鯨が増え過ぎて生態系を破壊する「反捕鯨」の大嘘(その9)

環境保護運動の育成は「新道徳武装」CIA謀略だった!

『日本経済新聞』秋味サンマに異変/パクッとクジラの胃袋に

2001.1.22.

 以下、昨年の新聞の大型記事の全文をスキャナーで読み込んだ。この記事は、各所からの情報収集によって、多角的な問題点解明に務めている。文中、「全国さんま漁業協会の参事、荒谷重市」にだけは、当該の業界人だから、特に電話で確認した。案の定、談話の一部だけを使ったものだった。立場上、当然、すべての情報を知っていたが、断片的な情報による主張の先走りによって、足を掬われないように、気を配っている模様である。

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『日本経済新聞』(2000.10.1)

エコノ探偵団

秋味サンマに異変 なぜ不漁続く?

パクッとクジラの胃袋に

漁の最中に出くわす

年20万トン近く?横取り

海洋地図とグラフ:ミンククジラの胃の内容物(省略)

資料提供:日本鯨類研究所。[以下のURLにて検索されたし]

(財)日本鯨類研究所ホームページ 

 近所の主婦がばたばたと事務所に駆け込んできた。「大好きなサンマが出回り始めたのに、高いのよ。不漁らしいけど、どうしてとれなくなったの?」。主婦の嘆きを聞いて所長が気色ばんだ。「えっ、そりや、たいへんだ。大衆魚の代表と思っていたが、様子が違ってきたようですね。うちの家計にも影響する大問題」。興奮した様子で、探偵、深津明日香と加江田孝造に調査を命じた。

いまや高級魚?

「高くても一匹百円ほどだったのに、いまや高級魚ね」。近所の店では160-200円の値札が目立つ。明日香は大手スーパー、イトーヨーカ堂の鮮魚部チーフバイヤー、磯崎達也さん(39)に聞いた。1998年から不漁続き。今年の水揚げは昨年より多いのですが、1997年以前の値段には下がりません」

 全国さんま漁業協会の参事、荒谷重市さん(53)にも会った。北西太平洋などでの漁獲量は1997年に29万トンだったが、1998年は、ほぼ半分の14万トン。1999年も13万トンだつた。「なぜ急減したんですか」。明日香の質問に荒谷さんは「周期的に不漁になる」説を持ち出した。

 明日香は「21世紀の水産を考える会」会長、河井智康さん(64)を訪ねた。河井さんによると、太平洋の漁場では数の多い魚種がほぼ13年ごとにマイワシ→サンマ→サバの順で交代する。河井さんは「サンマ時代が2002年ごろま続くと考えていた。不漁の到来が早い」とみる。

 そのころ孝造は列車で青森県八戸市にある水産庁東北区水産研究所の八戸支所を目指していた。途中、電話で明日香の話を聞いた。「減る時期が予想より早いわけか。周期説では説明しきれない。ナゾが深まったな。誰かが横取りしている感じだ」

 八戸支所では資源生態研究室長の上野康弘さん(44)が海水温上昇説を紹介した。サンマは比較的低温を好むとされる。日本の南東沖で生まれると太平洋を千島列島(クリール諸島)まで北上、主に、秋から冬にかけ南下。そこを漁船が捕る。だが、不漁の1998年、1999年は西太平洋の海水温が平年より高く南下を妨げたという。

 同研によると、海水温は今年春からほば平年並みに戻った。「なるほど、今年、水温が戻って漁獲量がやや回復した。でも、不漁に変わりはないから“横取り犯”は依然、不明のままだ」

 不審を抱いたまま、孝造は東北有数のサンマ水揚げ基地、岩手県宮古市に向かった。早朝、港では水揚けが始まっていた。ベテラン漁師、村上満さん(59)に聞いた。

「暗い海の中から、突然、巨体を現し、横取りしていくヤツがいる。口を開けると、ものすごく生臭いにおいか立ちこめる。まるで海のギャングだよ」 「ギャング!なぜ退治しないんですか」。驚く孝造の肩を第六十八吉丸の漁労長、鈴木剛さん(61)がたたいた。「連中は国際的に保護れている。正体はクジラさ」

 漁師さんの話を総合すると、ここ5,6年、北海道東方沖などで操業中に遭遇するクジラの数が急増。漁船が照明でサンマを集めると、クジラが現れのみ込んでしまう。

以前はマイワシ

「犯人はクジラだったのか!」。東京に戻った孝造は明日香に水産庁に向かうよう頼んだ。同庁は1994年に北西太平洋で調査捕鯨を開始、胃から大量のサンマを発見している。

 遠洋課課長補佐、森下丈二さん(43)は説明する。「昨年までの対象は体長6~7メートルのミンククジラだけ、日本の東側だけで約2万5千頭おり、年間15万~20万トンを食べているとも推測できます。昨年の漁獲量を超えています」。明日香は驚いた。「そんなに横取りされてるの!」

 一方、幸造は調査捕鯨を請け負う目本鯨類研究所に到着した。「漁師さんが見たのもミンクのようだ。しかし、前から海にいたクジラが急に食べ始めたのだろうか。漁獲急減とどう結び付くのか今ひとつ納得できないな」

 理事長、大隅清冶さん(70)の資料では、北海道東方沖のミンクの胃の中身は1980年代後半まで大半がマイワシだった。だが、1994年以降は半分以上がサンマ。「減ったマイワシの代わりに食べ始めた可能性がある」と指摘する。

おう盛な繁殖力

 しかも、ミンクは近海で最も繁殖力がおう盛な種類。年率4%、18年でほぼ2倍に増える。孝造はうなった。「どうやら、そこがナゾの核心だ。1990年代半ばからサンマを食べ始めたとすれば、目撃証言とも一致する」

 追いかけてきた明日香が推理した。「水温変化などで南下数が減少。それを漁船とクジラが取り合った。だから漁獲が急減したんだわ。じや、クジラをもつと捕れば漁獲が増えて安くなるはずね」

「でも、反捕鯨国の圧力が強いんです」。大隅さんは憤慨した。食害を懸念した水産庁は今年から北西太平洋の調査捕鯨をマッコウ、ニタリにも拡大した。商業捕鯨再開の根拠にするためだ。だが、「生態系を損なう」と反対する米国は、日本に本格経済制裁の可能性を表明した。

 さらに、環境保護団体は食害の有無自体を疑問視している。グリーンピース・ジャパンの広報担当、桜井淳子さん(41)は「食害が深刻かどうかは日本政府の主張だけでは分からない」と批判する。

 孝造と明日香は東京港に急いだ。帰港した調査母船、日新丸で農水省総括政務次官石破茂さんがあいさつした。

「米通商代表部代表を務めたミッキー・カンターさんが動物愛護団体の代理としてクジラを捕るなと求めてきた。私は『人間の3倍も4倍も魚を食べるクジラを放置していいのか』と言い返した」

 2人は顔を覚合わせた。「対立は深い。“秋の味覚”は高値が続くかもしれない」

 孝造と明日香は事務所で報告した。「クジラの胃からはスケソウダラやスルメイカなども見つかっています」

 所長は腕組みした。「水産業全体に影響が及ぶ恐れもありそうだな」

「焼けましたよ」。所長夫人、円子の声がした。孝造の宮古みやげ、サンマを七輪で焼いたのだ。

「うまそう」。2匹いっぺんに取ろうとする孝造を明日香がたしなめた。「クジラじやあるまいし、先輩、横取りはやめて下さいね」

(経済解説部・加賀谷和樹)

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「断固、断食」です。牛肉を食わずに、しかし、増え過ぎた鯨に大量にパクられつつあるサンマは高いので遠慮し、代わりに豚肉を増やします。この闘争の相手は、アメリカ帝国主義だけではなくて、日本国内の「牛肉族」でもあります。必ず足元に裏切り者が潜んでいるのです。牛肉の運搬が真因らしかった学校給食の集団中毒事件の際にも、「カイワレ」が人身御供に上がり、農水省の内部抗争が報じられました。今度は、「遂に狂牛病が日本上陸」のデマでも流して、報復しましょうか。


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