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日本でも貧困が広がっているのに、なぜアフリカの貧困削減に私たちの税金を使わなければいけないのですか?税金は、両方に使うべきでしょう。 アフリカにも使うべきであるという理由は、アフリカの生存をも脅かす構造的・絶対的貧困が、日本を含む先進諸国による長期にわたる奴隷貿易・植民地政策をはじめとした政治・経済・軍事行動の結果であるからです。 日本は長年にわたって、南アフリカの人種隔離政策を支持してきました。世界的に広がっていた不買運動に背を向け、ダイヤモンドやゴールドなどを南アフリカから購入することで、人種隔離政策を支え、「名誉白人」という不名誉な称号を喜んで受けとっていました。 南アフリカのアパルトヘイト時代に白人政権の手引きで、アフリカ人の主食であるトウモロコシを高く買うことを条件に金(gold)を手に入れていた日本は、アフリカ庶民から主食を奪うという罪深いことにも関与していました。 アパルトヘイト政策は南アフリカの民衆と心ある世界の人びとのたたかいで廃止に追い込むことができましたが、日本政府は一貫して冷淡な態度をとってきました。 またアフリカ諸国に対する債権残高では、日本は、他の金持ち国を引き離しダントツのトップを誇ってきました。一九九〇年代に入り、教育や医療などに支出する金額よりも借金返済に充てる金額が大きく上回るひどい状況に陥っていたアフリカ諸国などの債務削減を求める声が世界中で高まりましたが、日本政府は最後まで債務帳消しに消極的な姿勢に終始しました。 国連開発計画は次のように債務問題の深刻さを指摘していました。 「重債務国が債務返済から解放されれば、その資金を使って2000年までにアフリカだけで約2100万人の子どもの命を救い、9000万人の少女と女性に初等教育を提供できるであろう」 しかしこれら重債務国に対する一定の債務帳消しが実現するのは、2000年以降のことでした。債務返済のせいでたくさんの命が奪われたのです。これだけもみても日本政府の対アフリカ政策が、貧困を削減するどころか、貧困をますます拡大させたといえるでしょう。 このような外交政策の延長線上にある現在の開発援助政策ではなく、これまでの償いを含めた賠償と連帯にもとづいた協力のあり方を模索すべきではないでしょうか。
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