小泉純一郎 内閣総理大臣様
小泉首相の任期最後の仕事として、
「慰安婦」問題の真の解決に着手することを要請します!
1991年に、韓国の金学順さんが重い沈黙の扉を破り自らの被害を告発して以来、アジア各地で被害女性が姿を現し、壮絶な被害体験を語ってきました。性暴力被害者への偏見が根強い中、被害者がその被害を語ることは並大抵のことで
はありません。にも関わらず多くの被害者が姿を現し体験を語ってきたのは、日本政府が女性たちに加えた加害を明確に認め、謝罪し、法的責任を取ることなくしては、女性たちの尊厳と被害は回復されないからです。
この十数年、「慰安婦」問題は国連人権委員会やILO専門家委員会、女性差別撤廃委員会等でも取り上げられ、日本政府に勧告が繰り返されてきましたが、日本政府はこれらの勧告に全く向き合おうとしてきませんでした。そうした日本政府の姿勢が、「慰安婦」問題を否定する言説を繰り返させてきました。政治家たちまでも「慰安婦は商行為だ」と声を上げることで、被害者は尊厳の回復どころかますます傷を深めています。
昨年8月10日、私たちは「戦後60年世界同時水曜デモin 東京」に取り組み、小泉首相に一刻も早い解決を求める要請書と、55万筆を超える国際署名を韓国の運動体や被害女性らと共に提出しました。今年3月にも第700回水曜デモに連帯する行動を行い、小泉首相に一刻も早い解決を訴える要請文をお渡ししました。しかし、日本政府は相変わらず無視を続けています。国会では超党派の議員で「慰安婦」問題解決促進法案を提出してきましたが、政府は全く本気で取り組もうという姿勢を見せていません。
女性たちの高齢化は一層深刻になり、毎月のように悲しい訃報が届いています。小泉首相、どうか、「生きているうちに解決を! このままでは死に切れない」という被害者の最後の叫びをしっかり受け止め、小泉首相在任の最後の仕事として、被害者が納得する解決に早急に着手していただきますよう、強く要請いたします。
2006年8月9日
日本軍「慰安婦」問題行動ネットワーク
連絡先:〒169-0073 東京都新宿区百人町2−23−25売買春問題と取り組む会気付