ブッシュの対イラク攻撃準備と国際情勢(][) |
ブッシュのイラク先制攻撃======== 石油=軍事帝国アメリカの世界覇権とこれに立ちはだかる史上空前の巨大な国際反戦行動
2003年2月21日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局 |
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[1]「国連査察派」の台頭と孤立する米英。「武力行使決議」をめぐる熾烈な対立。
(1) 舞台は国連−−私たちは今、米英の戦争推進が世界中から総反発を食らい劇的な形で孤立し始めた現実を目の当たりにしています。米英のイラク侵略はここへ来て、米英の「武力行使決議」を支持するか否か、査察打ち切りか査察継続か、というギリギリの煮詰まった形で前面に押し出されてきました。主戦論=査察打ち切りを主張する米英は、昨年9月に安保理決議1441を「満場一致」で押し付けた時に獲得したかに見えた国連の多数派から一気に少数派に転落し、完全に国際社会から孤立しているのです。国際社会と国際世論の圧倒的多数は査察継続であり、平和的外交的解決です。
直近の転機は2月5日のパウエル報告でした。「機密情報」と銘打ってウソとデマでイラクの「大量破壊兵器」疑惑をプレゼンテーションしたのですが、あまりにもひどい内容だったのですぐにウソとでっち上げがばれました。国連の大勢もだまされなかったのです。潮の流れははっきりと変わりました。
※ブッシュの対イラク攻撃準備と国際情勢(]Z)「まさか、こんな茶番劇がイラク攻撃の根拠になるの?「決定的証拠」出せず。ウソとはったりのパウエル国連報告」参照。
(2) 「米英vs世界全体」−−2月14日の国連監視検証査察委員会(NMOVIC)のブリクス委員長、国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長による国連安保理での「追加報告」は1月27日の「報告」とはうって変わり、査察継続を強く印象づけるものとなりました。その後引き続き開かれた外相級協議は、国連に「査察派」が誕生した記念すべき場となりました。自信に満ちたフランスのドビルバン外相のスピーチに会場から長い拍手があったのに対して、パウエル米国務長官は拍手一つなく険しい顔をしてペンをいじり回しヒステリックで苛立った対応を見せました。
続く2月19日の非安保理理事国による意見表明も、日本の米英支持が突出しただけで、圧倒的多数の「査察派」の存在(50ヶ国のうち8割の40ヶ国)が改めて浮き彫りになりました。もちろん「査察派」は一枚岩ではありません。絶えずフランスがいつ寝返るか分からないという不安がありますし、大多数の途上国は米経済やIMF・世銀、米系多国籍企業への依存が強く、恫喝に屈しやすい状況にあるからです。
しかしハラハラドキドキするのではなく、こうした否定的な動きや弱点を見据えて、背後から突き上げることこそが反戦運動の仕事だと思います。
※「<国連安保理>イラク攻撃「時期尚早」が圧倒的 公開討論終了」(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030220-00001042-mai-int
※イラク査察継続支持が多数…安保理公開討論(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030220-00000304-yom-int
※<対イラク>仏露独、査察継続と強化で共同宣言 協調態勢強める(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030212-00000047-mai-int
(3) ブッシュはそう簡単には諦めないでしょう。ラムズフェルド国防長官は現に2月20日、ブッシュ大統領が決断すれば攻撃できる準備が整ったと断言しました。「武力行使決議」提出に向けて恫喝と圧力を掛けまくっています。ブッシュとその政権の閣僚たちは、自分たちが勝手に決めた開戦スケジュールが近づいたためかヒステリックになり、「査察派」の切り崩しと抱き込み工作に奔走しています。日本がその「使い走り」をしていることに対して、私たちは抗議し即刻やめさせなければなりません。米英はまた他方で新決議なしの単独攻撃の脅しを盛んにかけています。全く予断を許さない状況です。
※米軍はイラク攻撃の準備ができている=米国防長官(ロイター)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030221-00000338-reu-int
※「米英のイラク攻撃は早期」、露軍最高幹部が予測(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030221-00000002-yom-int
[2]2/15史上空前規模の国際反戦勢力の登場。国連を舞台にした外交戦が指し示す“世界政治の2つの方向性”。
(1) イラク情勢をめぐってのここ数週間の国際的動向を見ていて痛感したのは、私たちが21世紀の初頭、否前半の戦争か平和かの帰趨、世界史と人類の運命を決する決定的に重要かつ歴史的な時代の真っ直中に生き闘っているということです。
2月15日の国際反戦行動は、“世界政治の2つの方向性”、“新しい基本的対立関係”を鮮明に浮かび上がらせました。「武力行使決議」か査察継続か、査察打ち切りか査察継続か、この対立は突き詰めていくと、周辺に何の脅威も与えていないイラクという国を「先制攻撃」することが許されるのか否かということであり、言い換えれば侵略行為を認めるか認めないのか、国連憲章と国際法を破壊するのか守るのか、要するに戦争か平和かという根本的な対立関係を示すものなのです。更に言い換えれば、人類の歴史を一挙に後退させる古典的な帝国主義、古典的な植民地主義の復活を許すのか許さないのかという問題なのです。
(2) 私たちは今、決定的に重要な歴史的時期に立っています。「ブッシュ対全世界」−−一方の側には米英とほんの一握りの国々が存在し、他方では大多数の国々、その背後に1150万人あるいは3000万人が街頭を埋め尽くして意思表示をした全世界の圧倒的な人民大衆が存在します。更にその背後には街頭に出ることができなかった幾千万、幾億、幾十億もの民衆が存在します。一方ではブッシュ政権という異常な侵略欲と凶暴性を持つ戦争マシーンが暴走しており、他方ではその暴走に立ちはだかり孤立化させ最後的には阻止する力とエネルギーを持つようになった国際反戦運動の急速な高揚があります、この2つの過程が同時に進行しているのです。
※「ブッシュは世界を団結させる。」−−これはコモン・ドリームというアメリカのリベラル系サイトに掲載された新論文の表題です。もちろん強烈な皮肉です。しかしまさに的を射た表現だと言えるでしょう。
※「Bush Unites the World」Mark Weisbrot February 18, 2003 by CommonDreams.org
http://www.commondreams.org/views03/0218-06.htm
どちらが事態を制するか。−−決して大げさではありません。私たちは「歴史を創造する人民大衆」という歴史的な力とエネルギーを、1/18の、2/15の国際反戦行動に結集した空前絶後の巨大な民衆の中に見出すことができるのです。そして紛れもなく私たちもその一端を担っているのです。
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[1]イラク攻撃への支持・不支持で世界を2つに分断。「有志連合」という名のにわか仕立ての「侵略同盟」。
(1) ブッシュ政権は、イラク戦争への予想外の抵抗にぶつかった結果、その抵抗と壁を暴力的に破壊するために、国連と安保理、NATO、EU、中東など戦後世界政治の在り方、政治勢力関係を根本的に覆し始めました。イラク攻撃を機軸にして、世界政治を文字通り全世界でぶち壊し根本から再編させ始めたのです。
キーワードは「有志連合」(Coalition of the Willing)。聞き慣れない言葉です。元々はブッシュが単独攻撃という非難を避けるためのカモフラージュの言葉なのですが、今では開き直り、まるで米英が多数派であるかのような虚構の言葉となっています。ブッシュもライスもチェイニーやラムズフェルドも、最近この「有志連合」を盛んに言い立てています。ブッシュのアメリカに追随するイギリスのブレア首相、オーストラリアのハワード首相、イタリアのベルルスコーニ首相、これに南欧諸国や中東欧諸国首脳が加わります。日本の小泉首相は「有志連合」入りを狙っています。この「有志連合」を突破口にしてイラク攻撃と石油=軍事帝国主義で世界制覇を追求しようとしているのです。文字通りの「侵略同盟」「ごろつき同盟」です。
※しかし「有志連合」の間でも、民衆は反戦指向が圧倒的である。「査察支持」を取れば、イギリスで90%、イタリアで73%、スペインで90%、足下のアメリカでさえ59%が「査察にもっと時間を」としている。
※「独仏切り崩しへ外交攻勢 米が対イラク連合構築へ」(共同通信)
http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2003/iraq/news/0131-163.html
(2) イラク戦争への支持か不支持か、アメリカの敵か味方かを選別しあぶり出し、国連、NATO、EU、中東、アジア、そして世界全体を単純極まりない親米と反米の2つに分断しようとしているのです。
これは、ブッシュ政権が誕生して以来、彼らが掲げてきた「ユニラテラリズム」の極致と言えるでしょう。今から思い返せば、京都議定書からの離脱とCO2削減義務の放棄、ABM条約破棄と戦略ミサイル防衛の開発・配備、臨界核実験の強行、核実験再開の準備、化学兵器や核兵器などの国際条約の堀り崩しや事実上の破棄等々は、現在のイラク侵略の前哨戦に過ぎなかったかのようです。
[2]国連と国際社会全体に国連憲章と国際法を破るよう公然と要求。
(1) ブッシュの国連外交は、ことごとく国連自身に国連憲章と国際法を自分で破壊し蹂躙することを要求するものです。イラク攻撃に反対し躊躇する国連加盟国に、公然と圧力を加えているのです。米英が出した安保理決議1441は、協議の最終段階におけるフランス等の抵抗で「武力行使容認」条項=「自動開戦」条項が外されましたが、イラクの国家主権を侵害する前代未聞の「強制査察」が主な内容となりました。この1441によって、差し迫った脅威でも何でもないイラクのいわゆる「大量破壊兵器」問題が、まるで現下の最大の政治問題であるかのようにでっち上げられたのです。いわば現在のイラク危機は「作られた危機」なのです。
※ブッシュの対イラク攻撃準備と国際情勢(]W)「国連安保理決議1441に抗議する
−−ブッシュは「強制査察」を開戦の口実にするな」参照。
※「<イラク問題>米英VS仏独露の構図 安保枠組み、変化の可能性」(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030212-00000072-mai-int
しかし「強制査察」を口実に開戦に持ち込もうとするブッシュの思惑は、思惑通りに進んでいません。ブリクス委員長解任をちらつかせたり、2月14日の「追加報告」を前にしてライス補佐官がブリクス委員長と会って圧力を加えたり、今また「査察を打ち切れ」「ミサイル破棄をやらねば最後通告を出せ」と圧力を掛けています。2月5日のパウエル報告は、業を煮やしたブッシュ政権が、国連査察に対置するかのように自分勝手な「査察報告」を出したものなのです。
※ロシアのイワノフ外相は2月20日、「98年と同様に査察団をイラクから引き揚げさせようとしたり、武力行使の口実になるような根拠を国連安保理に提出させようとしたりしている」と明らかにし、米英がブリクス委員長にイラク攻撃に端緒を開くような「強い圧力が加えられている」と述べた。おそらく「ミサイル廃棄要求」だと思われる。これは査察の「中立性」に危険が迫っていると警告したものだ。98年の事態とは、まさにあのスコット・リッター氏が内部告発した事件である。
※「イラク査察の『中立性』に危惧表明 ロシア外相」(朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/update/0221/002.html
※国連査察委員長、違反ミサイル廃棄をイラクに求める方針(朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/update/0220/019.html
※署名事務局 VTR評「イラク・査察の真実」制作 ファイブ・リバース・プロダクション(アメリカ 2001年)
(2) 安保理理事国15カ国の多数派獲得がカギを握っています。米英とスペイン、ブルガリアの4ヶ国の「侵略派」に、議長国ドイツと常任理事国フランスの周りにロシア、中国が「査察派」を形成して対峙しています。中間派のうちカメルーン、ギニア、アンゴラのアフリカ諸国は米英の攻撃と切り崩しの対象とされ猛然と恫喝が掛けられています。米英が9ヶ国を獲得できるのか、仏露が拒否権を行使するのかが、最大の焦点になっています。
俺の言うことを聞くなら国連と安保理で議論してやるが、俺の言うことを聞かないなら国連と安保理を投げ捨てるという態度は、それ自身国連の秩序を根底から覆すものに他なりません。米英は「有志連合」を振りかざすことで、国連、国連憲章、国際法など国際秩序全体を根底から覆そうとしているのです。
※米英が安保理多数派工作 拒否権断念へ圧力と米紙(共同通信)
http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2003/iraq/news/0221-328.html
※新決議採択へ外交攻勢=安保理の9票確保目指す−米英(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030220-00000912-jij-int
※現時点で新たな対イラク国連決議の必要はない=独首相(ロイター)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030219-00000111-reu-int
拒否権行使の可能性も=イラク問題の新決議でロ外相(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030220-00000010-jij-int
[3]NATOでの主導権を再確立。EUのど真ん中に親米・反独仏枢軸を構築しくさびを打ち込む。EU統合への撹乱・分裂工作。
(1) NATOの最前線基地であり、小国であるトルコがアメリカの圧力をまともに受けて窮地に陥っています。即座の開戦に反対する仏・独との間で二律背反の板挟みに陥っているのです。ブッシュは中東の小国の平和と安定を崩す権利などどこにもないはずです。
まずはトルコへの早期警戒管制機(AWACS)や地対空ミサイル「パトリオット」、生物・化学兵器処理班の配備をめぐって矢面に立たされ、今は米軍の大規模受け入れをめぐって、国内が大揺れに揺れています。米は260億ドルもの経済支援をエサに米軍配備を認めさせようと躍起ですが、トルコ側が増額を求めているためにしびれを切らしてあからさまに恫喝する事態となっています。
※米国、トルコに3兆円金融支援策を提示(ロイター)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030216-00000832-reu-int
(2) トルコへの「共同防衛」配備問題をきっかけに、NATOでもその主導権をめぐり、米英と仏独ベルギーの間で熾烈な闘争が繰り広げられました。最終的にはフランスを外す形で、「イラク攻撃とは切り離す」という妥協が成立したかのように見えますが、イラク攻撃の賛否でNATOが真っ二つに分裂した歴然たる事実は残っています。フランス・ドイツはまだ屈服したわけではありません。
※<NATO>トルコの共同防衛を正式決定(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030221-00000054-mai-int
※NATOがトルコ防衛計画合意、仏不在で亀裂残す(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/attack/200302/a20030217_41.htm
これまでもNATOの主導権は圧倒的な軍事力を持つアメリカが持ってきました。しかし通貨統合を達成したEU統合は、「欧州安保」「欧州独自防衛」をも模索し、NATOの枠内で徐々に対米離反を進めてきました。今回のトルコ問題は、こうした欧州独自の動きを主導する「独仏枢軸」を公然と攻撃し、もう一度、アメリカの主導権と特権を見せつけようとするものなのです。
(3) ブッシュの「有志連合」は、米・EU間の激しい対立の中で劇的な形で姿を現しました。アメリカがあからさまにEUに手を突っ込んだのです。EU統合が一気に推進された1990年代、クリントン政権時代には考えられなかった、EUへの公然たる介入・撹乱です。
ネオ・コン派の代表となった財界紙ウォールストリート・ジャーナルがブッシュ政権と画策した欧州8カ国の抱き込みが「有志連合」の基盤になりました。奇しくもラムズフェルド国防長官が言い放った「古い欧州」発言は、「有志連合」をくっきりと浮かび上がらせました。EUを主導する独仏に反発するスペイン・イタリア・ポルトガルなど南欧州、拡大EUの予備軍である中東欧諸国、これら親米派「新しい欧州」の出現を告げることとなったのです。
※欧州8カ国がイラク問題で共同声明、独仏は署名せず(ロイター)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030130-00000269-reu-int
※<イラク問題>仏大統領、「親米」のEU各国を非難(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030219-00002111-mai-int
※<EU首脳会議>武力行使は「最後の手段」 対イラクで議長総括(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030218-00001025-mai-int
※戦争反対姿勢に対する米国の批判を拒絶=独仏(ロイター)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030124-00000617-reu-int
2つの世界大戦の戦場となり、対ソ対社会主義対決と同時に、欧州域内の仏独主導の「平和と安定」を目指してきたEC以来のヨーロッパの共通の利害、各国の個別的利害を犠牲にして達成した政治的統合の模索、経済的通貨的統合の長い歴史、ようやくにして成し遂げたEU統合−−これら全部を、ブッシュはイラク攻撃と自己の石油=軍事帝国主義の覇権確立への邪魔立てと判断し、分断し混乱させているのです。これはEU統合を成し遂げ、今も牽引しているフランスとドイツの主導権・支配権を根底から掘り崩すものです。このままブッシュ政権が暴走を続ければ、フランスとドイツの反発は次第にイラク問題、国連査察問題にとどまらない、農業関税と農業自由化問題、WTOのあり方を含めて、もっと根の深い対立に発展していくでしょう。
※<イラク問題>冷え切った米独関係 修復見通し立たず(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030215-00000023-mai-int
※仏独、米のイラク攻撃支援要請を拒否 NATO理事会(朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/iraq/K2003021002928.html
※「古い欧州」、米に反旗 独仏のイラク武装解除案(朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/iraq/K2003021100203.html
※「かつての『東』 中東欧13カ国 いま『親米』」(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20030209/mng_____kok_____004.shtml
[4]イラクを皮切りに中東全域を親米・親イスラエルに強引に再編しようという「ドミノ」式妄想の危険。
(1) ブッシュのイラク攻撃は、言うまでもなく、中東全体を混乱と動揺の淵に立たせています。サウジアラビアなど湾岸の王制諸国、エジプトやヨルダンなど親米諸国は、対米協調と反米の国内世論との間でどうしようもない深刻なジレンマに陥っているのですが、それでもブッシュは軍事的政治的協力を高圧的に要求しているのです。
※イラク攻撃、足並み乱れ アラブ首脳会議3月1日に(朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/update/0221/012.html
もし開戦となれば、イラクそのものも中東全体も政治的軍事的、経済的社会的危機に陥るでしょう。それだけではありません。ブッシュ政権は、いい加減な「戦後構想」だけで突入しようとしているのです。「あとは野となれ山となれ」。殺すだけ殺しまくり破壊するだけ破壊しまくったあとは、お前たち世界が尻拭いせよと知らんぷり。イラクの巨大油田とその権益は自分が「戦利品」として強奪するが、戦費も占領費用も世界が出すべきだ。あとは国連と国際社会の責任だとうそぶいているのです。
それだけでもありません。ブッシュ政権の、特にネオ・コンと呼ばれる連中は、中東地域を親米だけではなく、親イスラエルという機軸で大々的な再編成を強行する構想を描いています。中東イスラム諸国どうしの混乱と紛争こそがイスラエルの「国益」と公言してはばかりません。イラクはスタートに過ぎない。ドミノ式にサウジアラビア、イラン、シリアなど、中東地域全体を壊滅してやる。親米親イスラエルで、中東・パレスチナ問題も処理し、新秩序を打ち立ててやる。そう妄想しているのです。
※この辺の事情については署名事務局のパンフレット「イラク:石油のための戦争−ブッシュはなぜイラクを攻めたいのか」の「第V部OPEC=サウジの切り崩し、米−サウジ関係行き詰まりからの脱却の「切り札」としての対イラク戦争」「第W部 ブッシュ政権の権力構造の特異性と脆弱性−−石油メジャーと軍産複合体の人格的代弁者ネオ・コンの暴走としての対イラク戦争」に詳しく展開している。ぜひご覧頂きたい。
V
[1]「アメリカ帝国」の確立か挫折かを決する国際反戦運動の力とエネルギー。
(1) ブッシュは、こうしてイラク攻撃を通じて、国連と安保理を含む全ての国連加盟国の上に、NATOや日米安保を含む全ての軍事同盟の上に、更にはEUと全てのヨーロッパ諸国の上に君臨する「世界帝国」、文字通り全ての帝国主義諸国、全ての資本主義世界の上に君臨する唯一の「世界の覇者」として、「帝国主義上に立つ帝国主義」として、アメリカ帝国主義の新しい支配体制を確立しようとしているのです。ソ連社会主義が崩壊し、米ソ冷戦が終焉して以降、クリントン時代の1990年代を通じて「グローバリゼーション」と「米一極支配」が時代の特徴となりました。しかし今ブッシュ政権が総力を挙げて追求しようとしているのは、「米一極支配」の新しい究極の姿、「アメリカ帝国」なのです。
※アメリカの支配層内部の論争と対立については以下の情報がある。「アメリカの覇権と国際協調の行方」日本版フォーリン・アフェアーズ。 http://www.foreignaffairsj.co.jp/themeA_vol8.htm 「新帝国主義というアメリカの野望」(ジョン・アイケンベリー)他。「冷戦後の終わりの世界」日本版フォーリン・アフェアーズ。http://www.foreignaffairsj.co.jp/Best2002.htm 「アメリカの覇権と単独行動主義の行方」「アメリカ帝国か国際協調か」他。
(2) しかしこのアメリカ帝国主義の新しい世界覇権はまだ確立されたわけではありません。欧米や日本の多くの民衆は、20世紀がどれほど戦争と侵略に明け暮れた時代であったか、どれほど多くの犠牲がでたか、現実に体験してきた世代なのです。二度とあの悲惨な悲劇を繰り返すなという悲鳴は消えることはないはずです。
歴史的反動とアナクロニズムの権化のような、まるで100年以上も歴史的回帰を遂げたような「帝国主義と植民地主義時代」の復古が本当に確立するのか、本当に復活するのか否かについては、今回のイラク戦争が阻止できるか否かによって決まるでしょう。
その意味で、イラク攻撃阻止は、イラクの民衆の生命と生活、民族自決権と国家の尊厳を防衛する闘いであるだけではなく、もっと大きな歴史的、人類史的な意義を持っているのです。
不幸にも開戦不可避となったとしても、独仏が対米屈服しこれら諸国が国際世論と人民大衆を裏切って「武力行使決議」を支持する形で突っ込むのか、それとも独仏が反対を貫き米英「有志連合」がしびれを切らして単独攻撃するかで大きく変わってきます。
いずれにしても2/15が示した国際反戦行動の一大高揚こそが、傍若無人で理不尽極まりないこの「アメリカ帝国」を確立させるのか、挫折させるのかの決定的なカギを握っているのです。その意味で今人類は、21世紀初頭の世界政治とそのあり方を決する決定的に重要な局面を迎えているのではないでしょうか。私たちはそう確信します。
[2]イラク開戦最優先で経済政策をも「軍事化」してねじ曲げてしまうブッシュ。莫大な戦費負担、財政赤字負担を国連と各国に要求。
(1) ブッシュ政権は、アメリカ経済全体をイラク戦争に向けて再編成し、戦争モードに切り替えています。石油メジャーと軍産複合体、更には自動車産業という「古い産業」の復活に邁進しています。とりわけ「経済の軍事化」を推進し、攻撃によるショックを、大幅な財政赤字と金持ち・企業への大減税で切り抜けようとしています。しかしFRBのグリーンスパン議長をはじめ米支配層内部からも、急激で天文学的な財政赤字の増大に警告が発せられています。巨額の軍拡予算そのものが財政破綻と経済危機の”機関車”になろうとしています。
※米経済調査局、景気後退の終結宣言を見送り(ロイター)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030214-00000660-reu-bus_all
※米財政赤字の増大、住宅ローン金利の上昇招く可能性=FRB議長(ロイター)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030213-00000504-reu-bus_all
※減税論争の陰にイラク戦 米政権とFRBに亀裂(朝日新聞)
http://www.asahi.com/business/news/K2003021400198.html
(2) しかしブッシュは、経済政策でも、思惑通りには行かないでしょう。すでにドル低落、NY株式市場の低落、石油・ガソリン価格の急騰等々の形でその兆候が現れています。ブッシュは国内経済を「軍事化」するだけではなく、G7と先進国全体に対しても、居丈高にイラク侵略と戦争拡大をバックアップするよう隠然公然と要求しています。ところがどの国も財政赤字でアップアップしており、金利も歴史的な低水準にあります。支援できるわけがないのです。それでももし支援するというなら、自国民に大増税・大収奪の形で犠牲を転嫁しなければならず、それはそれで対米追随、対米侵略加担の各国政権への不満を爆発させるに違いありません。
ブッシュの傍若無人な暴走は、間違いなく石油危機を誘発し「地政学的リスク」「有事ゆえの弱いドル」の形でアメリカ経済やそれに依存する世界経済全体をストレートに直撃し、短期間で世界の株式市場や金融市場を根底から動揺させ金融的経済的危機を引き起こすでしょう。更には長期的にも膨大な戦費負担と占領費負担の重圧に耐えきれず、世界経済は歴史的な危機にズルズルと入って行くでしょう。
※地政学的リスクの強まりで経済に不透明感=米FRB議長(ロイター)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030212-00000379-reu-bus_all
W
[1]反戦運動の“ビッグバン”。全世界の民衆がイラク攻撃と「アメリカ帝国」の前に立ちはだかり、現実の政治を動かそうとしている。
(1) 「平和は民衆が創る」−−2月15日を頂点として、空前絶後の大規模な人民大衆が街頭に進出してイラク攻撃反対を意思表示したことは決定的に重要な意義を持っています。ベトナム反戦運動も戦後を画する歴史的な大衆運動でしたが、これは攻撃が始まり泥沼化していく過程で高揚していったものでした。しかし今回は違います。開戦前にこれだけの大規模な民衆が結集したのは反戦行動の歴史の中でも初めてのことです。
※「A New Power in the Streets」Feb17 The New York Times http://www.nytimes.com/2003/02/17/international/middleeast/17ASSE.html 翼賛報道で知られるニューヨークタイムズでさえ、この巨大な国際反戦行動をこう評価した。「イラクをめぐる西側同盟の分裂と今週末世界を駆けめぐった巨大な反戦運動は、地球上には2つのスーパー・パワー(two superpowers)、つまり米国と国際世論が存在するのだと思い起こさせる。」
何よりも特徴的なことは、想像を絶する全世界的な広がりと動員規模でした。600都市以上で行われたのは対イラク戦争が問題になってから初めてのことで、文字通り世界的規模の行動と言えます。現時点で反戦系進歩系ウェブサイトに世界各地から報告されているだけで700万人〜800万人は最低限の数字であり、1150万人が確実だろうと言われています。一部報道では3000万人の規模に膨れ上がったかもしれないと言います。
とりわけ、いわゆる「有志連合」の国々で、その規模はいずれも史上空前の巨大デモとなりました。イギリス200万人、オーストラリア25万人、イタリア300万人、スペイン500万人等々。
※「Millions give dramatic rebuff to US war plans」February 16
http://sg.news.yahoo.com/030215/1/37sm9.html
※「Millions worldwide rally for peace 」The Guardian Monday February 17, 2003
http://www.guardian.co.uk/antiwar/story/0,12809,897098,00.html
一昨年の9月末のANSWERによる9・11後最初の反戦行動はワシントンとサンフランシスコにそれぞれ2万人、ロサンゼルスに数千人の規模に過ぎませんでした。それでも私たちは猛烈な星条旗主義と弾圧・迫害の中でデモ行進を決行したことに感銘したものです。しかし昨年10月の反戦行動月間ではアメリカだけで10万人、20万人という規模に一桁膨れ上がりました。それが今年1/18の国際反戦行動はワシントンで50万人、サンフランシスコで20万人にまで達したことに、私たちは衝撃を受けました。
ところがそれからわずか1ヶ月後の2/15には、信じ難い規模の民衆がイラク攻撃に抗議して街頭に繰り出したのです。まるで“ビッグバン”のようです。月を追って、否日を追って膨れ上がりつつある反戦運動の波は、「民衆が歴史を創る」という実感を抱かせます。私たちは、全世界の人民大衆が現実の政治を動かすという、かつてない希有の時期に遭遇しているのだと思います
※「全世界600箇所で1000万人−空前規模の全世界的な反戦行動」参照。
※今年に入ってから2/15で一気に動員数が膨らんだ背景には、アメリカやヨーロッパで、これまで反戦運動とは一線を画してきた反グローバリズム運動が、合流したことが大きな影響を与えているという報告もある。
(2) 2/15国際反戦行動は、まさに国連安保理において査察継続か武力行使か、武力行使決議の採択を阻止できるか否かという決定的に重要な局面で敢行されました。従って行動最大の成果は、米英はもとより国連と安保理に巨大な圧力を加えることによって、「武力行使決議から開戦へ」という米英が描いていたシナリオを困難にさせ米英を孤立化させたことです。米英の開戦を遅らせるか、非常に小さいが場合によっては阻止できる展望を、もう一度、世界の人民大衆の前に明らかにしたのです。
と同時にこの歴史的な行動は、万が一米英が開戦に突っ走った時には、今度は早期撤兵、軍政阻止に向けた力とエネルギーに転化するでしょう。
[2]開戦に突き進む米英の足下で信頼される統一戦線組織が全世界に呼びかけた2/15国際反戦行動。
(1)2/15行動を提起し牽引したのは、アメリカの反戦反差別の統一戦線組織「ANSWER」(戦争停止、人種主義終結、今こそ行動を!Act Now to Stop War & End Racism)と、イギリスの統一戦線組織「ストップ戦争連合」(Stop the War Coalition)です。両組織がアラブ世界の進歩的活動家、民族解放運動家らとともに昨年12月18〜19日にカイロで会合を持ち、「カイロ宣言」を打ち出して、開戦阻止の歴史的一大行動を全世界に呼びかけたのです。
※カイロ宣言とは「米の覇権とイラクへの戦争に抗し、パレスチナとの連帯のために」(Against U.S. Hegemony and War on Iraq and In Solidarity with Palestine )と題する宣言である。
http://www.stopwar.org.uk/article.asp?id=301202
http://www.stopwar.org.uk/Resources/cairo.pdf
http://www.cairocampaign.com/html/home.html
いずれの統一戦線も、共産主義者、社会主義者からリベラリスト、平和主義者まで、反戦団体、消費者団体、医療福祉団体から環境保護団体、反原発団体まで、黒人解放運動やイスラム系団体やマイノリティグループなど反差別運動まで、種々様々な市民運動やNGOが総結集したものです。
(2) 2/15のもう一つの特徴は、その多様性と一斉性です。単一の上部団体や国家が指図したわけではありません。先に述べたANSWERとストップ戦争連合が、運動の中で権威を持ち、彼らが様々な部分と相談しながら目標設定を行っているのです。驚くべき多様性と均一性。雑多の中の単一。不統一の中の統一。上からの指示ではとうてい達成できないような、反米・イラク戦争阻止で一致しながらも多様で豊かな反戦運動が誕生しつつあるのです。これまで戦後長い間、米ソ冷戦時代に支配的となってきた反戦運動とは異なる、全く新しいスタイルの反戦運動の誕生と言っていいのではないでしょうか。
X
[1]対米一本槍か対アジア重視か。小泉政権の対米追随に終止符を。
(1) 小泉政権のイラク攻撃支持への傾斜は、日米安保、日米軍事同盟がこのままでいいのか、そのあり方を根本から問い直しています。現在のところ自民党、公明党を含む与党も、小泉首相の恥ずべき対米追随を容認しています。しかし財界と支配層の間では、今後も更なる対米依存・対米従属をエスカレートさせるのか、それとも対アジア重視、対中国・対韓国重視を思い切って強めるのか、この日本外交の基本戦略をめぐって静かな意見分岐、利害対立が生じつつあります。
(2) それはおそらく対北朝鮮政策をめぐって最も鮮明な形で表れるでしょう。ブッシュ政権は、これまで対イラク攻撃最優先の立場から、対北朝鮮では「対話」を前面に出してきましたが、国連安保理への付託以降軌道修正を行い、「経済制裁」も辞さずという強硬路線に傾き始めました。
※経済制裁の可能性排除せず=北朝鮮核問題、多国間で取り組みを−米高官(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030221-00000085-jij-int
すでに小泉政権は昨年9月17日の日朝首脳会談と「ピョンヤン宣言」で一旦は踏み出そうとした日朝国交正常化交渉を、いわゆる拉致問題を口実に棚上げにしました。約束を一方的に破棄したため交渉の糸口すら見えない状況にはまりこんでいます。これも明らかにブッシュ政権が「核開発問題」を突如持ち出して、交渉を妨害し横やりを入れた結果なのです。日本政府は、危険極まりない対米追随外交をいつまで続けるつもりなのでしょうか。
ブッシュ政権は、ありもしない「大量破壊兵器」の脅威でイラク危機をあたかも世界最大の脅威であるかのようにでっち上げましたが、東アジアでも同じように、ありもしない「核兵器開発」の脅威をでっち上げ、政治的軍事的緊張を煽り立てているのです。
もちろん、少なくともブッシュ政権は、イラクのフセイン政権を打倒し軍事占領が安定するまでは、北朝鮮攻撃を踏みとどまるでしょうが、朝鮮半島での緊張激化政策と戦争挑発は十分あり得ることです。その時、ブッシュ政権はあくまでも「太陽政策」を掲げる次期韓国政権に対決の決断を迫るでしょうし、日本政府に対しても対決を迫るでしょう。政府は一刻も早くブッシュの戦争政策から脱却すべきです。
[2]小泉政権の犯罪的な「恫喝外交」に抗議を集中しよう。あたえられた「猶予」を利用して前へ進もう。
(1) 日本国民の圧倒的多数は、イラク攻撃に反対し、日朝国交正常化交渉の復活を望んでいます。小泉首相、川口外相、原口国連特使らが対イラク「武力行使決議」採択で、「恫喝外交」を行い、米英を全面支持しているにもかかわらず、一方で国民向けには「武力行使を支持したのではない」等の逃げ口上を言うのも、この戦争反対の国内世論があるからなのです。
※<イラク問題>国内で批判高まる 米英追随に「議論不足」(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030220-00000128-mai-pol
※政府の国連演説・米英支持に自民党内で批判強まる(朝日新聞)
http://www.asahi.com/politics/update/0220/009.html
※<イラク問題>戦争回避のために日本は積極的に行動を 古賀誠氏(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030216-00000078-mai-pol
確かに欧米の2/15国際反戦行動の幾十万、幾百万という空前絶後の巨大な動員と比べれば、日本の運動のひ弱さは歴然としています。嘆きたいのは当然です。この原因や背景には一口では語れない日本の政治的経済的社会的諸要因、とりわけ歴史的諸要因が大きく作用していると思います。
(2) しかし一昨年の9・11以降、全国各地で新たに生まれたり活性化したり、または復活した無数の市民運動の取り組みは、徐々にそのネットワークを確固としたものに成長させ俊敏な対応ができるまでになってきました。とりわけインターネットと携帯電話、電話とFAXを通じた連絡網と情報伝達は、12年前の湾岸戦争の時期の運動形態、4年前の旧ユーゴ空爆の時の運動形態を大きく変えつつあります。日本の2/15の最大の特徴は、戦後の運動を引っ張ってきた政党や労組系列とは別に、上からの動員ではなく、自主的な自然発生的だが意識的な市民運動が全国各地で数十、数百、数千の規模で一斉に動いたことです。日本の運動も、欧米の運動から大きく遅れながら急速に成長しつつあります。
まだ決着は付いていません。あきらめてはなりません。「対米か対アジアか」:支配層内部の矛盾は拡大こそすれ小さくなることはありません。欧米の大規模反戦運動がブッシュ政権のシナリオを困難にすることによって小泉政権の「恫喝外交」の成功の見込みも非常に難しくなっています。昨年末のノムヒョン候補の勝利が日本の政府与党の右翼反動層の目論見を出鼻で挫折させたように、対外的要因が日本の運動に「猶予」と「余地」を与えてくれているのです。大切なことは、日本の運動の立ち後れを云々するのではなく、この「猶予」を利用して、産声を上げ始めた日本の新しい反戦平和の市民運動の一翼を担い積極的にこの歴史的過程に加わっていくことです。小泉政権の米英「武力行使決議」支持を撤回させ、イラク攻撃への参戦・加担をやめさせましょう。
※「緊急アピール−−私たちは小泉政権に要求します」
※支配層が分裂している時、対外情勢が右翼反動層に不利に作用している時、少数でも市民運動が反撃を集中するとき、如何に大きな効果を挙げるかは、一昨年の「つくる会」教科書の不採択運動、昨年の有事法制の強硬通過阻止を闘い取った実績が物語っています。
アメリカのある反戦運動家は、マンモスのように登場した国際反戦運動を前にして、すぐ次の行動に打って出ようと呼びかけ、その最後をこう締めくくりました。
「歴史は終わってはいない。それどころか、それは我々がつかみ取るべきものなのだ。」
※「Showdown」by Michael Albert; February 17, 2003
http://www.zmag.org/content/showarticle.cfm?SectionID=41&ItemID=3067
ブッシュの対イラク攻撃準備と国際情勢:
(T) カナナスキス・サミットと米ロ「準同盟」化の危険性
−ブッシュ政権によるイラク攻撃包囲網構築の到達点と反戦平和運動の課題について−
(U) 米中東政策の行き詰まりと破綻を示す新中東「和平」構想
−−ブッシュ政権がなかなか進まない対イラク戦争準備に焦って、
「仲介役」の仮面すら投げ捨て公然とシャロンの側に立つ−−
(V) イラク攻撃に備え、先制攻撃戦略への根本的転換を狙うブッシュ政権
(W) 国際法・国際条約・国連決議を次々と破り無法者、ならず者となったブッシュのアメリカ
−− 鏡よ鏡よ鏡さん。この世で一番のならず者はだーあれ −−
(X) [資料編] NHK ETV2000 より 「どう変わるのかアメリカの核戦略〜米ロ首脳会談を前に」
(Y) 米ロ首脳会談とモスクワ条約について
−−米ロ「準同盟国」化で現実味増したブッシュの先制核攻撃戦略
(Z)「兵器ロビー」
20年ぶりに復活する米軍産複合体
([)ブッシュ政権の露骨な戦争挑発行為と対イラク侵攻計画
−−対イラク戦争阻止の反戦平和運動を大急ぎで構築しよう
(\)ブッシュのイラク攻撃と国連査察問題
−−再び急浮上しようとしている国連査察の実態を暴く
(])イラク「無条件査察」受け入れ後の米の対イラク戦争をめぐる情勢について
−−国連を舞台にした二転、三転の熾烈な外交戦、それと並行して進むブッシュの戦争への暴走
(]T)絡まり合うイラク情勢とパレスチナ情勢−−−
イスラエル軍が再び議長府を攻撃
(]U)こんなウソとデタラメがイラク攻撃の論拠になるのか?
−−国連と世界各国の民衆をバカにする9/12ブッシュ国連演説と9/24ブレア報告−−
(]V)なぜイラクの犠牲者について語られないのか?
−−「10.7 一周年 ブッシュの対イラク戦争に反対する大阪集会」基調報告より−−
(]W)国連安保理決議1441に抗議する
−−ブッシュは「強制査察」を開戦の口実にするな
(]X)日本のマス・メディアと対イラク戦争−−−−−−−−
ブッシュ政権に同調し対イラク戦争を煽り始めた日本のマス・メディア
(]Y)翼賛報道体制に抵抗する2人の気骨あるジャーナリスト
(]Z)まさか、こんな茶番劇がイラク攻撃の根拠になるの?
「決定的証拠」出せず。ウソとはったりのパウエル国連報告