61年前の8月15日、アジア地域諸国は大日本帝国の残虐的占領から解放されました。その解放は喜びをもって迎えられました。しかし、日本政府は第二次世界大戦中に人類に対して犯した罪の責任を認めようとはせずに未だに拒み続けています。そのために日本による残虐行為の被害者の多くは、その傷を今もなお生々しく実感しながら生きているのです。

1930年代から終戦までの期間、大勢の若い女性が拉致され、大日本帝国経営の慰安所で性奴隷とされ虐げられました。その犠牲者は韓国人、台湾人、中国人、フィリピン人、マレーシア人、オランダ人、東チモール人に及びます。
サバイバーの多くは深刻なトラウマを負い、そのうちの多くが当時の体験が原因となり、結婚し、子どもを産むという家庭生活を営むことができませんでした。
彼女たちに強いられた屈辱と彼女たちに対する犯罪は極東軍事裁判でもないがしろにされ、日本政府は彼女たちが必要とする謝罪と賠償の提供を拒み続ける理由の一つになりました。

元「慰安婦」女性は今や年老い、台湾ではサバイバーの大半が80歳を超えています。彼女たちは、正義の実現を見ずして息を引き取っていった仲間の被害者たちを目の当たりにし、怒りを抱いています。そして自分たちに対する過ちを日本政府が正さぬうちに自分たちも逝ってしまうのではないかと不安に思っています。


今年8月9日水曜日に台湾で開催予定の「V-Day デモ」は昨年のデモとは少々異なります。今年は元「慰安婦」女性、人権活動家、若い学生、フォーク・ミュージシャンや歌手が集まり、交流協会(注:日本大使館にあたる)前に向かい、コンサートを開きます。サバイバーの女性たちは、ミュージシャンや歌手のみなさんや若い学生たちと一緒に歌います。

コンサートでは31人の若い人々が31個の灯篭を手にします。
それは日本政府による正義と正当な謝罪を迎えることなく世を去った台湾の元「慰安婦」女性たちを象徴します。

今回は特に若い世代の参加を迎えることによって、亡くなった元「慰安婦」女性たちが心に安らぎを得ることができるようにとの願いが込められています。
これをもって元「慰安婦」女性に対して実現されるべき正義を台湾の若い人々が引き続き求めていくことを、亡くなった元「慰安婦」女性たちに伝えたいと思います。

若い世代を伴った力の集結をもって私たちは近い将来に次の目標を実現したいと考えます。

1.台湾で唯一残っている慰安所跡を保護し、それを第二次世界大戦中に大日本 帝国軍によって被害を受けた女性たちのための記念公園を設立する。
 この唯一の慰安所跡は台湾東部の花蓮の山岳地帯にあります。
 終戦以前に日本兵士はそこで大勢の若い先住民女性を強かんし、性的虐待を加 えました。そのような現場を人知らずして歴史の闇に葬ることは到底考えられ ません。この現場の保護における主な目的は、1945年以前に若い女性たちを  襲った不幸な出来事について、子どもたちや世間を教育することにあります。

2.台湾での女性に対する犯罪に立ち向かう運動の歴史を残す。
 台湾の元「慰安婦」女性、大勢の人権活動家、そして数多くの女性団体は、16 年間という年月を通して日本政府に対して正義を補償を求めてきました。その ストーリーは性奴隷とされた女性たちに限定されるのではなく、この運動自体 が台湾の女性史の一環を成しています。そのどちらもが保存し、歴史に刻むに 値します。

3.台湾での「慰安婦」制度及び日本軍による残虐行為の被害者に関する記念館を設立する。
  この記念館が、女性たちに起こったこと、そして台湾の歴史を若 い世代に伝えるための手段となることを願っています。

4.若い人々の間でさらに多くの有志を募り、すでに他界された被害女性及び今  生きている元「慰安婦」女性への補償を日本政府に対して求めていきます。


                           2006年8月9日
            台北市婦女救援社会福利事業基金会



      61年経過した今もなお
      元「慰安婦」女性は自分と家族に対する正義を待ち望む

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