まいふぇばりっとびーとるず その6 END
UNCLE 吉田 隆(全逓音協事務局長)
近はビートルズのベストアルバムが発売されたり「ア・ハードデイズ・ナイト」がリバイバル上映されたりしてビートルズブームもいよいよという感じです。
何回か私なりにビートルズを書いてきた私の役目もやっと報われたと同時に終わったようです。
最後に、私の人生と照らし合わせたビートルズ、というものを…
デビュー当時私はバンドをやってまして、ビートルズ以前のポップス・ロックのコピーをしていました。アメリカ系ではチャック・ベリー、プレスリー、ヴェンチャーズ、イギリス系ではデーブ・クラーク・ファイブ等でした。
ビートルズを初めて聞いた時、へたくそなバンドだな〜と思いました。コード進行もハーモニーも稚拙で、かといってロックの元気さもない。これは「ラブ・ミー・ドゥー」のことを言っているのですが、次の「プリーズ・プリーズ・ミー」「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」あたりからは印象ががらっと変わりました。ユニークなコード進行とハーモニー、それに全体のアレンジ。どこからこういう発想が出るのだろうか?と。
そしてアルバム「フォー・セール」あたりまでその思いは続きますが、
その頃からは私のコピーバンドはより特異なものよりマニアックなものへと移っていきます。たとえばポールリビア&レイダースとか(おそらく誰も知らないでしょう)、その後は同じブリティッシュのハード・ロックへと移っていきます。
そして私の中でビートルズの存在はパっとしなくなります。それはあれだけのことをやってのけたビートルズなのに、あるいはあれだけのことをして世界一になったからこそでしょうか、段々案につまって小細工を労しはじめたからです。
後年のビートルズはライブをやらずスタジオにこもって録音上のテクニックばかりを追求し、初期の頃の発想を忘れた様です。よくビートルズで一番すきな曲は?とかベスト曲は?等と聞きますが、たいていの人は「イエスタエイ」とか「ヘイ・ジュード」とかになるでしょう。
私は夢中になった年代が違うこともあって、すきな曲は初期の作品に集中しています。この連載にも取り上げたような「イフ・アイ・フィール」とか「アスク・ミー・ホワイ」等がいまでもすきな曲です。
よくビートルズは天才等と言われますが、私はそうは思いません。ビートルズナンバーで後生に残るような曲がデビュー曲ならそれも言えるでしょが、セミプロの時は専らへたくそなコピー、デビュー後もアルバムのうち半分がカバーという状態で世に出、その後着々と独創性を増し、世界一に伸し上がったことを見る限り天才よりも秀才と言うべきでしょうね。
実際に前回書いたように演奏技術も日を追うごとによくなっていきますし、オリジナル性もそうです。
みなさんもビートルズのオリジナルな音楽性、人生観等自分の活動の参考にしてこれからの音楽活動がんばってください。1年にわたっての御愛読有り難うございます。(おわり)
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