原則6
6 ビジネス界が雇用および職業差別を撤廃するよう、事務総長は求めた。
なぜビジネス界は関心を持つべきか?
この原則は何を意味するか?
ビジネス界に何ができるか?
ビジネス界はどのような基準を参照することができるか?
なぜビジネスは関心を持つべきか?
・雇用および職業差別により、労働者および技術の利用可能性は制限され、雇用者は地域社会一般から孤立する。
・差別をなくすことにより、適材適所が確保されるようになる。
・差別的慣行により、企業はその評判を損なうとともに、収益および株価にも影響が生じうる。
・労働界の差別的慣行は社会全体の経済成長を鈍らせる。寛容の気風が欠けることにより、グローバル経済において競争力を高めるための技能およびインフラストラクチュアが発展する機会が失われる。
この原則は何を意味するか?
・雇用および職業差別の本質は、「雇用または職業における機会または取扱の平等を無効にし、または損なうような、あらゆる区別、排除または選好」であり、それは「人種、肌の色、性別、宗教、政治的意見、国籍または社会的出身」に基づいてなされる。
・差別の対象とされる雇用に関連した活動には、雇用および特定業務へのアクセス、ならびに訓練および職業ガイダンスへのアクセスに加えて、平等報酬、労働および休憩時間、有給休暇、育児休暇、身分保障、昇進、社会保障、職業上の安全および衛生、といったさまざまな雇用に関する合意および条件が含まれる。
ビジネス界に何ができるか?
差別を生みだす原因
を理解することは、そうした実行を永続させる体制および姿勢を是正する第一歩である。
職場において
・企業は、資格、技能および経験が、あらゆるレベルにおいて、採用、職業斡旋、訓練および昇進の基礎となるような政策および手続を設けること。
・高いレベルにおいて平等雇用問題の責任を割当て、平等雇用に向けた実行の指針となる明白な企業政策および手続を設け、かつ、この分野において望まれる実行にむけた進展につなげること。
・技能開発訓練および特定職種へのアクセスを促進する計画を設けること。
・雇用、昇進、解雇、報酬、雇用および社会保障関連雇用において被雇用者を差別しないよう、および、特別な状況(育児、宗教祭日など)に配慮するよう確保すること。
・ある区別がその仕事に本来必要とされているものか否かをケースバイケースで評価し、かつ、特定のグループを組織的に不利とするような職業要件の組織的適用を避けること。
・人種、宗教、ジェンダー等ごとに、雇用、訓練および昇給に関する最新の統計をとること。
・差別についての申立てを取扱うための苦情処理手続を設置し、強化すること。
地域社会の活動において
・成人教育計画やヘルスケアサービス、子どものケアサービスといった職業の開発や促進の機会、ならびに寛容の精神を構築する地方自治体の努力を奨励し、支援すること。
・海外事業において、女性およびマイノリティーによる雇用への平等なアクセスを確保するために不可欠なものとして、文化的伝統に配慮すること。また適切な場合には、労働者、その組織および政府機関の代表とともに活動すること。
ビジネスはどのような基準を参照することができるか?
グローバル・コンパクトの労働原則は、1998年に国際労働機関(ILO)が採択した
「労働の基本原則及び権利に関するILO宣言」
(ILO Declaration on Fundamental Principles and Rights at Work)
に依拠している。ILOは、政府およびビジネス界(雇用者組織と労働組合)から構成されている唯一の国連機関である。それゆえ、このILO宣言は、グローバル・コンパクトの労働原則が世界中で促進されかつ保護される必要があるという労働関係者間の普遍的な合意を表している。すべての国は、その関連する条約を批准したか否かにかかわらず、このグローバル・コンパクトの労働原則を「誠実に尊重し、促進しかつ実現する」義務をおう。ILOは、グローバル・コンパクトを通して、ビジネス社会を支援するため努力する。
非差別に関するツールと資源
職業および雇用差別に関する国内法
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