『9.11事件の真相と背景』(3)

「テロ」か? 自作自演の戦争挑発謀略か?
アメリカ=イスラエル=世界支配構想の核心を突く

電網木村書店 Web無料公開 2006.2.2

第1章 9・11事件自体の様々な疑問点

公式発表の経過と当日撮影ヴィデオ公開時にFBIの要請とかで「消去」の怪

 ニューヨーク2001年9月11日午前9時ごろ(日本時間では11日午後10時ごろ)、マンハッタンのワールド・トレード・センター南北棟に2機の飛行機が突入した。ワシントンのペンタゴンにも突入した。そして午前10時ごろ、ペンシルバニア州ピッツバーグ付近に飛行機が墜落した。これが公式発表である。

 CNNなどによって経過を記すと(時刻は現地時刻)、

 午前8時45分:アメリカン航空11便が、北棟に激突。

 午前9時03分:ユナイテッド航空175便が、南棟に激突。

 午前9時45分:アメリカン航空77便がペンタゴンに突入。

 午前10時00分:南棟が崩落。

 午前10時06分:ユナイテッド航空93便が、ペンシルバニア州ピッツバーグ付近に墜落。

 午前10時29分:北棟が倒壊(12秒間で倒壊)。

 午後5時21分:WTC7号ビル(47階)が倒壊。

 9月12日夜:WTC地区ホテル(21階)が倒壊。

 9月12日夜:WTC地区オフィスビル(9階)が倒壊。

 アメリカン航空11便は、ボストン・ローガン空港を午前7時59分に離陸した。そして、ユナイテッド航空175便は、同じくローガン空港を午前7時58分に離陸した。FAA(連邦航空局)は、離陸してまもなくこの2機が、ぶつかるほど近づいたのを確認し、この時ハイジャックされたのでは、と話している。

 アメリカン航空11便は、北東に進み、南に向きを変えた。ユナイテッド航空175便は、南西に進み、ニューヨークを通過後、北東に向きを変えた。

 アメリカン航空77便は、ワシントン・ダレス空港を、午前8時10分に離陸した。西に向かい、東に進路を変えたところで航跡を絶った。

 ユナイテッド航空93便は、ニューアーク空港を、午前8時01分に離陸した。1時間、西に向かい、東へ進路を変え、約2時間後の10時すぎ墜落した。

 フランスのフリー映像作家ノーデ兄弟は、ニューヨークで消防士のドキュメントフィルムを撮影していた。撮影を始めたのは2001年6月である。

 9月11日の朝、ガス漏れがあるというので、消防士とノーデの弟は現場に向かった。作業中、このあたりでは聞きなれない轟音が聞こえた。職業意識が働いて、自然に音の方にビデオが向いた。

 画面に映ったのは、飛行機が北棟に突っ込む瞬間だった。赤い炎が立ち上がった。これは、北棟突入を撮った唯一の映像と言われている。正式発表によれば9月11日午前9時46分のことである。

 午前9時03分、今度は南棟に飛行機が、幾分それ加減にぶつかっていった。この南棟突入の映像は、いくつか残っているようである。

 WTCビル突入の映像は、ノーデ兄弟の撮ったフィルムには音声が入っていた。ところが、例えばフジテレビで放送した9・11一周年特別番組では、他の人が撮ったフィルムは、FBIの要請とかで、発表されたものは音声が消されていた。その他にも映像音声が消されていることが指摘されている。

事件の証拠の瓦礫を調べず沖合のスタッテン島に運び出し「証拠隠滅」

 WTCビルは、北棟、南棟、7号棟を含めて、七つのビルから成っていた。北棟、南棟、7号棟をはじめ、そのビル群の大半が崩壊したのである。

 ビル倒壊現場には、ほこり、チリが立ち込め、しばらくの間、立ち入り禁止になった。白い粉状になったコンクリート粉が、5センチ以上も地上に積もった。

 アスベスト、ガス、プラスチック、その他の浮遊物質があたり一面に飛び散った。電気的な臭いを含んだ、吐き気を催す悪臭が漂い、ニューヨークで暮す人々を苦しめた。電気的な臭いというのは、英語のelectrical smellの直訳である。

 ある人が、「マンハッタンの化学戦争」と名づけた。まさしくそんな感じだった。

http://naturalhealthline.com/newsletter/15sep01/wtc.htm
The World Trade Center Terror Attack:
Will the Environmental Impacts Harm Even More?

 崩壊したビルの瓦礫に、絶えず水をかけつづけた。建物を壊したとき、必ず水をかけるように、当たり前のことをしたのである。ところが、なかなか消えずに、3か月以上も燃えつづけた。すさまじさがよくわかろう、というものである。

 その後、上院WTC倒壊調査委員会のメンバーは、公聴会で、「我々が倒壊現場に入れたのは、事件後1か月以上もたってからだった」と不満を述べている。

 にもかかわらず、証拠となるはずの瓦礫を調べようともせず、160万トン以上もの瓦礫を、3か月にわたり、マンハッタン沖スタッテン島に運び出してしまった。

 問題は二つあった。一つは瓦礫の中の遺体、遺品による身元確認である。もう一つは、瓦礫に残った建物の残骸、遺体、遺品を調べて、ビル崩壊の原因を探ることである。

 身元確認は、2002年7月15日をもって打ち切られた。判明したのは、行方不明者約2800人の4割にあたる、1200余人だった。

 最初のころ専門家は、遺体を焼却するには、華氏3200度(摂氏1778度)で30分、熱する必要があると言っていた。ジェット燃料は、通常の家の火災温度華氏1700度以下にしかならないので、遺体の内部まで燃えてしまうことはない。だから身元確認は可能、という判断である。

 ところが、AP通信は、被害者は「蒸発した」かもしれない、というショッキングな報告を出したのである。原典は以下の『ワシントンポスト』の記事。

http://www.papillonsartpalace.com/wtc.htm
WTC Victims May Have Been 'Vaporized'

 11月になって、主任検死官のハーシュ博士は、遺族を前に、「遺体が蒸発してしまった、と言うしかない。識別しようにもできなかった」と述べた。彼がインタビューを断ったので、くわしいことはわからない。「蒸発した」というのは、英語でvaporizedと表現している。現地の専門家の見解は、注目すべきだろう。

 WTCビルの崩壊は、いわば殺人事件である。ところが、現場保全を一切しないまま、瓦礫を運び出してしまった。証拠をスタッテン島に運んでしまったのは、証拠隠滅と言われても仕方がないだろう。このアメリカ政府のやり方に、上院WTC倒壊調査委員会のメンバーは、公聴会で、搬出された鉄骨類が調査されないうちに処分されたことはおかしいと、疑問を提出した。

 消防士たちも、真相究明をするべきだ、と声をあげている。消防士たちの雑誌"Fire Engineering"は、FEMA(連邦緊急時管理局)やアメリカ土木技師協会が急いで進めた「公式調査」なるものを、"Half-Baked Farce"「生はんかの茶番劇」と称した。しかし、当のFEMAは「記事を見ていない」という理由で、コメントを拒否している。

http://www.rense.com/general18/collapse.htm
NY Firefighters Want Investigation Into WTC Collapse

 不思議なことに、FEMAが事件の前日、つまり10日の夜遅く、ニューヨーク市に配備されていたという情報があり、CBSのニュースキャスター、ダン・ラザーが、FEMAの一員から直接聞いた話として報道されている。FEMAは、攻撃が起こる前日の夜、ニューヨーク市に探索・救出チームを送ったというのである。信憑性は高いと思われるが、そうだとすると、FEMAは、11日朝に何かが起こることを知っていたことになる。

http://www.tidbitsnews.com/wtc_iv.htm
World Trade Center Part-IV
(Opps.. The U.S Government Knew in Advance? The Hal Turner Radio Showの項)

 もう一つ気がかりなことは、残骸を片づけている業者が、コントロールド・デモリション・グループだということである。ここは、大きなビル解体の専門会社で1995年4月に爆破されたオクラホマ連邦ビルの解体も請け負っている。この時この会社は、瓦礫を運び出し、それを穴に埋めてしまい、残った瓦礫をフェンスで覆い、人を入れなくしてしまった。

 この事件の時も、いろいろな疑惑があり、どんな爆弾が使われたのか調べる必要がある、との声があった。その声を無視し、真相究明を邪魔する態度を取ったわけである。

http://www.rense.com/general17/eyewitnessreportspersist.htm
Eyewitness Reports Persist Of Bombs At WTC Collapse

http://www.public-action.com/911/psyopnews
WAG THE WTC ・
BOOMING BUSINESS IN CONTROLLED DEMOLITIONの項

 さらには、WTCビル群の管理に関する疑問もある。

 WTCビルの所有者は、ニューヨーク州・ニュージャージー州港湾局だった。その後、WTCビル群全体の所有権が、港湾局から、すでに7号ビルのオーナーだったラリー・シルバースタインに移った。事件の7週間前のことである。32億ドルで、99年間の契約だった。事件によるビル本体、オフィスの賃貸料は、すべて保険で補償されることになっていた。ラリー・シルバースタインも、事件によって利益を得た一人である。

http://www.public-action.com/911/psyopnews
WAG THE WTC ・
WESTFIELD, SILVERSTEIN AND THE WTC GOLDEN GOOSEの項

 事件後、アメリカ政府は、被害にあったWTCビル群の跡地の管理を、イギリスの会社2社とドイツの会社1社、そしてアメリカの会社1社にまかせることにした。イギリスの会社AMEC社は北棟、6号棟、7号棟とともに、スタッテン島、ペンタゴンの管理もまかされた。

 北棟、7号棟、ペンタゴンなど、いずれも重要な事件現場を請け負ったということは、注目すべきだろう。

http://www.americanfreepress.net/08_16_02/Foreign_Firms_Charged_/foreign_firms_charged_.html
Foreign Firms Charged With Disposing of WTC Evidence

イギリスの位置づけと事件後のアフガン・アヘン生産爆発的増大の疑惑

 イギリスの会社が出てきたついでに指摘しておくと、9・11事件全体におけるイギリスの位置は重要なものがある。

(1) アフガニスタンの北部同盟の指導者マスードが暗殺されたとき、暗殺に向かったジャーナリストを装った工作員が持っていたのは、本物のイギリスのパスポートだった。

(河合洋一郎「ラディンのカゲにひそむ真の首謀者はこいつだ!」『週刊プレイボーイ』2001年10月2日号42頁。ただし異説があり、『朝日新聞』2002年9月10日朝刊9面では、偽記者が持っていたのはベルギーのパスポートと出ている)。

(2)  ブレア首相は、さかんにタリバン攻撃をけしかけた。

(3) 2001年2月から8月に開かれたアフガニスタンの将来を検討する非公式会合に、イギリスは、アメリカ、ドイツ、フランス、ロシア、パキスタン、イラン、タリバン政権とともに参加した。この席上、アメリカは、「ビンラディンを引き渡さないと、10月には戦争を開始する」と脅しをかけていた。

(浜田和幸『アフガン暗黒回廊/アメリカ「軍産複合地下帝国」の陰謀』講談社110頁)

 ついでに言えば、利益をあげた人々として、ドラッグ・シンジケートがあげられる。アフガニスタンのタリバン政権は、ケシ栽培を取り締まる政策を実行しつつあった。ところが、アメリカのアフガン爆撃以降、アフガニスタンのアヘン生産が爆発的に増えているのである。北部同盟がケシ栽培に大きく関わっている、とされている。

http://www.petitiononline.com/11601TFS/petition.html
Petition to the Senate to Investigate Oddities Involving 9/11 Terrorist attacks

12.) Role of the Northern Alliance in explosive growth of opium production in Afghanistan after U.S. military intervention

 もともとアフガニスタンはケシの原産国なので、質のよいアヘンが精製できるのである。

このことも押さえておいていいことだろう。

なぜ、世界最高を誇る「防空システム」による迎撃がなかったのか?

 米政府の対応のおかしさは、つとに指摘されている。特に問題とされたのは、F15戦闘機の緊急発進がかなり遅かったこと、ワシントンDCを守るアンドリュー空軍基地から、ペンタゴンに飛行機が突っ込むまで、1機の戦闘機も発進しなかったことなどである。田中宇は、『仕組まれた9・11』(PHP研究所)43頁で、「国家の安全の基盤となる防空システムは、技術的な不調を回避する措置が二重、三重にとられているだろうから、それがすべて機能しなかったことは、自然な機能不全ではなく誰かが故意にシステムをダウンさせた可能性が高い。だとしたら、それは末端の担当者ではないだろう」と指摘している。

ペンタゴン「爆発?」映像に飛行機の残骸はなく「証拠隠滅」疑惑

 CNN、NBCやAP通信によれば、最初のころは9月11日午前9時45分、ペンタゴンで爆発、というコメントだった。ということは、最初は、何らかの爆発が起こった、と思われていたことになる。

 しばらくたってから、飛行機がペンタゴンに衝突、というコメントに変わった。新聞、雑誌、書籍は、飛行機がペンタゴンに衝突した、という記事だった。

 ところが、これに異議を唱えたのが、フランスの独立系報道である。米陸軍の現場写真を調べたところ、飛行機が衝突したにしては、被害の場所、大きさが、機体の位置、大きさと一致しない、と主張したのである。その後ベストセラーになった本は、これとほぼ同じ内容であると伝えられている。

 確かにウェブサイトで見る限り、飛行機の残骸らしきものは映っていない。

http://www.asile.org/citoyens/numero13/pentagone/erreurs_en.htm
Pentagon Hunt the Boeing! And test your perceptions!

 消火にあたった消防士は、「飛行機の破片らしきものを確認した」という。ジャーナリストが、「言い換えれば、胴体部分のような類のものは見なかった、ということですね」と問うと、消防士は「目撃者に聞いてほしい」と言うだけだった。

http://www.worldnetdaily.com/news/article.asp?ARTICLE_ID=26777
So where is the plane?

 ペンタゴンに衝突したとされるアメリカン航空77便は、ワシントンDCのダレス空港を午前8時10分、ロサンゼルスに向かって離陸した。300キロ飛んだところで、レーダーから航跡が消滅してしまった。首都防空システムが構築されているワシントン近郊で、航跡を見失うとは、何が起こったのだろうか。この付近で着陸したか、低空飛行に移ったことが考えられるが、本当のことはわからない。飛行機の航跡がはっきりしないということが、ペンタゴンにこの飛行機が突入しなかった、と判断する根拠の一つとなっている。

http://www6.plala.or.jp/X-MATRIX/ym/y20020611.html
「積木細工」2002/06/13「各ジェット旅客機の地上レーダー捕捉航跡」

 ペンタゴンの方も、片づけ作業が極秘に行われ、証拠は何も公開されていない。

 アメリカン航空77便が乗客とともにワシントンを離陸したのは事実である。となると、この飛行機はどこに行ってしまったのだろうか。謎は残る。

最初の北棟への衝突機は小型「軽コミューター(近距離輸送)」の目撃証言

 さらに言及しなければならないのが、WTCビル北棟への衝突である。NBCが最初に伝えたところによると、ニューヨークの女性の証言は、小さな私有ジェット機が北棟に突っ込むのを見た。先が鼻のように丸い商用のジェット機ではなかった、と判断できるような言い方だった。

http://serendipity.magnet.ch/wot/plissken.htm
9-11:The Flight of the Bumble Planes
(このうちSecond Clue-First Report of WTC Crash の項)

 これだけでは、もの足りないので、NORAD(北米大陸防空総司令部。アメリカ、カナダが含まれる)の司令官の証言を聞いてみよう。彼は、2001年10月の上院軍事委員会の席上、「我々は、それが軽コミューター機だったと聞いた。だからあんな事態が、軽コミューター機によって引き起こされるとは思えなかった」と、証言した。コミューター機とは、通勤などに使う近距離輸送の飛行機である。

http://www.Public-Action.com/911/eberhart-testimony.html
Senate Armed Services Committee Holds Hearing on Role of Defense Department in Homeland Security

 上院軍事委員会でのものなので、かなり信憑性のある証言である。もしこれが本当だとすると、ジャンボ機はWTCビルに突っ込んでいないことになり、驚くべきことである。

墜落したユナイテッド航空93便墜落「英雄神話」は捏造?

 ユナイテッド航空93便が、ペンシルバニア州ピッツバーグ付近に墜落した件も不可解である。残骸はバラバラになり、積んであった手紙は、最も遠くで13キロメートルも飛ばされた。普通は、どのような状態で墜落したとしても、飛行機の部品が残るはずで、高速で地面に激突すれば、その破片は1キロ以上に散らばる。一番形を残すといわれる垂直尾翼や、客席がバラバラになっても原型をとどめるはずの座席クッション材(スポンジ)なども残っていなかった。

 こうした、あまりにバラバラで原型をとどめない有様に、ミサイルで打ち落とされたのでは、という意見が出てくることになる。

(「航空機テロ犯人たちの操縦技術(英国誌"FLIGHT"より)」『別冊航空情報/航空機テロの検証』酣燈社55頁)

http://news.independent.co.uk/world/americas/story.jsp?story=323958
Unanswered questions: The mystery of Flight 93

 公式発表は、アラブのテロリストが飛行機を乗っ取り、乗客と争いになり墜落した、という筋書きである。これは、「勇気ある乗客」という英雄神話として巷間に流布している。乗客との争いが本当にあったのか、という疑問は早くから出ていた。

 もし乗客がテロリストと闘い、その結果、飛行機が墜落したとすれば、乗客はコクピットに入っていることになる。そうなれば当然、コクピットのブラックボックスにその模様が残っているはずである。しかし、FBIは公表しなかった。だから今でも、コクピットでハイジャックと乗客の争いがあった、という件は疑問が残されたままである。

http://www.aim.org/publications/weekly_column/2001/12/28.html
WHAT ARE THEY HIDING ABOUT FLIGHT 93?

 関連情報として、パイロットと怒りの声を出しているハイジャック犯の会話が録音されたテープは、フェイク(模造品)である、とFBIが認めている。

http://friendsoffreedom.org/article.php?sid=495
Overview- World Trade Center Disaster

 原型をとどめない飛行機の残骸から判断できることは、飛行機が普通の墜落の仕方をしたのではない、つまり、テロリストと乗客が争っている最中に落ちたのではないということを示している。

 仕掛け人がいるとして、彼らがなぜこんなに飛行機をバラバラにする必要があったかである。これが解明できれば、事件の全容が分かるかもしれない、それぐらい重要なことと思われる。

リモートコントロール説の技術的可能性

 公式発表は、アラブ人が飛行機を乗っ取り、そのままWTCビルに突っ込んだ。いわゆる自爆テロを行ったというものである。しかし、これには重大な疑問がある。

 ジャンボ機を乗っ取るためには、操縦が全自動となっているので、それまで入っていたデータを解除し、新しいデータを入力し直さなければならない。ところがアメリカの飛行学校で教えるのはセスナ機など小型機である。当のアラブ人はジャンボ機の操縦技術をどこで学んだのだろうか。そのへんの説明が一切ない。

 コンピュータのシミュレーション訓練を繰り返したというが、そんなことで、本当にできるようになるものだろうか。まして日航のベテランパイロットが、「急降下しながら60m幅の標的に真中で命中させるワザは普通ではない」との趣旨のことを言っており、なまじの操縦技量ではできないことがうかがえる(ちなみに南北棟の幅は63mである)。

 そこで、ジャンボ機の操縦技術にたけた軍人がやったに違いない(例えばモサド)、という説が生まれるゆえんである。

 最初、飛行機をリモートコントロールによってWTCにぶつけた、という意見があるのを知ったのは、浜田和幸『アフガン暗黒回廊』(講談社)134頁以下の記載からだった。浜田によれば、アメリカ陸軍先端技術研究所(SAMS)の研究員が、ハイジャックされた飛行機を地上から誘導させるグローバル・ホーク技術を使えば、誰も乗っていなくても、民間機をハイジャックしたように見せかけるような遠隔操縦ができる、というのである。

 さらに浜田は、ペンタゴンの関係者が「遠隔操縦の特殊コードが盗まれた可能性がある」と驚愕した、と指摘する。

 このことを知り合いに話すと、「たぶんそうに違いない。ハッカーの技術と携帯電話の技術を組み合わせれば可能だから」と言うではないか。携帯電話で飛行機の位置を確認し、ハッカーの技術で特殊コードを破って入り込み、コンピュータ制御でWTCビルを目的地に設定し直すのである。

 以下の二つに代表的なリモートコントロール説がある。

http://www.Public-Action.com/911/robotplane.html
Operation 911:No Suicide Pilots

http://serendipity.magnet.ch/wot/plissken.htm
9-11: The Flight of the Bumble Planes

 たぶんそうだろうと思いながらも、人に説明するための材料がもう一つ不足していたのも事実である。

携帯電話の請求書が発行されていない?

 代表的な反論をあげると、広瀬隆『世界石油戦争』(NHK出版)38頁に出ている「ハイジャック機を電子コントロールしてビルに突っ込ませたとの説だが、乗客の電話交信記録と合致しない」である。確かに、飛行機の乗客と地上とが、携帯電話で通話しているということは、飛行機に乗客と操縦者がいることを意味している。

 ところがその後、衝撃的な事実が判明した。「9・11テロリスト攻撃に関わる不審点の調査を米上院に求める請願」の中に、「9・11に、ハイジャックされた飛行機から乗客が携帯電話をかけたというが、請求書に携帯電話の記載がない」と出ていた。

http://www.petitiononline.com/11601TFS/petition.html
Petition to the Senate to Investigate Oddities Involving 9/11 Terrorist Attacks

 また別の資料には、「複数の情報源によると、携帯電話の通話記録が請求書に記載されていないと報告されている」とある。

http://www.rense.com/general18/myss1.htm
Your Comments 911 Mystery Puzzle
(By Michael Shoreの項)

 こうした携帯電話への疑問は、日本語で書かれた資料でも触れている。

 浜田和幸『アフガン暗黒回廊/アメリカ「軍産複合地下帝国」の陰謀』(講談社)137頁には、以下のように出てくる。

 「マスコミに登場し、搭乗していた家族からのメッセージを受け取ったという人々の実態は、誰も正確には検証していない。航空会社は乗客名簿の公開に応じていないからだ。その中でよく引き合いに出された携帯電話の主は、アメリカン航空11便のスチュワーデスである。彼女はボストン空港の同僚に電話し、『ハイジャック犯が何人かの乗員や乗客をナイフで殺し、操縦席に押し入り、緊急ハイジャック通報コードをオフにしたようだ』という。また彼女は、『犯人は中東の人間だ』と伝えてきたという。機内の様子も含めて、本当にそのようなメッセージが送られてきたのだろうか」

 さらに、 田中宇『仕組まれた9・11』(PHP研究所)75頁は、次のような記載になっている

 「墜落したハイジャック機に乗っていた乗客が、携帯電話から自宅の妻に最期の電話をした、という話が報じられた後、この電話の通話記録が電話局にないことが報じられ、当局が発表したこの最期の電話の話は本当だったのかという疑惑を呼んでいる」

 この「携帯電話は嘘だったのではないかという疑問」とともに、重要な情報として、

(1) 墜落した4機の飛行機のブラックボックスを、公開していない。もし公表していれば、コクピットで何が起きているか判断する、有力な材料になることは間違いない。しかし、なぜか公開しないのである。このことは、いろいろな人が言及している。

http://www.petitiononline.com/11601TFS/petition.html
Petition to the Senate to Investigate Oddities Involving 9/11 Terrorist Attacks

(2) ハイジャックされた飛行機と話している航空管制塔のテープが行方不明となっている。これがあれば、管制官と飛行機がどんな会話をしていたのかわかる。しかし、行方不明になったという。

http://www.tidbitsnews.com/wtc_iv.htm
World Trade Center Part- IV
(All Air Traffic Controller Tapes Missingの項)

 これらはすべて、ハイジャック犯の行動を示す最重要の情報源である。それを示さない、あるいは示せない。これではハイジャック犯の行動はまるでわからない。

 これらを合わせると、リモートコントロール説は息を吹き返すと思われる。

 例えば、リモートコントロールが働くと、ボイスレコーダーの電源は自動的に切られるようになっているのである。そうなると、何も録音されないことになる。

 もう一つ、重要な点がある。

 ジャンボ機は、滑走路に降りるとき、管制塔からの誘導電波に従って着陸を行う。ジャンボ機の浮力、周りの風力などを入力するためである。これは、リモートコントロールで着陸させようとしても、事情は変わらない。

 もし、リモートコントロール説が本当だとすると、ビルの中、ないし周辺に誘導電波を発するものが必要である。今となっては、その痕跡を探るのは不可能に近いのだが。

 事態は、ますます複雑な様相を帯びてきたようだ。


第2章 世界貿易センター双子ビル崩壊の疑問点