『亜空間通信』735号(2004/02/13) 阿修羅投稿を再録

国会議事録皆無:劣化ウラン弾重金属毒性追及に見る原水爆反対運動系視点の悲喜劇的狂信の歪み

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

『亜空間通信』735号(2004/02/13)
【国会議事録皆無:劣化ウラン弾重金属毒性追及に見る原水爆反対運動系視点の悲喜劇的狂信の歪み

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 私は、このところ、「劣化ウラン弾の被害云々」の議論に関して、「劣化ウラン弾の燃え滓空中浮遊微細粉末」の「放射能毒性」よりも「重金属毒性」の方を重視し、いわば、「口を酸っぱくして」、説得力のある研究調査を求め続けてきた。

 ところが、いわゆる「反戦」論者には、これが、なかなか通じない。通じない理由は、実に簡単である。至極簡単に言えば、狂信の「なせる業」なのである。いわゆる「反戦」論者は、旧ソ連を典型とする社会主義とか共産主義とかと同種の狂信者の集団の成員であり、率直に言えば金魚の糞同然であり、それらの集団のすべての成員の深層心理を強固に縛っている教条、狂信、御幣担ぎの習慣から逃れられないのである。

 しかし、この問題を追っていると切りがないなら、今回で打ち切りにするために、象徴的な事例を示し、その狂信の基本を明確に定義する。

 唯一の被爆国という特殊な立場の国の日本人の脳味噌には特に、「ウラン」「核兵器」「放射能」「放射線」の連想神経回路が、強固に形成されている。「劣化ウラン弾」「核兵器」「放射能」「放射線」という連想神経回路の「放射」は、いわば、「俗耳に入りやすい」脅し文句になるから、もともと不勉強の「教条主義者」がほとんどの自称平和主義者たちは、この「俗耳」情報を、比叡山の僧兵が担いで、当時の首都の京都の町中を練り歩いた御輿さながら、せっせと運んで、流し、広め続けてきたのである。

 劣化ウランの放射能は弱いのだから、放射能御輿を担ぐ僧兵、いや「反戦」運動の横行は、アメリカにとっては、もっけの幸いとなる。「放射能は検出されない」、または「非常に弱い」から「害はない」と、宣伝し易くなるのである。

 しかし、劣化ウラン弾の超高温燃焼による「燃え滓」の空中浮遊微粒子の「毒性」の中では、重金属毒性の方が、放射能毒性よりも、間違いなしに、遙かに強く、量が多いのである。つまり、「質量ともに」重金属毒性の方が重大なのである。このことは、むしろ、普通の常識人の方が、良く理解している。

 重金属毒性は、「水俣病」として知られた有機水銀とか、「いたいいたい病」として知られたカドミウム、印刷現場の鉛中毒で、世間常識になっている。水銀も、カドミウムも、鉛も、放射性物質ではないのである。

 意外も意外、実に普通の常識人の私は、この問題に即座に気付きながらも、ここ数年来、他の問題、特に、ホロコーストの大嘘の問題で超多忙であった。だから、専門でもない劣化ウラン弾の重金属毒性の問題に費やす時間は取れなかった。

 しかし、劣化ウラン弾の重金属毒性については、湾岸戦争の直後から何度も聞いていたし、これが今や、重要かつ焦眉の急を告げる問題として浮上しているので、放射能云々の「俗耳」情報の氾濫状況を見るに付け、これまた、いわば、ついに「業を煮やして」、以下の「憎まれ愚痴」リンク集を設けた。

---------- 引用ここから ---------- 
http://www.jca.apc.org/~altmedka/iraq-uran.html
劣化ウラン弾重金属毒性・無視・無知・批判問題リンク集
[後略]
---------- 引用ここまで ----------

 このリンク集は、自前の記事だけの特集である。重金属毒性に触れた記事は、ユーゴ戦争当時、1999年のものである。それでも、もう、5年前のことになる。『週刊プレイボーイ』の連載記事の一部なのだから、いわば、週刊誌でさえ報じていたのであり、知る人ぞ知る類の「世間周知の事実」だったのである。

 現在も、「劣化ウラン、重金属毒性」の鍵言葉で電網検索すると、600件もあると出る。

 ところが、ところが、自衛隊のイラク「派遣」法案の決定段階で、やっとのことで、「選良」とかが群れることになっている国会での質問も、少しは出始めたというのに、「劣化ウラン 重金属毒性」の二つの鍵言葉で国会議事録の総合検索をすると、以下のごとくに、「0件」なのである。

---------- 引用ここから ---------- 
検索件数 ・・・ 0件
指定された期間内及び院に該当する会議録が見当たりません。
条件を変更して再度検索してください。
検索条件
開会日付:平成11年02月04日 ~ 平成16年02月04日
院名:すべて
検索語(&):劣化ウラン 重金属毒性
---------- 引用ここまで ----------

 検索の仕方が悪いのかもしれないので、念のために衆議院に電話して、電話に出た広報対当の女性に聞くと、非常に親切で、先方でも「一緒に」やってみてくれて、間違いなく、やはり、まったくないのである。

「劣化ウラン 重金属」なら、4件あると言うから、再び検索した。

---------- 引用ここから ----------
検索件数・・・ 4件
検索条件
開会日付:平成11年02月04日 ~ 平成16年02月04日
院名:すべて
検索語(&):劣化ウラン 重金属
---------- 引用ここまで ----------

その中で、比較的に評価できる質疑応答は、以下の抜粋である。

---------- 引用ここから ----------
○石破国務大臣 先遣隊が線量計を持参したということは、もう答弁を申し上げたとおりのことでございます。

 劣化ウラン弾というものが人体に与える評価、影響というのは、皮膚を通過しない、直接採取をしない限り影響は生じない、それも重金属性によるものであるということも答弁を申し上げました。

 しかしながら、念には念を入れて線量計というものを持参させる、それはガイガーカウンターというふうに世の中で言われるものでございます。彼らが活動するときに、それがたとえ放射能ダストというものであるにせよ、普通の人間界、普通の自然界において生じないものがあればその線量計は反応することができるというものでございます。そういうものが反応したという報告は受けておりません。

○阿部委員

[中略]

 ガイガーカウンターを持っていけば、放射線に敏感に反応する。あるいは、劣化ウランは重金属です。重金属汚染は年月の長さが全然違うわけです。今安全性が言われても、何十年とたったとき、あるいは何百年とたったとき及ぼす影響がわからないからこそ、私どもが非常に敏感でなくてはいけないんだと思います。

[中略]

 質問通告していないのですが、実は、今回のアメリカのイラク攻撃で劣化ウラン弾というものが使用されました。これはかつての湾岸戦争時も使用されましたが、貫通力を強めるために非常にかたくしなきゃいけないということで、ウランがその場合に非常にかたいということで選ばれておりますが、同時に、地中に残った場合は重金属としての汚染をもたらす可能性が非常に強いと思われます。

[後略]
---------- 引用ここまで ----------

 上記の質問者の阿倍知子は、以下のごとく、医者であった。わが呼称、「核気違い」ではないのである。

---------- 引用ここから ----------
http://tmp2.2ch.net/test/read.cgi/joke/1068371625/l50
学歴板的選挙速報
320 :エリート街道さん :03/11/12 15:33 ID:HSLfjFYf
>>284
医者→議員は、今回の衆議院選挙では十一人。そう多くない、出身はバラバラ。
学歴板的に目立つのは、
阿倍知子 55 東大医 (南関東比例・社民)[病院長だから看護ではない]
[後略]
---------- 引用ここまで ----------

 私は、湾岸戦争の直後、1992年か1993年頃には、劣化ウラン弾の被害に、重金属毒性を指摘する資料を見た。

 その後、1997年になって、アメリカのヴィデオの日本語版、『劣化ウラン弾の恐怖』が発表され、その上映会にも参加した。

 その時に、招かれていた講師は、原子力資料情報室の研究員だった。この講師は、原子力とか、原発とか、放射能には詳しかったが、私が重金属毒性について質問すると、実に素直に「知らない」と答えた。

 以下の原子力資料情報室の電網宝庫は、東海村の事故の時には、一気に万単位の接近があって、しばらく接続不可能になった。それほど情報量が多いのである。ところが、以下のように、「劣化ウラン」の検索をすると、ほとんど情報がない。

---------- 引用ここから ----------
http://cnic.jp/link/
原発のない未来へ-原子力資料情報室CNIC(Citizens' Nuclear Information Center)
cnic.jp内で劣化ウランを検索しました。 約18件中1 - 10件目・検索にかかった時間0.19秒
---------- 引用ここまで ----------

 しかも、このほとんどが、取るに足らない「ついでの」見出しだけの情報ばかりである。

「重金属毒性」を加えると、1件だけで、東海村の原子炉の事故の訴訟記録である。

---------- 引用ここから ----------
cnic.jp内で重金属毒性を検索しました。 2件中1- 2件目・・検索にかかった時間0.13秒

http://cnic.jp/data/jco20030212.pdf
[中略]
平成14年(ワ)第513号損害賠償請求事件
原告大泉恵子外1名
被告株式会社ジェー・シーオー外1名
準備書面 (1)2003年2月12日
水戸地方裁判所民事第1部合議係 御中
原告ら訴訟代理人
[中略]
原子力損害は[中略]あるいは放射能による損害,あるいは重金属毒性といいますか,こういったような3種類の損害
[後略]
---------- 引用ここまで ----------

 上記の「原子力資料情報室」は、原水協とか原水禁とか、原発反対運動とか、わが呼称、「核気違い」集団の本山「教典の倉庫」の位置にある。ここが重視しない「劣化ウランの重金属毒性」は、いわゆる「反戦」言論界では低い評価しか与えられず、結果として、国会の「野党」質問にも、ほとんど反映されなくなるのである。

 再び、常識人として、電網検索すると、劣化ウランは、以下の「測定結果」のごとく、ほとんどが、「核分裂を起こしにくいウラン238(238U)なのである。「235Uの存在比率は0.2%程度」なのだから、引き算すると、暗算でも簡単にできる。残りの99.8%程度は、「核分裂を起こしにくいウラン238(238U)なのである。

---------- 引用ここから ---------- 
http://www.nodu-hiroshima.org/nodu22.htm
ヒロシマ・アピール」より転載
平成15年7月26日
イラク劣化ウラン弾サンプルの測定結果について
星正治(ほし・まさはる)広島大学 原爆放射線医科学研究所 附属国際放射線情報センター教授
田中憲一(たなか・けんいち)広島大学 原爆放射線医科学研究所 附属国際放射線情報センター助手
はじめに

 ウランは、核分裂をしてエネルギーを生み出す(235U)と、核分裂を起こしにくいウラン238(238U)から成り立っています。天然のウランにおける235Uの存在比率は、ウラン全体に対しておよそ0.72%です。原子力発電では、この235Uの存在比率を3~5%まで高めて、つまり、"濃縮"して使用しています。ウランを濃縮する過程においては、しぼりかすとして、天然の状態よりも235Uの存在比率が低くなったウランが出来ます。これを“劣化ウラン”と呼びます。この場合、235Uの存在比率は0.2%程度です。
[後略]
---------- 引用ここまで ----------

「放射能」と騒いで、「検出されない」と却下される愚の骨頂の「反戦」運動は、「原水狂」真理教の狂信者の大失敗なのである。

 私は、この種の自称平和運動とか、「主義」運動を、宗教と同様、基本的には「悪魔教」として位置付けている。

 古代、というよりは、もともとの宗教は、先祖崇拝、特にその強大な指導者への崇拝、畏敬、拝跪に始まるのであり、そのような指導者には、いわゆる悪魔的な力量が備わっていたのである。だから、古代の宗教の「神」は、現在の流行の概念で言うと、神と悪魔の双方の側面を持っていたのである。

 悪魔の側面から見ると、核兵器は、現代の「拝跪」の対象としては絶好である。だから、自称平和主義者は、「核」を確保して、自分たちの神に祭り上げ、独占しようと努力するのである。

 これも概略、すでに論じたことだが、原水禁と原水協、核禁の3つの似非平和運動の「核」独占、近親憎悪、不毛の縄張り争いには、この「核」悪魔教が潜んでいる。

 この「核」悪魔教の映像化として、一番分かり易いのは、ハリウッド映画、『続・猿の惑星』である。放射能に汚染され、猿に追われ、地下に潜った「人類」は、核ミサイルを「神体」にしているのである。

 私は、「核」悪魔教の正体暴露、その魔力の心理的粉砕なしには、劣化ウランの重金属毒性の理解は進まず、惨禍は広がる一方となるであろうと、かく預言する。

以上。


「イスラエル関与疑惑」関連記事総覧へ
アメリカ「ゲリラ攻撃」関連記事総覧へ

亜空間通信2004.2に戻る