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「町家&松翠閣」見学会記録

1999年10月30日(土)

1999年10月30日、夏のイベント後初の企画となった「矢杉さん家見学会」が行わ れ、11人の参加がありました。
塾の一員である矢杉さんの御自宅は西陣織の織屋さんで、典型的な西陣の町屋で す。今回は、西陣織の作業工程と町屋見学を兼ねるということでご厚意に預かりまし た。現在御両親がジャガード織機(機械織機)を使ってこの仕事に携っておられま す。
仕事場の方で工程の見学と質問、そしてお宅でお互いの意見交換をした後、西陣あ さぎさんの「松翠閣」にて西陣織のインテリアの数々に触れました。
以下が、参加したメンバーの意見や感想、提案などです。

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1. 矢杉さんのお宅を見学しての感想、気づいたこと
  • ひとつ一つ手で織られているものだと思っていたが、今ではコンピュータも導入
    され、多くの色を使い織り上げられて行くのを見て驚いた。
  • 織機の構成を見ていると機械化、コンピュータ任せに見えるものの、実際は人の 手間だらけで手で織っているのと変わらない作業のように見えた。
  • 機械仕事というよりは織機をまるで手道具の様に扱って仕事をなさるということ がその手つきや道具からも見て取れた。
  • 生活とものづくりが一体になった暮らしをなさってきたということが実感でき た。
  • 町屋を見せていただいて感激。そのまま保存していただきたいと思うが、生活す るとなると何かと不便も付きまとうと思う。市のほうで何か力を貸していただいたら 良いと思う。
  • あの工程を見てようやくわかった。なぜ紋紙から柄が織り出されるのか。長年の 謎が解けて本当に良かった。
  • 今までの工房見学で良く耳にした「このままではやっていけない、どうしたら良
    いのか」という声が、全く無かったのが意外だった。
  • 帯の工程が分業であるということについてはその一つひとつの工程を見ないとわ
    からないと思うが、織機の周辺を見ていくと、分業についてが垣間見える。他人の仕
    事に対する敬意とか思いやりといった感情も育んできたのではないだろうか。
  • 織機の音や、玄関の戸、高い天井に懐かしい思いがした。
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2. 西陣、西陣織についての意見、提案
  • 矢杉さんのお宅の後に行った松翠閣のように新たな展開へ発展しそうなアンテナ ショップがもう少し身近に感じられれば西陣織のイメージも少し変わるように思え た。
  • 見本織やはぎれで普段の生活の中に身近に取り入れられるものが出来ないだろう か。自分なら取り入れて使ってみたい。
  • 高級で近寄りがたい西陣織というイメージがあるが、「安物、何でもあり」の現 在では「本物嗜好」も大切だと思う。が、着物、帯にとらわれず、西陣織が独り立ち 出来るように若い人にも日常的に使える物を開発していくことも必要。
  • 西陣を観光として活かせないか。例えば分業の各工程を順番に見学コースにする ような。
  • 仕事の環境として家内制工業というのは落ち着く場所も無いし、いつも仕事場的 だが、職住接近のメリットを活かした西陣のまちづくりが出来ないだろうか。
  • 好みの問題だと思うが、油絵やキャラクター柄を西陣織にすることについては
    ちょっと疑問。

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矢杉さん工場の写真
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松翠閣での見学の様子

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