武蔵野版『不祥事隠し』独自捜査シリーズ(その19)

武蔵野市は大手紙記者と
何度も「クラブ」「一社毎」酒席「懇親」

2000.10.1. mail再録

 本シリーズ(その17)では、2000年10月3日13時からの住民監査請求の文面とともに、13時30分からの記者会見の模様に関して「次回に市長交際費や秘書室食料費、広報課長交際費や広報課食料費による『官・報』接待の実態と合わせて報告する」と記した。しかし、その「次回」であるべき(その18)では、同監査請求の受理と10月17日の意見陳述の日程の発表、傍聴参加要請を優先せざるを得なかった。その間、某週刊誌記者から別件で電話取材を受けた際、本シリーズをホームページで見て記事化を検討するとの約束を得たので、急ぎ、とりあえず以下、1回遅れで約束を果たし始める。量が多いので次回にも続く。

各社すべて「官・報」接待は「自粛に反する行為」と認めるが?!

 数年前、全国各地の情報公開運動によって、地方自治体が税金を使って中央官庁の高級官僚を抱き込む「官・官」接待が暴露され、社会問題化した。県知事の改選にまで至った例もあったが、それと同時に、悪名高い「記者クラブ」の方も、しょっちゅう、中央お呼び地方の官僚から接待を受けていることが判明し、批判が高まり、各社は「官・報」接待の「自粛」を表明した。

 しかし、この自粛は守られていない。各社ともに、景品付きヤクザ拡販が問題になる度に、何度も、何度も、口ばかりか紙面の上でも、自粛を唱えながら、決して、決して、この押し売り商売の方式を捨てようとしないのが実情なのだから、新聞社の「自粛」などを信ずる方、いや、何度も騙されながら、まるで懲りない読者の方がド馬鹿なのである。

 今回、私は、言質を取るために、一応、自腹を切って各社に電話で確かめた。中央紙の朝、毎、読、産経、日経、ブロック紙の東京、各社ともに、「会費制の忘年会程度に止めよとの自粛方針に変わりはない」旨を表明した。中には、「自分も記者だったので奢られたら奢り返すとか」、などとユルフンの怪しげな個人見解を述べる例もあったが、総じて、官費接待を受けるのは「社の方針と反する行為」と認めた。通信社の共同、時事、経済専門誌の日刊工業、NHKほかの放送各社が参加したらしい「記者クラブ懇親会」(次回)もあったが、NHKは、いつも、いつも、一番胸糞悪い対応振りだし、民放は新聞社系列だし、電話料金と時間の無駄を省いた。

すぐにバレル「会費制」の偽装の大嘘を平気で撞く神経に唖然

 市長の交際費と秘書課の食料費については、昨年、某市民が情報公開させた領収書などのコピーを貰っている。その後の分は情報公開を求めている最中である。獲得次第、再度、全部を点検した上で、追加報告する。

 一般市民は、特に市長の大盤振る舞いが気になるので、そこだけを調べたがる傾向がある。だが私は、元日本テレビ放送網株式会社の広報部員だった。ラディオ・テレヴィ欄担当の記者たちの接待をした経験もある。だから、官費の記者クラブを抱えている広報部の方が、もっと、もっと巨額に違いないと睨み、情報公開を求めた。

 現在の武蔵野市の文書課の情報公開担当者のKは、広報課から配置換えになったばかりである。そのKに、保存義務のある過去5年間の広報課の交際費と食料費の公開を求めたところ、「広報課と記者さんとの懇親会は会費制です」と断言した。

 ところが、渋る相手を捩じ伏せて、保存期間の全部を公開させ、いちいち点検してみると、何と、書面上、記者が「自費精算」とか「会費徴収」と記されているのは、たったの2回しかなかった。Kは、武蔵野市の職員の中では、あくまで比較的にではあるが、まともな方に見えたのだが、やはり、この程度の嘘付きだったのである。

武蔵野市の交際費、食料費の内、大手メディア対象部分

 記者接待および交際費による寄付などは、その対象を、大手メディア相手と地方紙相手に分けて報告する。地方紙の分は別途とし、以下、大手メディア対象の部分を列挙する。市長および広報課長の交際費に関しては、地方紙への広告費名目の支出はあるが、大手メディア向けはない。

秘書課の食料費

(「黒塗」とあるのは、その通りの黒塗りで名前を消した人物。税の詳細は省く)

日時目的場所新聞社武蔵野市総額(円)一人
1998.
9.3.
毎日新聞編集局
顧問他との
懇談会賄費
(タツミ)
辰三
顧問
局員1
黒塗1
市長
企画課1
計557,54011,508
伝票:品名単価金額
料理58,50042,500
ビール125506,600
冷酒48503,400
一品料理(追加)1780780
税込み合計57,540
日時目的場所新聞社武蔵野市総額(円)一人
1998.
9.24.
読売新聞栗村氏
ほかとの
懇談賄費
(たつみ)
辰三
栗村
社員3
市長計548,5109,702
伝票:品名単価金額
料理57,40037,000
ビール85504,400
焼酎ボトル13,5203,520
税込み合計48,510

 さて、以上は市長と一体の関係の秘書課の食料費の分だけである。片や、顧問だの黒塗人物だの、片や、肩書き不祥の栗村氏だの、顔役を呼び寄せるところが、すでに報じた警察相手の接待の場合と同様である。親分とは話が付いているのだと若い衆を押さえ込むヤクザの手法である。案の定、企画部広報課の食料費の方が数が多かったし、そちらには「エセ紳士」の異名の朝日新聞ご一行様だけの接待もあるのだが、あまりにも長くなるので、次回に回す。

以上で(その19)終わり。(その20)に続く。


(その20)なぜか地検八王子支部の別件呼出しを受け門前演説後に本件の再調査を迫る
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