イラク爆撃報道批判 アナン事務総長UNSCOMの役割に疑念

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UNSCOMスパイ疑惑 緊急・メディア関係者必見!

1999.1.8

日経(1999.1.7夕刊)ワシントン=村松雅章「6日付けの米紙ワシントン・ポストなどはアナン事務総長が米国のスパイ活動について『説得力のある証拠』を入手した、と報道。事実なら米国の対応に国際的な非難が集中するのは必至だ」

上記の日経報道の情報源記事を急遽、抜粋して訳出


アナン事務総長UNSCOMの役割に疑念

(ワシントン・ポスト99.1.6.抜粋)

 アナン国連事務総長に近い人物複数からの情報によれば、 事務総長は、イラク政権転覆作戦に役立つような イラク政府の機密に属するやりとりを米国が「盗み聞き」するのを、UNSCOMが助けていたことを証明する説得力のある証拠を入手したという。

 事務総長は、盗み聞きが大量破壊兵器の取締に役立ったことも認めているが、米国政府の主な狙いはサダム・フセインの身を警備する機構に関する情報を収集することだったと考えている、と情報提供者は言う。

 事務総長が相談相手としている人物の一人は匿名を条件に「事務総長は、UNSCOMがその任務の範囲を越えて米国のための情報収集システム作りに直接関わったことを知った」と語っており、ほかの2名の相談相手の話もこれに呼応している。「国連は加盟国の体制転覆に手を貸してはならない。UNSCOMの一番根本的な過ちはここにある」

 アナンは、UNSCOMの任務に新たな制限を設けること、委員長の更迭を考えており、米国政府もこの見解に対して反対の姿勢を和らげ始めている兆しが窺われる。

 バトラー委員長は、WPの電話取材に対し、アナン発言を全面的に否認し、国連加盟国でUNSCOMの作業を援助した国は多数あるが、そういう援助はUNSCOMの任務の枠内に厳しく制限されたものであり、自分は特定の国の利益を図るようなことはしていない、と語った。

 アナン事務総長の発言は、バトラー辞任を準備することを狙ったものであると同時に、今後、盗み聞き作戦の責任を追及されたくないとの意向によるものだ。ジョン・ラギー(Ruggie)副事務総長は、WPからこの記事のための取材を受けたあと、事務総長と相談した上でWPにステートメントを寄せ、その中で、事務総長はUNSCOMの活動を直接監視するわけではないので、その具体的内容はこれまで知ることがなかった、もし言われていることが事実だとすれば、国連の軍縮活動全体にとって重大な問題になるだろう、と言っている。

 この問題は、UNSCOMの困難を浮き彫りにした。調査官は往々相反する別々の政府の利害にコミットしていくことになる。情報収集技術の高度化により、UNSCOMは、どの国が最も微妙な機密情報の収集に関わり、またそうして集めた情報がどのように利用されるかをめぐる問題に巻き込まれていった。「我々はサダム個人の身を守る警護システムと兵器を隠匿するシステムが不可分の同一のものであることをつきとめており、この二つの情報収集を区別することは不可能だ」と米国政府のある高官は言う。

 WPは既に10月12日に、UNSCOMの活動と米国の諜報活動が連携しているケースである「木を揺すぶれ」作戦を報じた。UNSCOMがCIAから情報を得ることはエケウス時代からあったが、UNSCOMが米国の情報収集に関わったという証拠が公に論議されるのは、これが初めてである。

 CIA、国務省、連邦政府は正式のコメントを拒んでいる。

 事務総長の相談相手の中には、米国政府に直接懸念を伝えることを勧めた人物もあったが、事務総長は、米国との正面きって衝突することは自滅的行為だと、これを避け、代わりにマスメディアに報道させて、あとは成り行きに任せる考えだと言う。


 以上。