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『亜空間通信』920号(2004/12/26)
【アメリカ帝国没落の予言に至る国際情報収集と総合分析の基礎には歴史と認識論哲学の素養が必要】
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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!
私は、昨日(2004/12/25)、最近のイラクにおけるアメリカの「苦戦」に関して、以下のような2度目の予言的中の通信を発し、阿修羅戦争掲示板に投稿した。
『亜空間通信』919号(2004/12/25)
【アメリカ帝国一挙陥落の好機と911事件の自作自演を捉えた2年前の電子記録示し総合分析を略述】
このわが投稿に対して、以下の長文のフォローがあった。まずは、その全文を再録した上で、その中の「分析方法を詳しく学んでいきたいと思います」という質問に、簡略に答える。
国際情報収集と総合分析の基礎には、歴史と認識論、または意味論の哲学の素養が必要なのである。
言葉の表面的または通常の意味の現象または建前の背後に、本音または本質を見抜き、行間を読み、紙背に徹する眼力がなければ、予言以前に、その前提となる現状の認識が、まったくできないのである。
たとえば、以下の投稿の冒頭には、「民主主義」という言葉があるが、私は、編著『9.11事件の真相と背景』の中で、この言葉の歴史に詳しい疑問を呈しているのである。
アメリカ帝国没落の必然性
http://www.asyura2.com/0411/war65/msg/345.html
投稿者 ワヤクチャ 日時 2004 年 12 月 26 日 12:15:49:YdRawkln5F9XQ
(回答先: アメリカ帝国一挙陥落の好機と911事件の自作自演を捉えた分析 投稿者 木村愛二 日時 2004 年 12 月 25 日 18:28:59)木村さん、2年前から予測したとなるとやはり分析方法の確かさを証明した事になりますなあ。貴方の分析方法を詳しく学んでいきたいと思います。
さて、アメリカ帝国没落の要因が何であるのかを考えたいと思います。
「アメリカが世界で一番民主主義的である。」という幻想をアメリカ国民の多くが信じていて、この独善性が鼻持ちならんと世界中の国から思われている事。特に米軍の軍事支配を受けた国では、「人を殺しておいて民主主義も無いもんだ。」と思われているでしょう。
[中略]
ホロコーストはイスラエル建国の為にデッチ上げられたものかも知れませんねえ。
ホロコーストの写真を見たことがありますが、眼鏡が山のように積み上げられているヤツとか「こなのは別に単に眼鏡を多く集めて撮影しただけではないか?」などと思いましたけどねえ。
[後略]
事実の確認も重要である。上記の投稿の中の「眼鏡が山のように積み上げられているヤツ」に関しては、現地のアウシュヴィッツで、しかも、私の目の前で、観光客の質問に答えて、案内役のポーランド人の教授が、「出所した収容者が残していったのを自分たちが集めた」と語ったのである。10万人の単位の戦争中の収容者は、彼らを「解放」したソ連軍が新品を支給したので、衣類、靴、鍋などを、残していったのであって、「ガス室で殺されたユダヤ人の遺品」ではないのである。
意味論の哲学の重要性に関しては、以下の旧稿の中のアラブ人の哲学者との会話を参照されたい。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/turedure-03-1216.html
随時追加「編集長日記風」 木村愛二の生活と意見 2003年12月分
2003年12月16日(火曜日)
アラブ人哲学教授との遭遇から「何を考えているのかますます分からなくなる」日本人名誉教授切り捨ての画期の覚悟に至る
[中略]
私は、当日の集会の重要な鍵言葉、「意味論(または語義論)の戦争」(semantics War)を持ち出し、「意味論の戦争」なら、「ジェノサイド(Genocide、大量虐殺)、ホロコースト、ショアが、最も重要ではないか」と切り込んだ。彼は「わが意を得たり」とばかりに、再び大きく頷いた。
[後略]
歴史の素養に関しては、以下の『古代アフリカ・エジプト史への疑惑』(1974年初版発行)を無料で電網公開している。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/afric-index.html
『古代アフリカ・エジプト史への疑惑』
木村愛二著 1974年初版発行(鷹書房 四六判 312頁)
この30年前の本は、絶版なので、近く、木村書店から改訂新版を発行する予定である。
この本で主張した基本的な問題点、「古代エジプト人はアフリカ大陸の黒人」に関しては、その後、ミイラのDNA鑑定によって、完全に証明された。
つまり、私は、この30年前の本でも、当時は大胆過ぎた主張、「古代エジプト人はアフリカ大陸の黒人」説を発表し、それが的中していたのである。
要は、徹底した資料収集と、総合分析にあるのである。
以下の12年前の拙著の中の「油まみれの黒い水鳥」に関する資料収集と分析も、同様である。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/gulfw.html
『湾岸報道に偽りあり』
隠された十数年来の米軍事計画に迫る
(その05)第一章:一年未満で解明・黒い水鳥の疑惑
水鳥の映像にヤラセの疑い。軽率な速報競争に仕掛けワナ
「油まみれの黒い水鳥」の映像は映像は湾岸戦争報道の象徴といっても過言ではない。私は、この映像報道への疑惑を『創』誌の一九九一年四月号と十月号で発表した。執筆当時の状況を確認することも必要なので、以下、その一部を削除ないし訂正したものの、ほぼ原文どおりに再録した。
『創』四月号の発行は三月十日。原稿締切りは二月二十日頃だったが、もう一本を『噂の真相』四月号向けに書いていたので、こちらは二月初旬には完成していた。つまり、原油流出事件が起きた一月二十日頃から一週間以内には取材をすませ、二週間後には書き終えていたのである。
なぜこういうことを、くどくど記すかというと、こちらはたった一人の作業である。何千人もの多数の記者を抱える大手のマスコミ企業が、本気になって「調査報道」をしていれば、おそらく一日もかからず、さらに正確に真相に迫ることが可能だったに違いない、という点を強調しておきたいからである。
表題は「湾岸戦争を考える/原油流出報道の『疑惑』を検証する」であり、次のようなゴシック・リードで始まっていた。
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「いかがわしいことが明らかになった“油まみれの水鳥”の映像。日本の大手マスコミは謀略宣伝の片棒を担がされているのではないか。恐るべき湾岸戦争情報ギャップの基本的原因を探る」
水鳥の映像にヤラセの疑い。軽率な速報競争に仕掛けワナ
「これだ……」思わず声が出てしまった。静まりかえった夜の図書館の人影少ない新聞閲覧室でのこと。つい、周囲を見回してしまったが、別に人の目を気にする性質の仕事ではない。悲しみにも似た、いい知れぬ憤りを押えつつ、しおりを何十枚もはさんだジャパン・タイムズの古新聞の束を抱えて、コピー機に向かう。
最後にやっと見つけた小さな記事は、ニコシア発AP電。「サダムが前線に行き、司令官達と会う」の一段見出しで六十行弱だが、その終わりの部分に、さる一月二十六日以来マスコミが総動員され続けたペルシャ湾の原油流出騒ぎの発端が、簡略に記されていたのである。
最初に、この事件報道に関する私の結論を述べておこう。
アメリカは、イラクの石油タンカーと原油貯蔵タンクなどを一月二十二日前後に爆撃し、大量の油の海への「流出」を招いた。そして、三日後の二十五日になってから、イラクの「放出作戦」だとスリカエ、デマ宣伝に居直ったのである。
[後略]
以上。