注 : 被害者の氏名は、一人ひとりの墓碑銘を私たちの心に深く刻むために、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。 また、学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。 |
S.TAKEDA |
0707031 | いじめ自殺 | 2009.3.新規 |
2007/7/3 | 兵庫県神戸市須磨区の私立滝川高校で、男子生徒(高3・18)Aくんが、校舎から飛び降り自殺。 男子生徒は2年生の頃から、同級生グループ内で仲間の食料を買いに行かされたり、全員の飲食代を支払わされたり、日常的に嫌がらせを受けていたという。 |
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遺 書 | ズボンのポケットにメモがあった。 「楽しく過ごさせてもらいました」と両親への感謝を表す言葉や、「金を要求されたが払えない。成績も下がり、死ぬしかない」などと書かれていた。 サイトについて、「写真は無理やりとられた」「作ったのは僕じゃない」と書いてあり、中傷を苦にする文面もあった。 |
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いじめ態様 | Aくんは、同級生ら3人に、教室の机やかばんの中などに紙粘土を数回入れられていた。 Aくんは紙粘土を「気持ちが悪い」と避けていたことから嫌がらせをされたらしい。 飲食店に使い走りをさせられていた。 「うそ1回につき罰金1万円」という罰ゲームを取り決めていた。 携帯電話のメールなどで、金を払うよう脅されていた。 2007/6/ 男子生徒2人(高3・17・18)も、BがAくんに現金を要求する際、「おれの(罰金の取り分)はいくらか聞いて」などと依頼していた。 フットサル同好会紹介のためのインターネットサイトにメンバーのプロフィールなどとともに、男子生徒を「うそつき」などと中傷する内容の書き込みもあった。 同サイトに、男子生徒の裸の下半身の写真が掲載されていた。被害の男子生徒が見つけて削除したもよう。 サイトは、途中から個人攻撃が目立つようになり、閉鎖された。 (後にいじめにBが作成・管理していたことが判明) |
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被害者 | 2006/3/ Bを含む同級生4人と一緒にフットサルの同好会を結成。5人で活動していた。 | |
加害者 | 同級生の男子生徒ら4人が家裁送致される。内3人はフットサル同好会のメンバー。 Aくんは、4人以外の複数の同級生からも「金を要求されている」と漏らしていたという。 リーダー格の男子生徒Bは、被害者と同じフットサル同好会に所属。登下校も一緒だった。 男子生徒の葬儀に、Bは遺族とともに涙を流しながら、ひつぎをかついだという。 2007/9/ 恐喝未遂容疑で逮捕される。 12/4 神戸家裁は、恐喝と脅迫の非行事実で少年審判を開き、Bを中等少年院送致とする保護処分を決定。 2007/9/25 同級生の男子生徒2人(高3・17・18)を恐喝未遂容疑で逮捕。 2008/3/10 残り3人を保護観察処分とする。 |
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担任教師ほかの対応 | 2006/秋頃 2年生の2学期に、Aくんの机の上に紙粘土が置かれているのを担任教師が発見。Aくんに声をかけたが、「大丈夫です」と言われたため、ほかの生徒に注意をしなかった。 Bが逮捕されてから、学校長に報告をした。 |
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学校ほかの対応 | 学校側は、同級生への聞き取り調査で、Aくんが金銭要求されていたことや、使い走りをさせられていたことを把握。 しかし、「いじめられていた」という証言がなかったことから、「命令だったり、本気の要求ではない」とした。 自殺した日の朝に模擬試験の結果発表があったことから、「成績が良くなかったことなどが原因ではないか」と考え、「成績を苦にした自殺」と報告していた。 2007/9/17 校長は記者会見で、被害生徒と逮捕された男子生徒とは、最も仲の良いクラスメート同士に見えたといい、「いじめや嫌がらせがあったとは認識していない」と発表。 9/21 学校はいじめがあったと認める学内の調査結果を公表。しかし、遺族に対して事前に連絡や説明をしていなかった。 学校は、月命日などに数回、校長や担任が遺族宅を訪れていたが、いじめについての言及はなかった。 12/6 学校は加害生徒らを退学処分。 |
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調 査 | 男子生徒の自殺後、学校側は同級生ら70人に聞き取り調査。 | |
参考資料 | 2007/9/18毎日新聞、2007/9/20毎日新聞・夕刊、2007/9/22毎日新聞、2007/9/23朝日新聞、2007/9/25毎日新聞、2007/12/5讀賣新聞、2008/3/11毎日新聞・夕刊 | |
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