武蔵野市土地開発公社 巨大政治犯罪 6

その仰天超々巨大政治犯罪の過去・現在・未来

全国で8兆3514億円 東京全域で5313億円
ほとんど不良資産の土地開発公社保有地

1998.3.23

全国でも「住専」の1桁上の金額だった

 前号以後、土地開発公社による全国と東京の、不良資産ババ抜き状況データを入手した。経過と結果は、日本の行政の情報公開の不十分さを、如実に示した。

 全国の資料は、自治省からやっと聞き出した「大臣官房地域政策室内・地域政策研究会」編集の季刊雑誌、『地域政策』である。同誌(17号、95春)によると、1994年度末の全国の土地開発公社(1994.7.1.現在で1579公社)保有地は、3万 389ヘクタール。取得金額は8兆3514億円。

 国と同様の地方財政悪化にもかかわらず、前年比で面積が2.1%、金額が6.2%の増加である。8兆3514億円は、国民一人当たりで約6万7千400円。当然、「住専」の1桁上。

都有地は全部で11兆2755億円

 面倒なら元の報告を見るという私の要求に負けて、東京都は、史上初めての3枚の数表を作成した。特別区、27市、2村の土地開発公社保有地総額は、5313億円である。数表作成の総務局担当者によると、全地区で税収減少などの財政難があり、保有土地の不良資産化が進んでいる(別表:「東京都全域の土地開発公社保有土地」参照)。

 5313億円は、都民一人当たり約4万4千円になるが、これがすべての未使用保有地の金額ではない。東京都では、都そのものと2区11町村が土地開発公社未設置団体である。

 基金で土地を購入する都の場合、管財部の情報管理係によると、土地全体では11兆2755億円が資産だが、土地開発公社の保有土地に匹敵する未使用部分は、各事業局(最大は建設局)でないと分からない

建設局の取得だけで年間に2700億円

 建設局用地課によると、同局の年間の土地取得は約2700億円という巨額であるが、明細は非公開

 各地の場合、三鷹市の土地開発公社の保有地は、前号既報のように 170億円であるが、「使用目的が明確でない」部分の「内数」、18億円のみを報告。ほかにも同様の報告の可能性がある。また、地方債や基金による土地取得もある。

 武蔵野市の場合、前号で指摘した 336億円との差額は、武蔵野市購入分の預金と未収金、利息である。

公共投資基本計画の美名でババ抜き指導

 前号既報、土地開発公社は「公有地の拡大の推進に関する法律」(公拡法)にもとづいて設立されている。同法制定当時の国会議事録を見ると、衆参両院ともに70頁前後の質疑応答、地方財政委員会で数日間の審議が続いていた。案の定、バブルや不正行為の心配があったのだ。先買奨励の口実は地価の高騰だったが、その前提が崩れている。先買いは必ず損をする。土地開発公社は矛盾をきたし、無意味となっている。法律も公社も廃止すべきなのだ。

 ところが、自治省は最近逆に、土地開発公社による先買いを奨励している。先の『地域政策』誌には、次のように記されている。

「近年、社会資本整備を一層推進していくことの必要性が求められており、昨年10月には今後10年間に630兆円の公共投資を行うことを内容とする新たな『公共投資基本計画』が策定された。こうした社会資本整備を推進する上で公共用地の計画的な先行取得は不可欠であり、累次にわたる経済対策においても公共用地の先行取得が重要な柱とされている。このような状況の下で、地方公共団体の分身として設立され、公共用地等先行取得の中核機関としての土地開発公社の役割はますます重要となっている」

 全国的にも、武蔵野市と同じ傾向で、バブル崩壊以後の方が、それ以前よりも年間取得が増大している。

ハグラカシ答弁市長は借金で首が回らずか

 最大の問題は、このバブル付け回しのババ抜きが、自治体の住民サーヴィス低下を招くことである。

 1996年度の政府予算総額、約75兆円に対する「住専」の比率は、約0.9%でしかないが、武蔵野市の土地開発公社の借入金、10年間の返済予定の利息込みで約 336億円は、昨年度の年間予算総額、 562億4千万円の約 60%。年度予算総額との比較では、武蔵野市の方が、国家予算の場合の 667倍である。

 武蔵野市長は、「中期行財政運営懇談会」などと偉そうに称する御用機関を設置し、「最終答申」を出させて、財政悪化の原因を、「景気の低迷」だけに押し付け、120名の職員削減、保育料値上げなどを提案している。同答申を利用、いや悪用した「基本方針」審議の市議会全員協議会の傍聴記は、次号で特集する。

 一部紹介すると、土屋市長は、いつもながらのトボケ答弁で頑張るものの、首筋が痛くて堪らない様子。しきりに手を肩にやる。女性市議から「お疲れのご様子で」などと同情され、いや、からかわれていた。

 開会も一時間遅れ、休憩の度に市長の入場が遅れる。一部ベテラン市議は、不謹慎にも、「今日は木村さんが傍聴しているから、土屋さんは登校拒否なのかしら」などと呟く有様であった。


7. 前進座土地買収土屋市長の裏業
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