「テロ」か? 自作自演の戦争挑発謀略か?
アメリカ=イスラエル=世界支配構想の核心を突く
電網木村書店 Web無料公開 2006.2.2
第8章 アメリカ=イスラエル=日本の
連鎖構造理解が不可欠
(文中のURLは書籍発行当時のものです。繋がらない場合があることをご了承ください)
「存在が意識を決定する」という言葉がある。これは、日本の左翼の物知りがよく語る有名な言葉なのだが、いわゆる「唯物論」または「唯物史観」に基づくエンゲルスの言葉である。その意味での「存在」の状況として、論より証拠、私が考えている「アメリカ=イスラエル=日本の連鎖構造」の今の今の現状を象徴する事態を、具体的に呈示する。
9・11事件直後、日本は、直ちにアメリカの軍事力行使に呼応して、インド洋に軍艦を送った。バーレーンの米海軍第5艦隊司令部と調整するため、在バーレーン日本大使館に1等海佐と3等海佐の2人を派遣した。その後、イラクも攻撃目標に加わり、中東を縄張りとする米中央軍の司令部に、自衛隊員を連絡調整官として派遣する計画が進められた。外務省と防衛庁による派遣の予定者は1等海佐と2等空佐の計2人で、出張扱いで中央軍司令部に常駐する。同指令部には35か国の連絡調整官が常駐している。
米=日の軍と軍との直接関係は1978年から確立し議会は猿芝居のみ
いよいよ、本番か。そこで再び、昨年送った一連のわが通信の内の一つから抜粋し、読者の注意を喚起することにする。以下の「直接関係」の存在について、私が初めて知ったのは、1991年の湾岸戦争以後のことであるが、1980年の米上院の小委員会で、以下の証言が行われていたのである。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/akuukan-01-10-23.html
『亜空間通信』23号(2001・10・1)
【軍と軍の日米共同参謀組織の直接関係は1980年の米議会の約18か月前から】
ローソン中将 各位、私は統合参謀本部の作戦計画と政策部門の長官である。我々は約18か月前に、日本の統合幕僚本部との間に軍と軍との直接関係を確立した。あえて言うならば私は、日本とその防衛力の確立に関する現下の調査の主眼は、彼らが有権者にこれらの施策の必要性を伝え得る手段の発見に置くべきであると考える。[後略]
1980年から数えて「約18か月前」は、1978年である。この「軍と軍との直接関係」は一般には公表されていないから、「密約」である。
「有権者にこれらの施策の必要性を伝え得る手段」という持って回った表現は、「軍と軍との直接関係」で決めてすでに実行していることを、議会の猿芝居で「合法化」せよ、という意味である。この「密約」関係は現在も続いているに違いないのである。そうだとすれば、この「密約」関係は24年間の歴史を経ていることになる。本年、2002年8月29日に、防衛庁の広報に電話をして確かめたが、やはり、今も公表していない。しかし、応対した広報官は、そういうことが「あるでしょう」との判断を示したのである。
アメリカ上位軍事条約の盟主アメリカと共生するイスラエルの位置
以上のような象徴的な事態は、普通、日米安全保障条約の延長線上のこととして語られていることの深層の真相である。私は、この条約を、実態に即して、米=日軍事条約と呼ぶ。あくまでもアメリカが上位にいるのである。ところが、その盟主アメリカと共生関係とも言える位置にいるのが、「ホロコースト」神話を共有するイスラエルなのである。だから私は、アメリカ=イスラエル=日本の連鎖構造、ひいては世界支配構想の理解が不可欠だと考えるのである。
日本には、アメリカとイスラエルが出てくると、思考に混乱をきたす人々が多い。そういう人は、私が日本の歴史上ではアメリカ王朝期と区分する時代の「アメリカ民主主義教育」による徹底的な洗脳によって、自分では意識していないにしても、恐米畏縮症患者になっているのである。その深層心理の上に、「ホロコースト」神話が覆いかぶさっているのである。「アメリカ民主主義教育」の問題は別途、本書では後の第11章で詳しく論ずる。
さて、以上の第4章から第8章で、9・11事件の虚心坦懐な理解を妨げる諸要因の概略を観察した。その内、第4章「右往左往「テロ糾弾」合唱と条件反射の基底にアメリカ発テレヴィ動画」は、基本的な情報の媒体、メディアの問題の個別検証事例である。
残る最大の妨害要因は、前述のように第11章に予定するアメリカ帝国の神話、「アメリカ民主主義教育」の問題なのであるが、その前に、9・11事件の報道の「情報戦争」としての側面、もしくはメディアの総合的な問題点にも、光を当てる必要がある。
いわゆる「反戦」または「平和主義」の論者たちの中には、「戦争が嫌い」だから「戦争を知りたくない」「知らなくてもよい」などという子供っぽい甘えがある。この甘えを克服しないことには、9・11事件の真相も理解できないし、ましてや、その背後に迫ることは不可能なのである。そこで次の第9章では、メディアの問題の総合的検証への提起として、「情報戦争」の側面からの検証事例と課題を列挙する。