自民党の「インテリジェンス戦略本部(本部長:小林鷹之政務調査会長)は、「我が国の『情報防衛力』の強化に向けて―開かれた社会を、隠れた工作から守る―」と題する提言を公表しました。(8月5日、政調審議会で了承) すでにこの提言についてはマスメディアも関心をもって報道していますが、更に秋以降、安
保・防衛三文書の更なる改訂などとも連動しつつ、この提言を土台に、具体的な法・制度や官民の組織再編などが進んでいくものと思われます。
JCA-NETは2026年8月12日(水) 19時からオンラインで、この自民党の提言についての緊急の学習会を開催しました。この学習会の模様について、以下に動画を公開しました。
「提言」についての批判的な説明 (スライドのPDFはこちら)
説明をめぐる質疑
質疑では下記のような質問が出されました。
- 自民党が考える「スパイ活動」とはどのようなことか。
- 自民党が日本を自由で開かれた社会と定義しているが、これは何を意味しているのか。
- 提言は単なるアドバルーンなのか、本気なのか。
- なぜ日本国内の米軍基地反対運動や反原発運動など国家安全保障に関わる運動を標的にする提言になっていないのか。
など。最後に、私たちにできる対抗策などについて説明をしています。
提言の表題に「情報防衛力」という耳慣れない言葉が登場します。「外国勢力による隠れた工作から、国民の自由な判断と民主主義の公正を守る」ことだと説明されていますが、「悪意ある活動を思いとどまらせる『抑止』、脅威を把握する『収集』、国民の信頼を担保する『監督』の三本柱を一体で推進する必要」を強調しているように、国籍・居住地を問わず、情報収集と監視を強化し、人々の正当な異議申し立てや批判・抗議の言論や行動を事前に弾圧する体制をとることが意図されています。そして、こうした監視と弾圧の強権的な体制構築の突破口として、主として海外との連帯運動を標的に、取り締まり強化の枠組みを構築することが目指されています。
提言の内容は、戦前・戦中の植民地を含む日本の統治体制が目指した弾圧体制を彷彿とさせますが、むしろそれ以上に重大な事は、私たちをとりまく、コミュニケーション環境が当時とは全く異なる高度な監視体制にあることに注目する必要があります。通信の秘密や表現の自由の権利で保護されるべき私たちのコミュニケーションの大半は、グローバルなインターネットに依存しています。この事態は、内外の民間の通信事業者の政府との協力が決定的に重要になっていることを意味しています。同時に、政府が「同盟国」の情報機関とも連携しながら、世界規模での通信の網羅的な監視の制度構築へと一層拍車がかかることも意味しています。こうした新たな状況を踏まえつつ、「提言」の内容について検討し、率直な意見交換を行なう場を緊急ですが、設けました。ぜひご参加ください。
参考
自民党の提言
<https://www.jimin.jp/news/policy/213980.html>

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