G8サミットQ&A

TICAD IVって何ですか?

アフリカ開発会議の英訳Tokyo International Conference on African Developmentのイニシャルをつなげた略称です。「ティカッド」と読みます。

日本でも貧困が広がっているのに、なぜアフリカの貧困削減に私たちの税金を使わなければいけないのですか?

税金は、両方に使うべきでしょう。

アフリカにも使うべきであるという理由は、アフリカの生存をも脅かす構造的・絶対的貧困が、日本を含む先進諸国による長期にわたる奴隷貿易・植民地政策をはじめとした政治・経済・軍事行動の結果であるからです。

それでは、アフリカに対しては、どのような「開発援助」が必要なのでしょうか?

あるとすれば、アフリカの諸政権あるいは地域住民による、自国のあるいは地域のすべての人々の最低限の衣食住の保障を促進するような政策・運動を支援することではないでしょうか。

具体的には

・アフリカのエリート・クラブを潤すような現行の援助の中止
・貧困層を抑圧する政権への援助凍結
・真の恒久的貧困削減対策に回すことを条件にする以外はなんの条件も付けない債務帳消し

日本はアフリカの紛争解決のために力を注いでいるのではないですか。

高村外務大臣は、3月にガボンで行われたTICAD IV閣僚級準備会議での演説で次のように、TICADと平和の関係を述べています。

TICADでは、アフリカの人々のアイデアを中心に据えた取り組みが謳われているのではないのですか。

TICADは、「アフリカにおける貧困撲滅、持続可能な成長と開発、世界の政治経済への統合を目指す、アフリカ人自身の決意を原動力とするアフリカ指導者達の誓約」(外務省)とされる「アフリカ開発のための新パートナーシップ」(the New Partnership for Africa's Development :NEPADネパッド)との連携を非常に重視しています。

日本政府は、アジアでの成功事例をアフリカ支援にも取り入れようと努力しているのではないのですか?

外務省はTICAD IVに向けて、『元気なアフリカを目指して』というパンフレットを発行しています。このパンフでは、日本によるアフリカ支援の例の一つとして、「一村一品運動」の促進が挙げられています。

「一村一品運動」とは、地域の特産品づくりによって、コミュニティ経済の活性化を進めるものです。そもそもは日本の大分県で実践された地域起こし運動で、1980~90年代にはアジア各国に伝えられました。

この間の食糧危機に対して、日本をはじめとする先進諸国は、アフリカのための緊急支援を発表し続けているのではないのですか。

日本を初めとする先進諸国は、アフリカなどで頻発する「食糧暴動」を受けて、食糧の国際価格急騰に関する緊急対策の検討に入りました。世界銀行と国際通貨基金(IMF)も声明を出し、アメリカ政府も2億ドルの緊急支援に続き、7億7000万ドルの資金支援などを発表しました。日本政府もTICADに向けて資金援助を含めた対策を検討中で、7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)でも主要議題の一つとして取り上げる予定です。

アフリカへのODAが増加したというニュースを見ましたが、日本の援助は増えているのではないですか?

2005年のイギリス・グレンイーグルズサミットで、当時の小泉首相は、今後3年間でアフリカ向けODAを倍増することを約束しました。そして今年の4月には「対アフリカODA 07年実績17.1億ドル 3年で倍増達成」が財務省から発表されました。アフリカ向けの2007年のODA実績が17.1億ドル(暫定値、約1800億円)になり、03年の8.4億ドルの2.04倍となった、というものでした。

どうしてアフリカの人々のためにはならないのでしょうか?

アフリカへの開発援助を通して日本政府が国益として追求しようとしていることが何なのかを考えてみることから、何かが見えてくるのではないでしょうか。考えられることを以下に列挙してみましょう。

日本政府はTICAD IVで何を目標としているのですか?

外務省によれば、2003年のTICAD以来、日本のアフリカ支援の3本柱は、「人間中心の開発」「経済成長を通じた貧困削減」「平和の定着」だそうです。

今回は「元気なアフリカを目指して:希望と機会の大陸」というキャッチ・コピーのもと、

「○経済成長の加速化、○人間の安全保障、○環境問題・気候変動問題への対処、を3つの優先事項として設定し、国際社会の資金と知恵の結集を図りたい」

と言う一方で、

なぜ5月に横浜で開催されるのですか?

アフリカ問題は、2000年の九州・沖縄サミット以来、サミットの議題の一つとして取り上げられてきており、今回の7月の北海道洞爺湖サミットでも、「開発・アフリカ」が取り上げられることになっています。

今回はそれに向けて4月に開催されたG8開発大臣会合の「成果」を受けて、7月のサミットへと繋ぐ役割を担わされたのが5月のTICADだといえるでしょう。

サミット前史

サミットは1975年にフランス、ランブイエで第一回が開催され、フランス、アメリカ合州国、イギリス、ドイツ、イタリア、日本の6ヶ国である。カナダは欠席したが翌年からは参加している。以後、ロシアが参加するまで先進国首脳会議は、G7サミットと呼ばれることになる。

なぜ、この時期にサミットが開催されることのなったのだろうか?

第三世界の債務問題



第三世界の債務問題とG8

大倉純子(ATTAC Japan/債務と貧困を考えるジュビリー九州)

野宿者



野宿者とG8サミット
なすび(山谷労働者福祉会館活動委員会/「持たざる者」の国際連帯行動実行委員会)

食と安全



「G8は食の安全とどうかかわるのか」    日本消費者連盟 山浦康明

IMF、世界銀行、WTOといったブレトンウッズ機関との関連はどのようなものですか?

 IMFと世界銀行はサミットの合意内容を実施する有力な機関です。

国連との関連はどのようなものですか?

サミットにとって国連は、グローバルな政治・経済・安全保障などの問題をめぐる覇権争いの最大のライバルといっていい存在でしょう。

G8サミットで決まったことには拘束力がありますか?



Q. G8サミットで決まったことには拘束力がありますか?

何が議論されるのですか?



Q. 何が議論されるのですか?

組織の仕組みはどうなっていますか?

サミットは、毎年開催国がその年一年の議長国をつとめ、事務局の役割をはたします。したがって、恒久的な事務局組織はありません。サミットのホームページも議長国が設置するので「ここにアクセスすればこれまでのサミットの基本情報がわかる」というような公式ホームページもありません。

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