80名を超える参加で署名運動交流集会成功
4月29日2時からエル大阪において、「4/29アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名運動交流集会」が、署名事務局の主催で行われ、80名を超える参加者がありました。集会は、問題提起と基地からの報告が中心の第一部、少人数形式で意見交換・交流を行う第二部(ワークショップ)からなり、また途中、沖縄の踊り「琉舞」が披露されるという盛りだくさんの内容で4時間を超える集会でしたが、時間の経つのを忘れるほどの熱気にあふれた集会となりました。
第一部の問題提起ではまず有事法制に関する提起があり、現時点では「もし有事法制が発動されたら」という危険性だけではなく、「法案が成立してすぐの、“平時”から」の危険性を問題にする必要性が強調されました。有事法制を軸に国民全体を巻き込む「戦争国家体制」作りは法律の成立後すぐに始まる危険性があるからです。
これに続いて報告されたのは、メディア規制法の危険性です。国民の知る権利を規制するこの法律の狙いが、マスコミ統制一般ではなく、政治家の、特に自民党の汚職・腐敗・横領・スキャンダルなどの報道を取り締まることにあること、規制の対象がマスコミだけでなく、ホームページなどで情報を発信する個人などをも対象にしていること、そして何よりも「軍事情報」が秘密のベールに隠される危険性が強調されました。戦争準備と言論弾圧・思想統制は一体のものです。
三つ目に提起されたパレスチナ情勢についての報告では、まず最初にイスラエルの平和運動の活動家であるギラ・スヴィルスキーさんからの全世界へのメッセージの紹介から始まりました。3月29日に始まった全面戦争の下、イスラエル国内で反動の嵐が荒れ狂う中で、4/27行動においてようやく「頭をもたげだした」ことが報告されました。また14歳の中学生3人がガザ地区の入植地の前でイスラエル兵によって射殺された事件に対する厳しい弾劾がなされました。射殺された後、戦車で轢かれ、顔が砕かれ、一人は遺体がまっぷたつに引き裂かれていたといいます。多数の民間人が殺され、腐乱した遺体の悪臭が虐殺の事実を伝えているというジェニンの虐殺の報告とともに、参加者は真剣に報告に耳を傾けていました。
最後に、署名事務局で作成中のアフガニスタンの被害の実相を伝えるパンフレットの紹介がありました。
基地をかかえる街からの報告では、沖縄と横須賀からの報告がありました。
沖縄の源啓美さんは、人間性の破壊と女性差別、人種差別が戦争遂行の前提となり、またそれが沖縄での米兵による相次ぐ凶悪事件の背景となっていると語られました。泥沼の中で若いベトナム人女性が生んだばかりの赤ん坊を抱いて走り去ったことを目撃した時はじめて敵も人間だと知り、以降海兵隊をやめ反戦運動に身を投じたネルソンさんの話など、女性、母性の視点を大切にした報告を行われました。また沖縄戦での住民殺戮、集団自決の生々しい報告は、パレスチナで殺されていく子どもたちの姿とだぶるものでした。
横須賀の筧璃恵子さんは、苫小牧市で3月非核都市条例ができたこと、横浜市瀬谷区の住民が土地の返還を米軍に要求しているなど「元気の出る」新しい運動の動きを報告され、「非核市民宣言運動・ヨコスカ」の定例デモや「平和船団」、厚木基地と横須賀基地の反対運動の連携などを報告されました。「ミニスカートでロングヘア」の頃から数十年にわたって「何だかんだ、かんだ」と闘ってきたという筧さんの話は、集会参加者を元気付け、明るい気分にさせるものでした。
基地の被害についてお二人の報告に共通していたのは、深刻な環境汚染の問題です。沖縄からはPCBや六価クロムの汚染や実弾演習の鉛による汚染、横須賀からは重金属物資の垂れ流しによるハゼの奇形、原子力空母寄港、母港化による放射能汚染の危険性が報告されました。
沖縄県出身で現在は東京在住の仲宗根京子さんによる琉舞が披露され、沖縄王朝の色鮮やかな踊りと、農民の娘の恋心を表した踊りに、会場から大きな拍手が起こりました。踊りの解説をされた源さんは、沖縄民衆の総合芸術としての琉舞への誇りと平和へのメッセージとしての意義を強調されました。
最後のワークショップでは、@沖縄での反基地運動と有事法制、A横須賀の反基地運動と有事法制、B東京での沖縄の現状を伝える取り組み、C有事法制、Dパレスチナの小グループに分かれ、それぞれ熱心な意見交換・交流をおこないました。
当面の署名運動との関係で、集会ではメディア規制法反対を署名項目に入れることが提起され、連休中も積極的に署名活動をしていくことが提起されました。
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