はじめに
どの提案もそれが開発の目的に適うものかどうか
という基準に従って判断されなければならない。
そして開発の目的とは
人々である。
ジュリアス・ニエレレ
現在、日本の開発の目的は『人々』となっているのでしょうか。
これが私たちのODAに関する関心の最も基盤にあるものです。ODAは外交政策の一環であるかもしれませんが、究極的にはODAは途上国の『人々』の貧困の解消を目的としなければいけないと思います。この目的を達成するために日本はODAを変革させる必要があると考えます。
今、日本では行財政改革が叫ばれるようになり、今まで「聖域」として手をつけられることがなかったODA予算が削減される、ということになりました。これにあわせ、政府・経済界・NGOなどさまざまな機関・人がさまざまな立場からODAの今後について考えを述べています。
私たちも決して他人ではありません。ODAが私たちの税金や郵便貯金を利用していることもありますが、環境破壊や難民の問題、人口爆発など、地球的規模の問題は、私たちにとって無関心でいるわけにはいかない状況にまで到達しています。開発の目的となる『人々』には供与者である私たち個人個人も含まれているのです。
開発の目的を『人々』とするために私たちができることは何でしょうか。これは各人が各人で考えていくべき問題だと思います。この思考を助けるためにこのパンフレットを用意しました。一助となれば幸いです。
京大ユニセフクラブ 1997 ODA研究班
注:以下のページには、グラフや図が未掲載のものが含まれています。
目次
はじめに
第1部 ODAの基礎知識
第2部 ODAの諸問題
2.ODAにおける情報公開
1.情報公開はなぜ必要か
2.情報公開の現状
3.海外の情報公開の状況
4.情報公開法とODA
5.ODAに関する情報公開に望むもの3.ODAにおける環境アセスメント
1.なぜ環境配慮について考えるのか
2.環境影響評価(環境アセスメント)とは
3.日本でガイドラインが作られるようになったきっかけ
4.日本における環境配慮の歴史
5.日本における環境配慮手続
6.海外援助機関の環境アセスメント
7.日本の環境配慮の問題点用語集
主要参考資料