『亜空間通信』615号(2003/06/14) 阿修羅投稿を再録

パレスチナ問題の一般常識を無視して中東和平騙る厚顔無恥報道戦争犯罪追及(3)

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『亜空間通信』615号(2003/06/14)
【パレスチナ問題の一般常識を無視して中東和平騙る厚顔無恥報道戦争犯罪追及(3)】

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 転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 こと中東問題に関して、大手メディアの戦争犯罪を追及し始めたら、これはもう切りがない。あまりにも材料が多すぎて、他のことが、まったくできなくなる。今回は、(3)で、一応の打ち止めにする。

 以下、一応、(1)と(2)について、件名と所在だけを示す。

(1)・・・・・・・・・・
http://www.jca.apc.org/~altmedka/aku609.html
http://www.asyura.com/0306/war35/msg/421.html
『亜空間通信』609号(2003/06/07)
【イスラエル不許可を違法と記し読者を誤導する朝日・日経の腰抜け戦争犯罪追及(1)】

(2)・・・・・・・・・・
http://www.jca.apc.org/~altmedka/aku614.html
http://www.asyura.com/0306/war35/msg/605.html
『亜空間通信』614号(2003/06/12)
【アメリカを脅すシャロンの実績を暴かず中東和平騙る腰抜け報道戦争犯罪追及(2)】

 今回の(3)の主題は、一番大事なことなのだが、それほど難しい問題ではない。この問題は、一般常識を備えた大人が、まともに考えれば、実に簡単なことなのである。

 基本的な一般常識すら学ばずに、むしろ、まったく無視する商売人のメディア関係者や自称研究者らの「バカの壁」族の「非常識」による戦争犯罪の問題なのである。この問題では、メディアや自称研究者だけを批判すると、片手落ちになるので、「バカの壁」族の中でも、一番、傲慢無礼で阿呆な馬鹿が多くて、狂信的な点でも、他の職種を遙かに引き離す「政党」の方の「非常識」を、先に紹介する。

 いわゆるパレスチナ和平の政策に関して、日本の与党は、議論の相手にしても仕方ない。一応の野党では、議員の数の多い方から、民主党、共産党、社会民主党、この3つだけを相手にすると、イスラエルとパレスチナの「2国家共存」で、見事に一致する。根拠を聞くと、まるで考えていない

 ところが、この「共存」政策は、常識的に考えれば、何と、アメリカの政策と同じなのである。「反米」でもなく、「反イスラエル」でもないのである。パレスチナの存在を認めるのは、当然のことである。ヨーロッパ列強、特にイギリスの「委任統治」などの時代から、パレスチナという区切りがあっのである。これを無くすことは、できっこない。

「共存」とか「併存」とかいうのは、常識的に考えれば、かつての「偽」満州国の「5族協和」と同じような、言葉の誤魔化しでしかない。実は、「強引に割り込んできた乗っ取り犯」イスラエルという「偽」国家の「承認」の押し付け以外の何物でもないのである。

 再度強調すると、「共存」とは口先ばかりのことで、事実は、イスラエルの「存在」を認めよ、という無理難題の押し付け以外の何物でもないのである。

「バカの壁」の連中は、ほとんどが、教科書丸暗記のマルバツ主義「超エリート」様だから、教授とか大学教育とかの「バカの壁」に囲まれて育ち、現実を見直すという習慣が欠如している。「共存」とか「併存」と言えば、単純に、アラブ人の権利の方も認めた「正解」だと思いこむらしい。しかし、いやしくも「国家」という限り、夢想の宇宙空間にではなくて、地上に「領土」を必要とするのである。

 彼らは、狭くて、しかも水不足の土地に、「2国家」の「共存」とか「併存」が、可能なのかどうかを、考えてみようともしないのである。まあ、しかし、この不可思議な金満国家の「有権者」様の方も、その主要部分は過密都市の「兎小屋」に住み慣れており、満員電車を我慢し続ける辛抱強い世界にも希な奴隷根性の持ち主で、ほとんど考えもしないのだから、「政党」様は、それで通用してしまうのである。

 繁殖の盛んな鼠を、狭い箱に入れておくと、すぐに殺し合うという実験の報告がある。自称「人間」こと、裸の猿でも、同じことなのである。実は、もっと残虐になる可能性の方が、確実に高い。それが今、激発しているのである。

 根本的または根元的な問題は、1947年の「国連」こと、「諸国家連合」もしくは「連合国」の総会における「分割決議」以後の「紛争」の評価にある。アラブ諸国は、こぞって、この「分割決議」に反対し、採決の際には一斉に退席したのである。つまり、「分割」の押し付けを認めていないのである。

 この歴史の様々な問題点については、以下のわが中東3部作に、何度も記したので、ここでは繰り返さない。興味のある方は、以下を無料公開しているので、直接訪問して、参照されたい。

http://www.jca.apc.org/~altmedka/gulfw.html
『湾岸報道に偽りあり』
隠された十数年来の米軍事計画に迫る

http://www.jca.apc.org/~altmedka/aus.html
『アウシュヴィッツの争点』
ユダヤ民族3000年の悲劇の歴史を真に解決させるために

http://www.jca.apc.org/~altmedka/nise.html
『偽イスラエル政治神話』
ナチス〈ホロコースト〉をめぐる真実とは?
イスラエル建国・パレスチナ占領の根拠は?

 さて、無知は、それ自体、犯罪的であるが、自らの無知に気付かずに、ちっぽけな脳の中に「バカの壁」を築いて、自分は正しいと思い込み、思い上がって、大手メディアの記者とか「デスク」とか、大学教授とか、などになれば、他人を積極的に騙すことになるのだから、さらに罪は重く、それを指摘されて居直るようになれば、最早、同じ「むち」でも、厚顔無恥となる。

 ところが、私は、この実例に遭遇したことが、な、な、何と、何と、何度もあるのである。最も不愉快で傲慢なのは、全部が全部ではないが、朝日新聞の記者であった。彼らは、大手メディアの「虚名」権力の前に平伏し、実は、愚かにも大手メディアを利用しようと企む一般の「バカの壁」にも取り囲まれていて、しょっちゅう、あちこちで、ちやほやされ、いわゆる「超エリート」気分に浸り続けているからである。幼少期から甘やかされ続けた「ちやほや」中毒患者たちなのである。

 本シリーズの(1) では、イスラエル政府当局が「不許可」としているユダヤ人の入植地を、「違法」と記し、いかにも「国際法上」の「違法」であるかのように、「読者を誤導する朝日・日経」(高級紙?)を批判した。

 イスラエル当局さえも許可していないユダヤ人入植地に関する大手メディアの表現は、「違法入植地」、「不許可入植地」、「不法」、「双方の認識の相違」、その他、まったく矛盾だらけだった。

「不許可」はunauthorized、「違法」はillegal、「入植地」はoutpostの日本語訳として考え、電網検索すると、以下の結果となる。熟語の「不許可入植地」("unauthorized outpost")は、確かに少ないようである。しかし、この用語の使用に、シオニストが抗議しているという記事もあった。法的根拠を示さない怪しげなillegalの使用の方が、事実上強制され、イスラエルやアメリカで、積極的な言葉の操作が行われているのである。

1)全言語のページからunauthorized, outpostを検索しました。約5,530件中1 - 100件目・検索にかかった時間0.50秒
2)全言語のページから "unauthorized outpost"を検索しました。約11件中1 - 7件目・検索にかかった時間0.35秒
3)全言語のページからillegal, outpostを検索しました。約33,200件中1 - 100件目・検索にかかった時間0.43秒
4)全言語のページから "illegal outpost"を検索しました。約564件中1 - 100件目・検索にかかった時間0.33秒

 その上に、すでに何度も指摘したことだが、厳然たる国際法のジュネーヴ条約によれば、「占領地への民間人の移住」は、「行ってはならない」のである。

----- 引用ここから ------------------------------ 
http://www.jca.apc.org/~altmedka/nise-24.html
『偽イスラエル政治神話』(その24)
2章:20世紀の諸神話(その12)

[中略]
 占領地区の入植地への移住は、明瞭に国際法、とりわけ、一九四九年八月一二日に採択されたジュネーヴ憲章を踏みにじる行為である。ジュネーヴ憲章は、その四九条で、つぎのように規定しているのである。

《占領国は、その占領地区に、自国の民間人口の一部の移住を行ってはならない》
[後略]
----- 引用ここまで ------------------------------

 つまり、そもそも、イスラエルが行っているユダヤ人入植地は、すべて、国際法に違反する戦争犯罪行為なのである。しかも、何度も、「国連」こと、「諸国家連合」もしくは「連合国」の総会における「非難決議」が、多数決で採択されているのである。 

 この歴史的事実の「解説」を付けない大手メディア報道は、それだけでも、イスラエル寄り、アメリカ寄り、悪質極まりない、無法者の強者に荷担する戦争犯罪そのものなのである。

 私は、この問題を、今から11年前の拙著『湾岸報道に偽りあり』の最後の「補章:ストップ・ザ・「極右」イスラエル」の中で、簡略に論じた。

 拙著は、1992年5月28日、初版1刷を3,000部発行。電網では、以下の頁(正面玄関)が、2003年6月13日現在、ヒット数12,006となっている。以下、さらに要点のみを抜粋する。

http://www.jca.apc.org/~altmedka/gulfw.html
電網木村書店 Web無料公開
『湾岸報道に偽りあり』隠された十数年来の米軍事計画に迫る

----- 引用ここから ------------------------------
http://www.jca.apc.org/~altmedka/gulfw-58.html
補章:ストップ・ザ・「極右」イスラエル(1)
(その58)一九四七年国連決議パレスチナ分割地図の欠落報道

 本章でまず指摘するのは、残念ながら、イスラエル問題をめぐる日本の欠陥報道であるが、その基本的原因はやはり、以下一ページほどで要約したような、厳密な歴史感覚の欠如にある。

[中略]

 湾岸戦争報道のピークとは較べようもないが、日本国内の報道はやはり鳴り物入りのキャンペイン型だった。私の新聞記事切り抜きファイルは、この会談報道の前後だけでたっぷり一冊分になった。 ところが、この中東和平会談の「大量」報道には決定的な欠陥があった。決して、アメリカ国防総省などの報道規制によるものではない。「マスコミ・ブラックアウト」の典型である。

 第一の問題は、この中東和平交渉の最大かつ根本的争点、パレスチナ分割の歴史と現状に関する報道姿勢の誤りである。

 問題点を要約すると、パレスチナ分割の領土問題をめぐる歴史的経過説明の欠落である。はなはだしいのは、発端の一九四七年国連パレスチナ分割決議による分割地図すら載せなかったり、説明が間違っている欠陥報道であった。根底には、アメリカ側ないしはイスラエル側寄りの垂れ流し報道姿勢が潜んでおり、その源流には、ニューヨーク・タイムズを典型として、ユダヤ・ロビー支配で知られるアメリカの大手メディア報道がある。そう断言して差し支えない。

 パレスチナ人の議会に当たるパレスチナ民族評議会(PNC)は、一九八八年十一月に「一九四七年の国連パレスチナ分割決議」(一八一号。以下、四七年決議)にもとづいてパレスチナ国家の独立を宣言している。この独立宣言は同時に裏を返せば、イスラエルの方の建国を認めたことにもなっている。アラブ側は最初、この四七年決議に絶対反対で、以後四十一年間、イスラエルの国家としての存在を認めず戦い続けていた。だからこれは大変な歴史的譲歩なのである。アラブ側は「苦汁を飲む」歴史的決意をしたわけである。しかし、以後はいささかも譲ってはいない。つまり、パレスチナ側の領土に関する権利主張は、まず、四七年決議の分割地図によって示され、なおかつ、その問題点が説明されなければならない。そうでなければ、なぜ以後四十四年にもおよぶ悲惨な戦いが続いたのかが、およそ理解できないであろう。

 ところがこの一九八八年の独立宣言の報道も論評も、紹介したすべての大手メディア報道例で、ほぼ完全に欠落していた。NHKの『ニュース21』(91・10・30)は、四七年決議の分割地図と一九八八年に独立宣言をした評議会の映像を流したが、年代を追う手法だったこともあってか、まったく別々に映し出しており、この両者の関係の説明は欠けていた。

 [後略]
----- 引用ここまで ------------------------------

 この件では、別途、当時の新聞報道の証拠をスキャナー読み込みの画像で示すが、上記の「発端の一九四七年国連パレスチナ分割決議による分割地図すら載せなかったり、説明が間違っている欠陥報道」の最悪の実例は、朝日新聞(1991.10.29)と赤旗(1991.11.1.現「しんぶん赤旗」)であった。この両者は、ともに、1967年の第3次中東戦争の停戦ラインを図示し、「ヨルダン川西岸」と「ガザ地区」の囲みの中を斜線または鼠色にし、それに「1947年の分割決議」で「アラブ国家」に割り当てられた地域、という説明を付けていたのである。赤旗の方は、日付から明らかなように、朝日のパクリであった。正確に言うと「剽窃」という犯罪行為であった。

 これはあまりにも酷いので、私は、鄭重に訂正を申し入れたのだが、両者ともに、実に不機嫌な傲慢無礼、これ極まりなく、もう、呆れてしまって、これが、わが個人新聞、『フリージャーナル』発行のきっかけとなってくれたのである。ああ、この、阿呆な「バカの壁」の刺激に、改めて感謝する。

 以上。


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