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『亜空間通信』447号(2002/12/01)
【トルコでクルド語放送認可とイランとEUの平和協力に日本もイラク意識の3題話】
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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!
ああ、ああ、情報洪水を捌くためだけでも、結構、かなりの時間が掛かる。
そこへ行くと、まともな情報収集の努力もせずに当局発表を垂れ流し、情勢分析能力なしの薄味記事、薄味放送で、高給を食み続ける自称ジャーナリスト、私の呼び名、「じゃーらじゃらなー砂利すっとこどっこい」どもは、楽は楽でも、その怠慢の付けの不健康をば親心で心配しつつ、忙しいので、この間しばらく、イラン関係の箱に収めていた「イラン関係」情報を、は箱から取り出し、3題話として要約する。
アメリカがイラク攻撃に向けて、カナダの女性の首相報道官から、ブッシュがmoronと嘲笑されるほどに、つんのめっている矢先、または鼻先の出来事として、イランの国際外交が、微妙に展開された。その有様の一部を、すでに私は、次の一連の通信で報じてきた。
[以下、引用]
http://www.asyura.com/2002/war17/msg/829.html
『亜空間通信』416号(2002/10/30)
【イラク攻撃阻止でフランス85歳英雄ガロディに対米石油戦争を語らせたイラン紙】
[引用終わり]
[以下、引用]
http://www.asyura.com/2002/war17/msg/574.html
『亜空間通信』407号(2002/10/22)
【イラク攻撃控えブッシュの背後にイラン主軸パイプライン戦争カスピ海波高しか】
[引用終わり]
[以下、引用]
http://www.asyura.com/2002/war17/msg/524.html
『亜空間通信』404号(2002/10/20)
ロ米パイプライン戦争の伏流が旧ソ連圏とイラン・トルコを加え再燃か旧稿再発見】
[引用終わり]
以上の情報を総合し、要約すると、イランは、ルーマニアとブルガリアを窓口にしながら、ヨーロッパ全体と、トルコ経由のパイプラインによる天然ガス供給の協定を結んだのである。
このトルコ経由のイランからの南北のパイプラインは、アメリカが、10年間続いたユーゴ戦争に途中から介入して、主導権を奪い、その結果、カスピ海周辺からのパイプライン計画を、ロシア経由でも、バルカン半島横断でもなく、費用も嵩み難工事続きのトルコ経由で地中海に至る経路に、日本の金を当てにして、ねじ曲げた東西の計画と、トルコ領土内で直角に交わることになる。
そこへ、トルコの総選挙、反アメリカ色の強いイスラム政党の大勝利である。
さらには、トルコ、イラン、イラク、シリアに住むクルド人の問題に関して、画期的な情報がもたらされた。トルコ政府が、クルド語の放送を認可したというのである。しかも、その発表が、EUの首脳会議、サミットを目前に控えて、というのが、イランの首都で発行される『テヘラン・タイムス』(2002.11.21)の報道の仕方なのである。
以下、その英語情報の全文を紹介する。
[以下、引用]
http://www.tehrantimes.com/Description.asp?Da=11/21/02&Cat=2&Num=027
Turkey Gives Go-Ahead to Kurdish Broadcasts ahead of Key EU Summit
ANKARA -- Turkey's broadcasting watchdog RTUK on Wednesday unveiled a long-awaited regulation allowing broadcasts in the language of the country's Kurdish minority, a key EU demand.[中略]
[引用終わり]
しかも、同日付けの『テヘラン・タイムス』(2002.11.21)には、イランの外相が、ブラッセルで、EUとイランの関係に関し、「経済と貿易だけでなく平和と安全保障における協力関係を強調した」との記事が載っていたのである。
[以下、引用]
http://www.tehrantimes.com/Description.asp?Da=11/21/02&Cat=2&Num=026
Kharrazi: EU-Iran Cooperation for Sake of Peace and Security
BRUSSELS -- Iranian Foreign Minister Kamal Kharrazi Tuesday stressed that EU-Iranian cooperation is not for the sake of economy and trade only, but equally for promoting peace and security.[後略]
[引用終わり]
続いて、『テヘラン・タイムス』(2002.11.26)には、東京、すなわち日本の首都、つまりは日本政府が、中東におけるイランの決定的な存在意義に関して、意識しているという記事が載った。
この記事の扱いかたが、また、実に面白いのである。
記事の大見出しは、「東京が中東におけるイランの決定的な役割を意識」なのである。「意識」という表現は、日本政府がイランを含む中東諸国に、元外相ほかの政界上層部の代表団を派遣するという事実に基づくものであるが、この代表団派遣に関する記述に入る前に、イラクへの査察のことが書かれており、In this connection, つまりは、「この関連として」、日本の代表団が中東諸国を歴訪するという記述の順序になっているのである。
[以下、引用]
http://www.tehrantimes.com/Description.asp?Da=11/26/02&Cat=2&Num=027
Tokyo Aware of Iran's Key Role in Mid East
By Our Staff Writer
UN Arms Control Inspectors entered Iraq Monday to resume the inspection after a four-year hiatus.[中略]In this connection, Japan has dispatched a high-ranking delegation to discuss the issue with some regional countries including Iran.[中略]
Furthermore, the Japanese envoy's presence in Tehran is indicative of the importance Japan attaches to its relations with Iran regarding its key role in the Middle East region peace and security.
[引用終わり]
日本の中東外交の姿勢は、「アラブ寄り」ではなくて「アブラ(油寄り」と揶揄されてきたが、イランも有力な石油産出国である。天然ガスもある。
どんじゃね、おめさんら、このような国際情勢の下で、石油なしには唯一の自慢の「高度工業国家」の存続すらが危うい日本が、いかなる選択をなし得るのか、恐米畏縮症を克服できるのか否か。
日本は、実に実に、厳しい歴史の岐路に立たされているのである。イランの爪の垢でも煎じて飲んだら、どんじゃね。しかし、「あの」外務省、「あの「モロン首相」では、どうなることやら、困ったさんに成田さん、なのである。
実は、つい2日前にも、某集会で、日本の政治の実情に詳しい講師が、日本の「モロン首相の台詞は二つだけ、毅然として、柔軟に、だけ」と語って、満場爆笑となったのであった。ああ、笑ってる場合じゃないのであるが、のう。ああ、ああ。
以上。