■はじめに−−何かが抜け落ちている。もっともっとイラク民衆のいのちのことを語ろう。
ブッシュのイラク攻撃が秒読み段階に入り、世界でも日本でも、ますます開戦の是非をめぐる議論が高まってきました。国連査察云々、大量破壊兵器云々、日本の国益、日米同盟維持等々。しかし私たちはその議論で重大問題がすっぽり抜け落ちていることに大きな疑問を持っています。−−イラクの民衆、特に子どもたちのいのちです。以下に詳しく述べるように、幾十万人ものイラクの人々を絶滅させるのが「日本の国益」なのか、イラクの幼気な子どもたちを大虐殺することが「日米同盟維持」なのか。人間として一番肝心カナメのところが一切無視されているとは思いませんか。
ブッシュとその政権の高官たちは口々に「イラクの大量破壊兵器」「イラクの人々の解放」「民主化」など、歯が浮くような美辞麗句で自分たちの凄惨な目論見を隠そうとしています。ところがその本質が度肝を抜くような大虐殺であることを、彼らはもとより、どのマスコミも一切触れようとはしていません。一人でも多くの人々に、以下に述べる深刻な事態を伝えて下さい。もう一度いのちのことを考えて下さい。語って下さい。
今日、パレスチナ支援をなさっている方からメールが入りました。日本の友人が戦争を阻止すべく「人間の盾」になるためにイラク入りの手続きをしようとしたところ、イラク大使館は『お気持ちはありがとうございます。でも、これは命に関わることですから。』とビザの発給を断ったというのです。
私たちはこの話を聞いて胸が詰まりました。一方でブッシュは「人間の盾」をも容赦なく攻撃すると脅迫。他方でイラク側は身を案じて入国を断る。どちらが人間的でどちらが非人間的なのか。どちらが人間のいのちを守りどちらがそのいのちを奪おうとしているのか。どちらが崇高でどちらが卑劣で卑怯なのか。ブッシュの異常な戦争欲に腹立たしさがこみ上げてきます。何の理由もなく殺されようとするイラクの人々と、ブッシュに忠実で逆らわないがために「古い国」扱いもされずののしられもしない、ましてやいのちを奪われることのない日本の私たち。精一杯阻止に向けて活動することで、イラク側のこの人間的な対応に何とか答えなければ。私たちの静かな決意です。
私たちの署名に寄せられたメッセージの中にこういうのがありました。
「どうか地球上で唯一の愚かな生き物になりません様に。」
全く同感です。事が始まってからでは遅すぎます。始まってからその悲惨さを見て嘆くのでは、人間としてあまりにも悲しすぎます。何としても大虐殺を阻止しましょう。
■「バグダッドを広島のようにしてやる」と豪語。「バグダッドの大虐殺」を許すな!
米軍は想像を絶する大虐殺計画を立てています。もし本当にこのような作戦計画が実行されれば、「バグダッドの大虐殺」とも呼べるような大虐殺が起こるかも知れません。昨年春に起こったあの“ジェニンの大虐殺”を上回ることは必至です。
※「イラク:ペンタゴンはイラクのホロコーストを企てる」(「IRAQ:
Pentagon plans holocaust in Baghdad」BY
ROHAN
PEARCE)という見方も出るくらいだ。これまでの過酷な経済制裁の12年間に、更にこの壊滅的な計画を加えれば、一民族の計画的な抹殺、つまりホロコーストと言っても決して大げさではない。
http://www.greenleft.org.au/back/2003/527/527p16.htm
その大虐殺作戦は「衝撃と畏怖」(Shock
and
Awe)と名付けられています。バグダッドをはじめイラクの大都市とその周辺に攻撃初日だけで「300〜400発の巡航ミサイルを打ち込む」(これは湾岸戦争の全期間40日に投入された数を上回る)「2日目、またもや300〜400発の巡行ミサイルを打ち込む」計画です。「48時間で3000発」という報道もあります。精密誘導兵器はペルシャ湾に6000発が貯蔵され、全爆弾の80%にものぼるといいます。これを短期決戦で全部一挙に使おうというのです。
※「イラクは米国の大量のミサイル投下に直面する」CBSNEWS/2003年1月24日
「Iraq Faces Massive U.S. Missile Barrage
」 http://www.ribbon-project.jp/SR-shiryou/shiryou-03.htm
※「約3000発のミサイル波状攻撃、米国防総省が計画」(日経)ニューヨーク・タイムズ2月2日付。
http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt54/20030202AT3K0200Y02022003.html
「War Plan Calls for Precision Bombing Wave
to Break Iraqi Army」By ERIC SCHMITT and
THOM SHANKER Feb. 1 NYTimes http://www.nytimes.com/2003/02/02/international/middleeast/02MILI.html
立案者は豪語します。「効果はすぐに現れ、広島での核兵器にかなり近いものになる」「バグダッドに安全な場所はなくなる」「このような規模の攻撃は前代未聞だし、今までに考えられたことすらない」「30師団(約30万人)を消す」「2〜3日か4〜5日で、イラク軍を物理的にも精神的にも戦意喪失、戦闘不能にしてやる」等々。
この「衝撃と畏怖」作戦は、米軍兵士の犠牲を一人も出さないために、まず大規模空爆で首都バグダッドを徹底的に破壊し殺しまくるというものです。米軍は、本気で広島や長崎の幾十万人の地獄絵を再現しようとしているのです。
※この恐ろしい計画を立てたのがハーラン・ウルマンという人物。国立防衛大学で教鞭を執り、パウエルはその教え子だという。ウルマンはバグダッドを「第二の広島」にしたくて仕方がないと自信ありげに語っている。異常な人物に異常な作戦あり。軽蔑すべき大統領に軽蔑すべき参謀と国防長官、そして軽蔑すべき国務長官に軽蔑すべき国家とその国家戦略。「Shock
& Awe: Is Baghdad the Next Hiroshima?
」by Ira Chernus January 27, 2003 http://www.commondreams.org/views03/0127-08.htm
※「露の戦争研究家『イラク兵ら50万以上殺される』」読売新聞2月24日。ロシアの予備役少将は、米国が対イラク攻撃に踏み切れば「占領後の抵抗の源」を根絶する目的でイラク軍は全滅させられ、同軍将兵ら50万人以上が死亡する「恐るべき殺りく」が展開するとの予測を明らかにした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030224-00000312-yom-int
■前例のない市街戦の地獄絵。前例のないジェノサイドの危険。
しかし今回の最大の特徴は首都バグダッドでの市街戦です。一口に市街戦と言いますが、400万人都市を舞台にした市街戦などこれまで見たことがありません。おそらく前例のない悲惨なものになるでしょう。膨大な犠牲者が出るのは必至です。米兵たちも市街戦の恐怖から周り全部が敵に見えるはずです。兵士か市民か区別できなくなった米軍がかつてベトナムで何をしたか。破壊し尽くし焼き尽くし皆殺しにしたのです。無数の「ソンミの大虐殺」が起こるでしょう。あるいは今なお正確な犠牲者数が分からないほど日本軍が殺しまくった南京大虐殺のような蛮行が起こるかも知れません。
かつて12年前の湾岸戦争では2万5千人の一般民衆が直接犠牲(停戦後1年間に10万人が死亡)になり、10〜12万人の一般兵士が皆殺し状態になりました。空爆と砂漠地帯での一方的な殺戮でした。しかし今回は主戦場は首都と大都市部なのです。医療NGO・MedAct(核戦争防止国際医師会議
)は4万8千人〜26万1千人が死亡すると推計しています。一般市民と軍人たち合わせて30万人、50万人の死傷者が出てもおかしくはありません。現にWHO(世界保健機関)は、10万人が直接的に死傷し、40万人が間接的に死傷すると試算しています。
※MedAct「collateral damage :the health and
enviromental costs of war on Iraq」核戦争防止国際医師会議。http://no-yuji.cside.com/iraq/medact.htm (停戦委員会HPより)
ジェニンの虐殺を幾百倍もの規模で繰り返すのか! |
考えれば考えるほど恐ろしさに身体が震えます。想像して下さい。何万、何十万もの人々の生き埋め、貫通弾による防空壕の破壊と避難民の全滅、空襲に逃げまどう幾十万の人々、飲料水と食糧を求める人々の彷徨、負傷して医療手当のない幾十万もの人々の悲鳴、母親を失い食べるもののない子どもたちの泣き叫ぶ声、ありとあらゆる阿鼻叫喚を。イスラエルがパレスチナの地ジェニンで行った大虐殺が、幾十倍、幾百倍も上回る形で引き起こされる悲劇を。
■経済制裁で疲弊し、国連査察で牙を抜かれた小国イラクへの一方的な攻撃、一方的な破壊、一方的な殺戮。
間違いなく世界最大最強の、そして最新鋭装備の米軍による一方的な攻撃、一方的な破壊、一方的な殺戮になるでしょう。まるで比較にならない圧倒的な軍事力格差(物量はもとよりその質、つまり装備のハイテク化を考慮すれば話になりません)、国力と経済力の圧倒的格差(GDP比でイラクはアメリカの何と2500分の1!)。これにイギリスやオーストラリアや小泉日本までが加わろうとしているのですから、その格差は更に広がるわけです。間違いなくこれは戦争犯罪です。
フセイン独裁からイラクの民衆を解放する??ブッシュやブレアはこう言います。ふざけるなと言いたくなります。これだけのイラクの民衆を虐殺する計画を立てておいて、何が「解放」か。こういったウソとデマを垂れ流すマスコミもマスコミです。
しかもアメリカは12年間にもわたって経済制裁を強要しイラクの防衛態勢の再建を打ち砕いてきたのです。国力が疲弊し人々も貧しさの極限にあります。制裁の名の下にありとあらゆる設備や部品や日用品(何と子どもが使う鉛筆までもが“黒鉛”だからという理由で禁止)が「大量破壊兵器」につながると言い掛かりをつけられて輸入禁止にされ、生産活動や社会生活や医療活動などが、事実上ストップさせられてきたのです。
更に北部と南部の領空(何とイラク領土の3分の2もの広大な領空)が米英によって、勝手に「飛行禁止区域」とされ、毎日のように空爆で攻撃され、防空網などめちゃくちゃに破壊されてしまっているのです。イラク側には制空権がないのも同然なのです。
更に更に、国連査察によって防衛態勢が封じ込められてきたのです、周辺諸国への脅威どころか、米に対する自国防衛が禁止されたと言っていいでしょう。わずか数十`程度の射程誤差で「違反」とされ、防衛用ミサイルの廃棄が強要されようとしています。アメリカの横やりでブリクス国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)委員長が受け入れたU2偵察機は米軍のスパイ活動のために役立つだけです。このままでは国連査察は、米軍攻撃に都合良い地均し、下準備になってしまいます。ブリクス委員長も、エルバラダイIAEA事務局長も身体を張って、米の戦争政策と圧力を跳ね返すべきです。
■生物化学兵器使用を公言した米国防長官。無差別殺戮兵器・非人道兵器のオンパレード。人道に対する罪、正真正銘の戦争犯罪。
最近、米の首席大統領補佐官は、「イラク側が化学兵器を使えば核兵器を使う」と脅しました。ラムズフェルド国防長官も「あらゆる選択肢を排除しない」とこれにたたみかけました。大量破壊兵器存在が証明もされず証拠もない国に、大量破壊兵器を使うぞと脅迫しているのです。こんな理不尽がまかり通っていいものでしょうか。一体アメリカにイラクの大量破壊兵器を云々できる資格があるのか。核兵器の世界最大の保有国にして、唯一の使用国アメリカこそが査察され、その保有が禁止されねばならないのではないでしょうか。
※軍事アナリストのウィリアム・M・アーキン氏は、1月26日付のロサンゼルス・タイムズ紙において、ペンタゴンがイラク戦で核兵器を使用する可能性を検討したことを暴露し、反核運動、被曝者の間で大問題になっている。米戦略司令部(STRATOCOM)と統合参謀本部スタッフの間で検討されているのは、第一に通常爆弾では不可能な地下深くの軍事施設への攻撃、第二に相手が大量破壊兵器を使用した際の反撃、という2つの役割を位置付けている。「The
Nuclear Option in Iraq:The U.S. has
lowered
the bar for using the ultimate weapon」by
William M. Arkin Los Angeles Times,
26 January
2003.
http://globalresearch.ca/articles/ARK301A.html
また最近、ラムズフェルド国防長官が「米軍が特殊な生物化学兵器の使用を計画している」と下院軍事委員会の場で述べたことが暴露されました。とんでもないことです。あれだけイラクの化学兵器を非難しておきながら自分は使うというのです。今米軍は、イラクの生物化学兵器使用に備えた防護や予防接種を盛んに言い立て、マスコミは書き立てています。しかし怪しいとは思いませんか。自分たちが予防接種し防護服で身を守りながら、イラクの兵士と民衆に生物化学兵器を使うのではないか。そして更にそれをイラクの仕業だと大宣伝するのではないか。米軍ならやりかねない。私たちはそういう危険を警告しておきたいと思います。かつて米は自分が湾岸戦争で劣化ウランを使っておきながら、それをイラクの化学兵器のせいにした前科があるのです。性根まで腐りきったデマゴギーに騙されてはなりません。
※「US plan to use illegal weapons」By
Severin
Carrell 16 February 2003 lndependent/UK
http://news.independent.co.uk/world/americas/story.jsp?story=378740
※「US Plans for Use of Gas in Iraq」The
Sunshine Project 7 February 2003
http://www.sunshine-project.org/publications/pr/pr070203.html
※「Pentagon Perverts Pharma with New
Weapons
Liability and Public Image in the Pentagon's
Drug Weapons Research」The Sunshine
Project
News Release 11 February 2003
http://www.sunshine-project.org/publications/pr/pr110203.html
※「For The President And Poison Gas
Donald
Rumsfeld And Poison Gas」by Stephen
Kerr
February 27, 2003 http://www.zmag.org/content/showarticle.cfm?SectionID=15&ItemID=3148
それだけではありません。アメリカは後述するように「新型核兵器」(硬化目標攻撃用劣化ウラン弾)を必ず使います。アフガニスタンで使った悪名高い燃料気化爆弾(人も物も焼き尽くすとんでもない殺人兵器)やクラスター爆弾(無数の小さい地雷をばらまく殺人兵器)などもきっと使うでしょう。
※イギリスではクラスター爆弾の使用に反対する動きが出ている。「Anti-Mine
Groups Call for Ban on Cluster Bombs」Feb28,
2003 by the Guardian/UK by Owen Bowcott and
Richard Norton-Taylor http://www.commondreams.org/headlines03/0228-01.htm
文字通り大量殺戮兵器、無差別・非人道兵器のオンパレードです。イラクの大量破壊兵器云々などとよく言えるものです。そしてそれらは全てが国際法違反であり、ジュネーブ協定違反であり、正真正銘の戦争犯罪なのです。
ところが信じがたいことにこれだけ国際法違反の非人道兵器を使いながらブッシュは、フセイン大統領やその側近に対して戦犯法廷を開くというのです。どんな神経をしているのか。どこまでも異常な政権です。
■首都バグダッド・大都市部で劣化ウラン核兵器の大量使用の危険。想像を絶する「放射能戦争」。都市住民を放射能で殺し被爆させ都市インフラと環境を放射能で汚染しまくる。
私たちが一番恐れるのは、首都と大都市部での「硬化目標攻撃用誘導爆弾」の大量使用です。それは大量の劣化ウランの塊です。もしそうなれば12年前の湾岸戦争を超える、歴史上かつてない大量の劣化ウランがバグダッドと大都市周辺の軍事基地、通信中枢、都市機能や避難用シェルターに投下され、ばらまかれるのです。
※「アフガニスタンにおける劣化ウラン戦争―重大疑惑と検証―このむごたらしい「新型核兵器」をイラクで使わせないために」
在野の劣化ウラン研究者ダイウィリアムズ氏は、来るイラク攻撃では米軍は1500dもの大量の劣化ウラン弾を使用する可能性があると指摘しました。(私たちの試算では最低800dの可能性)これはかつての湾岸戦争の5倍もの数字になるのです。
すでに米はかつての湾岸戦争で、大量の劣化ウランを使用し、皆さんもご存じのように癌・白血病、様々な慢性症状など、放射能特有の被曝被害を引き起こしています。特に子どもたちの被曝被害は目を覆うばかりの惨状です。ブッシュは更に多くの女性や子どもたちを被爆させようとしているのです。
※「劣化ウラン弾による被害の実態と人体影響について」2003年2月
※「劣化ウラン弾−−被害の実態と人体影響」発行:
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
http://www.jca.apc.org/mihama/pamphlet/pamph_d_uran.htm
一旦、放射性物質がばらまかれると一体どうなるのか。それはいつまでも終わることのない半永久的な放射能汚染と被曝被害です。何の罪もないイラク民衆が、大人から子どもまで、事実上永久に続く放射能の危険にさらされるのです。広島・長崎の被爆者、原発・核関連施設での被曝労働者、核燃料サイクル、あるいは原水爆開発の関連施設の被曝者とその周辺環境の汚染の実態が、否応なしに告発する悲惨です。
イラクへの劣化ウラン戦争は絶対阻止しなければなりません。戦争そのものを食い止めることで、「ウラニウム戦争」、放射能による大量の環境汚染と被曝被害を阻止しなければなりません。
■1200万人の子どもたちが死と飢えの恐怖に。これは正真正銘の“ジェノサイド”(大量虐殺)だ!
イラクの人々の被害は、空爆や戦闘による直接的被害、劣化ウランや非人道兵器による被害だけではありません。イラクの人口のほとんどを網羅する「人道的危機」が差し迫っているのです。
私たちはイラクの子どもたちの「人道的危機」を一番心配しています。「イラクの子どもたちを救え」というのは決して大げさではありません。なぜなら日本の人口構成とは全く違うからです。イラクの子ども人口は1200万人、2200万人の人口のうち14歳以下の人口は何と全人口の50%以上(17〜18歳までを含めると60%以上かもしれません)を占めるのです。(日本の場合14歳以下人口は14.6%、2001年統計)「衝撃と畏怖」作戦、皆殺し作戦で、この子らが直撃を受けると同時に、負傷し戦災孤児となり街頭へ投げ出されるのです。妊婦や新生児は重大な打撃を受け、母親を失った子供たちはさまよい餓死するでしょう。
※「国連児童基金ユニセフ、イラクの子ども400万人にワクチン投与開始」(ロイター)
国連のアナン事務局長やUNMOVICブリクス委員長ら国連官僚は、いそいそと攻撃を前提にこんなことをするくらいならブッシュの侵略をストップすべきではないか。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030224-00000550-reu-int
爆撃と戦争のしわ寄せは真っ先に弱い立場にある子どもたちに集中するのです。「誤爆」という名の虐殺攻撃で多数の犠牲者が出ます。飢えと伝染病を含む病気の蔓延、膨大な犠牲者による家族の崩壊と孤児の激増、精神的トラウマなどで、子どもたちは不幸のどん底に突き落とされるでしょう。1200万人に及ぶ子どもたち全部が何らかの深刻な被害に遭うのです。
■国家配給制度の壊滅で深刻な生活崩壊と飢餓が起こる。人道的危機を回避する唯一の道は戦争をやめることだ。
国連が、あまりにものひどさに報告を極秘扱いにした「秘密報告」によれば、直接間接の死傷者は最低で50万人、303万人の栄養失調・栄養不足、200万人の国内避難民・難民、740万人に何らかの人道援助が必要だと言います。これは過小評価だという意見もありますが、本当だとしても想像を絶する規模の被害が出るのは間違いありません。
※署名事務局が翻訳した「国連極秘文書」をぜひご覧頂きたい。『「イラク戦後復興」という名の侵略計画』
※「対イラク戦ぼっ発なら大規模な人道的被害の公算大=人道支援団体」(ロイター)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030205-00000853-reu-int
イラクは、人口2200万人の約6割、1320万人が食糧・必需品の「国家配給制度」に依存する状況です。この様な中で国家そのものが一気に崩壊させられたら一体どうなるか。飢えと病気と物質的精神的な打撃で民衆の生活は壊滅するに違いありません。
こうした未曾有の「人道的危機」を、国連や加盟諸国の援助で避けたり緩和したりすることは不可能です。回避する唯一の道−−それは戦争をやめることなのです。
■対イラク皆殺し戦争に尻尾を振ってついていく小泉政権。「劣化ウラン戦争」、ジェノサイド戦争への参戦を許すな!
小泉政権は、米英の「武力行使決議」を採択するよう、日本が援助するODAの中止をにおわせて開戦に反対する国連安保理理事国に公然と圧力を加え始めました。私たちはこの「恫喝外交」に断固抗議します。
私たちは、対イラク戦争への参戦は、国際法や憲法に反し、現行法にも反するという根拠で絶対反対だと主張するだけでは決定的に不十分です。イラク戦争への参戦は、「劣化ウラン戦争」への参戦、非人道兵器オンパレードの大虐殺戦争への参戦に他なりません。被爆国日本がイラク全域を放射能で汚染するという第一級の戦争犯罪に加担するのです。新たな被爆国、新たな被爆者を生み出すことに加担するのです。
「劣化ウラン戦争」は、非戦闘員に対する無差別大量殺戮であり、人道と国際法に反する戦争犯罪そのものです。人類と地球環境に対する犯罪です。絶対に許してはなりません。
2003年3月1日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局
傷つけられやすいにもかかわらず無視されている
破局はどのようにイラクの1200万人の子供たちを脅かしているか
Vulnerable But Ignored: How Catastrophe
Threatens
the 12 Million Children of Iraq
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「あの人たち、上から空から来て私たちを殺し壊しちゃうの。毎日毎晩恐いの、このことをちゃんとお話できるよ」―シェルマ、5歳。
ここ数か月のうちに米国がこの国に対して発動することを計画している大規模な武力行使に、最も傷つけられやすいのは、サダム・フセインと彼の従僕ではなく、イラクの1200万人の子供たちである。国連安全保障理事会の支持があろうとなかろうと、迫りくる対イラク戦争は、今では1991年の湾岸戦争前より傷つけられやすくなっているこの国の子供たちに、すぐに破滅的な結果をもたらすだろう。
国際調査チーム―世界的な心理学者2人を含んでいる―は、子供たちについて、初めての戦闘前実地調査を行なって、イラクの子供たちが戦争の脅威から既に「重大な心理学的傷害」を受けていると、結論を下した。
調査チームは、100家族を超えるイラク人家庭に迎え入れられたのだが、そこでは、恐怖を訴える声と殺されるという考えが、圧倒的なメッセージであることがわかった。多くは、高まる戦争の脅威に関してわずかな報道しか持たず、情報のない状態で暮らしている。
「僕は、何か悪いことが自分にふりかかるだろうと、ずっと思ってばかりいるんだ」と13歳のハディールは言った。
インタビューを受けた中で最も年下で、5歳のアセムは言った:「彼らは銃と爆弾を持っていて、そして、空気が冷たくなったり熱くなったりして、それで僕たちはものすごく焼かれるんだ。」
しかし、調査チームに最も衝撃を与えたのは、大多数の子供たちが表現したその恐怖である。消え入りそうな声で、13歳のヒンドは言った:「毎日が恐い、みんな死んじゃうかも知れないと思って。でも、もし独りぼっちになったら、どこへ行けばいいの?」
もし大量爆撃と侵攻が始まると、結果が非常に悲痛なことになると調査者たちが予測しているので、英国と米国が戦争の代案を考慮する場合、イラクの子供の窮状にもっと大きな優先順位が与えられなければならない。
この国には食糧の備えが1か月分しかなく、圧倒的多数が、バグダッド政権によって配給される食糧に依存しているので、戦争による混乱は、栄養失調の子供たちを飢餓に陥れるだろう。また、いったん米国と英国の爆弾がサダム大統領の発電所を攻撃し始めれば、国の主要な水処理設備は稼働しなくなって、川が下水で汚染されるようになるだろう。
何百万ものイラク人が、作物を潅漑するために、また食事を準備するために、川の水に頼っている。そのような汚染された水を飲んだり、その中で皿を洗うだけでも、既に傷つきやすく弱っている住民を、大腸菌や腸チフスなどの、致命的な疾病にかかりやすくするだろう。
1990年より前、イラクの健康管理システムは、中東の誇りで、世界保健機関によって
「ファーストクラス」と評されていた。続いて起きた湾岸戦争と制裁は、健康管理システムを機能不全にし、5歳以下の子供の死亡率をこの10年の間2倍に増加させたが、その死の70パーセントは、容易に回避可能な腸疾病と呼吸器系の伝染病によって引き起こされたものである。
最も高いレベルの重大な懸念にもかかわらず、国連の諸機関は、戦争への道を掃き清めたと非難されることを避けるなら、まだ起きていない緊急事態への準備をすることはできない。世界食糧計画は、少なくとも3か月の間、最大100万人のイラク人を養う準備をしているが、一旦攻撃が始まると、外国人スタッフを撤退させなければならないだろう。
イラクの2200万人の民間人は特に傷つきやすい。毎月政府によって配給される食糧に全面的に依存している人が約1600万人いて、その半分は子供である。過去12年にわたる制裁と政権内の腐敗によって、どれほど戦争が長引いても足りるだけの食物の備蓄を持っている家庭はほとんどない。世界食糧計画は基本食料品を供給するが、配達の役割はイラク政府に残される。そして、ユーフラテス川とチグリス川の橋を破壊する爆撃作戦は、配給を輸送の面でストップさせるだろう。
国際調査チームの報告書は慈善団体ウォーチャイルド(Warchild)によって出版されたが、その報告書は、もし戦争が起これば「人道的大惨事」が起こるだろうと警告している。既に制裁のために弱められ傷つきやすくなっている子供たちは、「飢餓、疾病、死および心的外傷の重大なリスクに」さらされている。
専門家の予測によれば、子供の死傷者数は、おそらく数万、「ことによると数十万になる」だろう。
調査チームは、新しい戦争がイラクの子供たちにとって「破滅的なものになるだろう」と結論を下している。
13歳の少女が訴える〜「相手の立場になりましょう」
星川 淳@屋久島発 インナーネットソース
#35
[03.03.07] より転載
|
(以下は、星川 淳さんの インナーネットソース
#35 [03.03.07] からの転載です。)
「星川 淳@屋久島発 インナーネットソース」
Website http://innernetsource.hp.infoseek.co.jp/
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★アメリカの独立系サイト AlterNet.org
の若者版
WireTap から。
→ AlterNet http://www.alternet.org/
→ WireTap http://www.wiretapmag.org/
▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼
[13歳のシャーロッテ・アルデブロンが、メイン州の平和集会で話した内容。]
アメリカ人がイラクに爆弾を落とすことを考えるとき、頭の中で想像するのは軍服を着たサダム・フセインとか、銃をもった黒い口ひげの兵隊とか、バグダッドのアルラシード・ホテルの玄関フロアに「罪人」と説明つきで描かれた父ブッシュ大統領のモザイク画とかでしょう。でも、知っていますか? イラクに住む2400万人の人たちのうち半分以上は15歳以下の子どもなんです。1200万人の子どもですよ。私と同じような子どもたちです。私はもうすぐ13歳ですけど、もっと大きい子たちや、もっとずっと小さい子たちがいて、女の子ではなくて男の子もいるし、髪の毛は赤毛じゃなくて茶色だったりするでしょう。でも、みんな私とちっとも変わらない子どもたちです。ですからみなさん、私をよ〜く見てください。イラク爆撃のことを考えるときは、頭の中で私のことを思い描いてほしいからです。みなさんが戦争で殺すのは私なんです。
もし運がよければ、私は一瞬で死ぬでしょう。1991年2月16日にバグダッドの防空壕で、アメリカの「スマート」爆弾によって虐殺された300人の子どもたちのように。防空壕は猛烈な火の海になって、その子どもたちやお母さんたちの影が壁に焼きつきました。いまでも石壁から黒い皮膚を剥ぎ取って、お土産にできるそうです。
けれども、私は運悪くもっとゆっくり死ぬかもしれません。たったいまバグダッドの子ども病院の「死の病棟」にいる、14歳のアリ・ファイサルのように。湾岸戦争のミサイルに使われた劣化ウランのせいで、彼は不治の白血病にかかっています。さもなければ、生後18か月のムスタファのように、内臓をサシチョウバエの寄生虫に食い荒らされて、苦しい不必要な死を迎えるかもしれません。信じられないかもしれませんが、ムスタファはたった25ドル分の薬があれば完治するのです。でも、みなさんが押しつけている経済制裁のためにその薬がありません。
さもなければ、私は死なずに何年も生きるかもしれません。サルマン・モハメドのように、外からではわからない心理学的打撃を抱えて……。彼はいまでも、アメリカが1991年にバグダッドを爆撃したとき、幼い妹たちと経験した恐怖が忘れられないのです。サルマンのお父さんは、生きのびるにしても死ぬにしても同じ運命をと、家族全員を一つの部屋に寝かせました。サルマンはいまでも、空襲のサイレンの悪夢にうなされます。
さもなければ、3歳のとき湾岸戦争でお父さんをアメリカに殺されたアリのように、私は孤児(みなしご)になるかもしれません。アリは3年のあいだ毎日、お父さんのお墓の土を手でかき分けては、こう呼びかけていたそうです。「だいじょうぶだよ、パパ。もうパパをここに入れたやつらはいなくなったから」、と。でも、それはちがったみたいね、アリ。そいつらはまた攻めていくらしいもの。
さもなければ、私はルエイ・マジェッドのように無事でいられるかもしれません。彼にとっては、学校へ行かなくてよくなり、夜いつまでも起きていられるのが湾岸戦争でした。でも、教育を受けそこなったルエイは、いま路上で新聞を売るその日暮らしの身の上です。
みなさんの子どもや姪や甥が、こんな目にあうのを想像してみてください。体が痛くて泣き叫ぶ息子に、何も楽になることをしてやれない自分を想像してみてください。崩れた建物の瓦礫の下から娘が助けを求めて叫ぶのに、手がとどかない自分を想像してみてください。子どもたちの目の前で死んでしまい、そのあと彼らがお腹をすかせ、独りぼっちで路上をさまようのを、あの世から見守るしかない自分を想像してみてください。
これは冒険映画や空想物語やビデオゲームじゃありません。イラクの子どもたちの現実です。最近、国際的な研究グループがイラクへ出かけ、近づく戦争の可能性によってイラクの子どもたちがどんな影響を受けているかを調べました。話を聞いた子どもたちの半分は、もうこれ以上生きている意味がないと答えました。ほんとに小さな子たちでも戦争のことを知っていて、不安がっているそうです。5歳のアセムは戦争について、「鉄砲と爆弾で空が冷たくなったり熱くなったりして、ぼくたちものすごく焼け焦げちゃうんだ」と語りました。10歳のアエサルは、ブッシュ大統領にこう伝えてほしいと言いました。「イラクの子どもが大勢死にます。あなたはそれをテレビで見て後悔するでしょう。」
小学校のとき、友だちとの問題は叩いたり悪口を言い合ったりするのではなく、相手の身になって話し合うことで解決しましょうと教わりました。相手の行動によって自分がどう感じるかをその子に理解してもらうことで、その行動をやめさせるというやり方です。ここで、みなさんにも同じことをお願いします。ただし、この場合の“相手”とは、いま何かひどいことが起ころうとしているのを待つしかないイラクの子どもたち全部です。ものごとを決められないのに、結果はすべてかぶらなければならない世界中の子どもたちです。声が小さすぎたり遠すぎたりして、耳をかしてもらえない人たちのことです。
そういう“相手”の身になれば、もう一日生きられるかどうかわからないのは恐ろしいことです。
ほかの人たちが自分を殺したり、傷つけたり、自分の未来を奪ったりしたがったら、腹が立つものです。
ママとパパが明日もいてくれることだけが望みだなんて、悲しいです。
そして最後に、自分がどんな悪いことをしたのかも知らないので、何がなんだかわかりません。
[シャーロッテ・アルデブロンは、メイン州のプレスクアイルでカニングハム中学校に通う13歳。彼女への感想は、お母さんのジリアン・アルデブロンまで。aldebron@ainop.com
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(翻訳:星川 淳)
記事原文→ http://www.wiretapmag.org/story.html?StoryID=15291
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「星川 淳@屋久島発 インナーネットソース」
Website http://innernetsource.hp.infoseek.co.jp/
ブッシュの対イラク攻撃準備と国際情勢:
(T) カナナスキス・サミットと米ロ「準同盟」化の危険性
−ブッシュ政権によるイラク攻撃包囲網構築の到達点と反戦平和運動の課題について−
(U) 米中東政策の行き詰まりと破綻を示す新中東「和平」構想
−−ブッシュ政権がなかなか進まない対イラク戦争準備に焦って、
「仲介役」の仮面すら投げ捨て公然とシャロンの側に立つ−−
(V) イラク攻撃に備え、先制攻撃戦略への根本的転換を狙うブッシュ政権
(W) 国際法・国際条約・国連決議を次々と破り無法者、ならず者となったブッシュのアメリカ
−− 鏡よ鏡よ鏡さん。この世で一番のならず者はだーあれ
−−
(X) [資料編] NHK ETV2000 より 「どう変わるのかアメリカの核戦略〜米ロ首脳会談を前に」
(Y) 米ロ首脳会談とモスクワ条約について
−−米ロ「準同盟国」化で現実味増したブッシュの先制核攻撃戦略
(Z)「兵器ロビー」
20年ぶりに復活する米軍産複合体
([)ブッシュ政権の露骨な戦争挑発行為と対イラク侵攻計画
−−対イラク戦争阻止の反戦平和運動を大急ぎで構築しよう
(\)ブッシュのイラク攻撃と国連査察問題
−−再び急浮上しようとしている国連査察の実態を暴く
(])イラク「無条件査察」受け入れ後の米の対イラク戦争をめぐる情勢について
−−国連を舞台にした二転、三転の熾烈な外交戦、それと並行して進むブッシュの戦争への暴走
(]T)絡まり合うイラク情勢とパレスチナ情勢−−−
イスラエル軍が再び議長府を攻撃
(]U)こんなウソとデタラメがイラク攻撃の論拠になるのか?
−−国連と世界各国の民衆をバカにする9/12ブッシュ国連演説と9/24ブレア報告−−
(]V)なぜイラクの犠牲者について語られないのか?
−−「10.7 一周年 ブッシュの対イラク戦争に反対する大阪集会」基調報告より−−
(]W)国連安保理決議1441に抗議する
−−ブッシュは「強制査察」を開戦の口実にするな
国連安保理決議1441に講義する(PDFファイル)
(]X)日本のマス・メディアと対イラク戦争−−−−−−−−
ブッシュ政権に同調し対イラク戦争を煽り始めた日本のマス・メディア
(]Y)翼賛報道体制に抵抗する2人の気骨あるジャーナリスト
(]Z)まさか、こんな茶番劇がイラク攻撃の根拠になるの?
「決定的証拠」出せず。ウソとはったりのパウエル国連報告
(][)ブッシュのイラク先制攻撃===
石油=軍事帝国アメリカの世界覇権とこれに立ちはだかる史上空前の巨大な国際反戦行動
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