インターネット週刊誌 “I.eye.愛” (aiaiai!)

『憎まれ愚痴』

1999.6.18.(金)発行:ユーゴ空爆状況下の特別・25号

目次


時事論説:「1寸の虫の5分の毒針」
ユーゴ航空戦争緊急特集(5)

検証(5):Racak共同全配信、裁判所規定入手

 1999.03.17.「欧州連合(EU)調査団は17日、州都プリシュティナで、ユーゴ側の虐殺かどうかを断定できなかったとする最終報告書を発表した。[中略]会見したランタ調査団長は、[中略]適当な司法機関による調査を待つべきだと述べた」。
 この「会見」の一週間後、「適当な司法機関による調査を待つ」ことなく、空爆が開始されたのです。⇒全文を読む

検証(6):Racak事件発生当初のセルビア内務省声明

「NATOが空爆に至った重要な契機は、コソボのラチャック村で1月初旬に起きた事件だった。多数の遺体がコソボ解放軍ゲリラか一般住民か解明される前に、米欧のテレビは『セルビア治安部隊が村民を大量虐殺』と報道し、情緒的な“世論”を喚起した。米欧政府はこれに応じて強硬姿勢を強め、根回し抜きで作った和平案を『受諾しなければ空爆する』とユーゴに突き付け、軍事・外交専門家が疑問視した空爆に進んだ。
 ユーゴ空爆は、映像メディアの報道に左右されがちな冷戦後の国際政治を象徴する出来事でもあった」(日経記事)⇒全文を読む

勝利宣言うわずり鉄の女vs桶狭間ロシア軍

 米軍放送には、ABCのニュース・コメンテーター、ポール・ハーヴェイの皮肉たっぷりな解説もありました。おもむろに、「……勝利を宣言しているが、しかし……」といった調子です。特筆して置きたいのは、かつて敗北の煮え湯を飲まされた「敵」の小国、「ヴェトナム」の世論についての、次のような抑揚豊な紹介でした。
「ヴェトナムは怒っている。ユーゴとともに戦うと言っている。我々は、呵責のない侵略を受けた者が味わう苦しみを知っている、と語っている」。
 アメリカは、誤爆の上塗りの嘘の言い訳で、中国も怒らせ、仲間外れのロシアも怒らせています。外交的には大失敗です。 ⇒全文を読む

Racak検証(7):セルビア内務省声明訳文&訂正

Racak検証(8):最も扇情的だった読売新聞

 本誌編集部注1:以下のように「虐殺」と断定。「ウイーン」発で、現場は見ていないことも歴然。⇒全文を読む

旧ユーゴ国際裁判所規定

Racak検証(9)共同通信の配信状況

 事件当時、日本の大手新聞・通信社で現地に記者を送っていたのは、共同通信だけでした。これまでに入力した他紙の報道を見れば一目瞭然のように、近いところでも「ウィーン発」「ローマ発」などで、すべてNATO側情報です。
 日本の大手メディアは、すべて、共同通信の加盟社であり、以下の記事は、すべて配信されていただけでなく、niftyのデータベースでも、すべて常時検索できたのですから、結果責任として、以下に含まれる「疑惑情報」や「ユーゴ当局発表」を握り潰し、報道せず、NATO寄りの「ユーゴ悪玉説」を報道し続けてきた大手メディアには、NATOによる「民族浄化」をキーワードとする戦時プロパガンダと、日本政府の憲法違反の「空爆ご理解申し上げ」追随外交に積極的に協力した戦争犯罪を問わなければなりません。⇒全文を読む


長篇連載記事

 連載記事は下記のみ。他は臨時休載。

●連載:本多勝一"噂の真相"同時進行版 (その25) 地裁で本多・疋田側が「情報源を明かせ!」

「岩瀬vs本多・疋田」名誉毀損損害賠償請求事件、または「朝日新聞著名記者リクルート接待スキー旅行」の場合、本多・疋田側は、「接待ではない。パック料金」などと反論するものの、何らの物的証拠も出せないのである。本多勝一は、「領収書は」と裁判長に聞かれて、弱々しく首を振り、代理人は、「メモがありますので、それを書証として提出します」と言う。
 その癖、岩瀬に対しては、「新幹線代を含めて3万5千円の根拠を示せ。誰に聞いたのか」と反撃する。岩瀬が、当然のことながら、「取材源を明かせば、これからのジャーナリストとしての仕事に支障が生ずる」と答えると、今度は疋田側代理人の梓沢弁護士が、「取材源を明かさないと不利になるのを覚悟せよ」と念を押す。⇒全文を読む