『亜空間通信』717号(2003/12/30) 阿修羅投稿を再録

アメリカ中心覇権横暴に反撃の狼煙か旧ユーゴ国際戦犯法廷ミロシェビッチ被告も議席確保の朗報

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『亜空間通信』717号(2003/12/30)
【アメリカ中心覇権横暴に反撃の狼煙か旧ユーゴ国際戦犯法廷ミロシェビッチ被告も議席確保の朗報】

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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 私は、昨晩(2003/12/29)、次の亜空間通信を発し、阿修羅戦争45掲示板にも投稿した。

---------- 引用ここから ----------
http://www.jca.apc.org/~altmedka/2003aku/aku716.html
http://www.asyura2.com/0311/war45/msg/612.html
『亜空間通信』716号(2003/12/29)
【米国の手前勝手暴虐前史の必然か奥大使惨殺から初の国連要請なし自衛隊海外派遣への急転底抜け】

---------- 引用ここまで ----------

 その投稿の際、以下の投稿を見た。

---------- 引用ここから ----------
民族主義野党が第1党へ=ミロシェビッチ被告も議席確保-セルビア議会選(時事通信)
http://www.asyura2.com/0311/war45/msg/597.html
投稿者 シジミ 日時 2003 年 12 月 29 日 17:02:14:eWn45SEFYZ1R.
(回答先: セルビア共和国議会選、極右民族派が躍進(ロイター) -”第1党に躍進する見通し” 投稿者 シジミ 日時 2003 年 12 月 29 日 17:00:31)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031229-00000282-jij-int
(2003.12.30.木村愛二確認:このURLには確かに、上記の表題の時事通信記事が入っている)

【ベルリン29日時事】セルビア・モンテネグロ(旧ユーゴスラビア)を構成するセルビア共和国の議会選挙(一院制、定数250)は28日、投開票され、非政府組織「自由選挙・民主主義センター」の非公式集計によると、旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)で公判中のシェシェリ被告が党首を務める極右民族派の野党・セルビア急進党が27.5%の得票率で第1党に躍り出るのが確実な情勢となった。

 また、同様に戦犯法廷で公判中の身でありながら、セルビア社会党の比例名簿1位に登載された元ユーゴ大統領のミロシェビッチ被告の議席確保も確実。 (時事通信)

[12月29日11時1分更新]
---------- 引用ここまで ----------

 元ユーゴ大統領のミロシェビッチ(「ミロソビッチ」の片仮名表記もある)は、元米司法長官、ラムゼ・クラークの弁護人引き受け宣言をも得ながら、本人が自ら法廷で弁論を繰り広げていた。

 断片的な情報は、各所から届いていたのだが、911以後の超多忙状況下、私自身の情報発信には至っていなかった。

 以下、昨晩のわが通信の中から、ユーゴ戦争も、現状と深い関係にあるという主旨の部分を再録し、その後に、若干、補足する。

---------- 引用ここから ----------
http://www.jca.apc.org/~altmedka/yugo.html
ユーゴ戦争報道批判特集
http://www.jca.apc.org/~altmedka/ron-28-hou.html
アメリカ下院国際関係委員会で極秘メモ暴露
1999.7.8.mail再録・増補。

[中略]

 コソボ紛争の本質も、まったく同じものだ。平和解決を世界中が求めている最中、アメリカのオルブライト国務長官宛ての極秘メモが、タルボット国務副長官から出されていたことがアメリカで露見した。

 驚くまいことか、「アナン国連事務総長が和平仲介に乗り出すのを阻止する」と書かれていたという。この事実は、アメリカの議会で議員によって暴露され、日本では5月15日の読売新聞だけが報道した。

[中略]

国務省「露や国連の仲介阻止」
(縦3段。黒地紋に白抜きゴシック文字)

米下院で極秘メモ暴露
(縦3段。明朝文字)

【ワシントン13日=林路郎】コソボ紛争の政治解決の主導権維持のための基本目標を記しだオルブライト米国務長官あての極秘メモが13日、下院国際関係委員会で暴露され国務省高官が激怒する一幕があった。

 このメモは、コソボ和平をめぐり精力的に対ロシア外交を展開しているタルボット国務副長官が起案したもので、共和党のクリストファー・スミス議員が議場で読み上げた。

 それによると、副長官は

(1)ミロシェビッチ・ユーゴ大統領に取引の手掛かりを与えぬよう、チェルノムイルジン大統領特使らロシア要人のユーゴ訪問は阻止する

(2)同盟国など(の指導者)がロシアを訪問する際は事前に十分協議する

(3)アナン国連事務総長が非生産的な和平仲介に乗り出すのを阻止する

(4)国連安全保障理事会でロシアが空爆停止や対話開始につながる決議を上程する事態を阻止する

 との4方針を長官に進言したという。

 スミス議員は、ロシアや国連の仲介を極力避ける方針を掲げながら、ロシアと協議を続けるやり方を「クリントン政権の言行不一致」と批判した。

 証人として出席していたピカリング国務次官は、「そんなメモは見たことがない」と反論したが、度重なるスミス議員の政権批判に業を煮やしたのか、最後には怒りもあらわにした口調で、「ロシアとの交渉は、ユーゴにのませる条件への同意をロシアから取り付けるためだ。それがかなうまでは、中途半端な仲介は見たくもない」と、本音を吐露した。
[後略]
---------- 引用ここまで ----------

 私は、上記の「ユーゴ戦争報道批判特集」の中に、以下の項目の記事を入れて置いた。

---------- 引用ここから ----------
35号:初端からユーゴ戦争は大手デマ宣伝横行
36号:NHKコソボ「お利口」特集のNATO提灯持ちに唖然
37号:ユーゴ発表:ユーゴ戦争の被害と告発
37号:ユーゴ挑発Annex-B国際ザル報道に憮然!
37号:コソボの人口、90%アルバニア系、か?
38号:NHKの嘘、嘘、大嘘、「大本営発表」!
41号:コソボ国際ザル報道の最新驚愕実例

Racak検証
22号:検証(1):ユ-ゴ「民族浄化」の定義と真相(1)
24号:検証(2):農民虐殺デッチ上げでBBC他を戦犯告発
24号:検証(3):何とまた『読売新聞』だけが「演出」疑惑報道
24号:検証(4):朝日は遅れてローマ発米従属記事
25号:検証(5):Racak共同全配信、裁判所規定入手
25号:検証(6):Racak事件発生当初のセルビア内務省声明
25号:Racak検証(7):セルビア内務省声明訳文&訂正
25号:Racak検証(8):最も扇情的だった読売新聞
25号:Racak検証(9):共同通信「ラチャク」村事件の配信状況
26号:Racak検証(10):『ル・モンド』(1999.1.21)
26号:Racak検証(11):『リベラシオン』(1999.1.22)記事
26号:Racak検証(12):『ワシントン・ポスト』(1999.1.28)記事
27号:Racak検証(13):「真偽めぐり論争」KLA制服?
27号:Racak検証(14):ペンは剣より酷い「発表報道」の典型
28号:Racak検証(15):市民を汚染する作為情報
30号:Racak検証(16):ラチャク「虐殺」発表者ウォーカーの正体(前)
30号:Racak検証(17):ラチャク「虐殺」発表者ウォーカーの正体(後)
30号:Racak検証(18):待望の『ル・フィガロ』記事(前)
32号:Racak検証(19):仏疑惑報道を国際行動センターも感知
34号:Racak検証(20):NHKユーゴ「虐殺」録画求む!
35号:Racak検証(21):NHK&東大教授が陥ったKLA売り込み映像の罠
36号:Racak検証(22):待望の紙ゲリラ反撃はワシントン取材
36号:Racak検証(23):NHK「現地ルポ」採用の危うさ
39号:Racak検証(24):先のユーゴ戦争mail&HPに注記

Racak検証(25)嵌められたミロソビッチ(playboy1)は
『週刊プレイボーイ』ユーゴ戦争連載一括リンク
(1.嵌められたミロシェヴィッチ~)へ
---------- 引用ここまで ----------

 以上の中から、ミロソビッチの「罪状」とされる「民族浄化」問題の記事だけを、全文、再録して紹介する。

---------- 引用ここから ----------
http://www.jca.apc.org/~altmedka/ron-22-ken.html
検証:ユ-ゴ「民族浄化」の定義と真相(1)
1999.5.25.mail再録。

 ユ-ゴ空爆、もしくは航空戦争(air war)は、2カ月を越えました。善悪は別として、今やインターネットによって、同時並行の意見発表と検証の議論ができるのですが、その一方では、湾岸戦争の場合とは違って現地入りも可能な条件があるので、安楽椅子探偵(armchair detective)の批判をも覚悟せねばならず、居心地の悪さも味わっています。

 私は、湾岸戦争では1991年1月17日の開戦直後、3月10日発行の『噂の真相』(1991.4)に「執筆協力」、4月10日発行の『噂の真相』と『創』の同年5月号に単独執筆、以後、『噂の真相』では6月号と11月号、『創』では10月号、合わせて6本の雑誌原稿を書き、翌年の1992年5月28日には、それらを改訂、大幅に増補した単行本、『湾岸報道に偽りあり』を出しました。以上のいずれの発表も、残念ながら実際の戦争の終了後でした。

 以上の時間的制約の相違を意識しながら、今度も、まずは中間的な検証に着手します。実践的な訓練の積み重ねによって、一刻も早く真相を確かめ、報道操作の手をしばる実力を高め、ノウハウを蓄積し、何時の日にか、もっともっと先回りして、開戦を阻止することが可能になるような「上兵伐謀」(『孫子』)の境地に達したいと願っています。私自身の位置付けは、8年前と同様、「本国でデスクワーク中のCIAの分析官」(『湾岸報道に偽りあり』p.3)です。

 情報操作を行う『歪め屋』(twister)とメディアの関係についても、以下のように、湾岸戦争の場合と同様に位置付けます。

(以下は引用)
「注意しておきたいのは、メディア関係者の位置である。多くの場合、[中略]『歪め屋』が放つ弾丸の最初の犠牲者は、いわゆるジャーナリストである。彼らは脳天を射ち抜かれるのだが、痛みを感じることもなく、自分が射たれたことに気づきもせず、見事に『歪め屋』の仲間にされてしまうのだ。かくして『歪め屋』の弾丸は増幅され、大量にばらまかれる結果となるのである」(『湾岸報道に偽りあり』p.56)

 情報収集の方法についても、湾岸戦争の場合と同様に、というよりも歴史的な情報機関の常識に従って、あらゆる傾向の資料を差別せずに調べます。

「民族浄化」に関しては、まず、今回の場合の上記「最初の犠牲者」による典型的な混乱の実例を示します。普通には、いわゆる平和運動家が「味方」と位置付けるメディアにも、「見事に『歪め屋』の仲間にされてしまう」実例が多いのです。これこそが一番の要注意なのです。読売新聞や産経新聞なら容易に騙されない人々も、これで混乱するのです。

(以下は引用)
「報道によれば、空爆後、ユーゴ軍による『民族浄化』作戦が強化され、コソボから8割以上のアルバニア系住民が国外に追い出され難民となっています」(『世界』1999.6「座談会/ユーゴ空爆は正しかったのか/NATOの『人道的介入』を考える」p.185)

 これには唖然、呆然、愕然、寒心の至りでした。私の定義によれば、というよりも時間的な事実関係からして異論のあろうはずもない言葉そのものの発生的な意味としても、「NATOの『人道的介入』」の口実となったのが、「民族浄化」なのです。それが「空爆後」となれば、子供でもすぐに見破る手品なのですが、本を出すよりも社員になる方が難しいと言われるほどの天下の秀才揃いの書店ともなると、司会役の編集者が、どこの教授の説を暗記したものか、こういうトンデモナイ前口上で、座談会を開いてしまうのです。

 事実関係のポイントを押さえた記事は、実に困ったことに、私の訴訟提起予定の相手の月刊誌、池田大作独裁支配下の『潮』(1999.6)に載っていました。筆者は、つぎのように紹介されています。

「片野優/かたの・まさる(フリージャーナリスト)/1961年生れ。東京都立大学法学部卒業。出版社勤務ののちベルリンの壁崩壊後の旧東欧に関心を持ち、ウィーン、ブタペストで暮らす。現在、ベオグラードで出版社経営」

 空爆開始前の決定的な状況についての記述を、以下、一部引用します。

「[前略]いたるところで少数派のセルビア人いじめが横行していた。[中略]

 97年に入ると、KLA(コソボ解放軍)と称する謎の急進派武装集団がユーゴ警察を襲撃する事件が相次いだ。ユーゴ政府はこれを重視し、テロ活動として鎮圧に乗り出した。98年2月に発生した大規模な紛争では、1000人以上の死者がでて、約30万人の避難民が厳冬に放り出されることになった。

 9月にはコソボ中部の村で、子供、老人、女性を含む約30人のアルバニア系住民が虐殺された。欧州各国では、これをセルビア治安部隊による虐殺行為として一斉に非難した。

 さらに今年1月には、KLAの拠点ラチャク村で頭を撃たれたり、目を抉られた45人のアルバニア系住民の惨殺死体が発見された。CNN,BBC,スカイニュースなどは、朝から晩まで悲惨な死体の映像を繰り返し流し続けた。この虐殺事件がNATOの空爆の直接の原因となった。

 これに対してユーゴ当局は『KLAがセルビアを陥れるために、戦死した兵士に農民の服を着せて演出したにすぎない』と反論。仏『フィガロ』によると、この日は朝からラチャク村で掃討作戦をしていたセルビア治安部隊が、米APテレビの取材班に作戦の撮影を許可した。同時にOSCE(全欧安保協力機構)検証団にも通知していた。検証団は車2台で現地入りし。一日中、村を見下ろす丘の上にいたという。とすれば、この事件については、軍事介入を呼び込むためのKLAの演出というのが真実に近いようだ」

 この「ラチャク村」の事件については、先の私のmailでも、去る5月15日にNKH3チャンネル「海外ドキュメンタリー」枠で放送したBBC制作、「コソボ紛争・その構図と歴史的背景」の紹介の中で指摘しました。このmailは、わがホームページにも入れてあります。BBCは一切、犯人特定のコメントを入れていませんでした。しかし同時に、上記のような「ユーゴ当局」の「反論」の紹介もしていませんでした。結果として不公平報道です。
---------- 引用ここまで ----------

 このような報道状況は、(第一次)湾岸戦争から、ユーゴ戦争を経て、911以後イラク「戦争」に至り、ますます悪化しているのである。ミロソビッチのセルビア共和国での政界復帰が、この悪循環の中断につながれば、幸いである。

 以上。


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