FAOは、農民や消費者の意志に反して、GMOを強制するモンサント、シゲンタのような多国籍企業のための無骨な宣伝であることが明確な年間報告書を公表した。この報告書は、遺伝子工学こそ世界的飢餓問題解決のための決定的な役割を果たすことができるという偽りの論拠を主張している。
この報告書を発刊することで、モンサント(世界レベルのGMO作付け面積の90%を支配する)やシゲンタ(市場におけるBt〔遺伝子組換え〕トウモロコシを世間一般に強制している多国籍企業)、さらに工業化した国々の政府利害に対して、FAOは自己を売り渡している。世界食糧サミット後、農業分野での主要な関係者による幅広い代表団が参加していた「食糧主権に関するNGOフォーラム」に対して、FAOは対話を進めてきた。この対話において、FAOは食糧主権の原則を徹底化する約束を行った。(しかし)FAOの最新の年間報告書は、この対話への裏切りとしてしか理解できないものだ。
この数十年間、FAOは、飢餓への技術的解決として、緑の革命を推進した。しかし、多数の飢餓する人々が増加し続けており、(その数は)今や8億8千万人に達する。工業的農業の発展の結果、数百万の地方の人々が周縁化され、自分たちの土地を追い出され、惨めな存在となっている。(一方で)多国籍企業は、小作農民・小規模農民の生計の損失となる殺虫剤、種子、化学肥料を販売することで、より私腹を肥やしてきた。今やこれら多国籍企業は、食糧生産の完全なる支配を握る企みによって、再び自分たちの思い通りにしようとしている。そうすることで、貧乏人からの搾取を増やすことができる。(そして)この報告書をもって、FAOは、小農民ベースの農業を周縁化し、破壊する一方で、企業支配拡大への道を掃き清めている。
FAOによる主な結論のひとつは、「再度」、飢餓は産業工学的問題であること、バイオ・テクノロジーと遺伝子工学に大きく割り当てられた投資によって解決できることであるというように見える。「緑の革命」と言われたことへの重要な教訓のひとつは、明確に、飢餓は政治的問題であること、そして、小規模食糧生産者のための安定した市場を作り、小農民家族に土地とその他生産的資源へのアクセスを与える政治的決定を求めることである。これだけが、より多くより良い食糧を生産するための、そして地方における貧困を根絶するための、有効な方法である。ハイテク解決は、小作農民や小規模農民が求めるものではない。さらに、管理できない危険を含み、小農民のためのいかなる進歩にも寄与しないテクノロジーを私たちは、疑いもなく必要としないし、遺伝子工学は、農業的エコロジーと生物的多様性の維持管理として提案される代替的な解決策と比較して、「大きなツケ」とみなされるべきである。すでに大量の私的・公的資金がバイオテクノロジーや遺伝子工学に流れており、そのために、この代替案から多くの必要とされる支援を奪っている。その上、いまやFAOは、誤って導かれているテクノロジーをこれ以上推進するというのだ!
ヴィア・カンペシーナは、この問題に関してのFAOによる公式の撤回、投資の明確なる優先順位、農業的エコロジーと小農民ベースの農業のための公的支援を要求する。さもなければ、これ以上の対話は無効であると思う。なぜなら、それは、結局、何の解決にもならないと私たちは思うし、その反対のために闘争・抵抗を強めねばならないテクノロジーとGMOを紹介する政策のアクセサリーに市民社会を変えてしまう。
ヴィア・カンペシーナは、FAOの立場は、これまでの対話への裏切りであり、「地方民衆にとってのよりよい条件」のために努力すると述べたFAO自身の国連機関への裏切りであることをFAOに対して、明確にさせるため、この様なFAOの立場に反対する行動を呼びかける!
ヴィア・カンペシーナは、インド・ムンバイでの第4回世界社会フォーラム(WSF)の期間、強力な代表派遣団とともに出席する。WSFのスタートからヴィア・カンペシーナは、新自由主義政策に反対する国際的なレベルで私たちの闘いを強化するために非常に重要なものとして、このプロセスを理解している。
ヴィア・カンペシーナは、WSF国際評議会の一部であって、このプロセスを伴う組織に当初から参加してきた。相異なる性格をそれぞれ持った、いくつかのスペースが、この幅広い種々のプロセスの中に存在する。地域別、テーマ別フォーラムが組織されるWSFは、全国組織委員会によって調整されるプログラムと、その傍らで多様に自身で組織されるスペースを持って、毎年組織される。社会運動体は、国際的なレベルで彼らの課題と行動日程を明瞭に表現するために、独立的・自主的なスペースをつくってきた。
WSFが現在、ポルト・アレグレ以外の、アジアでのもう一つの場所で持たれることは、重要である。そして私たちは、これが新自由主義に反対する世界的な闘いの強化・拡大に貢献することを望む。私たちは、インドでいくつかの運動体が、WSFの期間、独立的・自主的な場とフォーラムを発展させるという決定をしたことを理解する。そして、彼らがWSFに「反対」はしないが、彼ら自身の表現を持ち、新自由主義政策に対する抵抗の建設のための幅広いプロセスの一部として、彼らが明瞭に表現していることを理解する。
ヴィア・カンペシーナは、これらの表現を尊重し、他の独立的自主的な場と同様に、WSFプログラムにも参加する。
私たちは、ポルト・アレグレで社会運動体によってつくられたスペースが、運動体にとって、新自由主義政策に反対する闘いの課題を明確にし発展させるための会議場として、このWSFの間、再び提供され続けることを望む。私たちは特に、インドとアジアの他の国の社会運動体が、このスペースにおいて強いプレゼンスを持つことを期待する。
ヴィア・カンペシーナは、国際的「ヴィア・カンペシーナ」の責任の下、他の活動やフォーラムから独立した場を、1月18日、19日に組織する。この場は、小農民運動のための国際的なレベルに関する意見のプロセスと行動計画の案出を援助することになっている。
ムンバイでの私たちの出席が、私たちの共通の闘いを強化するため、インド、アジア、その他の世界からの、小農民運動と他のセクターの社会運動体との深い交流の可能性を与えてくれることを望んでいる。
テグシガルパ、M.D.C.、ホンジュラス、C.A. 2003年11月18日
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日付: 2003年11月21日金曜日/ウォールデン・ベローによるFTAAに関する論文
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◆◇◆反自由貿易の抗議行動のために民衆がマイアミに押し寄せて、
本来ののFTAA計画はスクラップに…◆◇◆
ウォールデン・ベロー*
11月20日、マイアミ。 アメリカ合衆国は米州自由貿易(FTAA)マイアミ会議を成功の色に塗ろうとしたが、
現実は反-FTAA側がその勝利を取りはずしたということである。これは運動体リーダーの評価であるが、アメリカ中から何千もの抗議者がグローバル・ジャスティス(世界的公平)を求める金曜行進のために、この都市に集まり、そして、マイアミ−ダイデ地方警察は、この反対を脅かすために大規模な隊列誇示を用意した。
◆脅されない抗議者
人々が脅されなかったことは、11月19日水曜日夕方の「世界的公平のための祭り」で明白である。
FTAAへの反対と「もう一つの世界」のために共に集まってきた人々が、イベントのテーマであった。それはアメリカ中からの活動家による音楽とスピーチのプログラムを特徴とした。
プログラムにおいて米国労働運動を代表し、レオ・ジラール(アメリカ鉄鋼労働者組合委員長)は宣言した。「私たちは、彼らに主権を盗ませない。
これは、まさに貿易に関することでなく、貪欲な投資家と資本家のための投資と特権に関するものである。
この闘いは、私たちの子供たちや孫のための闘争である」。彼は搾取工場―午後早い時にこの物語を語っていたが―に対する学生活動家の貢献を選び出した。そして、「民衆フォーラムに出席するためにグスマン公園へ行く途中で、私たちは警察によって囲まれ、捜査されていた学生の一団に出会った。
しかし、何と!次には、何百人もの鉄鋼労働者が警察を囲んで、学生に行かせるように言った。そして、彼らは行った」。そして、これが、群衆をきちっと立ち上がらせた。
◆FTAAに関するワシントンの退却
しかしながら、水曜日の大きなニュースは、初期のFTAA計画を廃棄するというものであった。
「完全に一貫する拘束的包括協定を求めている米国」と、交渉に参加したラテンアメリカの国の1人の公式代表が言った。
「貿易交渉委員会から出てきている閣僚宣言草案は、明らかにそれからの後退である」
その代わりに草案は、他の政府がいくつかの地域との自由化について交渉するまさにその時、政府がこの地域を自由化のためのFTAA交渉から除外することを決められる「柔軟な」プロセスを提案する。
宣言が明白に述べるところでは、「閣僚は各国が自由化への関与の異なるレベルを実施することを認める。それに加えて交渉は、FTAAの範囲内で、この選択をする国が、付加的な義務と利益に同意するのを許さなければならない。」
これはメルコスール貿易圏のブラジルと他のメンバーが、投資、知的所有権、政府調達、サービス、投資、競争政策と、義務的な自由化を目的とした彼らが望まない他の分野に関して、交渉から撤回するのを許すものだ。
同時に、それは米国が農業に関する交渉に加わらないことによって、その農業の巨大な補助金政策を続けるのを許す。この結果を専門家が呼んだものは、「FTAAライト(軽い)」または「FTAAアラカルト」である。
本質的に、この閣僚宣言は、7月サンサルバドルでの貿易交渉委員会で、ブラジルによって上程されたものである。
ラテンアメリカの交渉者が表現した、「ブラジルは言っていた ― 見なさい、2003年は、クリントンがFTAA交渉に着手した1994年と異なる。
自由貿易政策が、ラテンアメリカ中至る所に悪い結果をもたらす。 人々は、新自由主義的政府を追い出した。今日得たい包括的自由貿易協定を手にする方法が、米国にはなかった」と。
多数の驚いたことは、マイアミの数週間前のブラジルの妥協案に米国が同意したことだ。
しかし、ラテンアメリカの交渉者によれば、選択肢はもう一つのカンクンであった。そして、世界貿易機関の第5回閣僚会議の破局に言及しながら、ブラジルとその同盟国とワシントン、カナダと彼らの支持者との間の、広く共通点のない立場という理由もあったということだ。
これは、ブッシュ政権が選挙年に入ることで、取ることができる高姿勢のもう一つの後退ではなかった。
ティミ・ジェーソン(パブリック・シチズンの貿易運動家)の話しでは、米国の一時休戦にもかかわらず、米国はマイアミを成功として表現する。
「彼らは、カンクンのようには電車は脱線してしない言うだろう、そして、電車が9台の有蓋貨車と共にマイアミを去っているか、無傷の地域について交渉していると…。彼らが隠そうとするものは、米州中の人々が乗車して行くことを拒否したので、それら有蓋貨車が空
であるということである」
◆活動家は警戒を発する
FTAA効力への引き続く警戒が求められる中での、この出来事におけるワシントンの下落に対抗するために、宣言草案が出現した後に、米州に反対する大陸キャンペーンの広範な同盟が5月19日水曜日に、以下の声明を簡潔に出した。
「私たちは、マイアミで、当初のFTAA原案の失敗と同時に、新規の、そして多分交渉者にとってより危険な提案を目撃している。アメリカ合衆国は、閣僚会議の成功のため、交渉を前進させる『柔軟な』提案を出現させるだろう。これがマイアミの外見だけであり、それはアメリカ合衆国が人々にその「自由」貿易計画の長所を納得させる能力を失ったこと、そして、その目的のために強制力を使用していること、異なる展望を提案する大陸の政府を孤立させようしていることを明らかにした」
ブラジル貿易オーガナイザー、ファティマ・メーロにとって、当初のFTAA計画は分裂したけれども、「FTAAのフレームワークと基本的原則が無傷のまま続く限り、新自由主義的貿易政策の押し付けは脅威のままであるので、FTAAのこの弱められたバージョンでも反対することは重要である」と。
FTAAに関する戦術上の退却をカバーするために、米国通商代表ロバート・ゼーリックが水曜日に、ワシントンはドミニカ共和国、パナマ、ボリビア、コロンビア、エクアドル、ペルーとの二国間自由貿易協定のための交渉に着手すると発表した。サラ・アンダーソン(ワシントンの政策研究機関の貿易アナリスト)にとって、米国の動向は、弱点の告白である。
「彼らは、FTAAを通して彼らが望んでいるものが手に入らないことを認めており、それ故、民衆と各政府が米州中で抵抗しているのだ」
*ウォールデンベローは、フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウスの代表理事とフード・ファースト部局メンバーである。
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2003年11月11日声明
<カンクン、その後>
◇農業に関する論議を新しい方向に向け、食糧主権政策を開始することが緊要である!◇
◆私たちは、各国政府関係者すべてに対し、「新自由主義モデル」から手を引き、社会的公正と相互支援のある協同のためのオルタナティブな道を探す度量を持つよう要請する。
WTOの失敗は、「新自由主義的思考」に完全に取り付かれた関係者の敗北である。エリートと多国籍企業の利害のために、彼らによる主に貿易を指向する政策がこの敗北を招いた。彼らは、本当の問題を見ることができず、まして、その解決など見いだせないようである。彼らは、増大する貿易で、より大きな市場シェア、更なる民営化、更なる蓄財と利潤を分捕ることしか考えていない。彼らは、輸出利益に関係するものとしてしか、農業分野に関心を持たない。これは、巨万の小農民の生存−世界の人口の半分以上−が、地方的国内的生産とマーケティングに依拠しているという既知の事実にとって恥ずかしいことである。
◆ヴィア・カンペシーナは、この論議に専心すべきと信じている。私たちは、現存する問題をより明確化し、とても必要とされる解決方法をはっきり述べなければならない。また、(この論議には)各政府での、より責任のある人々や国際的機関を包含すべきで、これらの人々が、世界への本当の挑戦に対して、もっと敏感に反応することを望んでいる。
◆本当の争いは政府間ではなく、生産モデルの間にある。ある北側政府による、多国籍産業体の利益を護ろうとしたスキャンダラスな行為のために、カンクンでの争いは、「北−南」抗争として描かれた。US、EU、その他の工業国の支配と強制に反対した多くの政府、中でも南側の政府の抵抗を私たちは賞賛する。にもかかわらず、農業分野における政府間対立の背後にある真実の抗争は、食糧主権に基づく小農民生産の持続可能なモデル(北と南の小農民が要求している)と、輸出指向の産業モデル−多国籍企業、US、EU、その他の工業国ばかりか、「南側」政府の重大な勢力や特定のエリートによって要求されている−との間の争いにあることを、何度でも繰り返して言いたい。
私たちは、南と北の政府間の対話が始められると期待している。産業型輸出モデルの破壊的影響を制限し、持続可能な小農民生産を強化するための確固たるステップを踏み出すよう提案する。
◆大切な第一歩:貿易より生産や食糧主権について論議を集中すべきである。
食糧の必要を確保し、環境を尊重し、尊厳のある生活を小農民に与えるような農業生産に従事するために、政府による実効的な関与は必要不可欠である。このような関与は、以下のものを保証すべきである。
−小農民や小規模農民の生産(土地、種子、水、資金)のための手段へのアクセス
−生産価格を保護する一定レベルへ国内価格を安定化させるための輸入規制
−過剰生産会費のための生産調整(例えば、貯蔵運用)
−コーヒー、綿花など輸出生産物のため小農民生産者のため公正価格を保証し、供給を調整するための国際的 必需品協定
−小農民の生産とマーケティングの発展を促進するための公的援助
−市場への完全なアクセスを国内の小農民男女に与えられるような国内市場の組織化
◆この方向への確固たる歩みのために、私たちは国内的、国際的レベルで緊急にオルタナティブを探求すべきである。FAO(食糧農業機関)、UNCTAD(国連貿易開発会議)、ILO(国際労働機関)といった国連機関が、WTOに対するオルタナティブな枠組みを発展させるイニシアティブを取るように要請する。このオルタナティブな枠組みは、田舎地域での多くの人に特徴づけられている周縁化と貧困に焦点を当てた国際的農業政策の再検討を求めるものでなければならない。
◆安価な輸入品は破滅的影響をもたらす。食糧主権を得るためには、ダンピングをストップさせることが重要である。世界規模での低価格農作物輸入は、国内の農業経済を破壊している。カンクンの前、USとEUの要請において、WTOは新しいダンピングの手続きを承認した。EUでは、国際市場レベルを超える国内価格に輸出補助金を結合させていたが、低い国内農作物価格と直接(デ・カップルされた)支払いに置き換えつつある。これらの支払いは、最も大規模な生産国を維持する。USでは、同様のマカニズムが代わりに行われた。これらの政策は、ダンピングを維持し、悪化させる。それはまた、一般的に農業補助金の評判を悪くさせ、小農民農業への大変必要とされる公的財政支援継続の将来性に否定的作用を今度はもたらす。
◆過剰生産によるダンピングへの返答は、「これ以上の自由化反対」である。
直接・間接の輸出補助金の除去は、重要なステップだが、さらに一層重要なことは供給を規制する政策である。貯蔵運用は過剰生産を効果的に消し去る。効果的貯蔵運用はまた、生産コストをカバーする価格を与え、他の市場にダンピングするような過剰生産を生じさせない小農民農業を援助する公的財政支援を得られる。
ダンピングを実行している特定の工業国に対する反応は、一層の自由化と市場へのより広いアクセスを要求するものではあり得ない。そのような提案は、農民の利益を護るものではない!その代わりに、これら提案は輸出農業と多国籍企業(北や南における)だけに益するもので、小農民生産の滅亡をもたらす。
◆私たちは、余剰生産と、その後のダンピングを回避するために、過剰生産国がその生産を限定し、その供給を管理することを要求する。これらの国々はその公的援助を、国内市場に適合した持続可能な小農民生産の発展に振り向けるべきである。輸入国は、この分野への投資と国内生産の保護のため輸入中止の権利を持っている。
◆「公正」な競争による「自由な」貿易というのは、幻想である。農業市場は強力な国家の関与を必要とする。
新自由主義的論理は、国境の規制がなく、国家の介入がない補助金なしの農業市場こそ、比較的優勢な最適の効用をつくり、すべての人に利益を生み、その結果、公平な方法で自ら調整していくと主張する。しかしながら、当然にも農業市場は、国家の介入なくして社会的に公平な方法で機能できない。
農業政策機関をひとつずつ消し去ることによる国家関与の終結は、農業の破滅的リストラを恒久化する。これが、生きる手段を奪われて、巨万の男女小農民を追放する。すべての国や地域が食糧を生産できる力を持てなくなってしまう。最後には、食糧を購入できるお金を持っている者だけが、食べていけるだろう。このシナリオは、破局的であり、国の多様性、食糧生産、小農民の知識、農業作物多様性などの観点から計り知れない損失を含んでいる。
◆小農民、地方の男女、小規模農民は、世界の人口の半分以上を構成する。私たちは、尊厳のある生活への権利を持っている。自分の領地に自分たち自身の食糧を生産する権利がある。自分の土地で生計を営む権利がある。
食糧主権の政策は、このことを可能にする。持続可能な小農民生産は、田舎地方でのよりよい生活水準を保証させ、環境破壊を制限する助けとなり、国の発展に寄与する必要で経済的な原動力をつくることができる。
我が韓国人の友、李(イ)さんは、食糧主権を守りながら、カンクンで亡くなった。彼の死は決して無駄ではなかったと望みたい。
WTOは男女の小農民を殺す!
食糧主権の道を通ろう!
WTOは農業から出て行け!
国際調整委員会/Tegucigalpa,
11th of November, 2003
詳しくは…
−カンクンでのWTO失敗に関する声明
http://www.viacampesina.org/art_english.php3?id_article=269
−民衆の食糧主権が第一。WTOは農業・食糧から出て行け!
http://www.viacampesina.org/art_english.php3?id_article=34
−食糧主権に関する説明的パンフレット
http://www.viacampesina.org/art_english.php3?id_article=216
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Via Campesina
International farmers movement
secretaria operativa/operative secretariat: Apdo Postal 3628 Tegucigalpa,
MDC Honduras
Tel & fax : + 504 235 99 15 E-mail:
viacam@gbm.hn
私たちはカンクンで勝利した!WTOは失敗した!
WTO第5回閣僚会議は、9月14日、完全な失敗で終結した。WTOは、次の閣僚会議の場所すら確定することに成功できなかった。同意されたいかなる主題を表明する宣言もなく、新しい議題への合意を進展させる時間もなかった。これが、南側諸国の予想された撤退とともに、閣僚会議での混乱と混沌を生み出した。
軍隊・警察の威圧的動員にもかかわらず、9月13日には、地方組織体、青年、女性、その他の部門の人々は、メキシコ政府とWTOによって強制されたバリケード(私たちの存在や提案を圧殺する目的で設けてあった)をズタズタに倒すことに成功した。
9月8日〜14日、私たちは輝かしい闘争の日々において、最初、国際農民・先住民フォーラムの枠組みで、ついで、交渉団が集中するコンベンション・センターの内側・外側両方で、多様な街頭デモンストレーションに専念した。9月10日の農民・先住民の行進が、引き続く日の抵抗と闘争に向かうトーンをつくり出した。
9月13日、世界中から来た百人の女性たちが、強い勇気と忍耐を持って、コンベンション・センターへの入口を遮断しているバリケードを細かく分解した。韓国農民と、この行動に参加した多数の民衆と一緒に、私たちは太いロープを使って障壁を引き倒した。そこには数千の軍隊・警察が抵抗者を鎮圧する準備をし立錐していたが、だれひとり彼らの支配下に入ろうとはしなかった。私たちの非暴力的手段による非暴力対決は、WTOに対してであり、警察や軍隊とではない。
デモ隊は、WTOの二つの人形を焼き払い、座り込んだ。そして、民衆の闘い、WTOに反対する闘い、より公正で人間性のある世界のための闘いに命を捧げた我が友、李京海(イ・キョンへ)氏に敬意を表して白い花が置かれた。9月14日WTOは破局を迎えた。
カンクンにおいて、私たちは様々な社会部門の人々と、中でも、違う世界からの青年たちと出会った。闘争スタイルを考慮した時、これら若者は急進主義の異なるレベルに特徴づけられた。例えば、その最も急進的な中に「ブラック・ブロック」がいる。ヴィア・カンペシーナは、彼らの要求と調整しながら、青年との対話と行動集中のための場所を開いてきた。これが、究極の肯定的結果を生み、非暴力的手段による私たちの目的の達成にとって、彼らの貢献はキーとなった。青年たちは、上記に述べた条件の下、将来の行動においてヴィア・カンペシーナとの活動継続の希望を表明してきた。そこには、世界中での動員への活動に専心してきた社会活動家とカンクンでの闘争等々を勇気づけ、強め、急進化させることに捧げられた我が友、李氏の犠牲があったことは間違いない。彼の勇気と理想は、私たちとともに生き、私たちはそれを決して忘れない。李氏は、WTOの失敗と私たちの勝利に巨大な貢献をなした。
アメリカ合衆国とヨーロッパ連合は、民衆の正当な利害に配慮し理解することにはまったく能力がないことを証明してしまった。彼らの横柄で頑固な方法と恐喝的行動は、第三世界諸国をして、アメリカ・EUに反対し、ブラジル、インド、中国が率いる対抗ブロック(G22)形成に駆り立てた。ACP(アフリカ、カリブ海、太平洋)諸国の政府グループも反対を示した。彼らのイニシアチブは、閣僚会議中止の一因となった。ヴィア・カンペシーナはこの反対を歓迎するが、農業に関するG22諸国の提案には同意しない!!!それは、世界の巨万の民衆への社会的排除と貧困の問題を解決せずに、自由化と市場アクセスを増大する。それどころか、それは状況を悪化させる。
EU代表は農業に関する対話にヴィア・カンペシーナを招待していた。私たちはこの招待について検討中であるが、EUからその「共通農業政策」と現行国際貿易規則を変更する真実本当の意志を表すメッセージを受け取る必要がある。
カンクンで、EUは輸出補助金をすでに削減したと主張した。しかし事実は、EUは農場価格を引き下げ、グリーンボックスとして認められている直接支払いを、輸出補助金に置き換えてきたに過ぎない。EUによるこれら直接支払いやアメリカによる収入支援計画の使用は、低い農場価格を通して農業産業体を援助し、国際市場へのダンピングを促進させることを覆い隠す手段である。その幾つかの応答は、<皆一緒に農業での補助金を廃止すること>である。しかし、これは小農民に基づく生産にとって、もう一つの打撃となるだろう。最も必要な人々に向ける、小農民に基礎づけられた農業への公的援助は、北側と南側での主要な要求である。しかしながら、営業計画支援による輸出国での過剰生産の中止が危機となり、多くの国は低価格輸入品から自分たちを守らなければならない。
WTOの破局は、新自由主義モデル内部での危機の結果である。私たちが運動とオルタナティブな提案を強化し続けることが緊要である。私たちの間での公開で透明性のある建設的な対話は、私たちの闘争戦略における発展のために、それだけに一層必要である。
WTOは農民を殺す!
農業、食糧、漁業からWTOは出て行け!
民衆の食糧主権に向かおう!
希望をグローバル化し、闘いをグローバル化しよう
ヴィア・カンペシーナ国際調整委員会
テグシガルパ(ホンジュラス), 2003年9月23日