原題:LIVING HELL-The Israeli Prison System as a Network of Torture Camps
訳者(三毛猫プロジェクト)から
イスラエルの人権団体 B’Tselem(ベツェレム)が 2026 年 1 月に発表した報告書「LIVING HELL -The Israeli Prison System as a Network of Torture Camps(生き地獄‐拷問収容所ネットワークとしてのイスラエル刑務所制度)」の日本語版をお届けします。1989 年の設立以来、B’Tselem は占領地域におけるイスラエルの人権侵害について、統計データ、証言、映像記録に基づき、意見書や報告書を公表し続けてきました。
本報告書は、B’Tselem が 2024 年 8 月に公表した「WELCOME TO HELL(地獄へようこそ)」の続編になります(未翻訳、https://www.btselem.org/sites/default/files/publications/202408_welcome_to_hell_eng.pdf)。前回の広範な調査と分析を基に、ここ数ヶ月でイスラエルの刑務所から釈放されたパレスチナ人 21 名による新たな証言と最新の数値を示しています。また、他のイスラエル及び国際的な人権団体からのデータも参照してあります。この更新された情報では、イスラエルの刑務所がパレスチナ人に対する拷問収容所のネットワークとして機能し続けており、組織的虐待が以前よりもさらに広範に行われていることを明らかにしています。具体的には、身体・精神的虐待、非人道的な環境、意図的な飢餓状態への追い込み、医療行為の拒否によって、刑務所で多数の収容者を死に追いやっているという事実です。一部の証言者は、性的暴力や虐待を受けた、あるいは目撃したと述べています。刑務所の拷問収容所のネットワークへの変貌は、パレスチナ共同体の解体を目的とした、パレスチナ社会に対するイスラエル政権の組織的な攻撃の一環となっているのです。
実は B’Tselem の評議員で、女性平和活動家ヴィヴィアン・シルヴァー氏もハマスによる 2023 年 10 月 7 日の攻撃でベエリ・キブツの自宅で殺害されました。彼女は、2014 年にアラブ系とユダヤ系のイスラエル人女性による宗教を超えた草の根組織「女性による平和の推進(Women Wage Peace)
」の共同創立者で、襲撃の 3 日前、平和のためのイスラエル‐パレスチナ女性合同集会の準備を手伝っていました。シルヴァーは隠れ場所から息子ヨナタンに当て、最後のメッセージ「お前を愛しているよ。彼らは家の中にいる。冗談はやめて、さよならを言う時だわ」を送っています。シルヴァーの殺害後、息子のヨナタン・ツァイゲンはフルタイムの仕事を辞め、彼女の遺志を継いで平和活動家になっています。
2025 年 7 月 28 日、B’Tselem と Physicians for Human Rights-Israel(人権のための医師団・イスラエル)はエルサレムで記者会見を開き、パレスチナ・ガザ地区でのイスラエルの行為は、パレスチナ人に対するジェノサイド(集団虐殺)に該当すると非難しました。イスラエルに拠点を置く人権団体が、記者会見で自国をジェノサイド行為で非難するのは初めてのことでした。長年に渡りイスラエル国内で活動してきた両団体は共同声明で、「この暗黒の時代において、物事をありのままに表現することが特に重要だ」とし、「イスラエルはこの犯罪行為を直ちに停止するよう求める」と訴えました。


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