聞き書き『爺の肖像』7

●7 周口店

寄り道を少々-「周口店」

 『北支邦開発株式会社之回顧』の記述から、爺の父が「浅野セメント」から出向したのは「北支邦開発株式会社」の関連会社「華北セメント」であり、その工場は北京原人で名高い「周口店」にあったことがわかった。

 周口店をネット検索すると、様々な地名が所在地として出てくる。

 北京市房山区、中華人民共和国北京市朝?区、中国房山県周口店・・・

 Wikipediaによると「1986年房山県と燕山区が統合され房山区が設置され」たということで、現在の正確な地名は「中華人民共和国北京直轄市房山区周口店」のようである。

 周口店はどんなところかというと

「北京原人遺跡博物館(周口店遺址)周辺 in 中国房山県周口店」
 http://daxi.blog55.fc2.com/blog-entry-492.html
《北京からわずか50㎞しか離れていない場所とは思えないほどに、ド田舎》《のほほ~んとした田舎の雰囲気が房山県周口店には残ってい》るとある。

 このサイトには、その「ド田舎」写真が多数掲載されているが、もしかしたら北支邦開発株式会社華北セメントのあった頃と殆んど変わっていないのではないか、と思いたくなる。

 幼き日の爺は、父の職場を訪ねて、このような風景を目にしたことがあっただろうか。

 写真を2点お借りしよう。

 次のサイトも周口店の写真を掲載している。残念ながら写真借用不可である。

「北京猿人遺跡付近の風景」
 http://skaino.web.fc2.com/china_bejing/beijing27.html

 こちらのサイトからも写真をお借りする。
 北京  周口店 廬溝橋 頤和園
 http://www.h4.dion.ne.jp/~jkgym09/sinoupekin406.html
《広大な華北平野もこのあたりは既に西側の大行山脈の麓になり、付近はのんびりした農村である。従前は良質の石灰がとれるためセメント工場が多かったが今は環境規制のため1社だけ操業していた。》

 そんな周口店も、2008年北京オリンピック開催に併せた「環境整備」の影響を受けている。

「China Radio International」
《3つ目は、北京原人の頭蓋骨が発見された周口店。その環境を保護するため、周辺のセメント工場や、石材の加工工場を移転させました。そして頤和園では、昔ながらの様子を保つために整備を行いました。万里の長城と明の十三陵でも、大規模な改修を行ったということです。》

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