2001年2月 沖縄海兵隊撤退問題

◆2.9 (金) バカな弱虫と知事を電子中傷した米軍沖縄地域調整官の座って謝罪は頭が高い

◆2.12(月) 沖縄の四軍調整官発の問題Eメール原文を『沖縄タイムス』読み込みで発信

◆2.14(水)「女々しい奴」罵りメール訳文(要旨)釈明(要旨)ラミス寄稿の英語解説全文

◆2.15(木) インターネット検索記事「海兵隊の撤退要求、県内で初の決議/北谷町議会

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2001.2.9 バカな弱虫と知事を電子中傷した米軍沖縄地域調整官の座って謝罪は頭が高い

 本日、午前10時30分、外務省北米1課に電話をして、電話番の女性に対して、「63歳のインターネット雑誌編集者」と名乗り、責任者を出せと要求し、出てきた男の名前も官職も確かめずに、厳しく叱り付けた。なお、63歳は誤りで、本人の自覚が不足していた。閻魔の庁の鬼籍では、本年1月17日付けで64歳と記載が自動変更されているはずである。

 なぜ、厳しく叱ったかであるが、2つの手近な契機がある。

 第1は、表題の通りの事件であるが、この事件の報道自体が、非常に分りにくい。『日本経済新聞』(2001.2.9)記事、「『バカな弱虫』と中傷の米軍調整官/沖縄知事訪ね謝罪」によると、昨日の8日、「沖縄米軍トップのヘイルストン」とやらが、電子メールでの中傷を「陳謝した」。どういう経過かは記事では分からないのだが、電子メールの文面がバレてしまって、ごまかしが効かなくなったのであろう

 そこで、沖縄県まで電話すると、あの憎っくきNTTに悪名高い市外料金をふんだくられるから、東京事務所で間に合わすと、どうやら、地元紙報道をNHKが報じて、「保守」の県知事も顔が立たなくなり、抗議をしたらしい。メールの文面は発信情報が消されていたらしく、米軍内部の「ヘイルストン批判派」の仕業の可能性あり。

 記事では、「県と米軍はこれにより事態を収拾したい考えだ」そうだが、「調整官は席についたまま発言し、頭を下げる場面はなかった」とある。頭が高い

 おそらく県知事は、本当に「バカな弱虫」なのであろう。しかし、本当のことでも、公開の場での侮辱となれば、沖縄県人のみならず、日本人のみならず、許せば、なおのこと、なめられる。これで「事態を収拾」するのなら、日本人全体が「バカな弱虫」の正体を世界中に晒すことになる。

 なお、ヘイルストンは多分、Hailstoneであろう。Hailstoneは「雹(ひょう」である。Hailだけでも同じ意味を持つが、そちらには手元の安物辞書にも[米俗]として、「叱責」「大目玉」の意味が記されている。

 この件では、早速、アメリカ大使館と外務省をも、厳しく叱って置いた。主旨は、下手なアメリカ訛りなど使うから、通弁並に扱われ、なめられるのであって、私みたいにアラブ訛りを使え、ということである。

 そこで、第2となるが、月曜日のNHKで、杉原千畝の「美談」を「歴史が動いた」時と称えていた。お粗末なホロコーストの嘘の上塗り話であるが、外務大臣の糞ボンボンが、ユダヤ教の糞法師らと一緒になって、杉原を「称える」金属板の除幕式に登場した。馬鹿な奴だ。これだから、アメリカ人にも、馬鹿なアメリカ人を思想支配している極右のシオニストにも、トコトン、なめられるに決まっているのである。

 なお、heilstoneならぬmailstoneで他人を侮辱しても、まともに謝罪しないのは、アメリカ人だけではない。日本にも、その程度の馬鹿が、増えてきた。

 なお、本日は特別に、ことの緊急性にかんがみ、以上の日記風文章をメーリングリストに流すと同時に、以下の頭書きを加えて、沖縄県庁への「檄」として発した。順序は逆になるので、文中の「下記」は「上記」と読み変える方が意味が通る。

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2001.2.12 沖縄の四軍調整官発の問題Eメール原文を『沖縄タイムス』読み込みで発信

 沖縄の四軍調整官(在沖縄の陸・海・空・海兵隊のトップ。第3海兵隊遠征軍司令官、在日海兵隊基地司令官を兼任)発の問題Eメール原文が『沖縄タイムス』(2001.2.6)に掲載されていましたので、とりあえず、スキャナーで読み込み、かなり苦労して校正し、皆様の御努力により、このメール弾丸が全世界に散布されることを念じて、発射します。

 前後関係の細部紹介は明日に予定します。以下は、『沖縄タイムス』の一面トップの大見出しと、メールの原文です。メールの部分については、わがホームページ「日記風」にモザイク入りの映像を掲載します(入力済み)。

 最後に、元海兵隊員で私も何度か会ったことのある元津田塾大教授、ダグラス・ラミスの寄稿による英語解説の中心部分のみを紹介します。


『沖縄タイムス』(2001.2.6)

知事らは「腰抜け」

部下にEメール
四軍調整官が批判
海兵隊削減決議に不満
「彼らは何もしなかった」

……Original Message……
From: Heilston LtGen Earl B
Sent: Tuesday, January 23, 2001 12:27 PM
To:[この部分は下段の新聞社による注の通りにモザイクで抹消されている]
Subject: FW: This Weekend

Commanders and Acting Commanders:

I tell you that this latest incident in Kin has been blown out of proportion. The anti-base reformists have been given the freedom to attack with no cover or counter remarks by any of the locals who falsely claim to be our friends. The situation went from the Governor, both Vice Govenors, Mayor Yoshida, and a Diet Member separately telling me in person last week that "while this is bad we understand and appreciate your efforts" to all of them standing idly by as the OPG Assembly passed an inflammatory and damaging Resolution. I think they are all nuts and a bunch of wimps. I have enjoyed telling them so. Still the damage is done. Involved leadership can help this situation. We bought into this organization 24x7. Fire up those closet NCOs. Kick the lieutenants and captains in the butt. They are responsible too. Stop this flood of undeserved discredit that has our Marine Corps decks awash. The Commandant deserves all this and more from us. Do something and keep doing it. Stop those 5%'ers. Gen Hailston

Eメール

 へイルストン在沖米四軍調整官が部下の司令官に出したEメール。(メールのあて先は一部画像を加工しています)

 顔写真は『憎まれ愚痴』編集部による同じ紙面からの切り抜き貼り込み


ダグラス・ラミスの寄稿(同紙2001.2.8)より:

「wimp」の方は興味深い。「腰抜け」や「弱虫」という訳は当たっているのだが、イギリスの俗語で「女」という意味の語源を持つ言葉だそうだ。つまり、この言葉の暗黙の前提は女性蔑視(べっし)である。腰抜けの弱虫は「女のようなヤツ」という言い方だ。おそらく「女々しい」が適訳だろう。調整官がこの言葉を選んだことが興味深い。米軍の暗黙の男性中心・女性蔑視の価値観が変わっていないということが読み取れる。

おお、万国の女性よ、総決起せよ!

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2001.2.14 「女々しい奴」罵りメール訳文(要旨)釈明(要旨)ラミス寄稿の英語解説全文

 敗戦直後の占領軍総司令官マッカーサーの実質的な後継者、ヘイルストン中将の問題のEメールに関しては、原文の「罵り」部分のみしか入手できていませんが、以下のように、『沖縄タイムス』(2001.2.7)に、全体の「訳文(要旨)」と、それへの「釈明文の訳文(要旨)」が発表されており、その翌日に、ダグラス・ラミスの寄稿が掲載されています。この3つの読み比べ、私の短い注によって、「真意」が御理解頂けるかと存じます。


ヘイルストン調整官のEメール訳文
(要旨)

 われわれ一万五千人(在沖海兵隊員)は責任を果たすためにこの島に駐留している。海兵隊は三十四年以上にわたり、私の人生であり家族だ。一般的に海兵隊が人々を困らせているということは事実ではない。しかし、われわれは一連の事実(事件・事故)を無視することはできない。個人に責任を押し付けることもできない。われわれ指導者も同じ罪を犯しているのだ。

 なぜ、下品な行為に及ぶ不健全な隊員が海兵隊にいるのか。なぜならわれわれは海兵隊と隊員について何も知らないからだ。バーや警察でトラブルになる隊員に対し、われわれはその兆侯に注意を払ってこなかった。これはお願いではない。命令だ。問題を起こす前に隊員を鍛えろ。法律やルールを破るものは抑えつけろ。

 私は最近、海兵隊の規律が欠如しているとの指摘をいや応なく聞かされている。それに対し、われわれはどのように説明すればいいのか。

 最近、金武町で起きた分別をわきまえない事件について言及しよう。(事件は)反基地主義者たちに攻撃する自由を与えた。知事や副知事、吉田町長、国会議員らは先週、私に対し「私たちはあなたの努力を理解し評価します」と言いながら、扇動的で(米軍が)損害を受ける県議会決議を可決するとき、彼らは何もしなかつた。彼らは頭がおかしく、腰抜けだ。

 しかし、ダメージ(海兵隊の)は残つたままだ。リーダーシップがこの状況を救うことができる。われわれ海兵隊へのとどまらない不信の洪水を止めろ。司令官はそれができる。努を続けていこう。

調整官の釈明文

在沖米海兵隊外交政策部(G5)から県に送られた釈明文の訳(要旨)

 私が指揮官に送った私的(プライベート)な電子メールが不適当に公表されたことは知つている。これに関する私の考えを明らかにしたい。それは私の指揮官や代理指揮宮への私的な内部通信だつた。指揮官らの注意を促すためのメッセージだつた。

 私が知事や両副知事、吉田(勝広)町長および議会のメンバーを敬服し、尊敬していることを明らかにし。もしも私の電子メールでの意見が誤解を招いたなら、非常に残念であり、それは私の真の意図ではなかった。私のメッセーシはこれらの事件は受け入れ難く、それを防ぐためのスタンスを続ける必要があるということである。

 私はこれらの事件を可能な限り最小に抑えることに専念する。同じく沖縄のリーダーたちとの協力関係を継続することに専念する。この二年にわたり、共に事件・事故を滅少させるために協力した。われわれの真の努力が数人のはね返り者のために水の泡になることは、われわれを深く落胆させている。私の指揮官にも私の挫折感を知ってもらいたかつた。そして海兵隊の多くの隊員にも。

 そこでの会話は非常に激しいものだが、それは私の(事件防止への)思いが強かったからだ。最後に私は沖縄の人々や選ばれた県議会の人たちに深い尊敬の念を持つていることを明らかにしたい。私の私的な電子メールに起因したあらゆる不快感に謝罪したい。


軍事思想で綱紀正せぬ

■力での抑圧/■女性蔑視

寄稿:ダグラス・ラミス

 在沖米四軍調整官アール・ヘイルストン中将は、その電子メール発言問題に対して、それは「プライベートな時に出した言葉であって、本当の気持ちではない」と弁解した。プライベート上の「本音」と公の「建前」との区別が常識になつている日本語に直すと、全くナンセンスになる。このことに、彼は気づいていないようだ。しかし日本語で言っても英語で言っても、彼の弁解は信じられない。

 電子メール中の問題発言の段落は「I tell you」(君たちに言います)から始まる。この言葉が「今から本当の気持ちを話します」という合図になつている。和訳すると、「本当のことを言うと」とか「本音を言うと」になるだろう。この段落には「the locals who falsely claim to be our friends」(われわれの友だと不誠実にも主張する地元の人々)という一言葉がある。これは非常に強い発言だ。「false claim」というのはつまり、嘘(うそ)のことだ。一般的に最もひどいのは「私はあなたの友達だ」と嘘をつくことだろう。こういう「不信の友」は自分を裏切る人であり、実は最も危険な敵だ。 [Re:false 最下段の木村愛二の注を見よ]

 同じ段落で、ヘイルストンはこの「不信の友」を「all nuts and a bunch of wimps」と呼んでいる。「nuts」という言葉はとても曖昧(あいまい)で、日本語で同じぐらい曖昧な「ばか」が適訳だろう。

「wimp」の方は興味深い。「腰抜け」や「弱虫」という訳は当たっているのだが、イギリスの俗語で「女」という意味の語源を持つ言葉だそうだ。つまり、この言葉の暗黙の前提は女性蔑視(べっし)である。腰抜けの弱虫は「女のようなヤツ」という言い方だ。おそらく「女々しい」が適訳だろう。調整官がこの言葉を選んだことが興味深い。米軍の暗黙の男性中心・女性蔑視の価値観が変わっていないということが読み取れる。

 ヘイルストンは「海兵隊の規律が欠如しているとの指摘」を「BS(Bullshit)」(牛のふん)、つまりナンセンスといつているのだが、同じ電子メールには司令部には手かおえない基地の中の規律の乱れた状況が描かれている。「なぜ、下品な行為に及ぶ不健全な(sick)隊員が海兵隊にいるのか」「なぜ、上級下士官や将校まで酔っぱらい運転で逮捕されているのか」という繰り返される質間から、ヘイルストンのいら立ちが伝わってくる。

 しかし解決策としては「教育」には触れず、上からの力による抑圧の強化しか言っていない。「get tough」(容赦しないでおけ)「squash them」(つぶせ)「kick but」(ケツをけれ)。 「われわれが侮兵隊組織に従事しているのは24x7(一日に二十四時間、週に七日間)」とも書いてある。このような全体的な力による抑圧の強化は逆効果を起こさないかという疑問がある。そもそも、問題の基本的な原因となる「女性蔑視」「力による抑圧の発想」が司令部にある以上、その司令部か実施しようとする綱紀粛正がその問題の解決になるとは信じがたい。

◇  ◇

 ダグラス・ラミス:ー九六○年、海兵隊員としてキャンプ瑞慶覧に一年間駐留。軍隊という組織に疑問を抱き、除隊。昨年まで津田塾大学教授(政治学)。政治学者。二○○○年から那覇市在住。


 私が最近、何度か各所で紹介している以下のように表裏の言い換えのある英語の諺は、日本の諺で言えば「人を見たら泥棒と思え」と同程度に、英語圏では人口に膾炙しており、七つの海を王室特許の海賊(海兵隊の祖先)を先頭にして荒らし回り、近代の植民地世界帝国を築いた英語使用者の世間対応、特に植民地で現地人の手先を使う際の常識的な判断指針になっている。

 A false friend is worse than an open enemy(偽の友は公然の敵より悪い)

 An open enemy is better than a false friend(公然の敵の方が偽の友より良い)

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2001.2.15 インターネット検索記事「海兵隊の撤退要求、県内で初の決議/北谷町議会」

記事インターネット検索で「見本」入手した情報です。


[琉球新報ニュース] 更新 2001年2月15日(木)15:4

海兵隊の撤退要求、県内で初の決議/北谷町議会

【北谷】町内での米海兵隊員による連続放火事件とアール・ヘイルストン四軍調整官の中傷メール問題を受け、北谷町議会(与那覇政保議長)は15日午前10時、臨時議会を開き、県内の議会で初めて海兵隊撤退を求める抗議決議と意見書、さらにヘイルストン四軍調整官の即時更迭を求める抗議決議を全会一致で可決した。

 繰り返される海兵隊員の犯罪は、もはや兵力削減ではその防止につながらないとして、撤退まで踏み込んだ。他の市町村議会にも影響を与えるのは必至。

「県民全体をばかにしたもの」としてヘイルストン四軍調整官の更迭要求も7日の沖縄市議会に続いての可決となった。  連続放火に対する抗議決議は「米軍のいう『綱紀粛正』はまさに地に落ちたといわざるを得ない」として事件に厳しく抗議した。

 また、起訴前の身柄の引き渡しを拒否している米軍の姿勢を「重大かつ悪質な放火事件を引き起こしながら引き渡しを拒否した米軍当局に満身の怒りをもって抗議する」と批判した。さらに米軍がその根拠としている地位協定の改定や放火事件の被害者への謝罪と補償を求めている。

 また、四軍調整官の発言に対する抗議決議は「占領意識まる出しの発言は、県民の代表である議会や行政責任者を愚ろうするものであり、断じて許されるものではない」とヘイルストン四軍調整官を批判し、「氏は『よき隣人』たる資格がないことを自ら証明した」として同調整官の即時更迭、司令官を含むすべての兵員に対する人権教育の徹底と綱紀粛正などを求めている。

 抗議決議が可決されたことを受け、同議会基地対策特別委員会のメンバー十人と、与那覇議長は15日午後、在沖米国総領事と海兵隊司令部を訪れ直接抗議する。決議文はこのほか米国 大統領、駐日米国大使、在日米軍司令官に送付される。

 海兵隊撤退要求が全会一致で可決されたことを受け辺土名朝一町長は「町民の総意として受け止めたい」と話し、海兵隊撤退要求については「行政の立場としては議論していないので、 内部で協議したい」と話し態度を保留した。

司令部前で抗議集会/労組員ら130人

【北中城】中部、北部、浦添の各地区労と平和運動センターは米兵の連続放火事件に対し、15日正午すぎから、北中城村石平の米軍司令部前で抗議集会集会を開き、131人が参加して、「基地の全面撤去」「米兵の事件事故は許さないぞ」などと怒りのこぶしを上げた。北谷町の与党市議団七人も参加した。

 仲宗根義一平和運動センター事務局長は「県民を侮辱している。海兵隊の撤退を県民上げて訴える戦いを」と訴えた。

 写真説明:悪質な米兵事件に怒りのこぶしを上げる参加者=北中城村石平

 以上。


沖縄wimps暴言E-mail問題一括リンク