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『亜空間通信』923号(2004/12/29)
【ブッシュ政権に辞表提出パウエル遺言イラク兵力不十分で戦略練り直し危機的状況の根源を詳述】
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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!
本日(2004/12/29)の日経朝刊の国際面のトップ記事の見出しは、「米、イラク戦略練り直し」である。副題として、「治安悪化収まらず」、「イラク兵育成遅れ」とある。
イラクにおけるアメリカの危機的状況が、ついに根本的な政策上の問題として、表面化したのである。
しかも、その根源は、出発点から明らかだったのである。私は、本通信で、その根源を詳述する。すでに、昨年の2003年3月27日に、私は、以下の論評を発表していたのである。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/aku539.html
http://asyura.com/0304/bd25/msg/300.html
『亜空間通信』539号(2003/03/27)
【イラク戦局危機急展開の背後に潜むネオコン強迫観念は911謀略暴露怖れ居直り】
[中略]
昨夜来、予測通りの事態が進展している。
私は、一昨日(2003/03/25)と昨日(2003/03/26)、以下、表題を示すに止めるが、主旨が連続する通信を発した。
[中略]
http://www.jca.apc.org/~altmedka/aku536.html
http://www.asyura.com/0304/war28/msg/174.html
『亜空間通信』536号(2003/03/25)
【イラク攻撃の敗因の基本は戦争プロの意見を無視したネオコン極右素人戦略なり】
http://www.jca.apc.org/~altmedka/aku538.html
http://asyura.com/0304/war29/msg/125.html
『亜空間通信』538号(2003/03/26)
【米敗走予想をスコット・リッター放送の最新情報を緊急丸投げするが私見も同じ】
上記の連続通信の内容の主旨は、ほとんど同じである。つまり、私は、スコット・リッターと、ほぼ同じ観測をしていたのである。
[中略]
本日(2003/03/27)は、CNNの最新情報を録画しながら、なぜ、「ネオコン極右素人戦略」が、そのまま罷り通っているのかについて、少し詳しく持論を展開する。
まず、アメリカ軍は、世界最強である。他の28カ国が束になって掛かってもかなわないと言われる。
そのアメリカが、なぜ今、「苦戦」しているように見えるのであろうか。大手メディアも、それぞれ、必死の取材と研究の成果を発表している。
たとえば、昨日の日経(2003/03/26)朝刊では、
「補給が追いつかないということだ。部隊の前進に合わせて補給基地を築くのが戦争の鉄則だが、今回は首都後略を急ぐあまり補給線の警護が手薄になり、攻撃を受けている」
と説明している。
[中略]
以下のような昨夜の新情報もある。
米国防長官、「作戦ミス」追求の記者団に気色ばむ [読売新聞]
http://www.asyura.com/0304/war29/msg/183.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 26 日 21:10:41:【ワシントン=柴田岳】「アフガニスタン攻撃でも新聞は『泥沼』と書いたじゃないか」――。25日の米国防総省の記者会見で、イラク側の抵抗に手こずる米軍を念頭に「軍事作戦にミスがあったのではないか」と食い下がる報道陣に対し、ラムズフェルド国防長官が気色ばむ場面があった。
記者団は、南部戦線でのイラク軍の予想以上の抵抗を指摘し、「地上戦への戦力投入が不十分という批判が退役将校や国防総省の内部にある」と攻め立てた。ラムズフェルド長官はいったん、「この作戦はよくできた計画だ。地上部隊を開戦から4、5日でバグダッド近くまで進撃させた。司令官は皆、計画に満足している」とかわした。
しかし記者団は、「長官はそう言いながら、戦争は初期段階だとも言う。国民にもっときちんと説明すべきだ」と追求。すると、ラムズフェルド長官は、アフガニスタン攻撃の例をあげ、「開戦から数日後に新聞は『泥沼』と書いたが、その数日後には要衝マザリシャリフは陥落し、他の都市も次々と落ちた。米国は自由の国だから退役軍人たちが何を言おうと仕方がないが、真実ではない」とたんかを切った。
記者団は、同席したマイヤーズ統合参謀本部議長にも、「(『衝撃と畏怖』の作戦との名があるが)フセイン政権に衝撃を与えたと思うのか。彼らはテレビで演説しているじゃないか」と詰め寄った。
[中略](2003/3/26/19:32 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030326i112.htm
その後も、同種の情報は溢れてきたが、細部は、阿修羅戦争29掲示板などに譲る。
[中略]
上記の読売新聞記事の中の「地上戦への戦力投入が不十分という批判」に関しては、もう少し詳しく資料を参照する必要がある。
開戦直前、3月19日付けの日経朝刊の一面トップ記事の見出しには、「兵力28万人を配備」とある。
私は、上記の
『亜空間通信』536号(2003/03/25)
【イラク攻撃の敗因の基本は戦争プロの意見を無視したネオコン極右素人戦略なり】
の中で、遙かに7ヶ月も前、2002/07/30発の日付の旧文から、以下に抜粋する「数字」の問題を指摘した。
「湾岸戦争仕掛け人」、空軍退役中将、スコウクロフトは、米外交問題評議会で、「20万から30万の兵力を投入する必要があるし、数年間現地にとどまらなければならなくなる」と語ったが、この計画が、メディアによる世論操作作戦の中で、「5万の短期」、ただし、「激しい空爆」へと、アメリカ人向けに修正され、「市民に語りかけ」られ、国民的「合意」の形成が進められている。
上記の19日の日経記事を見ると、この内の「5万」が、「28万」にまで回復しているかのようである。しかし、この28万から、現在はバスラに釘付け状態の英軍4万5千と、トルコ側からの侵攻に予定され、地中海で待機中、南からイラクに入るには1ヶ月掛かる6万を引くと、17万5千となる。スコウクロフトの「20万から30万」より少ない。しかも、「短期決戦」に必要な兵力の集中的投下から考えると、不足は明らかである。
補給を考慮に入れると、最前線に配置できる兵力は、さらに少なくなる。アメリカ軍は、ヴェトナム戦争当時、9割が兵站とされていたから、1割しか最前線には送れない。つまり、1万7千5百の勘定になる。
もともと、湾岸戦争の末期にも、攻め入る方は、戦史の常識からして、3倍から5倍の兵力が必要と言われ、結局、イラク領内にアメリカ軍は入らなかった。その時と、どれだけ事情が変わっているのか、その根拠は、まったく不明なままである。
そこで、問題は、この状況下で開戦に突っ走った「ネオコン極右素人」の実態であるが、たとえば、以下の英文情報がある。
http://www.usatoday.com/news/opinion/2002-09-16-oplede_x.htm
09/16/2002 - Updated 09:19 PM ETUntested administration hawks clamor for war
By James Bamford for USA TODAYBeware of war hawks who never served in the military.
これは昨年9月16日付けの『USAトゥデイ』記事である。以下、簡略に要点を訳出する。
題名は、「実績なしの政府内鷹派の戦争煽り/兵役経験のまったくない好戦的鷹派に用心せよ」である。
戦争を煽る政府内の鷹派、ブッシュ大統領、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官らは、ヴェトナム戦争などで兵役を逃れたり、兵役経験のない者ばかりである。
パウエル国務長官、スコウクロフト元大統領補佐官、シュワルツコフ将軍ら、軍隊経験者は、イラク戦争に慎重論を唱え、戦争未経験者のが、戦争の現実を知らずに戦争を煽ると批判している。[後略]
この点に関しては、すでに丸投げした「スコット・リッター」にも同じ内容がある。つまり、いまや、関係者にはほとんど常識の事実である。
この『USAトゥデイ』記事は、アメリカの国論の揺れの象徴であるが、アメリカの政治には、いわゆるオプション(選択肢)が多い。
「兵役経験のまったくない好戦的鷹派」が、どれだけ強引なブッシュ操りをしようとも、プロが阻止する可能性は残されている。
では、なぜ、そのブレーキが利かなかったのか、ということを、私は、911以来の蓄積に基づいて、以下、簡略に述べる。
ずばり、核心を突くと、911の自作自演説が、アメリカの与野党、支配層に、かなり詳しく知れているに違いないのである。すでに昨年6月には、議会の調査委員会が設置されるに至ったが、委員長の「実力者」、キッシンジャーが辞任して、開店休業状態になっている。
しかし、今回のイラク攻撃直前、私は、以下の2つの通信を発した。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/aku518.html
http://asyura.com/2003/war25/msg/1124.html
『亜空間通信』518号(2003/03/16)
【これで対イラク開戦できるかアメリカ極度の混乱には民主党から3つの決定打】
http://www.jca.apc.org/~altmedka/aku517.html
http://asyura.com/2003/war25/msg/997.html
『亜空間通信』517号(2003/03/15)
【911主犯?アタらは二重工作員で資金と指導は米国政府と犠牲者家族訴訟電網放送】
その一方で、アメリカの経済は崩壊している。この状況は、ブッシュ政権にとって、いわば「前門の虎、後門の狼」である。
私は、この状況を、昭和恐慌下の大日本帝国に比較する。大陸侵略でもゲリラ戦の苦戦続きの日本は、いわば、やけのやんぱち、負けるのが分かっている対米開戦に踏み切った。
その際、相手は「民主主義」だから、「アメリカの国論は、まとまりにくい」、という願望的な観測までが登場した。当然、開戦は破局への道だった。
同じ状況を、アメリカは、今、以下のごとく、見抜かれていた。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20030326AT3K2604N26032003.html
仏大統領「イラク人の愛国心過小評価」と欧米批判【パリ26日共同】すっぱ抜きで知られるフランス週刊紙カナール・アンシェネは26日、同国のシラク大統領がイラク戦争について、米英両国が「イラク人の愛国心を過小評価」し「戦略上の大きな誤り」を犯したと批判したと伝えた。
同紙によると、シラク大統領は24日の側近との会合で、米英両国は「解放者として歓迎され、イラク体制がトランプの城のように崩壊するだろうと考えた」と指摘。「われわれはアラブ人の心理を米英人よりよく知っている。米英両国は彼らの愛国心を過小評価した」と述べた。
さらに「(バグダッドでの)市街戦は砂漠の戦闘とは別物だ。(状況は)さらに悪化するだろう」と予測したという。 (22:00)
私は、これまでにも何度か、イラク攻撃はあり得るか否かについて、質問を受けた。「予想屋ではない」などと受け流してきたが、あり得るとも考えていた。
このアメリカの「いちかぱちか」の背後には、911「自作自演」謀略の暴露を怖れ、居直り、破局でも突き進まざるを得ないネオコンの強迫観念が潜むと見る。
しかも、上記の「調査委員会」や上院の情報委員会の経過を見れば、アメリカの支配層は、十分な情報を得ており、911「自作自演」謀略の事実を知り尽くしていたのではないか、と考える。
そうなると、今回の開戦に至る準備の不足を知りながらも、やらせてから「処置する」と考えた連中がいたとしても、まったく不思議ではない。
[後略]
いかがであろうか。以上の旧稿の分析は、今、確実に的中したことが、誰の目にも明らかになっているのである。
以上。