独公共TV、「ナチ・ハンター」サイモン・ウィゼンタールを批判

ユダヤ民族3000年の悲劇の歴史を真に解決させるために ― 論証と資料

サイモン・ウィゼンタール ~いかさま「ナチ・ハンター」~ 1

ドイツ公共第1テレビの批判報道


毎日新聞(1996.2.10)記事全文

ウィゼンタール氏
TVで「ナチ・ハンター」批判
独 ユダヤ人社会に反響も

「ウィゼンタール氏」の写真

[ボン 9日岸本卓也]ドイツ公共第1テレビ(ARD)はナチスの戦争犯罪追及者(ナチハンター)として世界的に著名なウィゼンタール氏を批判する内容の番組を8日夜に放映した。番組はウィゼンタール氏個人の業績に疑問を投げ掛け、反響は世界のユダヤ人社会に広がりそうだ。

 番組は 8日午後 9時から20分間にわたって放映された。タイトルは「サイモン・ウィゼンタール、伝説の終り」とし、イスラエルの情報機関モサドの元幹部や米国司法省のナチス戦犯追及担当者らの証言を集めている。これらの証言からウィゼンタール氏のナチス戦犯追及運動への貢献は「伝説」に近く、実際にはウィゼンタール氏が運動を妨害した側面があることを浮かび上がらせている。

 ユダヤ人組織が全力を挙げた元ナチスの医師メンゲレの追及では、ウィゼンタール氏が南米のパラグアイやウルグアイなどを潜伏先に挙げたが、結局はメンゲレは発見されなかった。イスラエルの元パラグアイ大使は「ウィゼンタール氏が描く幻に振り回された」と不満を述べている。

 ウィゼンタール氏は今年87歳。ナチスの元幹部アイヒマンを南米まで追いかけて逮捕するなど、戦後のユダヤ人社会では英雄視された。同氏の名前をとった「サイモン・ウィゼンタール・センター」(本部・ニューヨーク)は昨年に日本で論議を呼んだ月刊誌マルコポーロの「ナチのガス室はなかった」とする記事に猛烈な非難をしたことでも知られる。


解説:この毎日新聞記事が現われたのは、『マルコポーロ』廃刊事件(1995.2.31)の約1年後(1996.2.10)である。

 そのさらに前(1994)に発行されていたリーフレットの記事全文を、つぎの頁以降で紹介する。このリーフレット及びその原論文の執筆者、マーク・ウィーバーは、ホロコースト神話維持者たちが「ネオナチ」呼ばわりする「歴史見直し研究所」発行の英文『歴史見直しジャーナル』編集長であり、私(木村愛二)は1994年末に、ロサンゼルス郊外の歴史見直し研究所を訪ねた初めての日本人として、2日間にわたり直接の面談をしている。その経過は拙著『アウシュヴィッツの争点』の冒頭に記した。

 毎日記事、またはその元になったドイツ公共第一テレビの番組の内容は、それに先行するマーク・ウィーバーの研究の正しさを立証するものである。

 なお、この小論文の最後には、「アイヒマン逮捕の業績」に関しても、オ-ストリア首相が「秘密情報機関の仕事」を「勝手に手柄にしているだけ」と批判した事実が記されている。

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