《あなたのNHK》の腐蝕体質を多角的に研究!
《受信料》強奪のまやかしの論理を斬る!
電網木村書店 Web無料公開 2004.1.5
第五章NHK《宮廷》の華麗なる陰謀を撃つ 4
マスコミ式アウンの呼吸で六千億円
すでに第一発打ち上げ直後の一九七九年には、第二発に向けてのアドバルーン(ちょうちん記事)が打ち上げられた。「……NHKは昭和五十八年に放送衛星を打ち上げ、これらの難視地域を抜本的に解消するという。そのための費用は約六百億円……」(『朝日新聞』’79・9・24「ぺんざら」欄『放送衛星』)
このころ約五十万世帯といわれた「難視地域」の人々は、このドデカイ話にビックリしたにちがいない。このNHK式広報のまやかしは、各方面から一斉攻撃を受け、今度は「高品位テレビ」という“新サービス”の計画が加えられた。“リクツとコウヤクはどこにでもくっつく”というたとえ話通りだが、この超大型プロジェクトのちょうちん持ちを朝日新聞が務めるには,それなりのわけがある。
ファクシミリ電送方式の「電波新聞」と“改称”全国朝日放送(通称テレビ朝日)の電波権益確保のためだ。新聞協会という看板で動いているのだが、その新聞協会の会長は朝日の元社長で会長(八○年当時)の実力者、広岡知男。その広岡がまた、第二次NHK基本問題調査会の委員に名をつらねていたのだから、武士は相見互いの仲。そして、朝日は“星(ホシ)への夢”をかき立てる記事を一番積極的に載せながら、なぜか広岡会長の活躍ぶりは報道なさらなかった。かつては故正力会長、いまでは務台会長などの“お召し列車”記事を平気で載せつづける読売に較べて、何と奥ゆかしいことか。
そこで、この“奥ゆかしさ”ゆえ、国民が夢見心地でいるうちに、NHKやKDDから、そして血税から、ボンボン大金が引き出されていく。
段々と御値段が張ってくるが、ここはひとつ、“目をまわしてる場合”にしていただきたい。もう一回イメージアップすると、あの世界一の代々木放送センター、元会長の小野“角下”がいみじくも、「広さを云々するのは“低次元”」とおっしゃった、あのセンターが、そのまま宇宙に飛び去ると想像してほしい。しかも、その規模は、年を追って大きくなるのだ。
かくて、日本の宇宙開発事業団が過去十二年間に使った金は、しめて約六千億円。そのうちアメリカに支払ったのが約二千億円。失業中の宇宙基地NASAをも、打ち上げ費用で救っている。放送大学構想も、UHF系列づくりか衛星の成功待ちだが、これも総予算八百七十億円とか一千億円とか。昨年度の防衛庁の武器等契約実績が、四十八%増で約九千五百億円だから、宇宙事業も結構大きいし、将来性はあり過ぎるほどだ。
パーキンソンの法則そのまま、一度始まったプロジェクトは、どんどんふくらむもの。NHKは現ナマだけではなく、「難視聴」とか「高品位」とか、「国際協力」(思想侵略)とか、この宇宙プロジェクト全体の看板としても忙しい。なにせ、ホシ自体は失敗つづきで、計画もおくれぎみ。アメリカの実験に利用されたのではないか、などという疑問さえ吹き出しているのだから。そしてもちろん国内でも、「将来は衛星そのものの輸出」(『朝日新聞』’80・9・3)という通産省の「宇宙産業」育成政策のため、“実験台”は何発も欲しいのだから……。