わが子を自死で失った親からのメッセージ
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2006年(平成18年) 6月 4日
第15回「全国学校事故・事件を語る会」
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突然のわが子の自死は、私に立ち直ることのできないほどの悲しみをもたらしました。
息をすることさえ苦しい時間、世界のあらゆるものが色あせてみえる毎日を過ごしながら、少しずつ光を感じられるようになってきました。
そして、同じ体験をした親たちと出合い、こどもたちが安心して暮らせる世の中をどうすれば作っていけるのか、同じ思いを他の親にさせないために何ができるのかを考え、できることへの取り組みをはじめました。
その親から、いま悩み苦しんでいるこどもたちにメッセージをおくります。
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「生きていてほしいから」
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私は、あなたの名前を知らない。あなたの顔を知らない。
あなたの悲しさを、絶望の深さを知らない。
知っているのは、あなたがいま命を失おうとしていることだけ。
でも、私は、あなたに生きていてほしい。
死を選ぶことが悪いことだからじゃなく、
ただ、あなたに生きていてほしいから。
あなたの笑顔も、泣き顔も、怒った顔さえも、この世界の何よりも
大切に思っている人がきっといるから。
つらいことがあったら、助けてっていっていい。
イヤなことがあるなら、イヤだっていってもいい。
かならず誰かが、あなたの声に耳を傾けてくれるから。
あなたには、ありのままのあなたでいるだけで、生きていく価値が
ある。
とるに足らない人間だからとか、愛されていないからとか、
いじめられてつらいから、死んだ方がいいと、
あなたが思うとしたら、
すべての責任は、そんな世界を作っている、おとなにある。
だから、もう少しだけ待って。
たとえいま、未来が見えなくても、いつかかならず光がさすだろうし、
それはきっと思っているほど先のことじゃない。
そして、こどもが生きていける、あたりまえの世界を作るために、
おとなも立ち上がりはじめているのだから。
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