鯨ジャンプ・ショーで日本の子供たちを殺した真珠湾原潜艦長

2001.2.10「えひめ丸」原潜グリーンビル事件(その00)

2.25.放映のテレビ朝日『スクープ21』の評価と問題点の徹底検証

 もっと早く録画を再生してみるべきだったと反省しつつ、表記のごとく、TV朝日スクープ21「徹底分析/えひめ丸との衝突までの71分間に米原潜の司令室で何がおきたか」と題する検証番組の検証を行いました。

 放映日時は、2.25.18:15.~19:56.の前半でした。

(なぜ、真珠湾沖だったのか)

(司令室の実物大模型)

 サブの女性キャスターが、しきりと「狭いですね」とか、「鮨詰状態」とか、表情たっぷりに、米軍の弁解やメディア報道を、そのまま認める発言を繰り返していましたが、私は逆に、さすが原潜、かなり広いな、と確認しました。

 私自身は、潜水艦に乗ったことはないのですが、通称、「潜水艦」、ケチで有名な読売系の日本テレビ放送網の初期に、マスターコントロール・ルーム、これも通称、「マスター」で1年間、技術系ではなくて、編成局系の進行課の仕事をしていました。コンピューターによる自動化以前だったので、仕事の全体の進行とか、キュー(動作の命令)を出す制作側の手助けとか、アナウンサーとの連絡とか、時には新人アナウンサーへの励ましとか、常に、「潜水艦」全体を見渡しながら、大きな時計の秒針を必ず意識して働きました。この仕事は神経を使い、過度の緊張を必要とするので、交替でデスクに上がって、半分は休憩しながら、他の雑用をこなすのでした。

 原潜の司令室の状況は、私が働いていた通称「潜水艦」よりも、はるかに広々としていました。あれなら、通常の作業には当然支障はないし、通行にも不便は無いでしょう。

 鳥越俊太郎は、アメリカ側が「最初に嘘を付いた」ことを批判していました。しかし、現在までのアメリカ側の発表の全体像には、特に疑問を呈しませんでした。これが問題です。なぜ、あの責任遁れの軍事機密と称する情報秘匿の前科者の米軍が、今回は、あっさりと民間人の搭乗を認め、さらには、「最初は嘘を付いたな」と言われることを承知の上で、2人から16人へと、その人数を増加やして公表したのか、ソナーによる数隻の船の存在確認、5分前の確認などを公表したのか、この裏には、また別の新しい嘘が潜んでいるのではないか、と私は、考え続けていたのです。

 もちろん、16人の民間人の口を塞ぐことが不可能だったと言う事情はあったでしょう。アメリカのメディアも、群がっていたでしょう。

 しかし、2週間前に「トラベル・チャンネル」(これとツアーとの関係もまだ不明)で、浮上の際の危険を強調、つまりは自分の仕事の腕の自慢をタラタラやっていた(それを伝えた英語記事の原文入手済み)艦長が、なぜ、失敗したのか。それとも、そばを掠る積もりが衝突してしまったのではないか、疑問だらけです。

(航路図)

 本当は、すれすれを狙って失敗したのではないか、この恐るべき事実を誤魔化すために、民間人による満員状態、それによる航路図作製中断(あり得ることか!)とか、ソナー操作者は訓練生とか、モニターの故障とか、などなど、愚にも付かぬ弁解の口実をでっち上げているのではないか。以上の疑問は、実物大の模型による再現によって、ますます、昼なお暗く天を覆う黒雲のごとくに、立ち込めてきました。

 もう一つの疑問は、自分がやっていた仕事との比較による実感から出てきます。たかが商業放送でさえ、事故を防ぐためには、命令を出す制作者側の間違いを、即座に訂正させたり、自分の判断で間違いを防ぐ操作を遠慮せずにする経験豊かな技術者や、進行係りの存在が不可欠です。事故の責任については、「事故報告書」の提出が義務付けられていました。何度も出すようだと、給料や昇進に響く「査定」の対象になるのでした。生命の危険が伴う軍隊ならなおさらのことです。潜水艦の緊急浮上のような操作の難しい危険な仕事の際、それぞれの持ち場の責任を分担する士官、下士官は、艦長が何を言おうと、それまでに訓練や経験に基づいた基本動作を頑に守るはずです。マニュアルを守らずに事故が起きた際には、すべての関係者が軍法会議で裁かれます。指揮官だけの責任では済まされないはずです。

(ソナー操作)

 一番おかしなのは、ソナーを訓練中の乗組員が操作していたから、という弁解ですが、監督者が1人、同じ仕事をしていた有資格者の乗組員が1人、つまり、3人いて、2人はベテランだったのです。飛行機の場合は複座で、後ろに教官役が座り、まさかの際の間違った操作を訂正します。自動車の運転免許でも取ったことのある人なら、すぐに分かることです。訓練生がいたことは事実だとしても、訓練生の判断に影響されるようであれば、実戦どころか、訓練の航海でも危険極まりないことになります。

(鯨ジャンプ)

 この際、もっとも重要なことは、あらゆる角度から事件の全容を明らかにし、時系列で5秒単位ぐらいの事実経過を確認していくことでしょう。問題は、日本の大手メディアが、扇情的な、お涙頂戴報道で、販売競争に血の道上げるばかりで、そういう経過の分析の努力どころか、アメリカで報道されていることすら、まともに報じていないということなのです。幕引きの儀式は、近頃の政治家が好きな用語で言えば、粛々と進行していますが、私は、及ばずながら、刑事事件として、勝手に特別捜査本部を設置した積もりになって、インターネット広域捜査を継続します。

以上で(その00)終わり。(その01)に続く。


(その01)原潜問題、杉花粉症問題も含めて、ついに、アメリカ大使館前での独自行動を決意!
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