第2部 ODAの諸問題

情報公開


 ODAは住民によって、コントロールされる必要があります。現地の住民によって、そして供与する側の国民によって。これからのODAを考える際に、この視点が非常に重要になってくるのではないでしょうか。

 ここでは日本国内について考えてみます。

 これまでODAが、さまざまな人から批判されるような内容であったのは、ODAが政府と企業の手によるものとなってしまっていたことに主な原因があるように思います。私たちは自分たちの意志に沿うような形でODAを供与する必要があります。

 ODAを住民の手に戻すためにはどうしたら良いのでしょうか。

 ODAのプロセスを法的に保障することも必要だし、ODAについての審議の場を国会に設けることも必要です。しかし、それと並んでODAをコントロールするために重要なことは、「正確な情報を手に入れる」ことではないでしょうか。

 現在、以前より改善しているとはいえ、まだまだ一般の人々がODAに関するさまざまな情報を手に入れることは困難なものとなっています。このように行政機関がその情報を独占している状態では、行政をコントロールすることは難しい、と言わざるを得ません。

 情報公開の現状、情報公開に望むものをこれから取り上げます。

 

1.情報公開はなぜ必要か


 最初に前提としてODAに関する情報公開がなぜ必要なのかをはっきりさせておきたい と思います。

 情報公開は次の理由のために必要だと考えます。

  1. 国民には『知る権利』がある。
  2. ODAをコントロールするために必要不可欠である。
  3. 自分たちの税金・郵便貯金などが使われているため、政府には説明責任(アカウンタビリティ)がある。

 これを念頭に置いた上で、情報公開について話を進めていきます。

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第2部 医療分野のODA 2.情報公開の現状

 

 

第1部 ODAの基礎知識
.[1.ODAとは] [2.歴史] [3.現状] [4.批判] [5.改革に向けて]

第2部 ODAの諸問題
[医療分野のODA] [情報公開] [ODAにおける環境アセスメント]

1997年11月祭研究発表 「ODA研究発表」のページへ