左翼、ユダヤ系学者による研究「ホロコースト・タブー」に疑問

ユダヤ民族3000年の悲劇の歴史を真に解決させるために ― 論証と資料

映画「シンドラーのリスト」が訴えた“ホロコースト神話”への大疑惑

初出『噂の真相』(1994.9) レポーター・木村愛二(フリージャーナリスト)

その4:左翼、ユダヤ系学者による研究

 さて、ナチのユダヤ人迫害の中心的犯罪は、「ガス室での計画的大量虐殺」である。

 先に紹介した西岡の説明および英文資料によると、ナチス・ドイツの収容所での「ガス室」の存在を否定した最初の人物は、ポール・ラッシニエ(1967年没)である。ネオナチどころか、フランス人の元レジスタンス闘士で、ゲシュタポに逮捕されてナチの収容所に入れられていた経験さえある。隠れもない「左翼」の歴史家(大学教授)だ。

 第二次世界大戦の直後には、「ホロコースト・タブー」と呼ばれる状況があったらしい。ナチの犯罪追及が熱心に行われている時代のことだから、その最悪の犯罪として話題の中心になっていた「ホロコースト」に疑問を投げ掛けるのは、「タブー」だったのだ。

 だがラッシニエは、自分の収容所での経験から、「ホロコースト・タブー」に疑問を覚え、いくつかの著作で「ガス室について決定的判断を下すのは早すぎる」という趣旨の主張を発表した。今では、「ホロコースト・リヴィジョニズム(ホロコースト見直し論)の父」と呼ばれている。

 やはり前出の『ニュウズウィーク』で紹介されていたプリンストン大学のメーヤー教授も、やはり隠れもない「左翼」の歴史家であり、しかもいわゆるユダヤ系である。

「左翼をもって任じるこの著名な教授は、自らもヒトラー支配下のヨーロッパからの亡命者だ。1940年、家族とともにルクセンブルグから逃れてきたが、祖父の一人は強制収容所で亡くなっている」(同記事)

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