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自殺事案と警察の捜査・ほか |
参照 |
1980/9/16 |
大阪府高石市立高石中学校の中尾隆彦くん(中1・12)が、同級生や上級生からの暴力や恐喝を苦に、自殺。
高石署は当初、「同級生とプロレスごっこをして殴られから、学校に行くのがいやになったのが原因らしい。気の弱い生徒だったようだ」と発表。遺族が問題の生徒の告白を含む調査結果をまとめて警察に行き、事件を調べ直すよう訴えてから、ようやく捜査に乗り出す。
12/5 調査の結果、「暴行・脅迫の事実があった」と認め、高石中の男子生徒(中1)5人を大阪府堺児童相談所に送致、1人を訓戒処分にした。
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800916 |
1985/12/9 |
青森県上北郡野辺地町の野辺地中学校の熊沢憲くん(中2・14)が、「死にたい、死にたい、絶対に死んでやる 学校にいえばいったでワ(方言で自分という意)と友だちが仲間と一緒に殴られる。何が何でものろってやる。これから青春したかったのにお前たちのせいで この野郎」と書いた遺書を残して自殺。
警察はいじめていた6人の少年を書類送検。 |
851014 |
1986/2/1 |
東京都中野区立富士見中学校の鹿川裕史(ひろふみ)くん(中2・13)が、「このままじゃ『生きジゴク』になっちゃうよ。」と遺書を残して自殺。
1986/4/2 警察は、生徒16人を書類送検。
1986/2/1 少年A、Bは家裁で、傷害罪・暴力行為等処罰に関する法律違反により、保護観察処分。 |
860201 |
1989/12/15 |
福岡県福岡市東区で、中学校の光安真由美さん(中3・14)が列車に飛び込み自殺。遺体からは、殴られた跡とみられる多数のあざが見つかった。
遺書には同級生数人の名前をあげて「学校で殴られたり、いじめられた 体が痛い」「死にたい」「22日までに十万円を用意しろといわれた」「おじいさんの財布から1万3千円を抜き取りました。ご免なさい」など書いてあった。
1990/2/4 警察は同級生5人を書類送検。
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891215 |
1993/6/18 |
滋賀県伊香保郡高月町の町立高月中学校の吉内庄司くん(中3・14)が自宅2階の物置で自殺。
町教委は当初、「生徒間トラブルでいじめではなかった」と県教委に報告していたが、報道で事件が明らかになった結果、「いじめはあった」とする報告を提出。
庄司くんの自殺後、警察は同級生(中3)を殴ったなどとして、暴行・傷害容疑で書類送検。
1993/10/ 大津家裁で「不処分」の審判。
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930618 |
1994/5/29 |
岡山県総社市で、組合立の総社東中学校の菅野明雄くん(中3・14)が、同級生5人の名前と、暴行の様子、家から持ち出した金の使い道を欠いたメモを残して、自殺。
同級生8人を暴行・恐喝の疑いで、家裁に送致。
1994/11/21 岡山家裁は、いじめと自殺の関係を認定し、7人を短期保護観察処分。1人を不処分。
処遇理由として、「被害者の自殺は、長期間にわたる多数からのいじめがその要因になっているものの、そのほかにも被害者に対する家庭の対応の仕方、被害者の性格、学校の教育のあり方など種々の事柄が原因をなしていること、また少年らは多数の弱い者いじめの行動に無分別に同調し他人に対する思いやりを欠いてはいたが、いずれもこれまで処分歴もなく非行性もさして高くないことなど」が考慮された。 |
940529 |
1994/6/3 |
愛知県安城市の県立高校の男子生徒Aくん(高1・15)が、飛び降り自殺。
「中学時代の同級生にたかられたり、殴られた。いやになった」「いじめに遭い、死にたい。毎日が地獄のようだ」などと書いたノートが自宅で見つかる。3人の名前があげられていた。
愛知県警は、暴行と5500円を脅し取った疑いで3人を書類送検。
1995/3/29 名古屋家裁岡崎支部は、3人を恐喝罪により短期保護観察処分。
3人が真面目に学校生活を送っていること、遺族との示談が成立していることを考慮。 |
940603 |
1994/11/27 |
愛知県西尾市立東部中学校の大河内清輝くん(中2・13)が、暴行や恐喝などいじめの詳しい内容を書いた遺書を残して自殺。
1995/2/10 愛知県警と西尾署は、男子生徒11人の内4人(中2・14)を恐喝の疑いで書類送検。恐喝に積極的でなかった7人は補導にとどめた。
4/4
同級生3人を初等少年院(2人は長期、1人は短期)、1人を教護院(現・自立支援施設)に送致。
※長期少年院送致の平均在院期間は約1年、短期は約5カ月。(「いじめ問題ハンドブック」/日本弁護士連合会)
名古屋家裁岡崎支部の裁判官は、「4人は、事件の重大さにしおれ切っている。が、長期間にわたる暴行やいやがらせを執拗に繰り返していた点を総合的に考慮した」「長い間、清輝君の苦しみに気が付かなかった重みを受け止めて欲しい」と述べたという。
家庭裁判所に対する送致事実は、原付自転車の窃盗と7件の恐喝。
恐喝の内訳は、主犯格のAが7件で44920円、共犯のBが2件で7700円、Cが1件で12500円、Dが1件で10000円。(恐喝は6カ月でおよそ120万円あると思われるが、裏付け証拠が十分でなかったため送致事実は7件にとどめたとされる。矢作川での事件は、かかわった生徒たち一人ひとりの認識や行為の特定が困難なことから暴行容疑の立件ができない)
少年院送致処分となった3人の内1人の付添人は処分を不服として抗告。
名古屋高等裁判所は抗告棄却。
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941127 |
1995/4/16 |
福岡県豊前(ぶぜん)市で、市立角田(すだ)中学校の的場大輔くん(中2・13)が、暴力をふるった上級生5人と同級生4人の名前やいじめの詳細を書いたメモを残して、自殺。
バスケット部の先輩で主犯格のE(中3・14)のみを書類送検・保護観察処分(1999年春まで)。
ほかの生徒は、犯罪行為とするほどの違法性はなかったとの判断で書類送検されず、その他一切処分なし。
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950416 |
1995/11/27 |
新潟県上越市の春日中学校の伊藤準(ひさし)くん(中1、13)が自殺。
「生きているのがこわいのです。あいつらは僕の人生そのものをうばっていきました。」と遺書を書き残していた。
1996/1/29 上越南警察署は本件を調査し、いじめの事実が確認されたこと並びにいじめが自殺の要因であったとの見解を発表。遺書に名前のあった5人のうち2人と、遺書に記載はないがいじめに関与した生徒の計3人を補導処分にした。(13歳以下は、犯罪としての事件処理はできない)
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951127 |
1996/1/22 |
福岡県三瀦(みづま)郡の城島町立城島中学校の大沢秀猛(ひでたけ)くん(中3・15)が、自殺。「うでをおるぞと言われた」「またお金をようきゅうされた しかしそのお金がないので死にます。」等と書かれた遺書があった。
1996/3 県警は、「遺書の内容はほぼ事実だった」として、同級生男子生徒DE(共に15)の2人を恐喝容疑で書類送検。
Bをはじめ、入学当初から殴られ続けていたと書かれていた生徒については、「古い話で生徒の記憶もあいまい。事実確認が難しい」として立件を見送った。
1996/7 福岡家裁久留米支部は、「2人が自殺直前の約3カ月間に大沢君から十数回にわたり現金計約30万円を脅し取っていた」「執拗にいじめ、恐喝した態様は悪質で、自殺という取り返すことのできない重大な結果を生じた」としながらも、「2人とも高校へ進学し、示談への話し合いも始まっている」として、保護観察処分にした。(DE2人の両親とは示談成立)。 |
960122 |
1996/9/18 |
鹿児島県知覧町立知覧中学校の村方勝己くん(中3・14)が、近所の公民館の外壁の非常用梯子に、自分の布製ベルトをかけて首吊り自殺。「死ねばいじめは解決する」との遺書を残していた。
1996/9/22 知覧署が、遺書に名指しされた生徒らを事情聴取。 10/25 少年事件として取りあげられ、少年6人を暴行容疑で書類送検。 1997/3/17 4人が保護観察処分。他2人は不処分。 |
960918 |
1997/4/13 |
静岡県駿東郡御殿場市の私立高校の男子生徒(高2・16)が、中学時代の同級生2人(17)に恐喝や暴行され自宅で首吊り自殺。
1997/5/7 沼津署が、少年2人を恐喝と傷害容疑で逮捕。
静岡家裁沼津支部は、2人を中等少年院送致を決定。 |
970413 |
1998/3/20 |
千葉県成田市立遠山中学校の鈴木善幸くん(中2・14)が、先輩からの現金恐喝を苦に、自宅敷地内の倉庫で首吊り自殺。「せんぱいにおどされ、8万円払った。そしてあと4万円がはらえない。ぼこぼこにされるなら死んだほうがましだ」などと書いた遺書を残していた。
1998/3/25 在校生を使って恐喝行為をしていた卒業生の無職・少年A(17)を恐喝未遂と傷害、強要の容疑で逮捕。男子生徒B(中2・14)を任意で取り調べ。
1998/5/8 千葉家裁で飯島敬子裁判官は、「生活費や遊興費を得るために中学の後輩を脅すなど非行態様は悪質、執拗(しつよう)」「他者の気持ちを考える力を身につけさせることで、更正を図る必要がある」として、Aを中等少年院送致の保護処分に決定。 |
980320 |
1998/7/ |
広島県立沼南高校の金高(きんたか)慎くん(高1・16)が、同級生ら7人からの度重なる暴行を苦に自殺。
暴行した男子同級生2人を少年院に送致。 |
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1998/8/6 |
新潟県岩船郡朝日村の朝日中学校の男子生徒Aくん(中2・13)が自殺。 男子生徒は同級生から暴力的ないじめを受けていた。保護者同士が話し合い、クラス内のいじめは沈静化したが、部活で陰湿ないじめが続いていた。
1999/7/ いじめた同級生のうち2人が暴行容疑で家裁新発田支部に書類送致され、1人が不処分、1人が試験観察処分。
2000/ いじめた側の生徒3人の親と話し合い、それぞれが和解金を支払って示談になった。 |
980806 |
1998/12/26 |
福岡県飯塚市内の私立飯塚高校の古賀洵作(しゅんさく)くん(高2・16)が、同級生に60万円要求され、自殺。
同級生6人を恐喝未遂等で中等少年院に送致。 |
981226 |
1999/7/6 |
愛知県岡崎市で、中学校の男子生徒(中2・13)が自殺。
周囲に「(仲間に)殺されてしまう」と冗談まじりに話していた。
8/3 男子生徒に盗みを強要したり、自殺の前日(7/5)に集団暴行をしていた少年2人(中3・14)(中3・15)を逮捕。暴行に加わった容疑で、少年2人を書類送検、少年1人(中2・13)を児童相談所に通告。 |
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1999/11/8 |
千葉県山武郡の高校の男子生徒(高3・18)が首吊り自殺。
家族にあてた遺書に、同級生の名前をあげて「お金を払う事にもうたえられませんでした」「十万円借りがあり、二万円払ったのですが、残り八万円を返しといてください。ちなみに、おどしとられていました」と書かれていた。
11/24 同級生の男子生徒(高3・18)を暴行と恐喝容疑で逮捕。 |
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1999/11/26 |
栃木県鹿沼市立北犬飼中学校の臼井丈人くん(中3・15)が、自宅の押入の取っ手にタオルをかけて首吊り自殺。同級生2人に下着を無理矢理ぬがされたり、「肩パンチ」というゲームにかこつけて肩を殴られたりしていた。
県警は元同級生の男子生徒(15)2人を暴行容疑で宇都宮地検に書類送検。
2000/11/ 宇都宮家裁は、いじめと自殺の関連については判断を留保し、2人を暴行の非行事実で保護観察処分。 |
991126 |
2000/4/28 |
福岡県太宰府市の高校の男子生徒(高2)が自宅の納屋で首吊り自殺。
6/14 2月から5月まで、この生徒を含む知り合いの高校生3人を自宅や公園などに呼びだして殴るけるの暴行を加え現金30万円を恐喝していた容疑で、私立高校の男子生徒(高2・16-18)4人と県立高定時制の男子生徒(高2・18)を逮捕。 |
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2000/7/26 |
埼玉県川口市立中学校の大野悟くん(中1・13)が、自宅2階の納戸にあったスチール製の棚にズボンのベルトをかけ首吊り自殺。自殺の前日、電話のメモ用紙に生徒が書いたと見られる「HELP」という文字を家族が見ていた。
川口署は、暴力などのいじめを繰り返していた(常習暴力)とし、同級生9人を県浦和児童相談所に通告。(9人は14歳未満で、刑法の適用を受けない)
8/4 川口署はいじめをしたとされる同級生8人を順番に、保護者同伴で事情聴取。
10/4 同署は、同級生男子9人(中1・13)を児童福祉法に基づき、県浦和児童相談所へ通告。
いじめと自殺との因果関係については触れられていない。 |
000726 |
2000/10/11 |
福岡県北九州市小倉南区の中学校の男子生徒(中3・15)が、恐喝を苦に、「僕はもう疲れました」などと遺書を残して、自宅で自殺。
警察は、同区内の会社員(19)、専門学校生(19)、アルバイト店員(15)、無職少年を含む9人(15-19)を暴行や恐喝容疑で逮捕。 |
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2006/10/11 |
福岡県筑前町の町立三輪中学校の森啓祐くん(中2・13)が、自宅納屋で首吊り自殺。「いじめられてもう生きていけない」「いじめが原因です。さようなら」などと書いた遺書があった。中学1年生のときの担任教師から「偽善者」などと言われていたことが発覚。
2007/2/ 啓祐くんを羽交い絞めにしてズボンを脱がそうとした5人の生徒について、「いじめの中心グループではなが、いたずらの3限度を超えた」暴力行為処罰法違反(共同暴行)の容疑で、14歳だった3人を福岡知見に書類送検。13歳だった2人を児童相談所に通告。
2007/6/18 「3人は内省を深めており、再飛行の危険性は減退した」として、不処分の決定。
13歳だった2人については、反省の気持ちをつづった誓約書を受け取って、指導を終了。 |
061011 |
2006/11/12 |
埼玉県本庄市で、市立本庄東中学校の男子生徒Aくん(中3・14)が、別のクラスの生徒らに金銭要求されたことなどを苦に、自殺。
2007/3/ 加害生徒を男子生徒らに対する恐喝未遂容疑で書類送検。
2007/6/ さいたま家裁熊谷支部は、加害生徒を保護処分にする。 |
0611121 |
2007/7/3 |
兵庫県神戸市須磨区の私立滝川高校で、男子生徒(高3・18)が、校舎から飛び降り自殺。ズボンのポケットに「金を要求されたが払えない。成績も下がり、死ぬしかない」などと記したメモが残っていた。
男子生徒は2年生の頃から、同級生グループ内で仲間の食料を買いに行かされたり、全員の飲食代を支払わされたり、日常的に嫌がらせを受けていたという。
同級生の男子生徒ら4人が家裁送致される。
2007/9/ 恐喝未遂容疑で逮捕される。
12/4 神戸家裁は、恐喝と脅迫の非行事実で少年審判を開き、Bを中等少年院送致とする保護処分を決定。
2007/9/25 同級生の男子生徒2人(高3・17・18)を恐喝未遂容疑で逮捕。
2008/3/10 残り3人を保護観察処分とする。 |
0707031 |
2007/10/31 |
岡山県岡山市の女子生徒(中3・14)がJR山陽線で列車に飛び込み自殺。
9月中旬、女子生徒が開設していたインターネットの掲示板に、「それこそ嫌われ物間違いなしね もう既に嫌われ物かッ」などの内容が書き込まれていた。
12/ 母親がサイトの書き込みを発見し、容疑者不詳のまま告訴。
2008/2/28 同級生(中3)を侮辱の非行事実で岡山家裁に書類送致。 |
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2007/11/16 |
岡山県岡山市の公立中学校出身の私立高校の男子生徒(高1・16)が自殺。
遺書にいじめに関する記述はなかったが、ほぼ全身に多数のあざがあった。
2007/11/19 中学校時代の先輩で、土木作業員の少年(18)と、自殺した生徒と同じ私立高校に通う男子生徒(高2・16)が、後輩ら3人を河川敷に呼び出し暴行を加えたとして傷害容疑で逮捕。自殺した男子生徒も暴行などの被害にあっていた。 |
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2008/2/6 |
北海道芽室町の私立白樺学園高校の男子トイレで、男子生徒(高1・17)が首吊り自殺。
男子生徒は2006/5/頃から2年生3人に殴られるなど暴行を受け、教師らが指導した。2007/1/末には校外の少年に金をせびられたとして、母親が担任教師に相談していた。
警察は男子生徒の遊び仲間の板金工の少年(17)と無職少年(16)を傷害容疑で逮捕。「最初は冗談でやっていたことがエスカレートしてしまった」と話した。
自殺の2日前に、無職少年の部屋で男子生徒に「耳のピアスの穴が小さい。大きくしてやる」と言って、ピアス用の器具を入れて無理やり広げた疑い。また、飲酒を強要していたことも判明。 |
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2010/6/7 |
神奈川県川崎市多摩区の市立中学校の篠原真矢(まさや)くん(中3・14)が、自宅トイレで硫化水素自殺。
遺書に「死ぬことについてごめんなさい。友達をいじめから助けられなかった。14年間生きていて楽しかった」などと、4人の実名をあけて男子グループのいじめを告発していた。
2010/8/25、神奈川県警は今年2月に教室でズボンやパンツを無理やり脱がすなどの暴力行為法違反の疑いで3人を書類送検。1人(2月時点で13歳)を児童相談所に通告。
4人は、いじめた側として遺書に実名が挙げられていた。
2011/3/3 横浜家裁川崎支部(大伴慎吾裁判官)は、送致された同級生の男子生徒3人を保護観察処分に決定。 処遇期間は通常の1年程度より短い「一般短期」とし、約半年間、保護観察官らと面談し、指導を受ける。
大伴裁判官は決定理由について「総合的に考慮して3人が更生できると判断した」と説明。 |
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