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「神の国」発言に係る森喜朗内閣総理大臣の資質と暴力団に関する質問主意書2000年5月31日 森総理の「日本は天皇を中心とする神の国」発言をめぐる報道が続く中で、今般、森総理が中尾元通産大臣の秘書の結婚披露宴で、指定暴力団「稲川会」の会長一家と同席していたことが明らかになった。 また、保坂展人衆議院議員が、平成十二年五月十九日に「『神の国』発言と森内閣に関する質問主意書」を提出し、それに対する政府答弁書(以下「答弁書」という。)が五月二六日に衆議院議長宛に提出された。この答弁書に関し、以下質問する。 一、「神の国」発言について(1)答弁書によると、「天皇中心」という表現は日本国憲法の下において「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴である」との趣旨で述べたという。しかし、日本国憲法は前文において国民主権を宣言し、第一条で「天皇の地位は国民の総意に基づく」と規定して国の主権者、つまり「中心」は国民であることを明記している。主権者である国民の総意に基づく天皇の地位は、「象徴」である以上、国の「中心」とは解されない。「象徴」と「中心」は、法的に矛盾するのではないか。 (2)答弁書によると、森総理の発言は、「国民主権の原理に反するものではな」いとしている。しかし、日本国憲法はそもそも国民主権に立った憲法であって、国民主権と対峙する主権者を排除していると考えるがどうか。 (3)答弁書によると、「神の国」という表現は「特定の宗教について述べたものではなく、地域社会においてはその土地土地の山や川や海などの自然の中に人間を超えるものを見るという考えがあったとの趣旨」で述べたというが、戦前は、地域の土地土地の山や川や海などの自然の中に存在する、人間を超えるものもすべて総括した森羅万象の「現人神」が天皇だったのではないか。 (4)日本国憲法が「国民主権」を宣言した歴史的意義について、政府見解を示されたい。 (5)戦前、「現人神」とされた天皇が、戦後、「人間宣言」を発した歴史的意義について、政府の見解を示されたい。 (6)日本国憲法で、天皇が「日本国の象徴」「国民統合の象徴」となったことについて、政府の見解を示されたい。 (7)日本国憲法で、天皇の地位が「国民の総意に基づく」と規定された歴史的意義について、政府の見解を示されたい。 (8)日本国憲法の下で、主権者の国民と象徴天皇の関係をどのように認識しているか、政府の法的見解を示されたい。 (9)日本は立憲君主国か。天皇は日本の元首ではないと考えるが、政府の見解を示されたい。 二、創価学会への弾圧について(1)答弁書は、戦前の創価学会弾圧について「詳細は定かでない」としているが、なぜ「定かでない」のか。 (2)日本国憲法の「信教の自由」が大日本帝国憲法の「日本臣民ハ安寧秩序ヲ妨ケス及臣民タルノ義務ニ背カサル限ニ於テ」という制限を撤廃した経緯について、説明されたい。前記創価学会への弾圧も影響したか。 (3)創価学会は指導者らが国家権力によって投獄され、獄死するという弾圧された歴史を持っているが、政府はそうした歴史と現実をどのように認識しているか。 三、暴力団との関係について(1)政府は暴力団の存在について、どのように認識し、かつ、政策として、どのように取り締まってきたか。 (2)竹下登氏が総理大臣に就任する前、右翼団体「皇民党」によるいわゆる「ほめ殺し」をやめさせるため、当時の与党実力者が指定暴力団「稲川会」会長に仲裁を依頼したといわれているが、それについて、政府はどのように考えるか。 (3)政治家と暴力団の関係について、どのようにあるべきと考えるか。 (4)政府は、森総理が自民党幹事長時代に、代議士秘書の結婚披露宴の場で、暴力団と同席し、スピーチまでしたことについて、どのように考えるか。また、一般論として、国会議員事務所と暴力団とが関係を有することについて、どのように考えるか。 右質問する。 |