だけど、こんなこと言っていたらだめなんでしょうね。なんせ、お店の人は朝か ら晩まで外にいるわけだから。本当に寒い中、ご苦労様です。(誠信堂)
12月24日(日) クリスマスな街角

クリスマスの街はすごい人出、そしてイベント盛りだくさんでした。
京都駅を通ったら、ちびっ子向けのぬいぐるみショーをやっていました。ち びっ子は一緒になって踊ったりして楽しそうでした。
次にバスで四条河原町へ出たら、バス停のあるOPA前で、にぎやかな音楽が 聞こえてきました。そこに人が集まっているもんですから、見物人と通行人 で、ものすごい混雑でした。
次にクリスマス・ケーキを買おうと高島屋の地下へ行ったら、これまたすごい 人。じゃ、他にどこで買おうかと考えても、この辺でケーキ屋さんって、あま り見かけないですね。結局、デパートで買ってしまいました。
それにしても、この時期はケーキがやたら高い。でも食べたいし、つらいとこ ろです。
地下鉄で山科まで帰ってきたら、改札前でコンサートをやっていました。こち らはバイオリン・チェロ・フルートのカルテットで、クラシックや映画音楽の 演奏でした。
こんな風に、あちこちで街角コンサートをやっていて、お金を出さなくても、 結構楽しめますね。それにしてもすごい人出の週末でした。(まき)


12月23日 (土) 住宅地のラーメン屋

一乗寺のラーメン通り(by雅楽之助)やたかばしの老舗2件など「ラーメン屋集 積地」や繁華街のみならず、住宅地にあるお店の中にも、隠れた名店が多いのが 京都のラーメン屋の特色といえるでしょう。今日はそんな「住宅地のラーメン店」 3件紹介します。
1件目。府庁西の「元町ラーメン」は、府庁、府警本部、消防本部、近畿営林署 といった官庁街の中の店。とはいえ、京都府関連の官庁は住宅街の中にありま す。建物はプレハブで内装はコンパネ剥き出しという、殺風景なたたずまいで、 赤提灯だけが灯る店構えは哀愁さえ感じさせます。
2件目は、壬生の「珍元」。周辺は住宅と染物工場が混在する地域で、その中に ある一見「何の変哲もない」ラーメン屋です。ところが、伊丹十三監督の映画の参 考になったり、何気に伊東智人投手(ヤクルトスワローズ、京都出身)のサイン が掲げてあったりと「ただものでない」雰囲気があります。
3件目は岡崎の「一番星」を挙げます。もともとラウンジか何かの建物であったらし く、ちょっと入りにくい雰囲気でもあるのですが、れっきとしたラーメン屋。口 直しにしば漬けが出てくるのが独特です。
味は、それぞれの店に個性があるのですが、3件ともに共通して言えるのは「鶏 がらや豚骨を煮出したにごったスープにしょうゆ味」であるということ。見た目 に比してさっぱりしている。私の好みのスタイルです。(誠信堂)
12月22日(金) 京都駅大階段でライブ

なにかとイベントをやってくれて楽しい京都駅の大階段のある室町小路広場。音楽好きの私の楽しみのイベントはやっぱり、ライブです。5月16日の日記でかつらが素人の方たちのアカペラライブの話をしていましたが、24日はなんと、ゴスペラーズがやってくるとのこと。生でこんなライブが見られるとは...お得ですよね。青空のもとでのライブ、これは見とくしかないでしょ。
今回のライブのように、ときどき、すごくいいライブがあったりするのですが、JRに乗らない私はあんまりその告知を目にしないので、見過ごしてしまいがちです。ちゃんと見とかないと...
3年前だったか、年越しライブで、BBBBがライブやっているのにも行きました。寒かったけど、えらく盛り上がってました。今年は忌野清志郎氏がライブをするそうです。ファンの人は楽しみですね。(やっち) 

12月21日(木) 京都のラーメン文化

「京都はおいしいらーめんやさんが多いですね」と他の地方出身の 同僚が言っていました。たしかに、好き嫌いはあれど、おいしいと 評判のラーメン屋さんの名前をよく聞く。有名なラーメン店チェーン も数えてみれば、昨日雅楽之助が言っていた天下一品を筆頭に、 たかばしの第一旭、新福菜館、横綱、悟空などなど...たくさんありますよね。
そして、不思議なことに、それらはいずれも味が濃かったり こってり味だったりします。
京都というと、なにかと「薄味」というイメージですが、ラーメン ばかりは少し趣が違います。友人に言わせると、「薄味文化だから、 ラーメンはその反動なんじゃない?」とのことですが、実際の ところはどうなんでしょうね。
私が一番のラーメンやさんを挙げるとしたら、おいしいところはいっぱいありますが、 やっぱり天下一品かな。
先日、北海道の友達のところに遊びに行く時、天下一品のラーメンをテイクアウトして 持っていきました。すると、えらい 喜んでくれて、それを食べているときの友人の幸せそうな笑顔が忘れられません... 北海道にもおいしいラーメンいっぱいあるのにね。(やっち)

12月20日(水) 京都のラーメン

僕のお気に入りのラーメン店を紹介します。京都のラーメンと言えば、天下一品。天 一の名で親しまれています。こってりのスープは何とも言えません。文字通りこって りスープです。チェーン店ですが、それぞれのお店で微妙に味が違います。
僕は京のラーメン店を結構まわっていますが、中でも東山通りの北大路から北山に かけてのラーメン通り(僕はそう呼んでいます)にある「てんてんゆう」(漢字わすれました)は、値段も安いし、めちゃくちゃうまい。普通のラーメンとチャーシュウ メンしかありません。チャーシュウメンを頼むとびっくり。麺が見えません。ぜひ一 度行ってみて下さい。
「てんてんゆう」は高野から東山通りを北に上がり二つ目の信号のある交差点にデイ リーストアーが見えます。その交差点を左(西)に曲がって右手に見えます。ラーメ ン通りには他にも白みそラーメンや油っぽいチャーシュウの美味しい店、ライダーの 集まるラーメン店など10軒近くのラーメン店があります。(雅楽之助)

12月19日(火) 四条通のイルミネーションがいつもと違う...

毎年、クリスマス時期には美しく飾られる四条界隈のイルミネーションですが、 今年はなんだかちょっと、雰囲気が違います。なんとなく、たいまつっぽい ...
それでもまぁ、クリスマスと言えなくも内のかなぁ..と思っていたのですが、 今年はちょっとコンセプトが違うのですね。
考えてみればそう、京都市の21世紀幕開け記念事業では、炎のイベントがいっぱ いです。それをイメージしてのことなんですね。ご存知「五山の送り火」が大晦 日、 21時から点火されるのは有名ですよね。そして、市役所前では、鞍馬の火祭 り、石座(岩倉)の火祭、広河原の松上 げなど、21世紀へつなぐものとして、炎がクローズアップされています。いつも 山の向こうでおこなわれている行事なのでなかなか見ることができませんが、こ うして近くで見られるので、楽しみです。
ものづくり塾のメンバも、このイベントに参加しています。松明をもって歩く者 もいますし、市役所前で第九を歌う者もいます。楽しい世紀越えのイベントにな りそうです。(やっち)

12月18日(月) 和の暮らし

昨日のきものの発表会がおこなわれた会場の町屋、ほんとうに立派でした。台所もそのままかまどなどが残っていて、ほんまもんの町屋でした。
16日の日記で誠信堂が紹介した町屋塾といい、洛中には、ほんとうに立派な町屋がたくさん残っているのだなぁと、あらためて発見です。
写真の火鉢といい、和の暮らしの中に身を置くと、これだけ便利なものに囲まれた生活になれていても、やっぱり「落ち着く」とみんな異口同音にそう言いますよね。
やはり、和の暮らしは私たちの中に今も息づいているのだなぁ、と感じずにはいられません。実は、私たちの生活の中には和のルーツのもの、和だからこそのデザインは多くあります。もう一度、立ち止まって、和のものを振り返ってみることをしてみませんか?新しい発見がたくさんありそうです。(やっち) 

12月17日(日) こんな着物の楽しみ方あるんです

「自分自身のきものを自分でプロデュース」しよう、とつくられたきものの発表会が開催されました。場所は新町通り仏光寺下がるの町屋、「袋屋」さんです。
きものをデザインして、職人さんといっしょに各工程をいっしょにまわっていく。新しい感性で製作された着物はとっても斬新です。なかなか、着ていくところがないという若い女性も、これなら楽しんで着られるのではないでしょうか?写真のきものは洋服のデザインをアレンジしてつくられたようです。
きもの好きな方々や、ものづくり塾のきものを着た面々もその新しいきものを楽しんでられました。主催はもちろん、ものづくり塾もお世話になっている(有)チャネルインサイトさんです。この企画、ちょうど1年前にはじまるよ、という話を聞いていました。こうして形になってみると、新しいことが始まっているのを実感します。すごくこれからが楽しみです。(やっち) 

12月16日(土) 町家塾

毎月1回、四条西洞院の「四条京町家」で開かれている「町家塾」では、町家の風情を楽しみながら、講師のお話を聞き、季節の食材を味わうという企画です。「安全、地場、旬、伝統を考えた食事を楽しみながら、京都の食文化とそれを支えている人との出会いを提供することで、消費者と生産者をつなぐ交流の場となることを願って企画(町家塾パンフレットより)」ということで近郊産の有機農法で作った野菜やこだわりの食材でその月にちなんだ食をいただきます。
今月は「大根焚き」です。千本釈迦堂や鳴滝の了徳寺では12月8、9、10に延命長寿と中風除けを祈り、この「大根焚き」が行われるのですが、今回の町家塾ではその行事にちなんで太秦で有機栽培された聖護院大根と今も石釜で豆を煮ているというこだわりの豆腐屋で作った油揚げを使った「大根と揚げの炊いたん」をいただきました。
武信稲荷神社の宮司さんから日本の自然と宗教観についてのお話、そして大根農家の有機農法に変えたエピソードや苦労話を聞いて、いよいよいただくことになります。アツアツに炊けた大根の柔らかさと甘味を存分に堪能し、幸せ気分に浸ったのでした。
このように、京都には少なくなった町家を何とか有効に生かしたい、と考え、実行している人やこだわりを持ってものづくりをしている人など、あえて誤解を恐れずに言うと「物好き」たちがたくさんいます。そんな人たちを大事にしたまちであり続けてほしいものです。(誠信堂)

12月15日(金) 町屋の冬は寒いっ!

今週に入って、めきり寒くなりましたね。
町屋に住んでいると、風通しがよく、夏は過ごしやすいのですが、冬はやっぱりすごく寒いです。
洗面所やトイレや風呂は外にあるし、風呂あがりなんか、むっちゃ寒いし。
特に、朝の寒さはかなりのものになります。外と気温変わらへんのちゃうか?と思うくらい。
そんな台所で朝も早くから暖房もつけずに台所仕事をこなす母親はすごいなぁ、と思って しまいます。自分はこたつに入って朝食を待ってるだけですからね。
そういえば、そんな寒い家で、十数年前から茶の間にファンヒーターをいれるようになったのですが、 それまで、暖房器具といえば、掘りこたつだけ。
こたつに入って、「あったかぁ〜」と言っている息が白いのってへんだよね って姉と言って笑っていました。そのときは本当にあったかいと思ってたんですけどね。(やっち) 

12月14日(木) 「文化より教育環境の方が重要なので…」

今日、筑紫さんのニュース番組で名古屋の高校の校舎が取り壊されるかどうか で、住民と行政がもめているというニュースをやっていました。僕の見たとこ ろ、デザインの非常に面白い建物。昭和初期の鉄筋コンクリート造で、京都で言 うと調度、旧毎日新聞社ビルのようなおしゃれな建物です。戦災にも焼け残った らしく、地元の人、卒業生を中心に残してほしいという声が立ち上がったそうで す。
高校の校舎といえば、京都の北部、洛北高校。この校舎も同年代の建物で、非常 にデザインがよかった。その姿は近所の某公立大学よりも美しかった。「かっ た」、つまり過去形で、この建物は2年前だったでしょうか、取り壊されて、現 在は新校舎が建っています。色だけでも伝統を引き継いでほしかった…
ニュースで、行政の人がいっていました。「文化より教育環境の方が重要なので …」。日本にとって教育環境は文化ではないようです。(雅楽之助) 
12月13日(水) 意外な出会い

年末のせいか、四条河原町界隈の人出はすごいことになっています。 久しぶりに洋服を買おうと、おなじみのお店をのぞいてみました。
販売員さんとお話していていたら、なんとその人、実は和裁士なのだ そうです。和裁の学校に4年通い、和裁士の資格を取ったのですが、 1人で黙々と仕事をするのに飽きてしまい、人と接する仕事がしたく なったそうです。
そこで「なぜ洋服の販売か?」聞いてみたのですが、「若いうちにしか できない仕事をしたかった」とのこと。将来はまた、和裁士の仕事に 戻るつもりだそうです。
着物離れと言いつつも、和裁士さんの仕事は多いようです。人数が 少ないのかもしれませんが「手に職をつけたい」という理由で、和裁士を 目指す若い人もいます。
意外なところで和裁士さんと知り合いになれて、これから楽しみです。 (まき)

12月12日(火) ♪あったかい冬が来る〜

急にぐんと寒くなりましたね。
みなさんは寒くなると食べたくなるものは何ですか?
京都の料理のなかで、あったまるものといえば、やっぱり 湯豆腐ですよね。あつあつの豆腐をはふはふしながら 食べるのは冬の醍醐味ですね。
父親が湯豆腐好きのおかげで、我が家には、冬になると 毎日のように湯豆腐がでてきます。
先日、上賀茂神社で市があったとかで、父親が賀茂葱なるものを 買ってきていました。これを入れて食べる湯豆腐はまた、 絶品です。
豆腐はといえば、やはり近くの有名な「とようけ」さんの豆腐。 京都尽くしの湯豆腐のできあがりです...
ときたいところですが、いつもそれを買えるほどお金もないので、 生協だったりスーパーのものだったりします。
でも、湯豆腐で有名なお店で、他にもお豆腐を1丁単位で 売ってくれるところもあります。 北野天満宮の近くには藤野というお豆腐やさんもありますし、 嵯峨のほうにもいいお店がありました。
家にいながら、最高の湯豆腐、冬の楽しみです。(やっち) 


12月11日 (月) 初冬の御所

今年の京都は暖かく、つい最近までコートなしで外出できるほどだったせいか、まだまだ紅葉を楽しめるのですが、そろそろ初冬の雰囲気を表してきました。
京都御所はまちの真ん中にありながら自然と親しめる数少ない場所のひとつで今は秋から冬へと日々その趣を変えていくのがわかります。
中にある見事なイチョウの木は黄色い葉をそろそろ落とし始め、その下はさしずめ「黄色いじゅうたん」のようです。(写真上)
木々の間から空を見上げるとやわらかい日差しに照らされた赤や黄色の葉と澄んだ空の青のコントラストが見事です。(写真中)
また、隣接する梨木神社は境内にある紅葉が今もなお鮮やかな色を見せています。(写真下)
これから冬に向かう京都は観光客も少なくなるので落ち着いて歩くことが出来ます。また、食べ物もおいしくなってくるのでお勧めですよ。(誠信堂)
12月10日(日) ロームのイルミネーション

毎年恒例のことなのでおなじみですが、11月下旬かからクリスマスまで、ローム株式会社では、会社の街路樹にイルミネーションが灯されます。五条通佐井通り近辺では、きれいな単色のイルミネーションがきらきらと輝いています。色がとっても上品で、きらきらした感じがとってもいい雰囲気を醸し出しています。
公園に灯されるイルミネーション、大きく枝を広げた木に飾られたイルミネーション、ビルのガラスに反射して2倍楽しめるイルミネーション、さまざまな楽しみ方ができます。
見に来ている人はカップルだけでなく、近所のひとたちが家族連れであったり、子どもが見ていたり、と地域のひとが楽しめる雰囲気がとってもあったかい感じがしてとってもよいですね。
企業がその地域のひとを楽しませることを忘れないでいてくださるのはとっても嬉しいことですね。(やっち) 

12月9日(土) 蛸虎

かなりおいしいたこ焼きがあります。今出川通り北野天満宮の東側数十メートルくらいのところに、「蛸虎」という蛸料理屋さんがあります。
メニューはほんとうに蛸にこだわったおつくりとたこ焼きなど、3品。これがほんまにうまい!9個で600円という値段で、大きな蛸のはいったたこ焼きが食べられます。ここのたこ焼きが他と違うのは、だしがおいしいんです!これは、他にはない味でしょう。
夜、前を通るといつものように、そのたこ焼きを買いに来ている車が何台か止まっています。それだけの値打ちがあるのは納得です。なにやら、河原町三条あたりにもたこ焼きだけのお店で出されてましたっけ。みなさん、ぜひともご賞味ください。(やっち) 


12月8日 (金) 京都研究会

先日、西本願寺の聞法会館にて開かれた「京都研究会」は今年で2回目となります。
テーマは「ネットワーク上の価値の創造『ポストIT革命のビジネスモデルを求めて: NPO、ベンチャー、そして智のネットワーク』」と題して、アントレプレナー、大学教授、 そして、非営利の分野で活躍している方々からの報告やパネルディスカッションを受けた後、興正寺の興正会館に場を移して「車座懇談交流会」と銘打った講師の方も、参加者の方も入り混じって、食べながら、飲みながらの懇談会が始まります。
時間は夜10時ごろから「エンドレス」。自らの活動のアピール、意見交換、議論・・・いたるところで会話が始まり、その勢いは夜更けまでとどまるところを知りません。
実際、ベンチャーとNPOの情報交換とコラボレーション(共働)で事業が成立したという事例が昨年はありますし、新たな「京都の恒例行事」として、また「京都発の」産業や文化のインキュベーター(孵化器)としての役割を期待したいと思います。 (誠信堂)
12月7日(木) 宇治川の川霧

今までの京都日記で鴨川・桂川など、京都の川の風景をよく紹介してきました。残る1 つは宇治川です。
先日、雨上がりの宇治川へ行ったところ、山に霧がかかっていました。温泉街に霧が かっている様子がありますが、ちょうどああいう感じです。地元のかたに聞いたとこ ろ、川の温度より空気の温度が低いと霧がかかり、川霧と呼ぶそうです。

朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木
昔覚えた百人一首の1つを思い出しました。歌によまれた情景を見てかなり感動。
また、昔は流れが激しく「暴れ川」と呼ばれていたそうです。今でも水量は豊富です が、上流のダムで調整しているのだそうです。天ヶ瀬ダムですね。(まき)

12月6日 (水) 「京都百年パノラマ館」

さればでござる。久しく京都日記を書いて御座候はねど、それがしのこと 御忘れあるべからざる様、御願ひ申し上げるものなり。
されば、本日、一冊の書物を手に入れ申した。淡交社発行の、名を「京都百年パノラ マ館」と申す。主に明治中期より大正の御代に於ける京都の風景写真を集めしもの で、 昔の京都の影をしのぶに良き本なり。
さればそれを見て、それがしの心を大きく動かすのは「景色の麗しさ」と「人々の貧 しさ」なり。 通りに並ぶいらかが美しく、高い建造物といえば寺の塔のみ。電車や自動車などは在 るべくもなく、往来の車と言はば人力車、大八車なり。四条通のにぎわいに、 洋服を着た人は一人も無し・・・・。
「部分」として伝統文化が存在する今と違ひ、 伝統と社会生活が密接に結びついた「総体」として文化が我々モノを訴へる力は、や はり巨大なり。 また、人々の貧しさ、現在とは比較に成らぬ。通りに電燈がないゆえ、夜は 闇の如くなりけん。今なら中学生ほどの童が必死に働いて居る。四条通が商業繁華と は言へど、信じられぬほど質素なり。
「わずか」百年の変化にしてはあまりに大きな今との違ひを感じざるを得ず。 今の京都の方が良い事は数多し。されど、同時に、捨ててはならぬものまで 捨てきたのがこの京都百年の歴史であり、そしてその流れは今この瞬間も続いている のではあるまいか?
では、御免。(見安芸守 )
12月5日(火) 借景は残せないのか

先日、円通寺に行ってきました。これは、1月22日の京都日記でも紹介した私のお気に入りの場所です。
比叡山を借景にした庭園がすごくきれいだったのですが、もう、その借景も見られなくなってしまうそうです。
景色を借りると書いて「借景」。建物から庭を通して、遠くに見える比叡山は建物の額縁に比叡山の絵が飾られているようです。天気によっても、見え方が全然違うので、さまざまな比叡山の表情を楽しませてくれます。
でも、その間にマンションが建ってしまったらもう、それは成り立たなくなってしまいます。
今まで、近くに近代的な建物が建つとなったら、反対運動をし、ときにはその土地を買いあげ、その借景を守ってきたのだそうです。でも、とうとう他の建物が建つことになってしまったそうです。
この借景は、すごく落ち着いていて、私もとっても好きだったのですが、ほんとうに残念です。(やっち) 


12月4日 (月) 新しい和風の暮らし

先日、京都新聞文化ホールで開かれた「伝統フォーラム 新しい和風 の暮らし」に参加してきました。 パネラーは京都在住でいつも着物を着ておられることで有名なアメリカ人版画 家、クリフトン・カーフ氏 、文化女子大教授の沢田知子氏、和紙ディレクターの堀木エリ子氏、そしてコー ディネーターは京都工芸繊維大学名誉教授の中村昌生氏でした。
それぞれの専門の立場からの「和風の暮らし」についてのお話があったのです が、「床座や障子といった和の暮らしというのはその形態ではなく、それが醸し出 す空気や光、気配や精神性にあるのだ」「今の日本人が『いいと思うもの』をつ くり、それをいかに後世に伝えていくか」そして、「和のものは『自分流の使う ルール』を創り、人間が働きかけることによって型をなしていく」という発言が 印象的でした。
また、最後に「起居動作の中の振る舞いやマナーといった新しい規範の創造が新 しい文化を生み、ひいては新しい和のかたちをつくる」とまとめられ、決して押 し付けでない、生活の中から生まれる規範を過去から未来への時代の流れの中で 創りだしていくことについて共感したのでした。
つまり、伝統を現代に生かしながら風土や生活に根ざした「新しい和風の暮ら し」を創造していくことがこれから求められるのでしょう。
私たちもそういった作業に携わっていきたいと思います。(誠信堂)

12月3日 (日) 私の紅葉 岡崎界隈

京都日記春の特集「私のさくら」でも私が紹介した岡崎界隈ですが、秋の紅葉も すばらしいのです。
平安神宮、美術館、琵琶湖疎水等、およそ100年前に現在のまちが形成されたと いう、1200年の京都の歴史の中では 比較的新しいところですが、衰退の危機を京都の近代化に変えたというエネルギ ーにはこの界隈を歩くたびに 惹きつけられます。
平安神宮、南禅寺といった近くにある名所の紅葉も確かにすばらしいのですが、 ぜひ二条通りや冷泉通り、仁王門通りを歩いてみてください。きっと疎水の水辺 に映る紅葉や、背景の東山とのコントラストの美しさに気付くはずです。
この時期は車でいっぱいになるこの界隈ですが、ぜひ歩いての散策をお勧めします。(誠信堂)
12月2日(土) 堀川通の銀杏並木

観光地に行かなくても、きれいな銀杏を見ることができます。
堀川通今出川から北大路のあたりにかけての銀杏並木は見事です。まちなかで、こんなにも色鮮やかな銀杏並木を見せてくれるところはなかなかないでしょう。堀川どおりのひろびろとした中央分離帯にのびのびと立っています。
毎年この時期、この並木を自転車で走り抜けるのが楽しみです。とっても気持ちがいいですよ。(やっち) 

12月1日(金) 京都も変わったナー

先日、両親と東山へ行って参りました。青蓮院の夜の特別拝観へ行くためです 。
午後6時から拝観となっていましたが、そのころには人だかりができていました。時 間をつぶそうと言うことで、円山公園にでも足を伸ば素ことにしました。その途中に は僕がパリの凱旋門より立派な門として思いをはせている知恩院の山門があります。
夜のライトアップでひときは美しい。いつもならば山門のライトアップだけなのです が、門の奥からなにやら音楽が聞こえてきます。
山門の奥に広がる石の階段を舞台に 若い3人組のミュージシャンが和とも洋とも言えない音楽を披露していました。「知恩院もやるなー」そんな気になってしまいました。
京都は確実に動いています。(雅楽之助)

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京都日記とは、2000年1月4日から12月31日まで、京都ものづくり塾のメンバが日替わりで京都のできごと、発見したお店の情報、日常の風景について描いた日記です。
地元に住む京都の生の情報が満載です。

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