%%%%%%%%% WSF2004コーナー %%%%%%%%%%%% ■WSF2004:社会運動団体と大衆組織からの呼びかけ ■WSF2004に参加して…(ATTAC首都圏会員より) ◆WSF2004プログラム/文化イベント ■WSFブレチン 2003/11/27号 ■WSFブレチン 2003/10/21号 ★アタック・イベント予定コーナーへ ★WSF2003コーナーへ ★WSF2002コーナーへ %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% WSF2004:社会運動団体と大衆組織の呼びかけ 2004年1月、インド・ムンバイ インド・ムンバイの活動者会議[Activist Assembly]に結集した私たち社会運動団体は、インドの人々およびすべてのアジア人の闘いを共有する。私たちは経済的、社会的および環境の危機をもたらし、戦争を作り出す新自由主義システムに対する反対を改めて宣言する。戦争と深刻な社会的および経済的不公正に反対する私たちの動員は新自由主義の真の姿を明らかにするに至った。 私たちは資本主義に対する抵抗を組織し、オルタナティブを追求するためにここに団結する。私たちの抵抗はチアパスから始まり、シアトル、ジェノアに続き、さらには、2003年2月15日にイラク戦争に反対する世界的な大動員を実現させた。そして、その大動員では、米国政府とその同盟国が採用している、いまだ続いているグローバルな戦争の戦略を糾弾した。カンクンの第5回WTO閣僚会議に対して勝利をもたらしたものは、この抵抗に他ならない。 イラク占領はミリタリズムと多国籍企業の経済支配との現存する関係を世界全体に明らかにした。さらに、それは私たちの動員の理由を正当化するものでもあった。 社会運動団体および大衆組織として、私たちは新自由主義的グローバリゼーション、帝国主義、戦争、レイシズム、カースト制度、貧困、家父長制、および性的指向ならびにジェンダー・アイデンティティに対する差別を含む(経済的、社会的、政治的、民族的、ジェンダー、性別上の差別など)あらゆる形態の差別と闘うことを再度宣言する。さらに、私たちは、能力の異なる様々な人たちに対する、ならびにAIDSなどの致命的な病気に罹患している人たちに対するあらゆる形態の差別にも反対する。 私たちは社会正義、天然資源(土地、水および種子)へのアクセス、人としての権利および市民権、参加型民主主義、国際条約で保障された男女の労働者の権利、女性の権利、および自己決定権に対する人々の権利のために闘う。私たちは平和と国際協力を求める者たちであり、公共サービスおよび基本必需品に対するアクセスが保障される持続可能な社会を推進させる。同時に、私たちは女性に対する社会的および家父長的な暴力を拒否する。 私たちは3月8日の国際女性デーに大衆動員を呼びかける。 私たちは国家によるテロを含むあらゆる形態のテロリズムと闘う。同時に、私たちは、大衆運動が犯罪と見なされ、市民運動活動家が規制されるような、テロを口実として利用することに反対する。いわゆるテロ防止法は世界各地の市民権および民主的な自由を制限する。 私たちは、農民、労働者、都市大衆運動、ならびに家、職、土地または権利を失うという恐怖に喘いでいるすべての人々の闘いが正当であることを宣言する。さらに、私たちは、年金や社会保障について欧州で起きているように、共有の公共財を守るために民営化を公営に戻すための闘いが正当であることも宣言する。天然資源、民主主義、および主権を防衛するためのボリビア民衆の大衆動員の勝利は、私たちの運動の強さと可能性の存在を証明している。同時に、世界中の農民は多国籍企業と新自由主義的な企業型農業政策と闘いながら、食物主権と民主的土地改革を要求している。 私たちは4月17日、国際農民闘争デーにすべての農民が団結することを呼びかける。 私たちはインドの大衆運動および民衆組織の闘争と連携し、それらとともに、私たちは、宗教と民族性に基づく暴力、宗派主義、排除、および民族主義を扇動する政治的およびイデオロギー的な勢力を糾弾する。私たちはグローバルな正義を求めて闘うためにコミュニティを組織した社会運動活動家に対する脅迫、逮捕、拷問および暗殺を糾弾する。さらに、私たちはカースト、階級、宗教、ジェンダー、性的指向およびジェンダー・アイデンティティに基づく差別も糾弾する。私たちは、文化的、宗教的および伝統的な差別的慣習を通して女性への暴力および抑圧が永続化されていることを糾弾する。 私たちは、正義、平等および人権を求める闘いを進めるインドおよびアジアの大衆運動および民衆組織の努力、とりわけ、ダリット[カースト制度外の下層民]、インド先住民および社会で最も弾圧かつ抑圧されてきた層の人々たちの努力を支持する。インド政府の新自由主義的政策は、歴史的にダリットたちが被ってきたマージナル化や社会的抑圧を強化してきた。 こうしたすべての理由から、私たちは、世界の隅々でマージナル化されているすべての人々の闘争を支持するとともに、世界中の人々に、社会的インクルージョン[社会的に組み込まれること]のための動員日にダリットの呼びかけに答えて動員に参加することを訴える。 正当性の危機から抜け出るために、グローバル資本主義は力と戦争を利用して、民衆に敵対的な秩序を押し付けている。私たちは、政府にミリタリズム、戦争、軍費支出を止めることを要求し、米国軍事基地の閉鎖を要求する。それらは地球上の人類および生命にとって危険と恐怖だからである。私たちはピエケスの米軍基地を閉鎖させたプエルトリコの人々の例に続かなければならない。グローバル戦争に反対することは、依然として私たちの世界的動員の主要な目的である。 私たちは、世界のすべての市民に、米国、英国およびその同盟軍によるイラク戦争と占領に抗議する国際デー、3月20日に同時行動に参加することを呼びかける。 反戦運動は、各国で可能な限り広範な参加と動員を達成するために、それぞれ独自のコンセンサスと戦術を発展させている。私たちはすべての占領軍の即時撤退を要求し、自己決定権と主権に対するイラク人の権利、ならびに経済制裁と戦争によって蒙ったすべての損害に対して賠償を受けるイラク人の権利を支持する。 テロと闘うということが、イラクとアフガニスタンの戦争および占領を継続させる口実としてだけではなく、グローバル社会を威嚇し、攻撃するためにも利用されている。同時に、米国はキューバに対して言語道断な経済制裁を続けて、ベネズエラでは国内の不安定化を画策している。 私たちは、特に3月30日のパレスチナ土地の日に、分離壁の建設に抗議するパレスチナ人の動員に最大限の支持を送るようすべての人に呼びかける。 私たちは、自己の利益だけを追求して、宗教、民族、人種、部族間の対立を作り出し、民衆の苦しみを増やして民衆の間に憎悪と暴力を増殖させている帝国主義的な勢力を糾弾する。世界でいまだに続いている紛争のうち80%以上は国内で生じており、とりわけアフリカとアジアの社会に動揺を与えている。 私たちは持続不可能な状態に至った貧困国の債務、ならびに政府、多国籍企業、および国際金融機関による同債務の利用の強制を糾弾する。私たちは、第三世界が抱える不当な債務の完全および無条件帳消しおよび拒否を強く要求する。経済、社会、文化および政治的な基本的権利を満たすための先行条件として、私たちは長期的な収奪に対する補償も要求する。とりわけ私たちはアフリカの民衆の闘いとその社会運動を支持する。 私たちは、社会全体の収奪に対して最大の責任を負うG8サミットとIMF総会および世銀総会に対して再度、反対を表明する。 私たちは、FTAA、NAFTA、CAFTA、AGOA、NEPAD、Euro-Med、AFTAおよびASEANなどの地域的かつ二国間自由貿易協定の押し付けを拒否する。 私たちは、私たちの共通の敵WTOに反対する闘争に結集した何百万もの民衆である。先住民はあらゆる種類の生物形態への特許、および生物多様性、水、土地の盗用行為に対して闘争をしている。私たちは公共サービスと共有財産の民営化と闘うために団結する。 私たちはすべての人に、民営化できない生命の源としての水への権利を獲得するために動員に参加することを呼びかける。私たちは、すでに民営化され、多国籍企業および民間部門に提供された公共財、共有財産および天然資源に対して管理を取り戻すために奮闘している。 カンクンの勝利にあって、李氏の死は、「自由市場」から締め出される世界中の無数の農民および貧しい民衆の苦しみを浮き彫りにした。彼の自死はWTOに対する私たちの闘いのシンボルである。これはWTOを再興させようとするあらゆる策動に反対する私たちの決意を証明するものである。 WTOは農業、食料、健康、水、教育、天然資源および共有財産から出て行け! この決意を持って、私たちは世界のすべての社会運動団体および大衆組織に、WTO閣僚会議が開催される香港またはその他の地でWTOに反対する動員に参加することを呼びかける。共有財産、環境、農業、水、健康、公共サービスおよび教育を防衛するために、私たちの努力をつなげて民営化に反対する闘いに参加しよう。 目標を達成するために、私たちは社会運動団体のネットワークおよび私たちの闘いの力を強化するという強い決意をここで改めて宣言する。 闘いをグローバル化しよう! 希望をグローバル化しよう! 2004年1月、インド、ムンバイ "原文":http://alainet.org/active/show_text.php3?key=5469 (WSF 2004: Call of the Social Movements and Mass Organisations) %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% 会員で普段は大学院生をやっているAと申します。昨日のデモ(WPN主催1・25デモ)に参加されたみなさま、御疲れ様でした。すでに何人かの方がWSFの参加記を書かれており、多少重複するところもあるのですが、憶えている範囲で体験記を書かせていただきました。長くなってしまいましたが、お時間があったら読んでいただければと思います。 【WSFの会場の様子】 ・他の参加者報告で書いてあるように、WSFの会場は埃舞う工場廃墟でした。これには驚きました。会場内には工場が残っていて、普通に仕事をしている人もいました。通路はいつも通行人とデモ行進者で溢れかえっており、行きたい方向に進むのが大変でした。 ・午前中から夕方まで色々な団体がデモをひっきりなしにやっており、そのデモやパフォーマンスは各国や各運動組織による特色に溢れたものでした。着飾ったり、踊ったり、音楽を奏でたり。 ・これは「世界社会運動まつり」だなというのが最初の感想です。 ・エキシビション・ホールには各国の各運動体のストールが用意されました。ここでは運動の紹介やグッズの販売がなされます。 ・会場の各地に絵や落書きがありました。これが気のきいたものが多く、見ているだけで楽しいです。紙の真ん中に二つの顔をした悪そうな資本家風の男が描かれ、彼は絵の左半分では大人に対して「仕事はない」とはき捨て、右半分では子供に対して「おいしい仕事があるよ」と誘っています。インドの失業問題と子供の低賃金労働の問題を同時に描いた興味深い絵でした。 【18日の韓日ジョイントデモ】 ・他の報告の通り、韓日英の三ヶ国の言葉でコールを考えました。異国の言葉でコールをするのはなかなか難しいものでした。けれどもその難しさに意義があるとも思いました。 ・僕はATTACの旗を持って後方を歩いていたのですが、すると様々な国の、数多くの人に「何をしているのか」「一緒に写真を撮ってくれ」「あなたの運動組織は何をしているのか」と声をかけられ、いい気になって拙い英語で説明しました。気づくと隊列から大幅に遅れてしまっていたほどでした。 ・外国の人々に「あなたの運動組織は何か、そしてその組織は何をしているのか」と聞かれることが多かったので、自分たちの運動組織の活動を端的に外国語で説明することの必要性を痛感しました(できれば英語のパンフレットがあれば楽でした)。 【ムンバイの町】 ・ムンバイの町を歩いたり、電車やバスに乗ったりしました。ムンバイの町では階級差を目と鼻で感じることができます。例えば、会場から近いゴレガオン駅までの道はスラムがあったり、糞尿が放置されていたり、昼間から(失業者と思われる)成年男性がたむろしていたりしました。 ・例え二等客室であっても、電車に乗ると階級は上がり、よりカラフルなシャツの人たちがたくさんの乗車していました(ちなみに僕は「女性専用客室」に気づかず乗ってしまい、親切な人に「レディー・オンリー!」と教えてもらいました)。 ・特に駅で印象的だったのは、テレビメーカーの広告で「映画が毎夜あなたの所にやって来る」というものでした。おそらくテレビデオを買うことは、駅を利用する中産階級の目標なのだと思います。 ・チャーチゲート周辺はより繁華街になっており、イギリス帝国の影響を受けた巨大な「文化的」建造物が沢山ありました。ここにはオフィスも沢山あり、決してスラムがないわけではないのですが、道行く人の階級が上がったように見えました。 ・ムンバイは埃と排気ガスだらけです。窓とドアなしタクシー「オート力車」に乗車した後には、顔が黒くなります。河川の汚染もひどいです。生活環境の整備よりも工業化が優先されていると言わざる得ないと思います。 【ムンバイでWSFをやるということ】 ・このようなムンバイの町でWSFをやることは、僕のように「先進工業国」からやって来た人間に普段気づかないような問題を気づかせてくれました。日本では(存在しないわけではないけど)顕在化されない問題が社会運動化されるのです。 ・例えば、水の問題です。ここでは河川の汚染や下水施設の未整備のために安全な水を手にすることが難しいです。10ルピーほどかけてペットボトルの水を買わなくてはなりません。でもそんなことは多くのムンバイ市民には財政的に困難です。先ほど翻訳が出版された『もう一つの世界は可能だ』を読んだだけではピンとこなかった問題が、ここに来て少しだけ理解できました。 ・ジョゼ・ボヴェは初日のカンファレンスで多国籍企業が水を独占している問題を指摘し、かってガンジーがイギリス帝国を糾弾したように、「コーカコーラー・クイットゥー・イーンディアー」(コカコーラはインドから出て行け!)と叫び、会場を埋める多くのインド人の拍手を得ました。 ・参加者の半数以上を占めるらしいインドの人々を中心とした、いわゆる「第三世界」の社会運動のエネルギーを感じ取ることができました(もちろん動員されている人もなかにはいるかもしれませんが…)。ダリット、女性、子供の運動の力を特に感じました。 ・あるカンファレンスでたまたま隣に座ったAIWDC(全インド女性民主会議?)の若い女性が僕に話しかけてきて、自分たちの運動の目的を懸命に話してくれました。僕の英語があまりに拙いので、途中イライラしたであろうにもかかわらず。彼女は差別を受ける声をあげられない女性たちの「メッセンジャー」になりたいと語ってくれました。 ・インドの組織委員会の女性は、最終日の大きなカンファレンスで、WSFに備えてインドの諸社会運動体を一つにすることの意義を語っていましたが、様々な運動体の意見を調整しながらWSFを自分の国でやるということは、なみなみならぬ苦労があったことと思います。 【新自由主義のグローバルな展開】 ・みなさまが一生懸命に準備されていたATTAC-Japan主催のセミナーにも参加しました。ここでは新自由主義の展開が及ぼした問題点を、日本だけでなく、韓国やヨーロッパなどの公共サービスを中心に実情報告するというものでした。 ・特に驚かされたのは、南アフリカのトレーバーさんによる、マンデラ時代にアパルトヘイトを廃止するなど革新的であった政党が、現在では国際金融機関や多国籍企業の国際基準の要求に応じて、自国の労働運動を解体しにかかっているという報告です。これは90年代に世界同時的に生じた社民政党のネオリベ化の文脈の中に位置づけられる現象だと思います。 ・自分たちの国から空間的にも社会的にも離れているように思える南アフリカで日本らと同じ現象が起きているとの報告には、新自由主義のグローバルな展開を再度痛感させられました。 ・そういえば、ゴレガオンの駅までの比較的貧しい人たちが住んでいると思われる通りに、コンピューター教育会社の広告の看板がありました。それには「コンピューターを勉強すれば、仕事が手に入るよ。たとえ仕事が手に入らなくっても、お金を返すよ」との旨が書かれていました。日本でもありそうな広告ですね。IT産業が多数の産業予備軍を創出するというプロジェクトもまた世界同時的なんだと感じました。 長くなってきたので、もうやめようと思います。こうして見てみると、カンファレンスの記録が少ないのですが、参加していなかったわけではなく、集中力が切れて英語がわからなくなったりする度に、途中で昼寝をしたりしてしまったため、あまり覚えていないのです。途中、マッシュルームにあたって倒れそうになった時がありました。この時は数多くの方にご心配をおかけしました。 あと、最後になりましたが、旅行の手配などをなさっていただいた…みなさま、それから町で困っていたら進んで助けてくれた親切なインドの人々のおかげで楽しい旅になったことに感謝いたします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◇◆WSF2004における文化活動◆◇◆
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